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2008年11月25日 (火)

Q-TIP

DR. DRE 「DETOX L.P.」 と並んで、

作品リリースに関し、

ここ数年出るやら出ないやら、

そんな噂が実しやかにささやかれ続けていた

Q-TIP の新作。

両作品共に既に都市伝説の領域にまで達しかねない勢いだったが、

この度、Q-TIP の実に9年ぶりの2NDソロ作として、

「THE RENAISSANCE」 がようやく発表された。

 

楽曲製作に関し、

全12曲中、9曲を自身が手掛けている本作。

かつてプロデューサーとして

最先端の位置を走っていた Q-TIP だけに、

その作品に対する業界人の注目度は

非常に高いものだと予想されるのですが、

実際、蓋を開けてみると、

機を逃した感が否めないというのが正直な僕の感想です。

作品自体、決して悪い出来ではないのですが、

それは先程にも書いた、

音職人としての彼を “時代の最先端” を

僕が意識し、期待した上での、

新作に対する評価に表れたものである。

2007年7月22日 (日)

BROOKLYN STYLE

今日紹介するのは、

FABOLOUS の新作、

「FROM NOTHIN' TO SMOETHIN'」 です。

 

 

まず注目したいのは、

DJ CLUE 率いる DESERT STORM が

DEF JAM 傘下に加入したことにより、

本作が DEF JAM 印で製作されている点です。

まあ、この FABOLOUS のアーティスト・イメージは

元々、DEF JAM のカラーに近いモノがありましたから、

それ程違和感があるってのじゃないですけど、

確かに気合の入り方がこれまでと違ってたりして、

そのあたり、ヒシヒシと感じさせられます。

どのあたりに彼の気合を感じるかというと、

まず、ちょっと頑張り過ぎじゃないか?!と思えそうなくらいの、

大作的な楽曲を必要以上に並べている点に伺えます。

それに伴い、

レイドバックした雰囲気が御馴染みの FABO のラップも

若干前のめり気味になっていたりして、

らしくないアグレッシヴさに満ち溢れていたりします。

特にその現象が顕著に顕れているのが、

AKON 製作、自らもゲスト参加した③、

JERMAINE DUPRI 製作、T-PAIN 参加の④、

JUST BLAZE 製作、SWIZZ がフックで煽りまくる⑤の

この流れの中に集約されています。

2007年7月16日 (月)

先生!先生!!

今日紹介するのは、

歴史的な一枚と呼べなくもない。

何せアノ KRS-ONE と MARLEY MARL が手を組んだ、

OLD SCHOOL最強の組み合わせによる一枚、

「HIP HOP LIVES」 ですから!

 

表題が表すのは、

もちろん昨年末に発表された NAS の新作、

「HIP HOP IS DEAD」 に対するアンサー的なモノを意味しています。

 

最近買った作品で

じっくりとリリックに耳を傾けて、

その意味を把握しようと努めたのって、、、

ほとんどないなあ。

ほとんど流すような状態で聴いているから、

ラッパーたちのスピットしているライムも

音の一つとして捉えているだけでした。

それが本作ときたら、

メッセージの一つ一つ、

パンチラインの一つ一つが、

ストンストンと耳に入ってきて、

KRS が次に何を言うか?!

興味を惹かれて仕方ない。

かつてこの音楽にのめりこんだ当時の

アノ情熱が再び焚きつけられたかのような作品です。

熱い!

とにかく熱い!!

何が熱いかって、

まず KRS と MARLEY のガチンコのぶつかり合いが

今更ながらに生々しいのです。

先生は怒っています。

この怒りという感情は、

ことこの音楽に関して言えば、

必要不可欠な詩情を生み出す一番の要素となります。

感情はやがて冷め行くもので、

そこに引き摺られる詩は、

惰性かそうでないか、

ハッキリと印象付けてくれるものです。

天性の詩人であった NAS にしても、

EMINEM にしても、

1ST作ほどに彼らの名声を決定付けることができなくなったのは、

1ST作の成功により得た地位や名声により、

彼らの生々しい怒りの感情が萎えてしまったからに他なりません。

・・・・・

話が外れてしまいましたが、

とにかく本作で先生は怒っています。

“HIP HOPが死んだ” と言われたことについて。

そうではなくて、

“HIP HOPが死んだ” と言われてもおかしくないような

現在の個性の発露を見失った、

現在のシーンについて、

彼は鼻息荒く、本気で怒りまくっています。

 

ループのオーソドックスな使われ方は、

昨今の流行なんぞまったく気にするそぶりも見せず、

まんまのスタイルで貫徹されているのが、

さすが生ける伝説、MAREY MARL 。

シンプルな②から KRS のキャノンが音に絡みつきます。

これぞキャノンの真骨頂とも言うべき、

小賢しいヒネりのないどストレートなリリックの④や⑥は、

歴史的なゴシップもふんだんで、

その分、先生のHIP HOPへの愛情の大きさを感じさせます。

2007年7月14日 (土)

NICE MUSIC

今日紹介するのはすごくナイスな作品です。

GANGSTARR のフロント・マン、

GURU が長年続けている別プロジェクト、

シリーズ第4弾となる、

「JAZZ MATAZZ VOL. 4」 です。

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このシリーズの素晴らしさは、

JAZZミュージシャンを多くゲストに迎えての

音楽的な要素の高さもさることながら、

毎作ごとにかなりしっかりしたコンセプトが打ち立てられた、

構成力の高さも大きな魅力と言えます。

ちなみに第4弾となる本作は、

JAZZ色の濃厚な第1弾の雰囲気に、

シンガー勢を多く取り入れた第3弾を

足して2で割ったような構成に仕上がっております。

 

昨今のメインストリーム色に侵されていない、

音の立ち方に丸みを帯びた奥ゆかしさを感じられる本作楽曲群。

製作総指揮を執るのは、

GURU ソロ作品関連でも御馴染みの SOLAR です。

太いベース・ラインのループがロウな、

SLUM VILLAGE 参加の①に始まり、

GURU とゲスト参加の COMMON のヴォーカルの

音との絡み具合が絶妙な②、

メジャー・コードに

ラガ・マフィン系のゲスト・ヴォーカルが映える③と、

展開はスロー・スターターながらに、

説得力のある展開で幕を開けていきます。

⑥、⑦のゲスト・シンガーをフックに迎えた楽曲もさることながら、

更に突き抜けた形で表現されたドラスティックな

BOBBY VALENTINO との⑧は、

なかなか昨今のHIP HOPと銘打つ作品群では聴かれない、

独特の味を出しまくっています。

イヤ、ホント、こんなの作れるのって、  

多分、この GURU の 「JAZZ MATAZZ」 か、

D.P.G. の DAZ の作品くらいなモンですよ。

トランペットのソロのブルージーなオケが映えた⑬に続く、

⑭ではBAY AREAの奇才ユニット、BLACKALICIOUS が参加し、

軽やかな口技を披露。

意外なほどにシックな⑮、

そして、現在のJAZZ SAXOPHONISTとしてはもちろん、

JAZZ界にとってもトップに君臨するアーティストとして有名な

DAVID SANBORN の参加する⑯で本作は幕を閉じる。

 

どこまでもロウで洒落ぬいた本作の構成は、

これまでのシリーズ作品と比べても

より大人味の増した、

芳醇な仕上がりを見せています。

 

オススメ度 7.9

(ラップ:1.5 トラック:1.7 キャラ:1.5 話題性:1.5 構成:1.7)

2007年7月 2日 (月)

イナセだね。。。

どーも、、、

3週間前に購入した6枚分の作品の内、

まだ未だに1枚しか開封していない YOU です。

今日こそはちゃんとMP3に落として、

聴くように努めてみます。。。

 

そんなワケで、

今日紹介するのは、

CAM 他、DIPSET 勢の作品でもお馴染みの

プロダクション・チーム、

THE HEATMAKERZ の新作、

「THE RUSH」 です。

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いわゆる狂ったビートが独創的な、

現在のN.Y.シーンの最先端といっても過言でない、

プロデューサー・チームの THE HEATMAKERZ 。

彼ら共々、

DIPSET 勢としての初陣の頃の衝撃は

未だに生々しく思い出されます。

よくもまあこんなイカレたビートに、

更にイカレたようなビート解釈をしたフロウを乗せれたものだ!!

 

本作では革新的とまでは言えませんが、

彼らなりに充分に狂ったビートが用意されていて、

そこそこに楽しめます。

今となっては懐かしい45回転ネタ使いとか、

結構、郷愁を突いてくる楽曲群が多いです。

そのくせ、ビートがエグい。。。

③とかなんて、

いかにも彼らの代名詞的なブチギレ方です。

こういうの、嫌いじゃありません。

⑩や⑭の楽曲としてのひしゃげ方も

非常にステキです。

逆に残念なのが、

参加しているアーティストが力量不足な点。

御馴染みの DIPSET からは、

②の J.R. WRITER 、

⑫の JIM JONES のみ。

この他、

⑥での PEEDI CRAKK は、

彼の最近の好調ぶりを充分に感じさせられるのですが、

その他は新進気鋭の若手が並ぶのみで、

少し面白味にかけてしまいます。

 

THE HEATMAKERZ の創り出す楽曲の魅力って、

やはりその変態的なオケに対するカウンターとしての、

変態的なフロウに相応するところが大きいのではないかと、、、

本作を以って改めて認識させられました。

 

オススメ度 6.5

(ラップ:1.2 トラック:1.6 キャラ:1.1 話題性:1.1 構成:1.5)  

 

 

2007年6月30日 (土)

スタイルは強い

前回時も書きましたが、

最近、更新する回数がメッキリ減った。

そもそも、仕事が忙しすぎて、

音楽にきちんと向き合えていない。

というのもあるし、

記事を書くのが億劫になった・・・

と正直なところ、

自身の怠惰な性分も原因にはなっているのですが。。。

  

まあ、

そんなこんなで、

このブログを続けていくべきかどうか、

正直、迷っていたのですが、

とりあえず、

形を変えてでも、

しばらくは続けてみようと思い立ったワケです。

 

そういうワケで、

今回から記事をもっとコンパクトにまとめてみます。

 

 

今日紹介するのは、

皆大好き WU-TANG から、

司令塔、RZA 製作のサントラ盤、

「AFRO SAMURAI THE SOUNDTRACK」 です。

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本作で押しなのは、

何と言っても③と④。

コレだけというのではないのですが、

もう、この二曲あれば、

メシを3杯は食えちゃう。

それくらい破壊力抜群です。

③は TALIB KWELI 参加、

④は Q-TIP 参加の楽曲となっているのですが、

RZA とこの二人の組合せは

かなり異色なカンジもあるのだけれど、

そのギャップが逆に効いていて、

めちゃくちゃカッコイイ仕上がりになっています。

ほんとシビレちゃう。

とにかく、

この二曲を聴くためだけでも、

本作を購入する意味はあるというモンです。

この他にも、

ループがキレまくりの⑨や、

BIG DADDY KANE と GZA の参加した⑪など、

WU ファンには涎モノの楽曲が並んでいます。

サントラ盤ということで、

楽曲の粒は極めてタイトなのですが、

そのあたりのボリュームについても、

腹六分目の喰い足りない感が

絶妙な引きを生み出しています。

 

本作を含めて、

RZA の噛んだサントラ作品は

どいつもこいつも皆秀作揃いです。

スタイルが強いんだよ。

 

オススメ度 7.7

(ラップ:1.4 トラック:1.8 キャラ:1.4 話題性:1.4 構成:1.7)  

 

 

2007年6月 9日 (土)

MAGNIFICENT

今回紹介するのは、

DJ JAZZY JEFF

bbe からドロップされる第二弾、

「THE RETURN OF THE MAGNIFICENT」 です。

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前作、「THE MAGNIFICENT」 が

同レーベルの人気シリーズ、

「THE BEAT GENERATION」 よりドロップされ、

非常に評価の高い作品だったその印象を、

6年の時を経て、

損なうことなく、

見事に再構築できているかどうか?

そこにまず焦点を合わせて聴き始めたのですが、

結論から言って、

③を聴いた時点で、

そんな低レベルな作品ではないということを、

確実に認識させられました。

それ程に、

今作もスバラシイ!

“音楽性” と書くと、

いかにも大業でワザとらしくて嫌なのだけど、 

とにかく作品を貫徹する芯の頑強さは、

昨今の作品群の中では浮いて見えるほどに

徹底されたブレのなさを感じさせる。

そしてそれが何よりカッコよくパッケージングされているのだから、

溜息を漏らしてしまいそうなくらい、

完成度の高い作品と言えるでしょう。

 

各楽曲の完成度の高さに輪をかけた、

厳選された秀逸のゲスト陣のヴォーカルにも

またまた溜息が漏れてしまいます。

DE LA の POS 参加の②、

RHYMEFEST 参加の⑥、

J LIVE 参加の⑦、

JEAN GRAE 参加の⑧、

BIG DADDY KANE 参加の⑨、

KARDINAL OFFISHALL 参加の⑩、

METH 参加の⑪、

C.L. 参加の⑫、

PEEDI PEEDI 参加の⑯。。。

この他にも、

名前はあまり知らないが、

しっかりした実力を備えるツワモノ共が、

決して、“総花的” というのではない、

それぞれの楽曲にしっかり地に足を付けた状態で、

各々のスキルを披露してくれている。

しかもそれらが一貫されたトーンの内に統制され、

本当に捨て曲がない。

昨年末紹介した DJ HI-TEK の作品にも伺える事だが、

やはりプロデューサーとして

シーン意その名を刻んだ者の作る自身のオリジナル作品は、

相当にカタい。

しかも、

bbe の 「THE BEAT GENERATION」 シリーズの系譜だもの、

まず間違いないでしょう。

 

オススメ度 8.5

(ラップ:1.7 トラック:2.0 キャラ:1.5 話題性:1.4 構成:1.9) 

 

2007年5月 4日 (金)

アンダーグラウンドの定義

アンダーグラウンドの定義って何なんでしょ?

特に昨今の音楽の世界では、

ジャンルの如何を問わず、

所謂、“アングラ” ってレッテルが付けば、

何でもカッコよく捉えられちゃう、

魔法のキーワードのよう。

メジャーでなく、

売れていないモノ全般を言うのじゃなく、

売れてないけど、

カッコいいモノを総じて “アングラ” と

カテゴライズしているのかな?

まあ、今日は、

そんな表題を持ってきはしたのだけど、

定義なんてここで云々するつもりはありません。

今日紹介するアーティストは、

このシーンで言うところの、

“アングラ” の代表格的な捉えられ方をしているので、

そんな冒頭になってしまいました。

 

というワケで、

今回紹介するのは、

EL-P の新作、

「I'LL SLEEP WHEN YOU'RE DEAD」 です。

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東の DEFINITIVE JUX 、

西の STONES THROW 、

と並び称される、

米HIP HOP界の二大アンダーグラウンド・レーベル。

両勢力は未だ力の衰えを見せることなく、

長年に渡り、

世界中からの絶賛を欲しいままにしている。

ここ日本での彼らの需要も尚高く、

熱心なリスナー、好きモノ、好事家達の耳を、

長らく満足させ続けてきた。

僕自身はスキルフルなラップをメインにした嗜好者なので、

扱うトピックスのアブストラクトでマニアックな

“アングラ” モノより、

メジャーに流れる傾向が強かったことは否めません。

ただ、

この二つのレーベルについては、

弥が上にも注目せざるを得ない。

彼らを無視できない、

それほどに、

DEFINITIVE JUX と STONES THROW の作品のクオリティーは

次元が高いと言えます。

・・・・・まあ、

今更、僕が言うまでもなく、

周知の事実なのですが。。。

 

それにしても、

久しぶりに EL-P の作品を買いました。

実質、前作から3年が経っているということです。

しかし、

蓋を開けてみると、

3年のブランクなんてまったく感じさせない、

良い意味で、

まったく変わりのない、

変態的な世界観が繰り広げられているのを

こうやって目の当たりにして、

安堵の溜息を漏らしてしまうほどでした。

 

EL-P の創造する、

狂気を孕む音の歪みは、

サイケデリックな緊張感を生み出す短いギターのリフ、

精神を蝕むかのような不協和音を組み合わせて生み出される上モノ、

都会的なせせこましさを描き出すビート、

これらに要約されるでしょう。

②や③はその典型といえます。

OLD SCHOOLを意識した④は

EL-P の作風には珍しいです。

AESOP ROCK をゲストに招いた⑦の

病んだドラム・ラインが流石です。

⑨のメロディアスなラインを使ったループというのも、

EL-P の作風には珍しいと言えるでしょう。

まあ、

それがストレートな楽曲に仕上がっているのか?

というと、

結局そうではないというのも彼の味なのですが。

作品終盤に差し掛かった⑪のイカレ具合なんか、

いかにも彼の本領発揮といったところで、

やはり一筋縄ではいかない、

東のアンダーグラウンド界を一身に背負って立つ、

彼の異才を堪能できます。

非情なN.Y.のブルース的⑬で幕を閉じる本作。

そのどれをとってみても、

昨今のシーンの流行にまったく触れていない、

怖いくらいにオリジナルな世界が描かれていて、

それは言葉を巻き込むようにして吐き出される彼のライムにも、

昨今では珍しい絶滅種的な独特のリリシズムを伺えます。

本当に一癖も二癖もある、

浮世離れしたような作品なので、

慣れないヘッズはアテられちゃうかも。

すごくステキな作品で、

僕自身、おいそれと一気にレビューを書くには

本作は完成度が高すぎました。

アングラ好きはもちろん、

アングラ聴いたことないって人にも

ぜひ勧めたい作品です。

 

オススメ度 7.6

(ラップ:1.6 トラック:1.7 キャラ:1.6 話題性:1.2 構成:1.5) 

 

 

 

2007年5月 1日 (火)

MIXなのに正規盤より。。。

連休の中休みではあるのですが、

もちろんというか、

貧乏暇なしの僕は、

今日も明日もお仕事です。

仕事に出掛けてると、

案外、通勤のラッシュがヒドくて、

何も働いているのは僕だけではないのだな。。。と、

当たり前のことながらに感じました。

 

さて、

そんなこんなはともかく、

今日紹介するのは、

MOBB DEEP のフロント・マン、

PRODIGY のMIX作品、

「RETURN OF THE MAC」 です。

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思えば、

このユニット、MOBB DEEP の経歴も、

波乱万丈ですよね。

決して、

デビューと同時にスターダムに駆け上がった、

というのではない辛苦を

彼らも舐めながらに、

ここまで這い上がってきているのです。

ここで多くを語るまでもなく、

それは彼らに与えられた多くの賞賛と栄光が、

雄弁に物語っているでしょう。

 

G-UNIT と契約を交わしたのが、

彼らにとってプラスに作用したのかどうかはともかく、

明らかに、

G-UNIT からドロップされた彼らの作品は

駄作でした。

作品の評価としても、

セールスとしても、

予想以上に振るわないその結果に、

僕自身、

大いに失望したのを覚えています。

 

本作は、

そんな G-UNIT 色から掛け離れたところで、

LOUD 以降の MOBB DEEP を支えた、

KOCH からドロップされた、

MIX仕立ての作品となっています。

 

その実態は、

PRODIGY 名義の作品ながら、

全曲プロデュースを手掛けた THE ALCHEMIST との、

二人三脚でのユニット作品になります。

MOBB DEEP と ALCHEMIST の関連性は、

今更切っても切れないものなので、

そんなに目新しいモノはないのですが、

しかし、

MOBB DEEP のファンに、

彼らに対し目新しい何かを望む者は少ないと思います。

それは、

G-UNIT にジョインしての彼らの失敗が

全てを物語っているのではないでしょうか?

