YOUNG JEEZY
鳴り物入りでシーンに登場し、
強烈なインパクトを与えた YOUNG JEEZY も
新作 「THE RECESSION」 で気付けば早3作目となる。
個人的な感想としては、
毎作、楽曲単位で強烈なインパクトを受けるかというと、
そうでもないのに、
作品としての完成度の高さに舌を巻く思いだった
YOUNG JEEZY だったのだが、
今作も果たして、そのクオリティーは非常に高く、
彼の勢いの衰えを全くに見せない。
楽曲製作には DJ TOOMP 、MIDNIGHT BLACK 、
DRUMMA BOY 、SHAWTY REDD 、DON CANNON 、
それに J.U.S.T.I.C.E. と、
昨今の南部メジャーシーンに必ずと言ってよい程、
名を連ねているメンツが揃っている。
それこそ上記の製作陣は、
前回にも紹介した LIL WAYNE や T.I. の作品にも
当然のごとくその名を連ねている。
正に現在シーンにおけるトップのヒットメーカーを抱え込み、
大量消費社会に対し
大量消費を要求するような形の作品とも捉えられるのだが、
そういった意味で
オリジナリティーが損なわれているのかというと、
そうではないのだから面白い。
楽曲的に言えば、
作品として総体的に捉えどころのないオリジナリティーがあって、
それはむしろ LIL WAYNE や T.I. の新作と比較しても、
確固たる個性として顕れているように感じられる。
その点について更に言及するなら、
今回の主役、YOUNG JEEZY を筆頭に、
マイアミの RICK RO$$ 、ヒューストンの CHAMILLIONAIRE 、
この三者の作品に主立って見られる、
“FOOK と VERSE の融合” にこそ、
現在のシーンにおける新しいスタイルが
提唱されているのではないかと僕は捉えている。
語尾に粘り付くような引っ掛かりを持たせる、
独特のフロウを展開する YOUNG JEEZY は、
FOOKとVERSEの境目を超越した独特のグルーヴを確立し、
一聴して彼の存在を際立たせる。
三作目ともなるもうお馴染みのこのスタイルは、
未だ色褪せることを知らず、
フレッシュなインパクトを本作でも与え続けている。
行軍マーチのような勇ましい様相を称えた③や、
協奏曲を髣髴とさせるような④、
レクイエムを想起させる⑦など、
作品前半はゲストを配せず自身の味を存分に発揮している。
病的なまでに粘り気のある YOUNG JEEZY のラップは、
まず⑧で一度目の沸点を迎える。
針の振れ切れたかのようなアッパーな⑩、
PVカットされている妙味に溢れた⑫を経て、
ようやく⑬あたりからゲスト参加曲が並び始める。
⑬の ANTHONY HAMILTON と LIL BOOSIE 、
⑭のTREY SONGZ 、
⑯の KANYE WEST 、
⑱の NAS と、
実に抜け目ない人選が本作のクオリティーを代弁している。
個人的なお勧め曲は、
③、⑫、⑯が非常にタイトにまとまっていてカッコイイ。
本作に限らず、
YOUNG JEEZY の作品はこれまで、
知らぬ間に耳を惹き付けられてしまうという
彼特有のマジックに魅了されてきた。
本作も違わぬ出来栄えに大満足で、
聴けば聴くほど味の深みに驚かされる作品である。
オススメ度 8.5
(ラップ:1.6 トラック:1.8 キャラ:1.7 話題性:1.6 構成:1.8)










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