そういった意味で、

最大規模の KOCH からとは言え、

インディーからドロップされた、

古くからの、

身内とも呼べる ALCHEMIST を配して作成された本作に対し、

身を焦がすような期待感はまったくないものの、

絶対的に信頼の置ける、

期待どーりの MOBB DEEP の在るべき姿を

本作では堪能できるのではないのでしょうか。

 

 

個人的な話をさせてもらえば、

僕はMIX作品には興味ない。

例えそれが “オフィシャル” と銘打たれていても、

所詮はMIX作品。

正規作品との差は、

作品の完成度や、

各楽曲単位での完成度に至るまで、

歴然たる差が出ている。

僕はDJをしないので、

その辺りに興味がいかない分、

逆に楽曲としての完成度や、

ラップの完成度に作品としての重点を置くのだと想います。

そんな僕が、

G-UNIT からドロップされた MOBB DEEP の前作より、

インディーからドロップされた、

MIX作品としての本作の方が、

余程マシだと思えるのだから、

それは前作が悪かったのか、

それとも本作が素晴らしかったのか。。。

まあ、その辺りは置いておいてもだ、

本作は確かに、

古くからの MOBB DEEP ファンにも

満足のいく作品ではないだろうか。

 

例えば、

今時、45回転の声ネタを持ってくる③にしても、

やはりその哀愁の漂い具合は、

MOBB DEEP のイメージに非常に近しい仕上がり具合だし、

SKITである⑤でさえ、

NEW YORKに根ざした讃歌を感じさせ、

ミニマムながらに、

PRODIGY の訴えるトピックスが、

ピンポイントでこちらに伝わってくるというモノ。

多少、仰々しくも、

安っぽい⑧や⑪などは、

MOBB DEEP と ALCHEMIST ならではの、

簡潔な安心感を演出しています。

個人的に、

本作内で一番好きなのは、

ループの中毒性を煽り立てる⑫だ。

古き良き時代の、

ループを大切にした構成が、

楽曲の全面に滲み出ています。

そのワリに、

楽曲としての完成度が低いというのは、

MIX作品ならではのご愛嬌といったところ。

 

一人の、

しかも実力の確かな、

トップ・プロデューサーが、

作品全体を通して、

製作、

監修しただけあって、

作品のまとまり具合は非常に固いです。

それこそ、

方向性の定まっていなかった、

正規版でもある、

G-UNIT としての前作と比較して、

本作の完成度の高さの方が、

数段上と言えるのではないでしょうか。

そういった観点から見ても、

断然、

本作は、

古くからの MOBB DEEP ファンにお勧めです。

 

オススメ度 7.2

(ラップ:1.4 トラック:1.6 キャラ:1.5 話題性:1.0 構成:1.7) 

 

 

 

2007年4月30日 (月)

革命家

このシーンにおいて、

音の革命家として、

長年トップをキープしつけてきた男が、

ここにきてようやく通算2枚目の、

自身名義での作品をドロップした。

それが今回紹介する、

TIMBALAND の

「SHOCK VALUE」 だ。

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音の革命家としては、

この 「SHOCK VALUE」 という作品の表題は、

正にお誂えなモノである。

これまで彼が起こしてきた

数々の音の革命的奇跡を、

本作で更に覆す、、、

というのが、

本作で描いた彼の青写真なのかもしれない。

 

 

ファースト・シングルとして切られた②は、

TIMBO 自身の力を借りて、

今、一番勢いのある二人である、

NELLY FURTADO と JUSTIN TIMBERLAKE の参加した、

アシッドで中毒性の高いチュ-ンに仕上がっている。

もちろんチャートでの成功も果たしているのだが、

この楽曲だけ見ても、

ヒット間違いなしと確信せずにはいられない楽曲である。

・・・・・まあ、

個人的に好きかどうかは別として。。。

そういった意味で、

本作全体をまず斬って放つとすれば、

僕の個人的な感想は、

そのタイトル、「SHOCK VALUE」 からして、

“音の革命” を期待したモノとしては、

存外に外れた作品のように思えなくもない。

例えるなら、

THE NEPTUNES の N.A.R.D. 名義の作品に対してと同じくらい、

つまらなさを感じてしまう。。。

 

なぜ、

このつまらなさを本作に感じてしまうのか??

それはごく個人的な嗜好から来ていることなので、

作品全体の評価として、

単純に受け取ってもらいたくないのだが、

要は、こうだ。

極度の “ラップ・ファン” の僕としては、

シンガーが多く埋め尽くしている本作の内容に、

どうしても物足りなさを感じずにはいられない、

というワケなのである。

もちろん、

トップ・プロデューサの面目にかけて、

シーンの大物ラッパーも幾人参加しているのだが、

何だか、

それがおざなりに思えるほど、

TIMBO のプロデュース・ワークと、

ゲスト・ラッパー達の掛け合いが

空回っているように聴こえてしまうのだ。

例えば、

DR. DRE と MISSY ELLIOTT 、JUTIN の参加した③などは

その最たるモノで、

まだ MISSY は良いとしても、

DRE がこの曲に参加する意味合いをまったく見出せないほど、

オケが DRE の個性を掻き消してしまっている。

この曲の面子が並んだだけで、

期待が倍増して膨らむだけに、

曲を聴いての印象の薄さが

あまりに残念でならない。

元相棒の MAGOO の参加した⑧も、

果たして、

ココに MAGOO のラップをあてがうべきか否かは、

甚だ疑問の残るところである。

唯一、本作中、

僕を満足させたのが、

50 CENT と TONY YAYO を迎えた⑥だった。

50 嫌いの僕が、

本作中唯一安心して聴けたのがこの曲だというのだから、

皮肉な話である。

ラッパー陣で有名どころはこの辺りくらい。

蜜月な関係にある JAY-Z の参加もないというのは、

ちょっと寂しい。

 

あとは歌モノがほとんどを占めている。

ラップ・ファンの僕としては、

確かに物足りない構成ではあるのだが、

まあ、これは、

TIMBO の才能がHIP HOP/RAPだけに留まらない、

R&Bを含むポップスとして成立している証拠でもあるのだろう。

珍しいところで、

ELTON JOHN が流麗なピアノ演奏で華を添えた

⑰なんかもあるが、

やはり僕としては消化不良というか、

全然面白味がないのである。

 

実際、売れているし、

この音楽シーンのみならず、

音楽性としての評価も高いであろう本作だが、

僕に掛かるとダメです。

好きな人にはゴメンなさい!

僕にはショックを与えられなかった模様です。。。

  

オススメ度 6.4

(ラップ:0.7 トラック:1.2 キャラ:1.5 話題性:1.7 構成:1.3) 

 

 

2007年4月29日 (日)

RED MAN WALKING

確か、向こう (米国) では、

「GIRLS GONE WILD」 というタイトルの、

すごくお下品なシリーズモノの映像作品があったと記憶しています。

パーティーで女の子たちがカメラの前で

乳放り出して踊り狂うっていう、

そういうタイプのヤツ。

SNOOP なんかが出てたりしてて、

BIT○H達のお尻をニヤニヤしながら眺めてたりと、

まあ、そういうカンジです。

きっとこういうのをTVで御馴染みの

田嶋陽子 女史らのようなフェミニストが見れば、

激怒すること請け合いの、

本当にヒドいシリーズなのですが、

こういう下世話なシリーズを文字って付けられたと思わしき本作。

今日紹介するのは、

REDMAN の6年ぶりの新作、

通算5枚目となる、

「RED GONE WILD」 です。

200pxred_gone_wild  

 

 

 

 

 

 

 

先にも挙げたように、

お下劣な映像作品のタイトルを文字っている辺り、

“熱心なポルノ映画のコレクター” を自称する

REDMAN にとっても、

イメージとしては近しいモノを感じます。

 

さて、

そんなタワゴトはさて置き、

本作についてまず、

述べるなら、

“劇画的” という表現が

コレ程に似つかわしい作品も他にないでしょう。

REDMAN にしても、

METHOD MAN にしても、

彼ら程にキャラクターナイズ化されたラッパーは

他に珍しいといえます。

確かに、

ある種のペルソナをブチ上げるラッパーにとっては、

極端なキャラクターナイズは、

起こりえる話なのだろうけれど、

ここまでコミカルに

象徴を作り上げるラッパーは

なかなか他にいないのではないでしょうか。

そういった意味で、

本作は REDMAN の経歴においても、

極端にその色の強い作品に仕上がっています。

そのあたりは、

やはり本作のジャケ写にも雄弁に物語られていると思います。

ちなみに、

REDMAN 作品のこれまでのジャケ写は、

なかなかにドラマティックな物語性を秘めた、

興味深いものばかりで、

結構、結構注目していたりもします。

 

 

前述した “劇画的” という意味において、

①からその強烈な異臭を放ちながらに、

平然と、

何事もなく、

作品を進行して行く REDMAN

クレイジーな様態が、

繰り広げられています。

これが、

第一線にいながら、

しかし、

6年ぶりに新作を出す者の、

平常なるスタイルなのでしょうか?!

特に注目すべきは、

TIMBO 製作の③、

そして、

硬派なハズの PETE ROCK が製作した④でさえ、

その色に染め替えている、

REDMAN の底意地と自力、

灰汁の強さです。

ここまで映像化されたキャラクターを見せ付けられると、

その世界観から逃れ出る術はありません。

⑦、⑧、⑨の流れも、

そういった布石が活かされ、

効果的に作用しています。

ROCKWILDER 製作の⑦、

SCOTT STORCH 製作の⑧、

ERICK SERMON 製作、

ERICK 自身と KEITH MURRAYBIZ MARKIE の参加した⑨の

淀みない流れは、

まるで爆発寸前のところで煮え滾っているマグマのごときです。

この中では特に、

⑨の KEITH MURRAY のキレ具合が群を抜いて素晴らしい。

久々に第一線級でその名を見ることとなる、

DJ CLARK KENT 製作の⑪は、

その曲調と、

フックを担当する READY ROC の声質とフロウが

在りし日の THE FUGEES を想い偲ばせます。

BOB MARLEY をFUNK色の強いサンプリングに敷き変えた、

METH 参加の⑬や、

続く⑭など、

これでもか?!って程に、

楽曲構成が単純化されていて、

脳裏に与えるインパクトが極ダイレクトなのが

本作の一番の特徴と言えるでしょう。

この傾向は、

確かに RED MAN 作品群で御馴染みの、

「SOOPAMAN LUBA」 シリーズで

その色合いを強めてきたのかもしれませんが、

“REDMAN = ERIC SERMON” という構図に

慣れ親しんできた古くからの彼のファンとしては、

ERIC SERMON の創り出す、

ドス黒いファンクのイメージと、

この “劇画的” と表現してしまう本作での作風の

そのイメージの誤差に、

思わず首を捻ってしまうのも事実です。

ただ、

首を捻ってしまうものの、

そのイメージの誤差が不自然な違和感を伴っていない、

というのも、

REDMAN 自身のキャラクター、

あるいはその実力の成せるところでしょう。

⑰のイカレ具合なんてその最たるところです。

ROCKWILDER 製作のユルめのオケに、

お下劣繋がりの SNOOP と NATE が加わった⑱も、

ちょっと異常なくらいヌケています。

少しシリアスさを取り戻した⑲を挟んで、

あとは 「SOOPAMAN LUBA」 シリーズで

作品を締め括りにかかりますが、

ここでの楽曲の在り方も、

昨今のシーンからは飛び抜けた形で、

正にドラマティックに、

展開して行きます。

 

 

確かに、

このテの作品は現在のシーンには

他に見られないだけに、

その特異性は浮き立っていますが、

果たして、

コレで売れるだろうか?

という点でいえば、

本当に “?” です。

昔のシーンのように、

レコード会社の思惑なんて介在しないところで、

各アーティスト達が、

己のスキルと世界観のみを追及して、

“オレが一番かっこええねん!!”

っていうのを丸出しにしてた頃なら、

こういう作品も大いに受け入れられていたんだろうケド。。。

大丈夫なのか、REDMAN?!

DEF JAM 的には、

彼や METH は

かなり扱いにくい存在なのかもしれません。

 

オススメ度 7.7

(ラップ:1.5 トラック:1.5 キャラ:1.8 話題性:1.4 構成:1.5) 

 

 

 

 

2007年4月14日 (土)

オーソドックス

今回紹介するのは、

昨年、2006年の10月頃にドロップされたですが、

世間の話題の端にも上っていなかったので、

あまり知られていない作品になります。

ベテランとして、

N.Y.スタイルの王道に据えられるべきラッパー、

C. L. SMOOTH の、

なんと、コレがソロ作品としては初めてとなる、

「AMERICAN ME」 です。

200pxamericanme  

 

 

 

 

 

 

 

PETE ROCK & C. L. SMOOTH として

シーンに強烈な爪跡を残している彼ですが、

結局というか、

取り上げられるのはどうしても相棒の PETE だけで、

C. L. の方はほとんど脇役扱い。

よく比較される DJ PREMIORGURU

GANGSTARR でも、

確かに PRIMO の天才性は別格として

シーンの歴史に取り沙汰されていますが、

だからといって GURU の扱いは、

C. L. 程にはヒドくないです。

MCとしてのスキルも

決して低いワケではなく、

ともすれば非常にクレバーな才能を

今も見せ付けてくれている彼だけに、

ソロとしてのデビュー作となる本作の

世間での興味の薄さがあまりに露呈していて、

なんだか C. L. に同情してしまいます。

 

さて、

そんなこんなはともかく、

本作の感想をまずダイレクトに伝えるとするなら、

“オーソドックス” という言葉に尽きると思います。

オーソドックスなN.Y.スタイル、

オーソドックスなオリジナル・スタイル、

オーソドックスなMC作品、、、

といったところです。

良くも悪くも、

奇を衒ったところのない本作風は、

これまでの彼の実績に裏打ちされた安定感も手伝って、

非常に重心の低い、

ガッチリと落ち着きを見せる、

大人の音楽を作り上げています。

しかしながら、

それが必ずしもHIP HOPにとって

プラスに作用する話でもないので、

そのあたりで、

本作の評価が大きく分かれていくポイントとなっているでしょう。

 

本作に大きな影響を及ぼしている脇役として、

昨今のN.Y.サウンドの新勢力の一端を担っている、

HEATMAKERZ が参加している点が

まず挙げられるでしょう。

②、⑦、⑭を製作しているのですが、

HEATMAKERZ 独特のブッ飛んだような作風は

ここではあまり見られません。

②、⑦はあまりにオーソドックスに過ぎて、

彼らの持ち味が見出せないほどです。

⑭だけは結構無茶な入り方からして、

ホーンのタギングをループさせているのが

微妙にカッコよかったりして、

面目躍如なのですが。。。

もう一点、

本作で目立っているのが、

NAUGHTY BY NATUREDJ KAYGEE

数曲でプロデュース参加しているのです。

彼は④、⑨、⑰でその名が見られます。

90年代初頭のファンとしては

この二人の組み合わせは

なかなか涎モノのコラボレーションなのではないでしょうか?

NAUGHTY で聴かせるような抑揚の深い、

メロディアスな展開の④、⑨、⑰は、

それぞれ確かに新しさはないのですが、

古き良きN.Y.マナーにのっとられた、

オーソドックスなスタイルを堪能できます。

本作中唯一、

⑪のみでかつての相棒 PETE ROCK との

競演が叶えられているのですが、

やはりというか、

この曲だけは本作中でも

群を抜いて完成度が高いです。

一聴してソレと判別できる、

独特の音世界を奏でる PETE と、

その世界観に違和感なく溶け込む C. L. のボーカルは、

別次元での融合を見ているかのようです。

それこそ、

90年代初頭に産み出された、

彼らの歴史的名曲の数々の内に

この曲が並んでいてもおかしくないほどに、

当時の雰囲気を醸し出している、

一番彼にとってオーソドックスともいえる楽曲です。

この他に、MIKE LOE というプロデューサーが

①、③、⑤、⑩、⑫、⑮、⑯の計六曲を手掛けている。

結構器用な人で、

③で JUST BLAZE 風なダイナミックな切り口を見せたかと思えば、

⑩で PRIMO ばりのスクラッチを絡ませたり、

⑫で本作参加の HEATMAKERZ のお株を奪うかのような

ドラスティックな構成を見せていたりとしている。

しかし、どれもパンチが弱いのが難だが。

本作中、個人的に一番耳を惹いたのは、

先に挙げた曲ではなく、

SQUARTA なるプロデューサーも製作した⑥の

郷愁に駆られるようなシンプルな楽曲です。

80年代中期のJAZZ FUSIONを想起させる

愁いを帯びたキーボードの上モノが、

C. L. のボーカルと相俟って、

当時のN.Y.の都会的な情景を

見事に描き出しています。

 

作品自体、

何度も言うように、

“オーソドックス”

な作風なので、

それこそ可もなく不可もなく、

非常にタイトにまとめ上げられています。

昨今の南部産の雑なMC仕事の作品に比べれば、

耳にするだけで安心感が与えられるでしょう。

その分、面白味がないというのも

揺るぎない事実ではあるのですが、

逆に今のシーンでこんなにド真ん中を突いた作品も

珍しいのではないかと思います。

 

オススメ度 6.8

(ラップ:1.5 トラック:1.4 キャラ:1.4 話題性:1.1 構成:1.4) 

 

 

2007年3月 6日 (火)

何故今になって?!

久々に紹介する作品は

新譜でも何でもありません。

買ったのは昨年の8月頃。

で、半年以上の間、

1、2回くらいしか通して聞いてなかったのですが、

半年以上経って、

何故か急にハマり始めたというのが、

今回紹介する作品の特徴です。

さて、皆さん、何だかわかります?

・・・・・

・・・・ 

・・・

それは、何と、

時代遅れも錯誤的なレゲトン作品。

元 NOREAGE こと、

N.O.R.E. の

「Y LA FAMILIA... YA TU SABE」 です。

200pxy_la_familia_ya_tu_sabe  

 

 

 

 

 

 

 

何故、今、半年以上も前の作品が?!

しかも、何故、今、レゲトン?!!

・・・・・

皆さんの疑問もよ~くわかります。

自分でもワケがわからん。

先にも書きましたが、

僕は本作を購入して半年以上、

この1月くらいまでほとんど聴いた覚えがありません。

一度だけ耳を通して、

あとはこの1月、2月あたりにあるであろう

新譜のブランク時期に合わせてのネタ用にとっておこう。。。

正直、そういう腹積もりでいました。

ところが、、、

車を運転しながら聴く本作の印象が

極めて素晴らしいのに遅まきながら気付いたワケです。

というより、

冷静に考えると、

ある影響をモロに受けての

今の N.O.R.E. のマイ・ブームがあるのかもしれません。

それはこのブログ内の1月頃の記事でも紹介した、

「BUENA VISTA SOCIAL CLUB」

という映画作品です。

この映画はキューバ・ミュージックのレジェンドたちの姿を追った、

音楽ドキュメンタリ作品なのですが、

この作品によって、

元々JAZZ嗜好者だった僕の血が、

ラテン・ミュージックに改めて目覚めてしまった・・・

そう考えてもおかしくはないでしょう。

 

映画の話はともかく、

音楽的にそれほど高尚とは言えないまでも、

ラテン・ミュージックの下世話な醍醐味というモノを

N.O.R.E. のこの本作では

十分に味わうことが可能でしょう。

ちょっとおバカな①も興味深いのですが、

何と言っても思いっきりアゲアゲな③などはその典型で、

ハッキリ言ってしまえば、

僕はこの曲があるからこそ

本作にのめりこんだと言っても過言ではないです。

FAT JOE 参加のこの曲は、

彼の活躍もさることながら、

N.O.R.E. と NINA SKY のブチキレ方が実に素晴らしい。

“dejala que puye que puye que puye ...”

思わずいきみながら口ずさんでしまいます。

メッチャかっこいい!

ラテンの血が騒ぐというのは正にこのコトでしょう。

そういう点では続く④も良い線いってます。

この畳み掛けるようなアゲ方は、

この音楽の単純ながらに絶対的に確立された、

何よりの魅力と言えるでしょう。

⑤による、

どこにでも顔を出そうとする DIDDY の節操のなさには

少なからずゲンナリさせられるのですが、

スキットを挟んで続く⑦での、

底抜けにおバカなカンジの丸出しなのが大好きです。

この曲で、

“実年齢は結構いってそうなのにムリしてロリ声作っている”

感じの満点な女性ゲストが

実に良い味を出しています。

アゲ方でいえば⑧や⑩、⑫の構成も

通常のHIP HOPマナーではありえないモノですが、

このムチャ振りが痛快ですね。

それにしても⑫のゲスト・ヴォーカルのフロウって

何だか SEAN PAUL のそれに似てません?

比較的に音楽性の高い⑨や⑪は

この音楽のもう一つの楽しみとも言うべき、

ラテン・ボーカルの醍醐味を味わうのにも

最適の曲といえるでしょう。

哀愁漂うメロディーに乗せられたその語感は、

スパニッシュをほとんど理解しない僕の耳に

力強い生命力を純粋に届けてくれます。

半分意味を解するような英語でないのがミソですね。

スパニッシュの耳心地の新しいヴォーカルが

抑揚の激しいラインに乗って歌い上げられるのを、

ただのバック・コーラスとして聴き流すだけでは非常に惜しい。

ぜひ皆さんにも耳を傾けてもらいたいです。

⑭では久々に耳にする JA RULE のライムがちょっと新鮮です。

続く⑮のイントロ部からの N.O.R.E. の畳み掛けるようなラインは、

レゲトン云々ではなくて、

元来から備えていた彼の本質的なラップの魅力が詰まっています。

彼が客演王として一躍シーンのトップに躍り出たのも、

その息巻く波状的な勢いがあったればこそ。

その鼻息荒いフロウを、

DADDY YANKEE 、NINA SKY らを従えて披露している、

この曲の豪華さにも注目したいです。

そして、最終曲となる⑰では、

本作中唯一ド真ん中のHIP HOPのオケで

締められているというのも興味深いです。

せっかくの攻撃的なビートなのだから、

こういう曲でこそ先ほど書いた

彼の持ち味となる攻撃的に畳み掛けるフロウを期待したかった。

少々残念ではあります。

 

とまあ、こんなカンジの作品で、

普通のHIP HOPファンにはなかなか手の出しにくい

雰囲気があるのもいなめません。

増してや、今更レゲトンだなんて。。。

そんな流行がどうとか屁でもない、

“音楽” が好きな人のために、

ぜひ本作をお勧めしたいです。

音楽的に決して高尚な作品ではないのだけど、

コレはコレで素晴らしいと思います。

 

オススメ度 7.3

(ラップ:1.4 トラック:1.7 キャラ:1.5 話題性:1.3 構成:1.4) 

 

 

2007年2月11日 (日)

昨今のN.Y.の柱

昨今のシーンを鑑みると、

南部勢力の隆盛、

西海岸の復権、

CHICAGOやDETROITを中心とするMIDWESTの若手の台頭など、

話題はメッカであるはずのN.Y.から

完全に手が離れている状態である。

しかし、だからと言って、

N.Y.が沈黙しているのかと言うと、

そういうワケでもない。

唯、大きなムーブメントがないだけである。

そんな中で現在も気を吐いているのが、

CAM'RON を筆頭とする DIPSET 勢と、

SWIZZ の復活により勢いを取り戻しつつある RUFF RYDERS 勢が、

今のN.Y.色を支える柱となっている。

そういっても過言ではないでしょう。

今回はその中から、

RUFF RYDERS 勢の中枢を担うメンバーの一人、

LOX STYLES P

新作 「TIME IS MONEY」 を紹介したいと思います。

 

 

 

 

個人的には LOX の中でも、

リードの JADA より、

断然好きなのがこの STYLES です。

1STソロとなる前作もお気に入りでした。

そんな STYLES が、

INTERSCOPE とのゴタゴタに巻き込まれながらも、

何とかドロップに漕ぎ着けたのが本作となります。

しかも、ドロップ直後に交通事故にあうわ、

プロモーションもままならないままレーベル移籍を発表するわ・・・

テンヤワンヤです。

 

 

さて、冒頭でこの STYLES を含む RUFF RYDERS 勢と、

CAM 率いる DIPSET 勢をして、

“昨今のN.Y.の柱” と称したワケなのですが、

その理由として挙げられるのが、

未だ彼らの音楽に地元に密着した地域性を感じられるという点と、

更にはその音自体が斬新でセンセーショナルであるという、

この二点に集約されているといえます。

そのあたりを踏まえた上で、

実際的に STYLES の本作を解説していきたいと思います。

 

まず、ド頭の①からしてイカレています。

野球で例えるなら、

試合開始の一番打者にめがけ、

第一球目からいきなりデッド・ボールで幕を開ける試合のような・・・

一聴してヒドいオケだと判断がつくほどに、

トびまくった構成が強烈なインパクトを残します。

フックとヴァースでドラム・パターンが全然違うのだから、

聴いていて気色の悪いことこの上ない仕上がりになっています。

続く②は一転してスタンダードな路線です。

ゲストの KWELI が主役然として曲にハマっているのも、

楽曲制作が HI-TEK なら当然頷ける話です。

更に一転して抑揚のあるウワモノに

モッタリとしたようなビートが絡む③は、

MOBB DEEPHAVOC 制作による曲。

かつての MOBB DEEP の不穏な緊張感を漂わせるビートは

この曲では見る影もありませんが、

この曲はこの曲でタイトにまとまっています。

続く④は SCOTT STORCH 制作による曲ですが、

ここまで②、③、④の流れを見て、

小首を傾げた人も多いのではないでしょうか?

この顔ぶれを見て、まず思い浮かぶのは、

何と言っても G-UNIT でしょう。

G-UNIT と言えば、

同じ INTERSCOPE に所属しながら、

50JADA の反目から

敵対している関係だったと記憶しているのですが、

まあ、まだ HI-TEKSCOTT STORCH は理解できるとしても、

G-UNIT に直属する MOBB DEEPHAVOC

敵対関係にある LOX のソロ作品に関連してくるってのは、

何か裏があるのだろうか???

そう深読みしてしまうラインナップです。

続く⑤で本作の本道ともいえる RUFF RYDERS らしい楽曲に

ようやく立ち戻ります。

プロデュースは SWIZZ の直系の弟子ともいえる NEO DA MATRIX

当の SWIZZ もフックで囃し立てるように参加しておりますが、

やはりここで特筆すべきは

LOXJADASHEEK の参加でしょう。

昨今を問わずHIP HOPにおいて

色々なクルー、グループ、ユニットがしのぎを削っていますが、

よく耳にするのは痴話ゲンカの話を経ての解散、

あるいは分裂話ばかり。

年を経れば経るほど関係の悪化が取り沙汰されますが、

この LOX なるトリオに関しては

ほとんどそういう話を耳にしません。

あえて “ANTI BAD BOY というところでこの三人が

深く繋がっているからかもしれませんね。

そう言う意味でかつてのレーベル・メイトでもあった MA$E が、

先程も書いた敵対関係にある G-UNIT に所属したと言うのも、

相対関係としては端目にオモシロイですね。

このインパクトの強い前半5曲分に比べると、

どうしても色の薄い印象を拭えない⑥に続き、

⑦では LIL JON 制作の曲上を AKON がフックを歌い上げるという、

実に豪華なラインナップです。

実際、楽曲自体はそれ程派手な印象はないのですが、

滲み出てくるような煌びやかさが備わっています。

同じ流れで、NEO 制作曲に JAGGED EDGE をゲストに迎えた⑧も

なかなかシブい構成です。

こうしてみると STYLES 自身、

ハードコアなイメージが先行し、

無骨な印象が非常に強いのですが、

幅広い曲上での柔軟なスタイルを垣間見ることが出来ます。

硬い声質に抑揚の小さいフロウが特徴の STYLES

実は情感のある曲にもハマるというのは、

この後に続く曲にも充分顕れています。

2007年2月 4日 (日)

アンダーグラウンドの太陽

200pxtru3magic  

 

 

 

 

 

 

 

#TitleProducer(s)Length
1 "True Magic" DJ Epik 2:51
2 "Undeniable" Rich Harrison 4:16
3 "U R The One" Minnesota 3:58
4 "Thug Is A Drug" Minnesota 2:52
5 "Crime & Medicine" Mos Def 3:08
6 "A Ha" Minnesota 2:35
7 "Dollar Day" Abdul Rahman 5:14
8 "Napoleon Dynamite" Preservation 2:01
9 "There Is A Way" Preservation 3:27
10 "Sun, Moon, Stars" Preservation 4:39
11 "Murder Of A Teenage Life" The Neptunes 3:25
12 "Fake Bonanza" Preservation 4:11
13 "Perfect Timing" Mos Def 4:13
14 "Lifetime" Preservation 5:47
 

 

コイツが以前の記事にも書いた、

ジャケ写も何もない、

MOS DEF の通算3枚目となる新作、

「TRUE MAGIC」 の簡略な全貌です。

確かに各種のHPで

本作のクレジットが明らかになっておりますが、

一体全体どういったワケでこんな暴挙に出たのだろう?

こんなじゃ絶対セールスに響くだろうに。。。

GEFFEN もよく許したモノだ。

 

 

さて、今回は作品についていきなり切り込む前に、

この MOS DEF なる人物像についての

僕のちょっとした所見を書きたいと思います。

多少飛躍した物言いになるとは思いますが、

現在のN.Y. HIP HOPの不振を招いた

一番の原因にあたるのが

彼なのではないかと僕は思っています。

今回の記事のタイトルにも書いた、

“アンダーグラウンドの太陽” 。

映画やCMなどでの露出から見ても、

現在の彼自身は

もう決してその枠にはまる姿ではないのですが、

そういったメディアとの関連性も踏まえて、

シーンが、あるいはオーディエンスが、

彼に求めたアーティスト性とはまったく別の道を進んだ今の彼に 、

“アンダーグラウンドの太陽” は

まったく似つかわしくない称号です。

もちろんコレは皮肉を込めた話です。

 

時は折りしも1998年。

BAD BOY 勢が全盛を極め、

それらに続くどメジャー路線が持て囃されていたその当時に、

アンダーグラウンドをそのまま背負い込んで、

燦然と現れた二人組、

MOS DEF と相棒の TALIB KWELI のユニットは

センセーショナルな印象をシーンに与えました。

N.Y.をHIP HOPの王国と例えるなら、

キングとしてN.Y.を統治するカリズマ、

BIGGIE 、JAY-Z 、NAS の後継として、

同じ1998年メジャー・デビューを果たしている、

このブログで “新人MC四天王” として紹介した、

DMX 、CAM'RON  、BIG PUN 、CANIBUS の四人より、

断然、MOS DEF の方がその地位に似つかわしい、

N.Y.純正の風格があったのを今も覚えています。

彼の場合、キングというより王子、

“暁の王子” というイメージが強く、

アンダーグラウンドより燦然と輝きを放ち、

やがてN.Y.は元より、

東西の地域を越えて世界にその暁光を届ける

HIP HOPのシンボル的な存在になるのでは・・・

それ程に彼の存在はカリズマティックで、

その発言や活動は注目に値する、

そういった王道を彼は歩んでいました。

。。。。。

話が長ったらしくなってきた。

ここらへんで端折りますが、

要は、

それだけ僕は、

あるいは当時のシーンは、

彼という存在に対し絶大な希望を見出していたワケです。

・・・・・

・・・・

・・・

ソロ・ワークスの第一弾はまだマシにしても、

そのタレント (才能) を

ラップの枠に留めておく事のできなかった MOS DEF は、

“音楽性" なる可能性を切り開く為に、

ROCK’N ROLLへと傾倒していきます。

まあ確かに、ROCKのルーツは

ブラック・ミュージックに連なっていると言いますから、

MOS DEF の言わんとしたいトコロも

分からないではありません。

1ST 中の 「UMI SYAS」 でその傾向を現し始めた彼は

続く2NDでほぼその境地に達してしまいました。

時代が RAWKUS の崩壊とも連なり、

新たに契約した GEFFEN からのドロップとなったこの2NDが、

シーンの表舞台で大いに取沙汰されるといった事は

起こるはずもありませんでした。。。

元相棒の KWELI が、

当時飛ぶ鳥落とす勢いだった KANYE  を招くなどして

制作された自身名義での初ソロ作をドロップし、

大成功を収めている姿は、

MOS DEF の凋落と併せて、

実に対照的だったという事をハッキリと覚えています。

 

 

どうも前置きが長くなってしまいましたが、

ここからようやく本作品にまつわる解説をしていきたいと思います。

HIP HOP 、

中でも純粋なラップのファンとしては、

このような MOS DEF や OUTKAST の ANDRE のような

“音楽性の追求” という意味でのラップとの乖離は、

僕には唯のHIP HOPへの背徳行為としか映りません。

映画出演に勤しむなんてもっての他です。

まあ、そういった反省を踏まえてかどうかは知りませんが、

もしかすると、

今回のジャケもブックレットもへったくれもない、

クリア・ケースのみでの本作のドロップとなったのかもしれません。

 

さて内容はと言うと、

反省があったのかどうかはともかく、

本作ではまともにラップをしています。

ただ、

かつての彼の魅力をそのラップに感じ取れないというのが

正直な感想です。

彼のスタイルはモッタリした声でラガ・マフィン調に発音し、

ビートに言葉を絡ませるモノで、

特にフックでその独自性が際立ちます。

本作においてもそのスタイルはデビュー時と変わらず

踏襲されているのですが、

その透明性というか、

ダイレクトに伝わっていたはずの彼の魅力が

確実に半減しているのを感じずにはいられません。

DJ EPIK の制作する小品のイントロ①から

MOS DEF はラップを披露しているのですが、

ここからしてキレがない。

足取りの重げなオケが特徴的な②では、

その様相が更に顕著に現れています。

最近、活況にその名前を見る MINNESOTA 制作、

③では柔らかい上モノのループが

モッタリした MOS DEF のライミングと絶妙にマッチしていて、

雰囲気を作り出していますが、

同じく MINNESOTA が制作した④では、

またも出足の遅いビートに耳心地が重く感じてしまいます。

⑤は MOS DEF 制作となっていますが、

これは皆さんの耳にも馴染み深いでしょう、

WU-TANG の GZA の 「LIQUID SWORDS」 で

すでにご存知の方もいるように、

RZA が制作したモノのアレンジ曲になります。

MINNESOTA 制作、

スクラッチが効果的に取り込まれたトリッキーな⑥を

巧みに乗りこなす様は、

さすがと言わずにはいられないが、

しかしながらインパクトに欠けるというのもまた事実。

⑦は JUVENILE の 「NOLIA CLAP」 でお馴染みのビートを

リメイクしたモノになります。

ここで MOS DEF の悪い癖が出始めてきます。

一応はライムしているのですが、

ほとんど歌の口調でやっつけているものだから、

思わず否定的な反応を示さずにはいられない。

⑧では奥深いオケ上で、

1ST VERSEの頭から

いきなり鋭い切り込み口のフロウを見せつけていて、

信用を取り戻すかに見えるのですが、

続く⑨、⑩では叙情感タップリに歌い上げてしまっています。

・・・ダメだこりゃ。

なんでなんやろ??

全然カッコよくないのに、

なんでそっち側に行きたがるんやろ?

理解に苦しみます。

⑪は THE NEPTUNES の手による楽曲で、

彼ららしくない非常にオーソドックスなピアノ・ループを主体にした、

シンプルなオケとなっています。

まあ悪くはないでしょうが、

突出して良いとも言えません。

シリアスな曲調にお馴染みの語り口がマッチした⑫に続き、

単調ではあるが幻想的に展開していく⑬が印象深い。

最終曲となる⑭では抑揚の効いたストイックなオケ上で

MOS DEF は唯ひたすら歌い上げているのみです。

 

 

ここまで紹介しても分かるように、

個人的な意見では、

本作は決して褒め湛えるべき作品ではありません。

それは彼がラップより歌に比重を置いているという、

その点を差っ引いて鑑みても、

やはり彼のアーティスト性に魅力を感じられないという現実にこそ、

本作に対するマイナス評価の要因が見られると思います。

ゲストが一人も参加していないというのも

この要因を裏付けています。

つまり、極論的な言い方をすれば、

本作が MOS DEF の

“究極的な独りよがりの作品である”

とも言えるのではないでしょうか。

そこには僕の求めるものは

残念ながら何一つありませんでした。

 

オススメ度 7.1

(ラップ:1.3 トラック:1.5 キャラ:1.7 話題性:1.2 構成:1.4) 

 

 

2007年1月 7日 (日)

どっちが主役?

一蓮托生という言葉があるが、

彼らの命運はそのボスたる THE NEPTUNES のそれと

正に一蓮托生である。

CLIPSE が放つ4年振りとなる新作、

「HELL HATH NO FURY」

今回は紹介しよう。

200pxhellhathnofury  

 

 

 

 

 

 

 

先にも書いた一蓮托生は、

彼ら、CLIPSE の二人にとって、

NEP が手掛けるレーベル、STAR TRAK

配給先であった ARISTA との間での

ゴタゴタに巻き込まれるという意味も含まれている。

大成功に終わった前作からの4年のブランクは

彼らにとってあまりに大きかったのではないかと

思わざるを得ないのだが、

いくら運命共同体といっても、

プロデュース・チームである NEP 

他から寄せられる仕事量に、

絶えずシーンの最前線でその名を轟かしていたのに対し、

まったく音沙汰のなかった CLIPSE には、

レーベルの問題がカルマとして

彼らに大きな影を落としたであろうことは

容易に想像できる。

 

それでも、

よくこの4年という期間を持ちこたえることが出来たと

彼らを賞賛せざるを得ない。

水物のシーンにおいて、

いくら大ヒットを飛ばしたからといって、

4年のブランクはあまりに長すぎる。

もちろん、彼らのこの期間がまったくの空白だったとは言わない。

ごく僅かではあるが、

ゲスト仕事も幾らかはこなしている。

しかし、彼らの輝きは、

それこそ一蓮托生、

NEP の超実験的なオケの上でないと

その光を放たないのである。

そして4年ぶりの新作。

そこに寄せられる期待とは、

NEP がどれほどの実験的なオケを用意できただろう?”

という点に集約されてしまっている。。。

 

 

本作をビートに括ってだけ評価して、

結論から言えば、

前作に劣らぬほどとまでは言い難いが、

しかしなかなかに素晴らしい楽曲群を取り揃えた秀作です。

現在のシーンにおいても、

これほどに浮いた楽曲群ばかりを集めた作品というのは

他にないでしょう。

その特異性が全然嫌味になっていない点も

本作の魅力の一つに挙げられます。

ラップに関して言及すれば、

MALICEPUSHA-T

この二人、前作から比較するとかなりの上達を認められる。

特に MALICE は、

前作ではほとんど存在感のなかったラップだった、、、

というより、

さすが兄弟ということもあってか、

PUSHA-T との聴き分けが出来ないほど

二人の声質が似通っていたのだが、

僕にはどうしても PUSHA-T の方が立っているように聴こえていた。

それが本作においては 、

多少聴き分け難いというのは相変わらずだが、

MALICE のライミングが格段に固くなっていて、

独自の存在感を放ち始めている。

PUSHA-T のそれは

更に伸びやかにビートへ寄り添うスタイルを確立しており、

こちらもレベル・アップが確認できる。

 

さて、本作を進行に沿って検証していってみると、

まず最初に耳に付くのが②だ。

無機質なハイハットが乱れ打たれる中で、

このフガフガに抜けた上モノが

非常にグルーヴ感をかき立てる。

この脱力した中で気の抜けたような声で、

“MIAMI VICE♪” とか言われても、、、ねえ?

続く③はREMIXが本作からのファースト・カットとなる楽曲だが、

オリジナルの方が思いっきり脱力している。

当ブログでお馴染みの HOSSYさん

自身のブログで紹介してくれていた、

BAY AREAの新人グループ、

THE PACK も素晴らしい脱力系だが、

やはりこのテの本家本元たる NEP の凄まじさは

どうしても侮れないであろう。

そして2NDシングルとしてカットされた④こそ、

僕が本作で一番推したい楽曲である。

イントロからいきなりクロいボーカルを聴かせてくれるのは、

THE GAME と共に、

僕が今一番期待している新人MCの一人、

SLIM THUG である。

オリエンタルな上モノにパーカッシヴなドラム・ラインが

絶妙にマッチしたオケ上で、

ここでは SLIM THUG のフックが一人勝ちしています。

スゴイ存在感のあるフロウだ。

カッコ良過ぎです。

オカルティックな不穏さを醸し出す上モノの⑤は

珍しく MALICE の攻撃的なフロウが楽しめます。

PHRRELL が珍しくファルセットを使わず、

控えめにフックをコーラスする⑦に続いて、

イントロ、フックのノリ具合が最強な⑧、⑨という流れは

本当に素晴らしいです。

特に⑨のアグレッスヴなビートは

体が自然と揺れ動きだしてしまうほどです。

CLIPSE 所有のレーベル、RE-UP GANG から

AB-LIVASANDMAN が参加しています。

(といっても、

現在の所、同レーベルは

上記二人の他にアーティストは見当たらないのですが)

⑪で実に気色の悪い上モノと

いつになくイカツいフックを聴かせ、

本作中唯一、色気を漂わせる、

BILAL が歌い上げ、

PHARRELL がバック・コーラスを勤める⑫で

本作は幕を閉じます。

 

先程、CLIPSE の二人のラップは

前作と比較して格段にレベル・アップしたと書きましたが、

しかし、

やはり何と言っても本作の見所は

THE NEPTUNES による実験的なプロダクションです。

ここは一蓮托生とか言っても、

やはり注目が集まるのはどうしても NEP の方。

どっちが主役だか分からないでもないが、

この点に関しては仕方ない。

で、肝心のそのプロダクションに関して言えば、

確かに前作ほど革新的ではないにしても、

昨今のシーンからすれば充分に奇異で、

新鮮な楽曲を楽しめるというのが

本作の最大の魅力ともいえるでしょう。

特に本作は全12曲という構成と、

かなりシンプル且つストレートに作り込まれた

タイトで変態的なオケが特徴的で、

前作と比較しても格段に耳障りの良い仕上がりになっております。

そのスマートさも含め、

僕としては本作中、④で耳にした

SLIM THUG の次作に俄然期待が高まる所です。

 

オススメ度 8.5

(ラップ:1.5 トラック:2.0 キャラ:1.5 話題性:1.6 構成:1.9)

 

 

 

それにしても、

彼らのP.V.って

出演してる女の子がすごく可愛いのが気にかかります。

前作からの 「WHEN THE LAST TIME」

PHARRELL と絡むグラスの女の子然り、

本作からの  に出てくるほとんど全てのモデルさん然り。。。

 

 

2007年1月 3日 (水)

ヤサグレ、ドサクレ、ハミ出し者達にピースを!

ATLANTAを中心に、H-TOWNやMIAMIやら

地域を挙げて盛り上がりを見せるSOUTH勢力の隆盛。

その隆盛の様を見て、再度復権に立ち上がった

WEST COAST HIP HOPの猛者達。

KANYEEMINEM らを中心に

新しい才能が次々と輩出されている、

CHICAGO、MOTOWN を含むMID WEST勢。。。

ではHIP HOPの聖地とされるN.Y.は??

・・・・・

ここ数年、まとまった形でのムーブメントというものを

ほとんど感じさせないN.Y.で、

唯一それらしいのが、

CAM'RON を中心とした DIPLOMATS 勢による活動です。

(果たして僕には、

“DIPLOMATS”“DIPSET” の違いが良く分かりません)

今日はその DIPSET の中心メンバーでもある、

JIM JONES の新作、

「HUSTLER'S P.O.M.E.」 を紹介します。

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JAY-ZDAMON DASH が袂を分かッた時点で

DAME 側だった CAM 及び、DIPSET 軍は

ROC-A-FELLA からの脱退を余儀なくされますが、

現在最大手のインディー、

KOCH といち早くディールを結んだ彼らの

それからの活動の活発さには目を見張るものがあります。

もともとMIXテープなどを使った

ストリートに近い活動が得意だっただけに、

性が合っているのか、

DIPSET としての活動と、

それぞれのソロ活動をまるで波状攻撃のように仕掛け、

インディーながらにきっちりと成果を残し、

N.Y.のストリートからの支持を得続け、

自らのブランドを確立させているのが彼らの強みです。

 

そんな彼らにあって、

メンバーの頭脳を司っているのがこの JIM JONES です。

ライナーの中でもありますが、

彼はラッパーとしての活動だけでなく、

プロデューサー業、P.V.や自主映画のディレクター業、

DIPLOMAT RECORDS のCO-CEO業を兼務し、

その多才振りを発揮しています。

ゲスな言い方をすれば、

要は何にでも噛みたがる出しゃばりだと

取られないでもないのですが、

何故か気になってしまう憎めないヤツです。

 

そんな JIMMY の通算3枚目となる本作。

相変わらずヤサグレていて、

まるで昔の DAZ を髣髴とさせる出来映えを

今作でも披露してくれています。

まず、JIM JONES のラップの特徴は

なんと言ってもその物憂げな発声とヤクザな物言いにあります。

鼻から抜けるような発声で

ライムの語尾をビートに引っ掛けることによって、

いかにも煩わしそうなフロウを完成させた彼のスタイルは

決してテクニカルとは言い難いですが、

味のあるラッパーとして存在感を放ちます。

楽曲群に関しては、

THE RUNNERS やメンバーの CHINK SANTANA 等の

お馴染みのプロデューサー陣を取り揃えた他、

DIPSET 特有のまったく目新しい名前も多く並んでいます。

中でもまず最初に耳に付いたのは、

大将 CAM 、若頭 JUELZ SANTANA らをゲストに迎えた、

うねるような上モノが特徴的な⑥です。

制作は CRISTAL CHILD という人物。

このイカレたビートは尋常じゃありません。

が、それを悠然と乗りこなす DIPSET 最重要人物の三人が

これまたスゴイです。

DIPSET 関連はN.Y.の王道スタイルとは異なる、

実験的なビートと、

それに劣らぬ実験的なビート解釈を展開してくれていて、

そのあたりがすごく新鮮だったのですが、

今作のこの曲でもそのスタイルは踏襲されていて嬉しいです。

続く⑦はメンバー内から JHA JHA が参加し、

リードを務めているのですが、

ここで見せる彼女のラップの上達振りに

思わず目を見張ってしまいます。

これまでそのスキルの稚拙さだけが目立っていた彼女ですが、

ここでは目が覚めたかのような活躍を見せています。

その独得の声の活かし方を、

最大限に活用したフロウが

たまらなくコケティッシュで素晴らしい。

⑨は JIMMY が現在ビーフ中の

JAY-ZG-UNITTONY YAYO に向けて発せられた

ディス・ソングになります。

ちなみにここでは収録されていませんが、

この曲は P. DIDDYBABY T.I.

YOUNG DROJUELZ

超豪華なゲストを加えたREMIXが有名です。

⑬は楽曲自体は凡庸なのですが、

外部からゲスト参加している LIL' WAYNE との相性が

コトのほかシックリきています。

そういえば、

LIL’ WAYNEJUELZ SANTANA

近々コラボ・アルバムを出す予定だそうなので、

そのあたりの繋がりを感じさせます。

⑭は今となっては懐かしい45回転でのネタ使いが

逆に新鮮です。

結構まともな楽曲に仕上がっているのがマジックです。

⑰なんかを聴いていても、

楽曲としての構成に興味深いものを覚えるのですが、

このあたり、フックの作り方に起因しているのかもしれません。

そういう意味で、幾多のMIX仕事も含め、

作品作りに小慣れたカンジがありますね。

そういう点も鑑みて、

WARNER のA&Rに抜擢されているのも頷けてきます。

そして、本作中、

僕が一番注目していたのが⑲になります。

この曲は “2006年ベスト・シングルTOP10” のランキングに

4位で挙げたほど気に入っています。

いつもの物憂げな JIM JONES のラップが、

ここでは疾走感溢れるビートに駆られ、

魂に訴えかけるところのあるフロウに変化しているのがオモシロい。

非常にタイトな小品ですが、

クオリティーが高く、

しかもこんなヤサグレた楽曲群の中では浮き上がっているので、

弥が上にも耳に付いて離れません。

らしくないカッコよさを湛えた素晴らしい楽曲です。

 

先程も書いたように、

DIPSET の扱う作品群は多少ヤサグレ感があり、

どことなく昔の DAZ の作品に見られたような

ヤクザな印象が強い。

それはインディーならではの、

しかしそこから新しいトレンドを発信しているという自負が、

その印象を強める作用を及ぼしているのだろう。

だから諸作品群はそれになりにクオリティーが高く、

しかもストリート性も強いモノになる。

これは昨今のシーンからすれば亜流の系譜となるのだが、

この道を邁進する DIPSET 勢には一寸の躊躇いも見られない。

本作においても、

BILLBOARD のチャートで初登場6位を記録し、

売り上げももうすぐゴールドに届く勢いなのだから、

さこらへんの冴えないメジャー作品より、

余程儲けの割がいいだろう。

(確か、インディーで10万枚売れれば、

メジャーでプラチナ売れたと同等の価値があるらしい)

しかも JAY-Z とのディス合戦も絡めて、

絶えずシーンの最前線へ話題を振りまくことにより、

自らの作品の販売戦略にも繋げるあたり、

やはり JIM JONES は唯の出しゃばりなだけではなさそうだ。

 

オススメ度 8.0

(ラップ:1.5 トラック:1.7 キャラ:1.7 話題性:1.6 構成:1.5)

 

 

2007年1月 2日 (火)

もっと魚喰わせろ!

まさかこのタイミングで新作をドロップしてくるとは

想像だにしなかった、、、

今回はそんな

GHOSTFACE KILLAH の新作、

「MORE FISH」 を紹介します。

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2006年の5月に、

通算5枚目となるオリジナル・アルバム、

「FISHSCALE」 を発表したばかりで、

12月に更に新譜だなんて!

それだけ GHOSTFACE が勢いに乗ってるってコトかな。

それにしても、

彼のこれまでの全作品に関して、

悪い評価を聞いたことがないのですが、

それこそ彼の強みなのでしょう。

特に、これは前作のレビュー時にも書きましたが、

WU 全体が混迷する昨今において、

古くからのファンは彼らに対し

原点回帰を希望する傾向にあるのですが、

GHOSTFACE にだけは、

そのままの進化を見守る余裕というものを

ファンは持ち合わせているようです。

それはかれが創造し続ける音楽性に

一寸のブレも感じさせない、

完全なベクトルを見出せる故の賜物なのです。

WU に限らず、

自身の音楽性をここまで貫けるアーティストというのも

他に珍しいでしょう。

さて、本作では

GHOSTFACE のどんな顔を伺うことができるのか?

ファンにとっては期待に胸を膨らませながらも、

唯々安心して作品を聴き進めていくことが出来ます。

 

 

まず本作について言えることは、

その作品タイトルからも分かるように、

今作は前作の続編にあたる位置付けだということです。

並べられた楽曲群も系統を継いだように、

実に実験的なものが並んでいます。

しかもこれが妙にシックリ馴染んでいるのだから、

さすが GHOSTFACE と感服せずにはいられません。

しかしながら、

さすがにこのハイペースでこしらえたとあってか、

多少、手抜きの部分も垣間見られるのですが、

そのあたりにも注目しながら作品の解説を進めていきましょう。

 

まず、手抜きと中傷するワケではないのだけど、

いきなり幕開けの①から、

ERIC B. & RAKIM 「JUICE」

まんま使った曲から入る点に驚かされます。

最近の JUST BLAZE

よく PUBLIC ENEMY をリバイバルさせていますが、

それでも多少加工されているのですが、

ここではまんま流れているので、

ほとんどMIXテープ状態。

でも、このオケと GHOST の相性がかなり良いので、

まったく違和感を覚えません。

この曲の他にも、

①程ではないのだが、

⑪では HI-TEK の作品で収録されていた 「JOSEPHINE」

ヴァースを少し変えて収録されていたり、

最終曲となる⑰で、

前作 「FISHSCALE」 に収録されていた

「BACK LIKE THAT」 がREMIXという名の元に、

ほぼそのままの形で再現されて収録されていたりする。

まあ、これらの曲が

そこらにあるようなMIX程度の出来映えなら

僕も文句をつけるのだけれど、

そこはぬかりないクオリティーの高さを誇っているので、

良しとしないワケにはいかない。

他に気になったところでは、

作品中の THEODOR UNIT メンバーの参加率の高さだが、

この点に関して言えば、

本作は JAY-Z でいうところの 「ROC LA FAMILIA」 に相当する、

ファミリーお披露目的な意味合いも

作品に持たせているのかもしれません。

メンバーの中心を担う TRIFE を筆頭に、

CAPPADONNASHAWN WIGS らが

本作内で大活躍しています。

といっても、

やはり CAPPA 以外のメンバーはまだ

ラップの稚拙さが見え隠れしているのですが。

外部ゲストに関して言えば、

前述の⑪での THE WILLIE COTTRELL BAND

最終曲⑰での KANYE WESTNE-YO との共演はもちろん、

⑩での REDMAN

⑬での LOX の SHEEK との共演は

意外性があってなかなか新鮮です。

楽曲に目を向けていくと、

③のクレイジーさがまず耳に付きます。

制作は M. F. DOOM が担当。

さすがです、このイカレ具合。

M. F. DOOM は他にも⑮でその辣腕を振るっていますが、

GHSOATFACE との相性が余程いいのか、

今年2007年に、二人によるユニット、

SWIFT & CHANGEABLE として

作品をドロップする予定だそうです。

これは楽しみだな。

更に実験的な作品が期待できそうです。

④のループの素晴らしさも特筆すべきでしょう。

楽曲のイントロ部からして一気に耳を惹き付けられたこの曲、

サンプリングの素晴らしさを再認識させられるような、

奇跡的なループを描き出しています。

EARTH, WIND & FIRE「LOVE MUSIC」 を使った⑤は

多少ベタ過ぎるところが気に掛かりもするのですが、

楽曲としてしっかり作り込まれているので、

まあ良しとしましょう。

アシッドな雰囲気の⑦は MADLIB 制作によるモノ。

前述、REDMAN 参加の⑩は

もうコレは完全にイってしまってます。

ここでの REDMAN のキレ具合が最強です。

続く⑪は先程も書きましたように、

僕の大好きな 「JOSEPHINE」 です。

ここではオリジナル(?)で参加していた

PRETTY UGLY の代わりに、

TRIFE が参加している他、

GHOST が2ヴァース分ライムしています。

僕としては HI-TEK 盤のオリジナルの方が好きですが、

やはりこの曲は素晴らしい。

本作中唯一、まともなオケのように思える⑫に続いて、

前述、SHEEK 参加の⑬が、

またエラいコトになっています。

ここでの SHEEK は、

LOX 時では見られなかったような

ズルムケ具合を披露してくれており、

正直、驚かされました。

LOX 三人の中で一番地味な印象のあった彼ですが、、、

そうか、こんなコトも出来るのか。。。

と、見直した次第です。

続く MARK RONSON が制作した⑭の構成が

これまたオモシロい。

まるで日本の昭和の歌謡曲のような節回しのオケ、コーラスが

GHSOTFACE の人情味を誘うラップと非常に良くマッチしている。

ここまで濃い味噌味のオケを

自分のモノとして料理できるラッパーは

やはり GHOSTFACE をおいて他にいないだろう。

この曲を作った RONSON GHOSTFACE

どちらも素晴らしいです。

前述、M. F. DOOM 制作による

崩れたモラル感を問い質されるような⑮に続いて、

やや凡庸な⑯、

そして、同じく前述、 KANYE 参加のREMIX名義⑰で

本作は幕を閉じます。

 

 

THEODORE UNIT の面々のラップの稚拙さが

多少引っ掛かりはするのですが、

しかしながら、

GHOST 自身の立ち位置がツボを押さえていて

非常に素晴らしいです。

目立ち過ぎず、

きちんと存在感を放っている。

特にビートと対面した彼の姿勢が目に浮かぶように分かるほど、

調和の取れた結果を残しており、

そのあたりに益々彼の評価を高める要因を見出せます。

実際、本作は先にも書いたように、

手抜き感が伺えたりするのですが、

それも込みで作品としての完成度を高めているように思えます。

そういった意味では充分満足のいく秀作なのですが、

近場のメンバーを使い過ぎているだけに、

コンパクトにまとまりすぎたきらいもあります。

僕個人としては、

稚拙なメンバーのラップを排除した形で、

もっとガチで GHOSTFACE のテクニカルなラップを

正面から捉えた作品を聴いてみたいです。

そういった点で、

今後ドロップされるという M. F. とのユニット作品は

大きな期待が掛かります。

 

オススメ度 8.7

(ラップ:1.8 トラック:1.8 キャラ:1.9 話題性:1.6 構成:1.6)

 

 

2007年1月 1日 (月)

新年の一発目は王道で

2007年の記念すべき一発目を飾るのは、

やはり王道中の王道、

NASDEF JAM 移籍後初となる新作、

「HIP HOP IS DEAD」 です。

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その題名が話題を呼んでいることもさることながら、

やはりこの話題に触れないワケにはいかないでしょう。

かつてのライバル、JAY-Z との電撃的な和解から、

更に衝撃的な DEF JAM 移籍へと、

正に絵に描いたような計画的な NAS を取り巻く環境の変化。

コレに関して言えば、

今になって振り返ってみると、

NAS は完全に JAY-Z の掌の上で

踊らされているように見えてきます。

もしここまでの筋書きを計画して

NAS とバトルをしていたというなら、

JAY-Z の青写真に今更ながらに感服せずにはいられない。

。。。。。

そんなこんなで古巣の COLUMBIA から

初めて離れて新作を出すことになった NAS だが、

メジャー路線が露骨な DEF JAM カラーとの

相性は如何に?!

というのが、

まず本作の注目点になるであろう。

 

 

結論から言えば、

本作は思った以上にロウな作品で、

その硬派な NAS のイメージは

DEF JAM によって傷付けられることなく

見事にパッケージされている。

もう少し突っ込んだことを言うと、

ハッキリ言って、

先頃カムバックを果たしたもう一人のKING、

つまりレーベルの頭でもある JAY-Z の新作と比べると、

本作の素晴らしさが際立つほどである。

 

JAY-Z の新作と比較するまでもなく、

本作は秀作である。

まず幕開けの①の最初のヴァースに出てくる

“BRRRAT!” の部分の巻き舌からして、

早速に心奪われてしまったのだが、

この時点で、

本作が良作である予感はヒシヒシと伝わってきていた。

その予感は楽曲を聴き進めていく内に

どんどん確信に変わっていく。

まず、何が良いって、

楽曲がそれぞれイカツく色気のないところが良い。

NAS 関連作品ではお馴染みの L.E.S. 制作となる

前述の①を筆頭に、

SCOTT STORCH 制作の③、

先日訃報が届いたばかりの巨星 J.B. をサンプリングした、

鬼のようなイカツさを誇る、

NASSALAAM REMI 連名での制作曲④、

そして最近そこら中でその名を見かける、

BLACK EYED PEAS の首謀者、

WILL. I. AM 制作のゴリゴリなファンクネスがらしくない、

アルバム・タイトル曲となる⑤と、

作品の入り口は非常にロウな構成になっている。

これは DEF JAM 移籍に伴い、

NAS がまたそっち方面に行ってしまうのではないか?

という懸念に対しての挨拶代わりの牽制とも受け取れる。

特に④の J.B. 使いと、

⑤の定番 「APACHE」 使いは、

ベタだが牽制として非常に効果覿面に効いていて、

続く SALAAM REMI WILL. I. AM 連名制作となる、

トびまくったオカルト的雰囲気の⑥や、

本作中、間違いなく一番注目されるであろう

JAY-Z と初めてボーカルの並んだ楽曲となる⑦の

そのオケのあまりの大業さも、

前述の牽制による影響下に収められている。

それにしても、

やはり NASJIGGA の声が並んでいると、

聴き慣れていないので何だか耳がこそばゆい。 

個人的には一番好きな⑧は、

2ND収録の 「THE MESSAGE」 にも似た

哀愁漂うメロディー・ラインが流麗なのだが、

ここで入る妻、KELIS のボーカルは不要なのではないか?!

と非常に残念に思っている。

歌モノのフックなんてなかったらこの曲の印象が

もっともっと向上したであろうに。。。

本当に惜しい、しかし良い楽曲である。

続く⑨は KANYE WEST が制作し、

ゲストとしても参加している。

KANYENAS の共演というのも

これまで考えられなかったのだが、

これも DEF JAM の威光の賜物である。

で、その相性はというと、

それほど特筆して素晴らしいと褒め称えるようなものでは

正直ないのだけれど、

それにしてもこのオケの中毒性は物凄い。

一聴した限りにおいては大した印象も残さないのだが、

繰り返し聴く内に、

そのループとフックの中毒性にいつの間にか耳を奪われている。

このあたり、さすがに KANYE の才気を覗わせる、

非凡なモノを感じさせらる。

作品中でも異色なのは⑪だということが

一聴してお分かりになるだろうが、

このビートの薄い曲を制作したのは、

なんと、PHILADELPHIA で活躍する現役の NBA プレイヤー、

CHRIS WEBBER だ。

楽曲自体の良し悪しは言わずもがなだが、

それにしても、NBA プレイヤーの中で

ラッパーとして作品を出したというのはよく聞く話だが

SHAQA.I.TONY PARKERRON ARTIST など)、

プロデューサーとしてクレジットされたっていうのは初めて聞いた。 

(後で調べたら、“C. WEBB” 名義で作品も出している!) 

ドラム・ラインの特徴的な KANYE 制作の⑫に続いて、

SCOTT STORCH 制作、SNOOP 参加の⑬、

WIIL. I. AM 制作の⑭、

DRE 制作、THE GAME 参加の⑮と、

このあたりの流れは非常に豪華である。

さすがに DEF JAM の威光がチラついて見えなくもないが、

そういう下世話な話を抜きにしても充分にクオリティーが高い。

例えば SNOOP との掛け合いが妙に新鮮な⑬の

楽曲後半に向けてのアガり具合だったり、 

⑭での WILL. I. AM の‘60年代を意識したかのような 

シックなオケだったりは、

なかなか構成的にも面白味がある。

⑮でいえば、DRE の作る楽曲自体は凡庸なのだが、

THE FIRM 以来となる NASDRE の迎合は

なかなかに感慨深く、

しかもそこに自身の作品では見られなかった

THE GAMEDRE との迎合を見出せるというのは、

更に興味深い。

それにしても THE GAME は相当意識しているのか、

その発声から発音、フロウの仕方に関して、

かなり NAS のそれに近いものを感じる。

彼の担当する頭の数ヴァース分は

本当に瓜二つで、聞き分けられないほどである。 

 

アーティストが描き出す創造力、

オリジナリティー、

進化、発展、向上、あるいは停滞、退化、

それらに対して、

水モノのシーンの流行、

さらには、

ファンがアーティスト・イメージに対して求めるもの、

そういった全てが噛み合うというのは

なかなか難しいことなのだが、

ことにこの NAS の場合、

彼の不器用さがダイレクトに反映されるように

これまでの作品に “非クラシック” のレッテルを受けてきた。

それは彼が負ったカルマなのだが、

新たなレーベルへ移籍したことによって、

確かにこれまでになかった NAS の魅力を

本作によって楽しめることが出来る。

そういう意味で、

DEF JAM のパッケージングは間違っていなかったと言えるでしょう。

それも JAY-Z のモノと比べれば数段上手く仕上げられている。

何より NAS の試行錯誤する姿が素直に現れているようでいて、

その部分も含めたパッケージングが好感を持てる。

だが、残念なコトに、

伝説の名作 「ILLMATIC」 に比すほどの

クラシックたらしめない作品であるのもまた事実ではあるが。。。

 

オススメ度 8.6

(ラップ:1.8 トラック:1.7 キャラ:1.7 話題性:1.9 構成:1.5)

 

 

 

 

 

2006年12月23日 (土)

省エネしすぎのハイ・ペース

歴史に名を残す、、、

とまでは到底いかないのだが、

それでも結構なハイ・ペースで

毎年シレ~っと作品を出し続けているヤツ。

FAT JOE

彼の新作が今年も懲りずにドロップされた。

「ME ,MYSELF & I」 だ。

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キャリアも長く、

結構な重鎮のハズなのに、

FAT JOE に対するメディアの扱いは至って軽い。

ヘタをすると、

かつての舎弟分で、

死して伝説となった BIG PUN より

彼の扱いは軽いのではないだろうか?

というより、

彼がほぼ毎年のようにドロップし続けている

その諸作品のあまりのミニマムさにこそ、

その原因があると言っても間違いではないのだろうが。。。

 

性懲りもなく、

通算枚目となる本作も、

小品と言えば小品です。

しかしながら、

本作のミニマルな作風はこれまでの小品とは違って、

なかなかに粒が立っている。

結構好きです。

全12曲、50分弱の

そのあまりにコンパクトにまとめられた構成は、

確かに強烈なインパクトに欠けますが、

それなりのクオリティーを感じさせる楽曲群が

揃えられています。

例えば、

②の攻撃的なオケと JOE のフロウは

圧力があってなかなかカッコイイし、

LIL' WAYNE をゲストに招いた③のタイトさは

なかなかに良い仕上がりを見せています。、

②、③ともにオーソドックスなループが

HIP HOPの音源の普遍的なカッコよさを醸し出しています。

WAYNE のラップの適度な絡まり具合も素晴らしい。

続く④は、南部の流行を取り入れた、

SCREWED & CHOPPED仕様。

このあたりに、

最近のシーンに対するムーブメントを作り出せないでいる

N.Y.のアーティストとしてのジレンマを感じられますね。

続く⑤も、ユルいオケに、

ゲストの THE GAME

いかにもWEST COASTを意識して作成された楽曲が、

N.Y.の現在の不振を

逆に露呈させてしまっているような曲になっています。

④も⑤も決して悪い出来ではないのだけれど、

生粋のN.Y.スタイルHIP HOPファンの僕としては、

何だか残念に思えて仕方ないです。

⑥は緊張感を煽るような、

なかなかカッコイイオケなんだけど、

ここに被さる JOE のフロウが

いかにも弱々しい。

②で見せたような

昔のイカツいスタイルでガシガシライムしてくれてった方が、

彼の場合、

絶対カッコイイと思うんだけどな。。。

COME ON , MAN!FLOW JOE!!

とか何とか言ってると、

続く⑦は完全に

ゲスト参加で再び登場の LIL' WAYNE 寄りの楽曲なのだから、

どっちがゲストだか分からなくなるくらいだ。

でも、これはこれで悪くないんだよな。。。

そのあたりが微妙な印象を与えるのだけど。

それに対して⑧は、

シックな古いN.Y.スタイルを微かに感じさせるようなビートが

なかなかにオモシロい構成を見せている。

JOE のアプローチは

ここでもやはり弱めなのは気に掛かりはするが、

まあこれは彼なりの全国区に向けたスタイルなのだろう。

ストリングスが荘厳な⑨では

少し強めのフロウでアクセントを付け、

自身が伝説的なユニット、D.I.T.C. の一員であることの

その片鱗を見せてはいます。

この作品のハイライトとなるのが、

MICHAEL JACKSON 「MARIA」 をサンプリングした

⑪になるでしょう。

コレは確かに本作中では一番インパクトがあるのだが、

ビートがどうのこうの言うより、

JOE のラップがどうのこうの言うより、

偏にサンプリリングされた MICHAEL のボーカルが

もう一人勝ちしている状態です。

 

・・・・・

 

N.Y.スタイルの弱体化や、

JOE のフロウ・スタイルの弱体化について

云々してきましたが、

前述したように、

この作品自体はそれ程悪い出来ではありません。

ただ、そのまとまりのタイトさは、

各楽曲それぞれに対しても、

それから作品全体に対しても、

あまりにミニマル過ぎて、

どうしても物足りなさを感じずにはいられない。

と言って、

このまま同じような曲を足して、

曲数を増やしただけで

この物足りなさが改善されるとも思えないし。。。

って言うか、

何故、本作に TERROR SQUAD のメンツはおろか、

N.Y.のラッパーが参加していないのか??

・・・・・

僕は思うんですけど、

昨今のシーンに見合わせるような

全国区向けの、

全方位的でポップ・ライクな作品が売れると言う傾向に対して、

カウンター的な形で注目を浴びたのが、

昨年、一大勢力と成したH-TOWN勢や、

THE GAME だったのではないでしょうか?

HIP HOPからすれば地元賛歌は基本中の基本なのですが、

現在のそういった横並び的なシーンにっとて、

H-TOWN勢や THE GAME のような強烈なフッドへのアンセムは

新しいヘッズ達にとって逆に新鮮に映ったのかもしれません。

ともかく、

FAT JOE はこのスタイルのままで

誰が納得するのか?

ということを考えると、

いくら作品がタイトに仕上がっているからと言っても、

あまり喜べた話ではないと思われます。

 

COME ON , MAN!FLOW JOE!! 

 

オススメ度 8.2

(ラップ:1.6 トラック:1.7 キャラ:1.8 話題性:1.5 構成:1.6) 

 

 

 

2006年12月18日 (月)

今年のNo.1アルバム最有力候補

実は、今すごくツボにハマっている新譜がある。

もちろんここで書くからには

正真正銘、米国産HIP HOPの

真っ黒な作品である。

別に勿体つけるワケじゃないけど、

コイツ、スゲー良いの!

それこそ、個人的な今年のTOP10ランキングの

上位三位のどこかに入り込むであろう、

それくらいにお気に入りの作品。

今日はそのとっておきの作品を紹介したいと思います。

誰あろう、

HI-TEK「HI-TEKNOLOGY 2」 です!!

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かつて、TALIB KWELI とのユニット、

REFRECTION ETERNAL での活動から、

この二人をして、

PETE ROCK & C.L.SMOOTH の再来”

とまで呼ばしめた実力者、

HI-TEK

僕はその称号をあえて今こそ、

ここに持ち出すべきだという必要性をすら

感じているくらいです。

それはつまり、

伝説的とも言えるクラシック作品、

PETE ROCK の初ソロ作となる

「SOUL SURVIVOR」 に勝るとも劣らぬ

作品としての完成度、充実振りを

この HI-TEK の2ND作から感じ取れるからなのです。

・・・と、

こう書くと確かに語弊が出るかもしれません。

何せ、PETE ROCK「SOUL SURVIVOR」

鬼の様なクロさを湛えた伝説のHIP HOPアルバムだったから。。。

鬼の様にクロいグルーヴネスを湛えたビート群に、

鬼の様に第一線で活躍していた達人レベルのラッパー達を

これでもかっ?!ってなくらい

詰め込みまくって、

しかもそれで作品として完全にまとまったモノだったから。。。

それと比較して、

HI-TEK の本作は確かにそこまでへヴィーな

クロさを湛えているのか?

というと、

さすがにそこまで断定しては言い切れない部分もある。

しかしながら、

適材適所に配置された

達人レベルのゲスト陣の配置や、

各楽曲の構成はもちろん、

作品全体としての構成力の高さは、

PETE ROCK のそれを遥かに上回るほどに

完成度が高い。

 

まず、

イントロ明けのスウィンギンな②からして、

楽曲の完成度の高さに耳を奪われてしまう。

この曲では HI-TEK 自らラップを披露しているのだが、

HI-TEK のラップ自体、かなり珍しいもので、

僕としては TALIB KWELI との

REFRECTION ETERNAL 名義、

「THE BLAST」 以来、耳にすることになる。

我の強いMCと比べて、

プロデューサーがメインで、

ラップもこなすというアーティストにあっては、

PETE ROCK をはじめ、

KANYE WEST Q-TIPRZA

SWIZZ BEATZ 、故 JAY DEE らを含め、

得てして、

自身のビートを最大限に引き立てるようなフロウなのが

その最大の特徴なのだが、

ここで聴かれる HI-TEK のラップも

そのご多分に漏れず、

ビートの属性を最大限に引き立てている。

続く③では、

流麗な DION のコーラスが楽曲をやさしく包む上で、

上記の Q-TIP

それに D.P.G.KURUPT

マイクを交わしています。

そこには完全なる調和が感じられ、

ビートとコーラス、ラップが

一つのハーモニーとして溶け合っています。

愛息を配した④のインタールードまでもが、

楽曲としてきちんと成立している所に

今更ながら驚かされるのですが、

続く⑤のシンガー AYAK と、

旧友 TALIB KWELI を配したこの楽曲での

その完成度の高さにも改めて驚かされることでしょう。

それこそ前述 「THE BLAST」 以来の

二人のラップのコラボレートが聴けるワケです。

この⑤でも、

そこに感じ取られるのが、

楽曲としての完全な調和です。

特に HI-TEKKWELI の相性の良さは

本当に素晴らしいです。

先程から “調和” 、“調和” と申しておりますが、

更に輪をかけてすごいのが、

続く⑥になります。

この曲は本当にズバ抜けています。

バックに THE WILLIE COTTRELL BAND を配し、

GHOSTFACEPRETTY UGLY

ラップを披露しているのですが、

ビート、コーラス、ラップのバランス感覚が

完璧に調和していて、

その音楽がまるで身体に沁み込むように入ってくるのです。

この楽曲に関しては、

その音楽性があまりに高過ぎていて、

HIP HOPの枠を超えかねない危険性も孕んでいるのですが、

それこそギリギリのところで

HIP HOPたらしめている絶妙のバランス感覚にも

注目していただきたいです。

そこでポイントとなるのが GHOSTFACE の配置なのですが、

彼のラップがあるからこそ、

この曲がHIP HOPの枠を超えようとする音楽性と、

HIP HOPを繋ぐ調和を産み出しているのです。

この曲のもたらす音楽性とHIP HOPのバランス感覚、

調和が作品全体に及ぼす影響は

測り知れないほど大きいでしょう。

⑥は本作のハイライトと呼べる一曲でしょう。

続く⑦は一転してド真ん中のHIP HOPループが際立ちます。

BUSTA が息巻くラップが小気味良く耳に馴染みます。

⑥をハイライトといいましたが、

もう一曲のハイライトとなるのが、

続く⑧です。

N.Y.出身の実力派、

JADAKISSKWELI RAEKWON らが参加したこの曲、

②でコーラスを披露した DION

ここでも活躍しています。

皆さんも一度は耳にしたことがあるかもしれない有名曲、

ANDY WILLIAMS「LOVE STORY」

サンプリングしたこのビートが

いかにもデキ過ぎなカンジもしないでもないのですが、

聴き齧っていくとクセになるループで、

終いには “いかにもN.Y.を語る上でピッタリ!”

なんてな具合に聴こえてくるのだから

不思議なものです。

にしても、

とにかくシブい。

やはり、

まずラッパーの人選からしてステキ過ぎるでしょう。

実際、HI-TEK

OHIO州のCINCINNATI出身なんだけど、

いかにもN.Y.アンセムなこの曲は、

最近元気のないN.Y.のシーンに対して、

純粋な愛情を見出せる一曲となっています。

続く⑨は小品ではありますが、

今、旬の THE GAME がヴァースをキックした、

ユルいWEST COASTテイストの一曲に仕上がっている。

このあたり、

最近、現在制作中となる

DRE「DETOX」 のスタッフとして参加している

HI-TEK の現在の顔というものが

チラリと覗いているかのようだ。

WEST COAST繋がりで言えば、

続く⑩も L.A. から

XZIBIT 率いる STRONG ARM STEADY が参加している。

楽曲自体はN.Y.っぽい、

疾走感溢れるループが特徴的なトラックで、

そこに被さってくるイントロの XZBIT のボーカルが

なかなかカッコイイ。

でも、よくよく考えてみると、

XZBIT って STRONG ARM STEADY

離脱したんじゃなかったっけ?

一転、ユルくてメロウな⑪を挟んで、

作品全体にゆとりを与えながら、

三度、DION の素晴らしいボーカルに、

KWELI の参加した⑫がビビッドに映える。

この DION なる男性シンガー、

どうやら HI-TEK が起こしたプロダクションの

お抱えアーティストらしい。

この作品での活躍から、

今後の DION の活躍がかなり期待できそうである。

書く必要もないのだろうが、

相変わらず HI-TEK のビートと

KWELI のラップの相性は格別だ。

だが、惜しむらくは、

KWELI のライムについて、

もうちょっと長いヴァースを聴いてみたいな。

そうなってくるとやはり、

REFRECTION ETERNAL 復活を

待望せずにはいられないです。

⑬では、

⑥で素晴らしいハーモニーを披露した

THE WILLIE COTTRELL BAND が再度登場。 

この曲はラップがまったく入っていないのだが、

それこそ⑥での GHOSTFACE のアクセントが

効果覿面で作用を及ぼしていて、

ラップ・ファンの僕をして、

ラップがないことに違和感を覚えさせないでいる。

⑭はH-TOWNから

重鎮 BUN-BDEVIN THE DUDE が、

それに DIONPRETTY UGLY が一緒に参加している。

思いっきりレイド・バックしたオケで、

H-TOWNアーティストによく見合っている。

そして最終曲となる⑮の

アウトロとして終わってしまうのか?

と思わせておいてのこの出来の素晴らしさに

最後にきてまたまた感心させられてしまいます。 

留守電のメッセージに吹き込む、、、

ような構成で作られたこの最終曲は、

JAY DEE a.k.a. J. DILLA による

本物のメッセージから入って、

続いてストイックなライムがオケにピッタリの NAS

HI-TEK 自らがキックし、

続いて COMMON が思慮深げなヴァースを披露、

アウトロ部で BUSTA のメッセージと

最後にもう一度 JAY DEE のメッセージが流れて終わる。

この⑮でも、

ビートとコーラスとラップのバランス感覚が非常に素晴らしく、

楽曲としてのまとまり、

包み込まれるような安定感を

感じずにはいられない。

 

先に書いた比較対象の

PETE ROCK 「SOUL SURVIVOR」

鬼の様なイカツいクロさに括られるとすれば、

本作は

ビートとコーラスとラップとの

完全なる調和に括られる作品である。

その意味で、

両作品共に方向性は違うのだが、

作品としての完成度、

そして何より、

ゲストをまとめ上げたその手腕に対して、

共通したプロデューサーとしての確かな才覚を

感じ取らずにはいられないのである。

作品セールスやら、

レーベルのプロモーションやらを考えると、

世間的にはほとんど話題に上らないであろう本作ですが、

2006年を語る上で、 

僕としては外すことのできない大作として、

ぜひ皆さんに本作をお勧めしたいです。

 

オススメ度 8.9

(ラップ:1.7 トラック:2.0 キャラ:1.6 話題性:1.6 構成:2.0) 

 

 

2006年12月16日 (土)

KING IS BACK

シーンは今やこの話題で持ちきり。。。

“KING IS BACK!!”

そう、HIP HOP界の帝王、

JAY-Z が3年ぶりに

新作 「KINGDOM COME」 を引っ提げてカムバックした。

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すでに様々な媒体で絶賛の嵐を以って迎えられている本作。

実は僕、あまり好きじゃありません。

のっけからこんなこと言うのもナニですが、

期待値が高かった分、

失望感も大きかったというのが正直なところです。

HIP HOP専門誌でも、

音楽関連のサイトでも、

本作について非常に高い評価を得ているようなのですが、

僕としてはそれらの評価に対して

首を捻らずにはいられない有様です。

今回のレビューは、

そういった世間での評価と

僕自身の評価を対比させながら

書き進めていきたいと思います。

 

まず本作で耳に付いたのが

JIGGA のフロウの弱体化です。

まあそれは本作に始まったことではなくて、

前々作 「THE BLUEPRINT 2」 から

その兆候が激しく出ていました。 

JIGGA は元々ファスト・フロウが得意なのですが、

作品が売れるにつれ、

リリックをキャッチーに届ける為に

フロウに間を持たせるようになりました。

そこに更なるオリジナリティーを加える為に

独得の抑揚を持たせているのですが、

そのフロウが僕にはどうも気に入らない。

キャッチーなラップは

僕にとっては唯の軟弱なポップスとしか映らないのです。

例えば、

JUST BLAZE がなかなかイカツいビートを捻り出した③など、

せっかくのオケも JIGGA のヤワなラップが

台無しにしています。

LAFAYETTE AFRO ROCK BAND

「DARKEST LIGHT」 からサックス・パートをネタに使った

④のその大胆な作曲手腕にも

JUST BLAZE の才能が感じられますが、

このビートに合わせる JIGGA のフロウは

悪くないと思います。

ちなみにこのネタは PUBLIC ENEMY

「SHOW ‘EM WHATCHA GOT」 でもお馴染みですね。

THE GAME の新作中 「REMEDY」 でも

PUBLIC ENEMY へのオマージュを見せたJUST BLAZE 。

こういうのを聴かされると、

古いHIP HOPファンとしてはドキっとさせられます。

⑥の KANYE WEST が制作する楽曲は

完全にゲストの JOHN LEGEND 寄りのオケなのだが、

今の JIGGA のフロウはこういう場合でこそ

違和感なく映えているのが皮肉な感想です。

それは、

THE NEPTUNES が制作し、

USHERPHARRELL がゲスト参加する⑨、

SYIENCE なるプロデューサーの作る煌びやかなオケ上を

結婚間近と噂される恋人 BEYONCE と共演する⑩などでも、

同じ兆候が見られ、

客演者寄りのオケにこそ

JIGGA のヤワなフロウが良く映えているというのは、

何とも言いようがない。

現に SWIZZ の作るロウなビートがいかにもらしい⑫では、

JIGGA のラップは明らかに浮いてしまっている。

 

。。。。。

 

 

改めて本作を検証してみると、

本作に対して抱く失望感は

まるでビートと JAY-Z のラップの相性の悪さ、

つまりは JIGGA 本人のフロウの変化に

耐えることのできないビートの不出来に

由来するように思えてくるのだが、

しかし、実はこの失望感の根源的な原因は

他の所にある事実が浮き彫りになった。

それは、

本作中⑧以外のほとんど全ての曲を

DRE がMIXしているということである。

確かに、DRE のMIX技術は素晴らしく、

ボーカルは鮮明に浮かび上がり、

音の一つ一つまでクッキリとした輪郭を持つ様は、

正に現在の音楽録音技術の最先端を

具現化していると言えるでしょう。

しかしながら、

そこで克明に浮かび上がった JIGGA のライムと

本作のビート群との相性の悪さまでも

露呈してしまうというのは

唯々皮肉な結果だったとしか言えない。

 

超V.I.Pなプロデューサー陣、ゲスト陣を迎え、

金に糸目をつけずに制作された

KINGの復帰作。

大絶賛を持って迎えられる王様を傍目から見ていると、

あのまま引退していた方が

絶対カッコよかったのに。。。

と思えてきます。

 

オススメ度 8.5

(ラップ:1.3 トラック:1.7 キャラ:1.9 話題性:2.0 構成:1.6)  

 

 

2006年11月28日 (火)

2周目こそ真価が問われる

今回紹介するのは

G-UNIT 勢の若頭、

LLOYD BANKS の2ND作、

「ROTTEN APPLE」 です。

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様々なニュースを振り撒きながら、

いよいよ G-UNIT 勢の活動も

それぞれ2周目に入ってきました。

御大 50 CENT 全盛の力を借りてだった1順目は

その話題性だけで人気を勝ち取るという

力技が有効だったワケですが、

2周目はそうはいかない。

LLOYD BANKS の真価が今こそ試されます。

さて、お手並み拝見。。。

  

幕開けの①から気合が入っているところを見せてくれていて、

MOBB DEEPHAVOC が製作し、

その片割れの PRODIGY と、

大将 50 がいきなり参戦して煽っています。

この曲の雰囲気やアルバム・タイトルを配している辺り、 

G-UNIT 作にしては珍しくN.Y.色の強い、

地域性に括った楽曲なのが目に付きます。

③は乱れ打つドラム・ラインに圧迫感のあるウワモノ、

そこに鬼気迫る LLOYD BANKS のラップの絡みが

なかなかにカッコイイ一曲です。

④は 50 が参加した曲ですが、

彼の参加いかんはともかく、

楽曲の構成が実に興味深いです。

プロデューサーは 10 というそうですが、

僕の勉強不足か、始めて見る名前です。

クリエイティビティーを感じさせてくれえるプロデューサーなので、 

今後の彼の活躍に期待大です。

楽曲の構成でいえば、

KERI HILSON なる女性シンガーを配した⑦も

なかなかにおもしろい楽曲でしょう。

CO-PRODUCEに SHA MONEY XL の名前が

効いていますね。

NEEDLZ 製作のいかにも G-UNIT 印なオケ上で

これまたいかにも小慣れたようにマイクを回すのは

ゲストの MOBB DEEP の二人。

まあ、50LLOYD もQUEENS出身なだけに、

上の二人と似通った性質を持っているのかもしれませんが、

やはり、古くからの MOBB DEEP ファンとしては、

その辺りどうにもやりきれない所があったりします。

⑪は LLOYD の篭った声の魅力が

十二分に活かされたフックがかなりカッコイイ曲です。

その物憂げな呟きは

静かなピアノ・ループの曲調によく映えています。

本作中、最も耳を惹くのは、

LITTLE BROTHER9TH WONDER 製作の⑭でしょう。

G-UNIT9TH WONDER の組み合わせは

実に新鮮です。

やはり構成力の高い 9TH WONDER の作る楽曲は

聴く者の耳を一瞬で捉える強烈な世界観を

その音の一つ一つに凝縮されています。

⑮はクルーの南部支部長 YOUNG BUCK が主導を取り、

南部の御大二人、SCARFACE8 BALL が参加していて、

逆に LLOYD が外様な曲となっています。

ところで、50DIDDY

あまり関係が良くなかったと思うのですが、

ここに 8 BALL が参加していても良いのでしょうかね?

確か、DIDDY の新作中に

HAVOC 製作の楽曲があったのですが、

そのことで早くも

50MOBB DEEP の不仲説が流れていたようですが。。。

 

このブログの中で何度か言ってきたことですが、

僕は個人的には 50 CENT は嫌いですが、

G-UNIT 関連の作品は

音の立ち方が素晴らしいので結構楽しみにしています。

その点では本作も充分満足できる仕上がりでした。

ただ、発売から一ヶ月以上過ぎて、

世間からの本作の評価について、

予想以上に低い結果が出てきていることを思えば、

ここが G-UNIT としての正念場なのかもしれません。

確かに本作中には飛び抜けた楽曲はなかったのですが、

しかし、

じっくり聴き込めば聴き込むほどに

味わいの深くなる秀作だと僕は思っています。

 

オススメ度 8.0

(ラップ:1.5 トラック:1.7 キャラ:1.5 話題性:1.6 構成:1.7) 

 

 

 

2006年11月25日 (土)

BAD BOY はラッパーの墓場?!  2

前回、

BAD BOY に関する記事を書いたついで、、、

というのもナニですが、

せっかくなので今回はこの人の新譜を取り上げてみましょう。

BAD BOY の総帥、

P. DIDDY の通算枚目となる新作、

「PRESS PLAY」 です。

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芸能人 (特にラッパー) たるもの、

ある種の厚顔無恥を根底に兼ね備えていないと、

到底、人前で自身のエゴを晒せるものではないのでしょうが、

彼ほどにその性質の顕著な芸能人はいないでしょう。

DIDDY 曰く、

「今回はかなり歌詞を書いた。

実は今までの作品では書いていなかったんだ」

・・・・・

まあ、彼の作品中のリリックに関しては、

デビュー時から “ゴースト・ライター説” が、

声高に語られていたので、

今更驚くまでもないのですが、

それにしても、今更、

“今回はかなり歌詞を書いた”

・・・だなんて、

よくもまあイケシャアシャアと

そんなコトを自慢げにアピールできるものだと、

そのツラの皮の厚さに思わず感服してしまいます。

・・・・・

当然、唯一無二の厚顔無恥たる DIDDY にしてみれば、

そういう類の外野の声に耳を傾けるワケでもなく、

我が道を貫いているのですが、

彼の目指す所はきっと

二度と彼の手元には戻ってこないでしょう。 

それは断言できます。

 

彼の目指す所とは何か?

 

彼は成功を目指しています。

彼ほどに飽くなき成功の探求者は

他になかなかいないでしょう。

そして残念なコトに、

彼の理想とする成功とは

自身の1STアルバムのそれに他ならないのです。

しかしながら、

よくよく考えてみると、

あの作品の素晴らしさは

DIDDY の出しゃばりではなく、

それこそ “BAD BOY FAMILY”

錚々たるメンツのおかげというモノでしょう。

それこそ BIGGIE を始め、

MA$ETHE LOXBLACK ROB 達が

脇をガッチリ固めていた。

そのお蔭で、

自身で今までライムを書いてこなかったハズの

DIDDY のその未熟さも消し飛ぶほどに、

アノ作品は売れたのです。

そういう観点から見ると、

彼の新作となる本作では、

ラップの共演として、

彼のレーベル、BAD BOY からの参加は

一人もいません。

これが全てを物語っているようです。。。

 

本作について結論から言うなれば、

まったく BAD BOY らしからぬ、

掴みどころのない作品というのが、

第一聴から繰り返し聴いた今までの感想です。

というより、

音の立ち方があまりに綺麗過ぎて、

これはもうHIP HOP作品の音ではないように聴こえてくる。

例えば、

イントロの①や、続く②、③、

R&Bライクな⑥、

OUTKASTBIG BOI とそのファミリーの SCAR

歌姫 CIARA ら参加の⑧、

続く、SHAWNNATWISTATIMBALAND

錚々たるメンツを揃えた⑨、

なんとインタールード扱いで AVANT の参加する⑩、

BLACK EYED PEASWILL. I. AM 製作、

ワケの分からないようなアグレッシヴさを醸し出す⑫、

それこそ OUTKAST あたりであっても不思議でないような⑭、

MARIO WINANS のボーカルと切ないウワモノが郷愁を誘う⑮、

BPMは早いのに何故かアガらない、

BRANDY 参加の⑯、

KEYSHA COLE が完全に場を喰った⑰、

MARY J. とのコラボレーションが完璧過ぎる⑱、

まあこれは当然として、

NEP のオケに JAMIE FOXX のボーカルの乗った

終幕の⑲。。。

と、

この作品の音はあまりに軽過ぎる。

大げさな話、

それこそこんな軽い音の上でライムするのも野暮なんじゃない?!

ってくらい音が立ちすぎていて、

なんだか面白味がないんですケド。。。

中には、

MOBB DEEPHAVOC の作った④や、

ポップ・アイコンの CHRISTINA AGUILERA の参加がありながら、

そのループのあくまでロウな、

JUST BLAZE 製作曲の⑦、

KANYE WEST 製作、

NASCEE-LO がゲスト参加した、

なんとも豪華な⑪あたり、

HIP HOPのそれらしい

太いビートも耳にすることは出来るのだが。。。

 

本作について

今更、DIDDY のラップ云々について

どうこう言うのも野暮な話なのだが、

それにしても、

連帯感のない、

外部からの豪華ゲストを寄せ集めただけのバックアップは

彼のスキルを前にして

あまりにも心もとないように思われる。

特にラップ・アクトに関して

その曲間には希薄な熱情をしか感じ得ないのです。

 

復帰ニュースが入って以降、

音沙汰のない CRAIG MACK

G-UNIT に引き抜かれた MA$E

ケンカ別れした LOX

ムショ入りしてしまった BLACK ROB

同じく刑期服役中の SHYNE

デビュー作がコケて業界を引退してしまった G-DEP

そして何より BIGGIE の存在。。。

これだけの有能な才能を失ってなお、

肥大し続ける BAD BOY のイメージとは

一体何であろう?

 

そして誰もいなくなり、

DIDDY だけが残った。。。

 

オススメ度 8.0

(ラップ:1.2 トラック:1.7 キャラ:1.8 話題性:1.8 構成:1.5)

 

 

上記の オススメ度 でいくと

結構高い点数を付けていますが、

僕個人としての本作の作品評価は

あまり高いといえないのが正直な所ではあります。

 

 

 

2006年11月21日 (火)

BAD BOY はラッパーの墓場?!

さて、久々に新譜を紹介するのですが、

これだけ更新が滞っていると

流通の回転率の早い昨今では、

最早、純粋な “新譜” として紹介するのも

何かおこがましいように思われてしまいます。

そんな自己の不信も

とりあえずそっちのけで今回紹介するのが、

LOON の新作、

「NO FRIENDS」 です。

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BAD BOY から

MA$E の後釜的な役割を担ってデビューし、

それなりに注目を集めていた彼ではありますが、

やはり DIDDY のイメージ・コントロールに苦しんだのか、

デビュー作の成功後に

あっさりと同レーベルを退団したあたり、

幸か不幸か、

まんま MA$E と同じ道を辿っているように見えました。

しかしながら、

当の MA$E に対して敵意剥き出しだったり、

まったく、

「NO FRIENDS」 というタイトルも満更ではなさそうです。。。

 

本作、あるいは LOON を語る上で、

どうしても外せないのが MA$E の存在になるのですが、

かつてのボスだった MA$E に噛み付いてこそ、

本作 「NO FRIENDS」

成立していると思うのです。

それはつまり、

BAD BOY に対する反発心も現しています。

“マッチョなヤサ男” 的なイメージを

BAD BOY に徹底的に植え付けられた LOON としては、

そこに生まれたジレンマと戦う為に

BAD BOY

強いては DIDDY の影響力から抜け出す以外、

道はなかったと思います。

そういった意味において、

本作がマイナー調を基調とした

アングラ指向な作品に仕上がっているというのは、

かつての彼のファン、

特に女性ファンにとっては、

少なからずショックだったと思います。

思えば、

MA$E のそれも同様に、

マイナー基調が本質的にシックリと似合っている、、、

そう感じたモノでした。

そういう点では

LOON は紛れもなく師匠譲りの性質を発露しています。

まず、

イントロ明けの②からしてどマイナー調がヒドい。

これがまた LOON によく合っているのです。

鬱屈した彼の不満や悲嘆ぶりが

冒頭からして見事に展開されています。

④は疾走感溢れる負の感情を

タイトにまとめ上げた曲です。

コレは本作中で僕が一番好きな曲でもあります。

そのやり場のない焦燥感が

実にカッコよく描き出されています。

⑦は大業なオケが悲壮感を煽り立てています。

痛み、怒りの綯い交ぜになった感情が、

続く、銃声より始まる⑧で

ついに爆発するような、

そういった展開をこの楽曲構成の中に見出せそうです。

⑪は本作中、唯一のクラブ・バンガーたる一曲。

オリエンタルな上モノに

攻め込んでくるビートが良く絡んでいます。

そして、

極論から言えば、

僕の中ではこの作品は、

次の⑫で完結しているのです。

マイナー調、ペイン、負の感情・・・

それらの完結はここで見ます。

この構成は、

ある意味では完全に偏っているのですが、

アンチ・メジャー作品としての完成度は非常に高いと言えるでしょう。

MA$E をディスリまくった⑭はボーナス・トラック、

ホントにオマケみたいなもんです。

 

総評としては、

本作は僕の偏った価値観の中では、

非常に評価の高い作品になります。

それこそ、

BAD BOY 時代を払拭するかのように、

極端な一方向へ敢然とベクトルを向けられた

本作のその主旨に対して、

僕は感嘆の声を上げて絶賛せずにはいられません。

全方位的な伺いを立てる生温いメジャー作品では。

ここまで力強いメッセージ性は持ち得なかったでしょう。

本作は、

LOON の執念というモノを感じることの出来る

素晴らしい力作です。

 

オススメ度 7.9

(ラップ:1.5 トラック:1.8 キャラ:1.5 話題性:1.2 構成:1.9)

 

 

  

2006年11月 5日 (日)

のろ口ラップの帝王

元ギネス男の TWSITA や、

初期の JAY-ZEMINEM

ロング・ブレスの

KOOL G RAPPHAROAHE MONCH

BIG PUN らを称して、

世に “早口ラップ” という言葉があるのだから、

逆に “のろ口ラップ” があってもいいと思うのは、、、

きっと僕以外誰もいないでしょう。。。

・・・・・

もし、、、

もしそんな “のろ口ラップの帝王” を決定するなら、

皆さんは誰を推しますか??

CAM'RON とか、

彼の舎弟の JUELZ SANTANA とか、

なかなか良い線いってるんですけど、

やはりこの男にはかなわないでしょう。

。。。。。

というワケで今回は、

WU-TANG CLAN 一軍メンバーの中でも

一番地味な存在である

MASTA KILLA の2ND作、

「MADE IN BROOKLYN」

紹介したいと思います。

200pxmadeinbrooklyn   

 

 

 

 

 

 

 

WU-TANG デビュー後、

10年経ってようやく自身のソロ作品を

ドロップさせたこの男。

2NDはさらに10年後だろうな、、、

なんてタカを括っていたら、

なんと短いスパンで本作をドロップしてくるのだから、

ほんと、ワケわかんないです。

まあ、そのワケの分からなさが

WU-TANG の魅力でもあるのですが、

当メンバー内でも、

一番謎に包まれた男である彼、

MASTA KILLA. 。

というより、

個性豊か (というか、個性が爆発しすぎた) な

他の WU メンバー内にあっては、

彼の存在がメディアに取り上げられるのも

限られてくるワケです。

 

さて、

冒頭で取り上げた “のろ口ラップ” について、

彼の纏わり付くような言い回しや、

もたついたフロウは、

一種独特で、

個性豊かな WU メンバーにあっても

引けをとらない妙味があります。

僕は U-GOD とか彼とか、

結構好きです。

イヤ、天邪鬼な僕は

むしろ彼らを多め (?!) に応援しているくらいです。

そんなワケで、

少し贔屓目で

MASTA KILLA の2ND作となる本作を

傾聴していってみましょう。

 

まず、本作で目が行ったのは、

RZA の製作曲が一曲もないところです。

変わりにといっては何ですが、

M.F. DOOM や、

PETE ROCK の製作曲があるというのは、

皆さんの興味を俄然惹くトピックスとなるでしょう。

その問題の、

M.F. DOOM 製作による②は、

さすがというか何というか、、、

かなりキテます。

すげーな、M.F. DOOM

ちょっと尋常じゃないですね、このオケは。

こんなBPMの遅い曲は、

正に “のろ口ラップの帝王” の為に

用意されたかのようです。 

⑥は WU から U-GODRZAMETH

参加した曲になるのですが、

この曲の面白い点は、

主役であるハズの MASTA KILLA 以外の

全メンバーのキレ方が

非常に素晴らしいという所です。

特に RZA は素晴らしい!

ってか、MASTA KILLA

頑張りなよ。。。

⑦は本作の中でもハイライトとなる曲でしょう。

珍しくアグレッシヴなオケ中に

ガッチリ組み合った MASTA KILLA

もたつくようなラップは

聴き応えがあります。

続く⑧は、

前述の PETE ROCK 製作曲になるのですが、

これは特筆するほどの仕上がり具合ではありません。

⑨は無感情なラップの MASTA KILLA には珍しい、

ドラマティックなオケに、

シンガーまでもが参加した曲になります。

ってか、この曲、

MASTA KILLA いらんやん!

彼抜きでも充分成立するような曲なのが

微笑ましく、可笑しいです。

他にも、

④で RAEKWONGHOSTFACE が、

⑩で INSPECTA DECK GZA が、

WU 本隊から参加していて、

色の薄い主役の脇をガッチリ固めています。

 

作品全体を通じて、

BPMが遅めなので、

まあその辺り、

彼のキャラクターと併せて

ゆっくり楽しむことが出来るのではないでしょうか?

インディーからドロップされた作品で、

そういった点では

作品全体にダイナミズムを感じられないのですが、

それも込みで、

MASTA KILLA という男のカラーが

よく現れている作品に思えます。

 

オススメ度 6.7

(ラップ:1.5 トラック:1.4 キャラ:1.3 話題性:1.2 構成:1.3) 

 

 

 

 

2006年9月24日 (日)

もしかすると一番上手い?!

僕はスキルフルなラッパーが大好き。

特にEAST COAST辺りの

リリックに独特のセンスを忍ばせたようなラッパー。

BIGGIE はその中でも群を抜いて大好きなんだけど、

僕は彼のどのラインを聴いていても、

そのスキルの高さに一々

感嘆の唸りを漏らせてしまいます。

僕はこれまで

何百というラッパーの作品を聴いてきていますが、

BIGGIE が一番上手いと

頑なに信じ続けています。。。

・・・・・

で、

今回書こうとしているのは、

実はその BIGGIE とは全然関係なくて、

前回の記事で書いた

METHOD MAN からの WU 繋がりで、

INS について書こうと思います。

 

というワケで、今回は

INSPECTAH DECK

通算3枚目となる新作、

「THE RESIDENT PATIENT」 を紹介します。

Theresidentpatient  

 

 

 

 

 

まず、

最近の記事は

際限なくダラダラ書いていたので、

今回はできる限りタイトにまとめたいと思います。

 

で、

今回、僕がこの作品の

何に注目して聞いているかというと、

ズバリ、

INS の “ラップ力” そのものについてです。

長かった BIGGIE 云々の前置きも、

実はそこに掛かってくるワケです。

 

繰り返しになりますが、

確かに、

僕は大の BIGGIE 好きで、

彼こそがNo.1ラッパーだと信じて疑いませんが、

しかし、

冷静に突き詰めていくと、

こと “ラップ力” のみに限って考えていくと、

実はこの INSPECTAH DECK なる男、

もしかすると

彼こそ一番ラップが上手いと

思えなくもないです。

特に彼の若かりし頃は、

第一声目の発し方、

いきなりの切り込み方の切れ味の鋭さに

思わず聴き惚れてしまい、

そのフロウに漂う緊張感にシビレてしまうほどでした。

彼が PRIMOPETE ROCK といったような

一流の職人系プロデューサーに見初められたのも

充分に頷ける話です。

そういったあたりに重点を置いて

本作を聴き進めていくと、

良く言えば “円熟味” 、

悪く言えば “エッジのなくなった” 、

INS のライムが浮かび上がってきます。

もっと手厳しく言えば、

声に張りがなく、

切り込み方に勢いの感じられない、、、

というのが正直な感想です。

その為に、

唯一無二だった彼の独特の緊張感が

撓んでしまっている。

例えば、

決してオケとの相性は悪くはない、

自身の製作曲④などでは、

ビート上を転がるような躍動感が持ち味だった

彼のフロウが、

ビート上にベッタリと貼り付けられたかのような、

なんとも平坦的な印象を強く受けます。

本作中、

最もドラスティックで切れ味の鋭いビートの⑨でも、

ここでの INS のラップは

凡庸の域を超えていません。

続く、本作中唯一の RZA 製作曲、

⑩の素晴らしく “LOW” なオケの上での INS のラップは

彼本来の揺るぎない確信めいたモノとは

明らかに掛け離れているように思えます。

 

ビートに関して言えば、

珍しい所で BEATNUTSPSYCHO LES

いかにもらしいオケを提供しています。

かつての LOUD つながりですね。

久々に BEATNUTS

ガッツリ聴きたくなるような曲です。

 

こんなカンジで、

“もしかすると、

ある意味、一番ラップの上手い”

と思える INSPECTAH DECK も、

本作中ではその実力を

十二分に発揮できたとは言えないようです。

 

オススメ度 7.2

(ラップ:1.6 トラック:1.3 キャラ:1.6 話題性:1.4 構成:1.3)

 

 

2006年9月21日 (木)

もっとLOWできてくれ

前置きもなく、

今日紹介するのは

METHOD MAN

通算4枚目となる新作、

「4:21...THE DAY AFTER」 です。

200px421thedayafter  

 

 

 

 

 

  

ちなみにこの表題にある

“4:21” とは “4月21日” を指しています。

彼曰く、

“ナショナル・ウィード・スモーキング・デイは

4月20日なので、

このアルバムに

「4:21...THE DAY AFTER」 と名付けた”・・・

だそうです。

・・・・・

う~むむむ。。。

相変わらずですなぁ。

 

さて、

かつては WU-TANG CLAN のリードとしてだけでなく、

DEF JAM の看板ラッパーとしても

シーンを賑やかした MEF

しかしながら、

WU メンバーのソロ・プロジェクトが

RZA の手を離れたことで、

明らかにシーンに対する希求心を失っていき、

彼をはじめ、

各メンバーの戸惑い様が

昨今の作品に如実に表れているのを

感じずにはいられません。

特に MEF に関しては、

DEF JAM の打ち出す路線との

板挟みに合っているような

そんな雰囲気が、

昨今の作品に滲み出ているような気がします。

そんな中で、

本作を聴き進めていく上で、

僕が一体、

彼に何を求めているのか?!

ソイツを自分自身に明確化しながら、

その理想と現実のギャップについて

今回は検証していきたいと思います。

 

まず、

僕が MEF に求める姿は

とにかく “LOW” なコト。

コレに尽きます。

キャラが立った彼のコトだから、

どんなビートにも適応できるだろうけど、

だからこそ

彼にあっては “LOW” でいてもらいたいのです。

キャッチーなものはいらない。

流行も無視すればいい。

ハイ・ファイなんてもってのほか。

とにかく “LOW” であってほしいのです。

その点で、

本作の幕開けをなす

イントロの①はスバラシイ!

僕が MEF に、

延いては WU に、

求めるズバリそのものが

この曲に集約されています。

さすが RZA が製作したとあって、

ツボを心得ています。

続く SCOTT STORCH 製作の②は、

悪くないのですが、

①に比べると音がまとまり過ぎている。

WUMEF 独特の

混沌とした世界観が

こうしたまとまりのある音の中で

萎縮しているような気がしてしまいます。

③はいかにも ERICK SERMON 印な

ファンクネス溢れるオケが

なかなかイナセでカッコイイ。

垢抜けてない所が良いです。

続く④は、

これもいかにも HAVOC 印な

ループ使いが特徴のオケです。

しかし、

こちらは僕が MEF に求める姿からは

少しかけ離れています。

賛成しかねる楽曲です。

⑥は恐ろしくLOWです。

KWAME 製作とあるのですが、

アノ KWAME でしょうかね?

例の水玉の??

全然色気がないところが大好きです。

⑦は O.D.B. のボーカルを

ERICK SERMONMATHEMATICS が絡んで作った

コミカルなオケの上に乗せた楽曲です。

こういうのはあまりにベタすぎるので、

あまり感心しません。

論外な⑧をとばして、

D-12MR. PORTER が製作し、

GINUWINE が爽やかなボーカルを乗せた⑨は、

曲自体の完成度が非常に高いです。

僕が MEF に求める理想像から

一番離れたような楽曲といえるでしょう。

しかしながら、

コレはコレでアリだと、

逆に説得させられるほど

きちんと自己完結した曲に仕上がっています。

でも、これだと、

別に MEF じゃなくてもいいような気もしてきますが。。。

RAEKWON らが参加する⑩は、

RZA が作ったにしては

深みが足りない曲です。

クレジットされていない U-GOD の扱いは

充分 “LOW” なんだけど。。。

ERICK SERMON 製作の⑫は

いかにも安直なループ使いがいただけません。

他の五万といるような凡庸なラッパーならいざ知らず、

MEF に対してこんな軽いビートを用意しては、、

彼の良さを自ずと打ち消しているようなものです。

⑬は、

コレはもう、本当にいけない!

ERICK SERMON が作った曲なのですが、

こんなに朗らかで、

こんなにヌケてる曲を

今の MEF がやっちゃうと

もうとりとめもなくなってしまいます。

続く⑭は確かに無骨といえば無骨なのですが、

ちょっと狙いすぎなオケが

あまり気に喰わないです。

ゲストは FAT JOELOXSTYLES が参加。

なんでか知らないケド、

FAT JOE LOX を並べてゲストに迎えると、

N.Y.色が230%増すそうです。。。

そしてヒドいのが⑮.

タイトルが 「KONICHIWA BITCHES」 とくる。。。

参ってしまいます。

MATHEMATICS の作る⑯は

それらに対する口直しとしては

充分機能している

LOWな曲に仕上がっています。

INS の切れ味が悪いのが

気に掛かりはするのですけど、

MEF の弟分、STREETLIFE

ここでは気張ったラップを聴かせてくれます。

ギターのリフを使った明瞭なオケの⑰は、

それだけだとあまり感心できないのだけど、

ここでは盟友 REDMAN が参加しているので、

この二人で暴れるなら

ちょうどコレくらいの方が響きが良いです。

⑲は入り方からして

いかにもな SHAOLIN STYLE で、

RZA の産み出すホラー・コアなビートに

RAEKWONRZA 自身がボーカルを乗せています。

コレです、コレ!

こういうのが MEF の咳いた

おどろおどろしい声質を

十二分に活かせるビートなのです。

と、

ここで終わってりゃよかったのに、

最終⑳にもってきたのが、

先程も名の挙がった KWAME 製作曲。

これで台無しです。

実際、僕のこの作品に対する総体的な感想は、

この最終曲の配置の悪さに大きく影響を受け、

あまり芳しいものとなっていません。

一体どの方向へベクトルを向けようとしているのか?

作品全体にチグハグな印象をしか与えないのです。

 

僕が求める METHOD MAN の在り方。

それは何度も述べてきたように、

“LOW” であることです。

WU の不振が続く中、

各メンバーは核心から離れた所で四苦八苦し、

かつての自らの幻影に翻弄されているように見えますが、

その中でも MEF

更にその印象が強いです。

そこで、

僕は考えたのですが、

WU への希求心を改めて高める為にも、

各ソロ・プロジェクトに関して、

全て RZA 指導で行い、

全曲を彼に任せた方が良いのではないかと思います。

その方が、

メンバーが活きるハズです。

 

オススメ度 7.2

(ラップ:1.6 トラック:1.3 キャラ:1.6 話題性:1.4 構成:1.3)  

 

 

2006年9月14日 (木)

THE ROOTS のルーツを辿る。。。

“音楽的な求道” についていうなら、

彼らほどにストイックなHIP HOPグループは

他にないだろう。

それが今回、

新作 「GAME THEORY」 を紹介する、

THE ROOTS である。

180pxgametheorycover  

 

 

 

 

 

 

ここニ作分の THE ROOTS の作品に対して、

決して好ましい感想を持っていなかったので、

正直、あまり期待はしていませんでした。

しかも、

DEF JAM からのドロップです!

どうなることやら。。。

 

そもそも、

MTV 主催による、

JAY-Z のアンプラグド・ライブに

THE ROOTS がバック・バンドとして

参加したことにより、

二組の関係が急速に近づいていったワケなのですが、

JAY-ZDEF JAM のトップに

就任すると時を同じくして、

同レーベルが電撃的に

THE ROOTS と契約したニュースは

色んな意味で衝撃的でした。

そのあたりの事情が先行して

大きな話題を呼んでの作品が

本作となります。

 

で、

実際のトコロ、

どうなの???

・・・・・

・・・・

・・・

良いんです!

コレが思った以上に良い出来映えなんです。

いきなり総括して言うなら、

本作は、

彼ら THE ROOTS

これまで辿ってきた道程を

全て復習っていったような作品になっています。

それこそ、

デビュー当時のジャズ・バンド然とした

1ST、2ND作から、

よりドラマティックに、

よりドラスティックに情感を湛えた音楽を標榜する

3RD、4TH作を経て、

個人的にはあまり好きではなかったが、

ロックに傾倒した

5TH、6TH作に至った彼らの軌跡を、

7作目となる本作で

丸ごと一枚に収めてしまったような作品だ。

(ちなみに、

僕が好きなのは、

彼らの2ND、3RD、4TH作で、

それらは本当に擦り切れるくらい

何度も何度も繰り返して聴いていました。。。)

 

まず、作品冒頭、

無骨なビートがたまらない②は

彼らの昔の姿をそのまま髣髴させてくれるだろう。

そして、

それに続く情感タップリの③、④への流れ。。。

もうコレだけで、

僕は満足です。

作品は真ん中辺りから、

僕の好みの範疇から外れる楽曲も

並んでいるのですが、

先にも言ったように、

僕はもう、

②、③、④、

この並びだけでいいのです。

そう、

これだけでいいとか言っていながら、

更に嬉しいことに、

作品の終盤にきて、

また好ましい楽曲が並んでいる!

⑪も彼らの初期を思い起こさせるような

流麗な音楽を堪能できるし、

それより何より、

⑬ですよ!!!

この楽曲のオケは、

今年2月に亡くなった J. DILLA (a.k.a. JAY DEE)

追悼のインスト作品中にあった楽曲になるのですが、

その時点でこの曲は

僕の耳を惹きまくっていました。

それがボーカル入りで聴けるなんて

すごく嬉しい。

BLACK THOUGHT のラップが

これまたよく映えているのです!

この曲だけで、

本作は

僕の “2006年ベスト・アルバム・ランキング” の

トップ10内に余裕で入り込んでくることでしょう。

・・・・・

イヤ~、

ホントに偏屈で偏狭な偏り方をした

HIP HOP観ではありますが。。。

 

それだけにとどまらず、

昔からの彼らのファンとしては、

サイドMCにチョコチョコと顔を見せている

MALIK B. の名前が

これまた嬉しいではないですか?!

僕としては、

ホントに原点回帰を希望していて、

MALIK B. だけでなく、

RHAZELSCRATCH

復帰してもらいたいんだよね。

そして、

昔の彼ら特有の

遊び心タップリの作品を待ってるんだけどな。。。

 

THE ROOTS に関して、

今、話題となっているのは、

本作でも客演で参加している

PEEDI PEEDI こと PEEDI CRAKK

正式メンバーとして登用されるというウワサだ。

PEEDI CRAKK は  ROC-A-FELLA の元、

BEANIE SIGEL が地元仲間を集めたグループ、

STATE PROPERTY の一員だっただけに、

JAY-Z 、あるいは DEF JAM 繋がりでもあり、

THE ROOTS と地元PHILLY繋がりでもあることから、

なかなか太い話のようだ。

 

ところで、

そういえば本作は

DEF JAM からドロップされたと

先にも書いたのだが、

その辺りの音楽性に与えた影響というものは

あまり感じられなかった。

これは良い兆候だと捉えている。

 

うん、

とにかく良い出来で安心しました。

“THE ROOTS のルーツを辿る。。。”

なんて、

どうしようもないタイトルから入りましたが、

本作はあながち、

そういった作品だったと僕は思います。

 

⑬、

とにかく良いので

ぜひ聴いてみてください!

 

オススメ度 8.8 

(ラップ:1.5 トラック:1.9 キャラ:1.6 話題性:1.8 構成:2.0) 

 

 

 

話は全然関係ないけど、

あ~あ、、、

とうとうやっちゃいましたね、

JAY-Z の完全復活宣言?!

色んな意味で、

ヒドい話ですよ。。。

 

 

 

2006年9月11日 (月)

ヤワなのは嫌いなんだ!

HIP HOPをこよなく愛していますが、

R&Bにはほとんど興味が沸きません。

HIP HOPの中でも

ラップをこよなく愛していますが、

ポップ・ミュージックでよくあるような

ラップもどきに対しては唾棄しています。

ヤワなのは好きではありません。

ガッツリとクロ~いバイブスに溢れた、

ストレートなHIP HOPをこよなく愛しています。

。。。。。

。。。。

。。。

で、

冒頭からトチ狂ったようなコトを言ってますが、

要は、

何を書こうとしているかいうと、

PHARRELL 名義での初ソロ作となる、

「IN MY MIND」 の紹介をしようかな、、、と。

200pxpharrellinmymind  

 

 

 

 

 

 

言わずと知れた、

業界のトップに君臨する

スーパー・プロデューサー・グループ、

THE NEPTUNES の片割れであり、

自ら手掛けた楽曲で

独特のファルセットを奮って

客演アーティストとしての地位も確立した、

PHARRELL くん。

延び延びになっていた

自身名義の初ソロ作品が

ようやく店頭に並んだのはいいケド、

先程も書いたように、

僕は “ヤワなのは嫌い” なんです。

ハッキリ言って、

これまでにドロップされている

N.E.R.D. 名義の作品ニ作には失望していたので、

PHARRELL のソロ・プロジェクトに関しても、

ほとんど絶望的なまでに無関心でした。

 

“どうせギャル受け狙った

オシャレ志向の強い作品なんでしょ?!

こちとら、重度のHIP HOPジャンキーやぞ、コラ!”

 

・・・なんて、

意味不明だけどほとんどケンカ腰ですよ。

そのクセ、

ちゃんと律儀に買ってるのだから、

僕のコレクター性癖も困ったモノです。

。。。。。

とかなんとか、

まったく期待値ゼロで聴いてたんだけど、

・・・・・

・・・・・・・・

・・・・

・・

・・・・・

ナニ、コレ?!

すごいカッコイイんですけど。。。

 

R&Bはまったく興味ないし、

PHARRELL のファルセットにも 

同じくらい興味はない。

彼の稚拙なラップには

更にまったく興味ない。。。

なのに、

この作品、すごくハマってしまう。

それはとにかく、

偏にビートの完成度の高さに

この作品の素晴らしさが集約されているからだと

密かに分析しています。

ネプ の音というより、

今回の PHARRELL の作った音の特徴って、

“ブレのなさ” にあると思います。

全15曲を彼一人で作ったようですが、

どの楽曲を取り上げてみても、

音色の一つ一つが確信的で、

良い意味で没個性的、

中性的な世界を作り上げていて、

それが逆に彼の個性となり、

彼のセックス・アピールに

繋がっているのではないでしょうか?

 

僕の好きな

泥臭い、

あるいは、

煙に巻かれたような、

ごった煮のスープのように混沌めいた、

そういう “超硬派” なグルーヴ。。。

それとはかけ離れたような

PHARRELL の織り成す、

洒落抜いていて、

婦女子をトロかしちゃうような

洗練されたビートを前にして、

悔しいけれど、

コレも好きだと認めざるを得ないです。

 

疾走感のある②や、

ループの心地よさが極限まで引き出された③、

H-TOWN期待の大物候補、

SLIM THUG が参加する⑥では、

チープなウワモノが耳にこびり付いて離れない。

NELLY とのコラボが見事にハマった⑫、

逆に KANYE WEST とのコラボが

どこかぎごちなさを伺わせる⑭など。

このあたり、

妙に気に入ってます。

他にも、

帝王 JAY-ZSNOOP

CLIPSEPUSHA T や、

NO DOUBTGWEN STEFANI らが参加し、

作品に華を添えていますし、

ゲストのあるなしに関わらず、

どの曲も非常に耳心地が良く、

素晴らしい出来映えです。

PHARRELL のファルセットや、

アクのない稚拙なラップが

ビートと相俟って、

一つの音楽を構成しているとでもいいましょうか、、、

自然体なカンジが

聴いていて疲れないのです。

今更だけど、

やっぱ上手いなあ。。。

 

ヤワなのは嫌いなんだ! 

・・・だけど、

今回は僕の完敗です。 

確かにこの作品カッコイイですから。

 

 

 

ちなみに、

本作のこうした個人的な高評価の影には、

本作のドロップされた時期が

発売の延期に次ぐ延期を伴って、

どうやら時宜を失したのか、

それ程バカ売れしてないっていう事実も

多少、この高評価に影響を与えているのですが。。。

天邪鬼の僕のことですから、

もしこの作品が爆発的なヒットをしてたというなら、

それ程高い評価も与えなかったでしょうね、、、

きっと!

 

オススメ度 8.5 

(ラップ:1.2 トラック:2.0 キャラ:1.8 話題性:1.6 構成:1.9)  

 

 

 

2006年9月 9日 (土)

今年は戌年!?

今年が戌年だったかどうか、、、

それどころか、

今年が平成何年だか分からないでいます。。。

しかし、

今年が例え戌年であろうと、

そうでなかろうと、

彼に言わせれば、

“戌年、再び!” だそうです。。。

 

というワケで、

今日紹介するのは、

DMX の久々の新譜、

「YEAR OF THE DOG ... AGAIN」 です。

200pxdmxyearofthedog   

 

 

 

 

 

 

ここ数年、

ラッパー引退をチラつかせていた DMX

一時は本気で宗教の道を志そうと考えたそうですが、

しかし、

旧友で、色んな意味での先輩でもある

MA$E のアドバイスにより、

音楽界に晴れて復帰を決意したということです。

そして、

古巣、DEF JAM を離れ、

新天地 SONY URBAN MUSIC に移籍し、

心機一転したパワフルな作品をドロップしてきました。

結論から言えば、

その題名と、

作品全体の構成から

彼自身が一番輝いていた

3RD作あたりのイメージを

そのまま現行シーンにはめ込んで、

立ち起こしたような作品に仕上がっています。

。。。。。

 

ではここから、

本作の内容に沿って各楽曲に触れながら、

作品紹介をしていきましょう。

 

まず、イントロの①で

軽くジャブを放つようにスピットを噛ましながら、

続く②でいきなりトップ・ギアに入れる、

いかにも DMX らしいこのヤリ方!

SWIZZ とのコンビネーションは

悪かろうハズもなく、

まるでお祭り騒ぎのごとく

血中濃度をアゲまくっていきます。

続く③も SWIZZ 製作曲で、

アッパーな DMX のフックが研ぎ澄まされて

ビートに映えています。

コイツはかなりキテるぞ。。。

単純ににカッコイイです。

更に続く SWIZZ 攻勢。。。

SWIZZ お得意の鳴り物使いと

重めに引き摺るループの④に

ゲストの BUSTA RHYMES も奮起しています。

この単調なビート聴いてると、、、

 

“きっとこの曲、

ものの十分、二十分で作ったモンなんだろうな。。。

ケド、きっとコレだけで SWIZZ

数万ドル稼いだんだろうな。。。”

 

⑤はいかにも RUFF RYDERS ライクなオケに

盟友 LOX から

JADAKISSSTYLES が客演。

ちょっとハズしている感があるかな?

スタイリッシュなオケが

N.Y. の煌く夜の情景を彷彿させる⑥は、

またもや SWIZZ 仕事の一つ。

カッコいいんだ、コレが。

スタイリ~ッッッシュ!!!

続く⑦のメロウなラインも

これまた涼しげでいいね。

DMX の作品には珍しい曲調で、

女子ウケ間違いナシでしょう。

ちょっとヤリ過ぎな感のある⑧に続く⑨は、

SCOTT STORCH 製作曲。

さすがに楽曲がタイトで締まっています。

ちなみに、

本作を製作する上で、

DMXSCOTT STORCH から

二曲分のビートを買ったそうですが、

その値段、

なんと一曲、8万ドル (約930万円) !!?!

二曲で約二千万円弱だなんて、、、

すごすぎです!!

(実際、二曲買ったら、

オマケでもう一曲タダで付けてくれたそうなのですが。。。)

⑩は久々表舞台でその名を見ることになった

DAME GREASE 製作曲です。

DAME GREASEDMX の組み合わせも

悪かろうハズもない!

独特の豪勢でドラマティックな作風は相変わらずで、

勢いで一気に聴かせてしまうところは

やっぱサスガです。

DAME GRREASE の作るビート、

昔から結構好きなんです。

⑪の落とし目のトーンでは、

⑦でパワフルなボーカルを披露していた

JANYCE なる女性シンガーが

ここでも活躍を見せている。

そして、

スロー・ダウンしたビートに

噛み付くようにフロウする DMX

これまたよく映えている。

まるで宣教師の説教を髣髴させる

ものすごく熱いスピットだ。

アルバムも終盤を迎え、

締めに入ったかと思わせる⑫、⑬の後は、

⑭でお馴染みの 「THE PLAYER」 シリーズです。

そして再び SCOTT STORCH が製作する

最終曲⑮で幕を閉じる。。。

ちなみにこの曲も

宗教的な観念を含んだライムらしいのですが、

先行でシングル・プレイされていました。

 

とまあ、

駆け足で辿ってきたのですが、

DMX

彼、

なんか吹っ切れてて、

いいカンジです。

全体の構成から見ると、

各楽曲のクオリティーに

バラつきを感じるのですが、

その辺りは目を瞑るとして、

DMX 彼自身に

漲った力をカンジさせるような

ラップの勢いがあって、

素直に好感を持って聴くことのできる作品に

仕上がっていると思います。

・・・だけど、

正直、

昔のようなカリズマティックな迫力は

取り戻せていないな。。。

僕としては、

彼にはまだまだこの世界で頑張ってもらって、

もっともっと味のあるラップを

聴かせてもらいたいです。

 

オススメ度 8.3 

(ラップ:1.8 トラック:1.7 キャラ:1.7 話題性:1.7 構成:1.4)   

 

2006年9月 5日 (火)

WU の歴史街道を辿る

今日も

前回に引き続き、

映像関係にスポットを当てて

作品を紹介したいと思います。

タイトルからも分かるように、

今回紹介するのは

WU-TANG CLAN

「LEGEND OF WU-TANG :

THE VIDEOS」 です。

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この作品は、

WU-TANG CLAN のデビュー作、

「ENTER THE WU-TANG」 から、

「WU-TANG FOREVER」

「THE W」 までの三作品にまたがるP.V.を

網羅して収録された作品になります。

(なぜ 「IRON FLAG」 から

入ってないのかは不明ではあるが。。。)

 

この作品で

とにかく注目していただきたいのは、

何と言っても、

彼らの1ST、

「ENTER THE WU-TANG」 から収録された

六曲分のP.V.に限ります。

「METHOD MAN」

「C.R.E.A.M.」

「CAN IT BE ALL SO SIMPLE」

「PROTECT YA NECK」

「DA MYSTERY OF CHESSBOXIN'」

「WU-TANG CLAN AIN'T NUTHING TA F' WIT」

。。。。。

もう、

ハッキリ言って、

上記六曲、

コレが見たくて買ったようなモノです!

間違いない!!

この六曲分のP.V.を見れば、

今のシーンのP.V.なんか

軟弱過ぎて、

見れたモンじゃありません。

高級車、綺麗なオネーチャン、

高級シャンパンに

重たいばかりのプラチナ・アクセサリー。。。

右を見ても左を見ても、

同じモノばかりの没個性的な現行シーン。

そんな流れの中で、

今、

改めてこれらの初期 WU 作品を見ることによって、

センセーショナルな感動をすら覚えてくるほどです。

 

これらのP.V.内で、

洗練されていない分、

そのヤサグレ具合に鋭さと迫力を備えた

当時の彼らの “SHAOLIN STYLE”

ビビッドに描き出されていて、

古い彼らのファンが正に酔いしれた姿を

そのまんま堪能できること請け合いです。

“HIP HOP ルネッサンス” なる呼称で

ムーブメントを起こした彼らのパワーが

いかに凄まじかったかという歴史的事実を

スッポリ抜き取って

ココに収めてしまったというのが

この作品のミソ。

それは、

フッドに根付いた場所で、

普段からのファッションに身を包んだ彼ら、

そしてフッドの仲間達と、

ひりつくような渇きの中でストラグルする

緊迫した日常のシーンを

まるで鮮明に切り取ったかのような映像です。

何よりスバラシイのが、

この六曲分の映像の中に、

女性がほとんど出てこないというコト!

(CAN IT BE ALL SO SIMPLE の最初の方に

子供を抱えた若い母親が歩いているシーンが

1カットだけ挿入されているのみだ!)

これこそ、

在りし姿の WU-TANG CLAN だ。

。。。。。

。。。。

。。。

しかし残念ながら、 

その後、歴史を辿ると、

WU-TANG はやがて

凡庸の域にまみれてしまう事になり、

後に続く各楽曲のP.V.も

精彩に欠けるその流れを

克明に描き出しているのだけれど。。。

 

しかしながら、

それにつけてもこの作品、

古い WU ファンは元より、

今の新しい世代のヘッズ達に

ぜひ見てもらいたい作品であるコトには

何ら相違ない。

否!

新しい世代のヘッズこそ、

目にすべき作品であるといえよう。

 

コレが

HIP HOPの一番熱いトコだ!!!!

皆、

⑥の RZA のキレっぷりを堪能して、

アガりまくれ!

 

“TIGER STYLE!!TIGER STYLE!!”

 

 

2006年8月29日 (火)

歴史的検証

今回紹介するのは、

この六月に買った作品ではありますが、

新譜ではありません。

それどころか、

正確には、

再発された復刻版の作品紹介になります。

常々、

探し回っていたグループの作品で、

再発されたと聞いて

小躍りして喜びながら購入したものになります。

・・・・・ 

というワケで、

勘の鋭い方はもうお分かりですね?

今日紹介するのは、

ORIGINAL FLAVOR の2ND作にあたる、

「BEYOND FLAVOR」 です。

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僕に向かって、

“一番好きなHIP HOPの曲は何??”

って聞いてみてください。

僕は迷わずこう答えます。

・・・・・

・・・・

・・・

JAY-Z 「DEAD PRESIDENTS Ⅱ」 !!”

。。。

 

 

ORIGINAL FLAVOR といえば、

とりもあえずも、

一にも二にも、

まず、

欠かすことができないのが、

SKI の名です。

SKI は、

このグループの中心人物であり、

またそれ以外にも、

先に挙げた僕の一番好きな曲、

JAY-Z「DEAD PRESIDENTS Ⅱ」

楽曲製作者でもあり、

他にも、

CAMP LO の作品に欠かすことのできない、

また、それ以外にも

多くの有名ラッパーに楽曲を提供してきた

プロデューサーとして

この世界に確固たる地位を築いています。

 

 

 

さて、

今回のブログのタイトル、

“歴史的検証” について、

どこらへんが歴史的検証なのか?といいますと、

まず、この作品の総監修に

若き日の DAMON DASH

名を連ねている点に注目していただきたい。

この作品は1994年に

ATLANTIC から発表されたものになるのですが、

ROC-A-FELLA 帝国の権威を築き上げた

中心人物、DAMON DASH が、

その帝国の礎を築く前夜の模様を

本作は見事に反映していると言えるのです。

 

まだ ROC-A-FELLA の名を呈した組織が

完全に生まれてない当時、

しかし、DAMON DASH

DAMON DASH ENTERTAINMENT なる

マネージメント会社を設立し、

精力的に活動しています。

ORIGINAL FLAVOR の活躍は

そんな彼の才気の一端を伺わせたものでした。

DAMON DASH SKI の溢れる才能に目をかけ、

彼の後見人に DJ CLARK KENT を立てて

本作 「BEYOND FLAVOR」 を製作しています。

そして、

本作のド頭にして

いきなりのハイライトとなる②、

アルバム中盤の要となる⑩にて、

まだ正式なデビューを果たしていない

若き JAY-Z を共演させているのです。

 

JAY-Z

DAMON DASH

SKI

CLARK KENT 。。。。 

 

この構図はそのまま

二年後の1996年、

JAY-Z のデビュー・アルバム、

「REASONABLE DOUBT」 へと

引き継がれることになります。

先程、僕が一番好きだと挙げた

「DEAD PRESIDENTS Ⅱ」 などを収録する

この天才のデビュー作が

歴史に決定的な一撃を加えるに足る

名盤クラシックだということは、

今更、兎角説明する必要もないでしょう。。。

 

こうして ROC-A-FELLA の始動は

1996年、

逸る天才達を集結させ、

確信的に幕を開けることになります。

 

・・・・・

・・・・

・・・

 

そういった観点から見て、

この ORIGINAL FLAVOR の2ND作品が

ROC-A-FELLA 創世期に与えた影響の重要性を

容易に推し測ることができます。

 

作品の内容に関して、

今回は一曲一曲掘り下げて

解説していくことはしませんが、

初期の SKI プロダクションは、

オールド・スクール・マナーに則った印象が強い。

ややもすれば単調になりがちなループの

ビート一つ一つに

エッジの立った鋭角さを感じさせます。

全体的にBPMが早めで、

その上でMC達が

己のスキルを競い合うように

ライムを展開させていくのが

本作の見所です。

そんな中、

ORIGINAL FLAVOR のMC、

T-STRONGSKI のフロウが

いかにも古い、

朴訥で尖がった旧タイプ然としているのに対し、

前述②、⑩でゲスト参加する

JAY-Z の初期のフロウの

流暢で流れるようなスムースさが、

対照的に映えています。

それはこの先、

この男が時代の流れを切り開く前触れとして

吹き鳴らす進軍のファンファーレのごときである。

 

。。。。。

 

SKI のプロダクションに関して、

ジャジーでメロディック、

且つドラマティックな彼の持ち味を

期待しているというなら、

本作での楽曲群は

まだ黎明の色合いが強いとだけ言っておきましょう。

僕もやはり、

「DEAD PRESIDENTS Ⅱ」 や、

CAMP LO 一連の諸作品群での

SKI の音が大好きだから、

分からなくもない。。。

しかし、

先程から何度も繰り返しているように、

本作は ROC-A-FELLA 誕生に

大きな影響を及ぼしている作品として

大いに興味を惹かれる、

HIP HOPの歴史的にも

大変重要性を持った作品であるということが

言えるでしょう。

興味を持たれた方は

ぜひ耳にしてもらいたいです。

 

オススメ度 6.1 

(ラップ:1.2 トラック:1.7 キャラ:1.2 話題性:0.6 構成:1.4)  

 

 

 

2006年7月16日 (日)

利用価値ナシとみなされて・・・

ここ最近、

BUSTA MOBB DEEP の新譜紹介で

“ベテラン・アーティストと

彼らのレーベル移籍問題” について

色々考えさせられたのですが、

今回紹介する作品も

この問題に抵触するモノになります。

先の二組とはまた違った形での

抵触し方ではありますが。。。

 

今回紹介する作品は、

CAM'RON の新作

「KILLA SEASON」 です。

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CAM'RON に関しては

このブログでも何回か取り上げましたので、

その紆余曲折、浮き沈みの激しいキャリアについて

改めて説明するまでもないと思います。

現状の ROC-A-FELLA 離脱にまつわる経緯も

ご存知の方が多いのではないでしょうか。

元々、同郷 (N.Y.の HARLEM出身) のよしみで

ROC-A-FELLA 幹部の DAMON DASH に誘われ、

同レーベルと契約に至った CAM としては、

ROC-A-FELLA

DAMON DASHJAY-Z の間で

内部分裂を起こし始めた時点で、

ここに留まる意義を見出せず、

素早く脱退しました。

この脱退は、件の内部分裂の煙が立ち始めたのと

CAM の2ND作の発売時と時期が重なり、

プロモーションに大きく影響したことから

CAM ROC-A-FELLA に対する不信感を

大きく膨らませることに繋がった、

その結果だと思います。

しかし、それ以前、

CAM ROC-A-FELLA 入りする前から、

CAM JAY-Z の確執というものは

チラホラ噂されていたことでもあったので、

CAM が今、それらの憤懣を含めて

激しく怒り狂いながら JAY-Z に牙を剥くのも

当然の流れだと理解できます。

。。。。。

しかしながら、JAY-Z としては、

噛み付く CAM の牙も涼しく受け流し、

相手にしないと決め込んでいます。

それは彼がラッパーとして現役を引退している

(とか言いながら、未だに客演でラップし続けているし、

いつ復活してもおかしくないのだけど)

状態だというのも理由として挙げられるだろうが、

それ以上に、

CAM'RON とのバトルは利用価値がない

とみなしていることがより大きな理由と考えられます。

NASMOBB DEEP を相手に

数々のバトルを繰り広げた JAY-Z にとって、

今更 CAM を相手にしてもネーム・バリューがないと

そう判断したのでしょう。

今回紹介する CAM の新作は

そういった意味で、

JAY-Z へ向けて一方通行的にまくし立てたような

バトルっ気の強い作品に仕上がっています。

 

配給元を ASYLUM RECORDS と結び、

自身の DIPLOMATIC MAN 主体に製作された本作は、

CAM'RON 率いる DIPLOMATS が煽動する音楽性を

そのまま持ち込んだ作りで、

その持ち味となる

“他のアーティストの音楽性とは一線を画す” 風味が

至る所に鏤められています。

今でこそ耳慣れてきた感もありますが、

DIPLOMATS の音の特徴はとにかく奇抜で斬新。

グループ・デビュー当初は、

ド肝を抜かれるようなビート群が

それこそ目白押しでした。

その流れを汲んだ形での本作の構成ですから、

作品の骨子はなかなかしっかりしています。

その屋台骨を支えるプロデューサー陣に

ほぼ無名に近いプロデューサーを多く取り入れているというのが

DIPLOMATS の特徴ですが、

本作でも、

⑦製作の THE ALCHEMIST と、

⑪製作の HEATMAKERZ 以外、

有名どころのプロデューサーはいないです。

しかし、だからといって、

各楽曲のポテンシャルが低いというのではなくて、

それこそグループ特徴の

ヤクザな料理され方がしっかり板についています。

例えば③のように、

倍速で打ち込まれたドラムと

早回し使いのオケを使ったような楽曲も

今となってはそれこそ彼らの定番と化しています。

個人的に好きなのは、

スキマだらけのライミングが味まくりの

前述 THE ALCHEMIST 製作曲⑦や、

唯一グループ外からのラッパー・ゲストとなる

LIL' WAYNE 参加の⑧などは

楽曲構成が興味深い仕上がりです。

LIL’ WAYNE のラップも独特のビート解釈で、

スキマの多いライミングを得意としているので、

彼らの相性は本当によく合っている。

近々、JUELZ SANTANALIL' WAYNE

コラボ作品が発表されるという噂ですが、

そういう点でも⑧は

今から期待を高めてくれる出来映えを見せています。

他にも、

前述 HEATMAKERZ 製作の⑪は、

さすがに音の立ち方が素晴らしい楽曲で、

そのトリッキーな構成力はいかにもフレッシュです。

僕的には、昔のようにもっとガッツリと

DIPSETHEATMAKERZ で組んで

作品を出してもらいたいな。。。

本作中、一番耳を惹かれたのは⑬です。

これもトリッキーな構成が魅力的なのですが、

声ネタとベース・ラインのループ、

それに CAM のフリーキーなラップが

ミニマルに嵌り込んで、

見事な仕上がりを見せています。

 

さすがに目新しさはすでに翳り始めているけれど、

まだまだ最先端のN.Y.サウンドを堪能させてくれる本作。

それだけに各楽曲のクオリティーを楽しみながら、

JAY-Z に毒づく CAM のライムというのも

また一興でしょう。

しかし、厳しい目で見れば、

トータル・パッケージングに関してムラがあり、

目玉となる曲も見当たらないというのが実際のところです。

冒頭でも書いたように、

最近、このブログで触れることとなった

BUSTA RHYMESMOBB DEEP などの

ベテラン・ラッパーのレーベル移籍に伴う

アーティスト・イメージと新体制化でのギャップを

作品の中に露呈してしまう問題は、

ここでは逆説的に CAM'RON にまとわり付きます。

そのパラドックスはつまり、

エスタブリッシュされたかに見える彼のスタイルが

未だ発展途上の段階にあることを指しています。

過去に ROC-A-FELLA で大成功を収め、

完成されたかに見えた CAM のキャリアは、

その実、ROC-A-FELLA

パッケージングの妙によるところが多かったのです。

そういう意味で、

CAM'RON のようなタイプには

本作の配給を担当する ASYLUM のような

自由度の高いレーベルと組むのではなく、

組織全体でガッチリとサポートしてくれるような

ファミリー的なレーベルとの組み合わせの方が

上手く作用するのではないでしょうか。

そういった点から踏まえても、

本作は僕が CAM に期待する及第点には

届いていないと判断しています。

何より、バトルを吹っかけた相手、

その JAY-Z の反応を得られていないことからも、

本作に対する希求心の低さが伺われます。

 

オススメ度 7.2 

(ラップ:1.7 トラック:1.5 キャラ:1.5 話題性:1.4 構成:1.1)

 

2006年7月13日 (木)

これでいいのか、MOBB DEEP ?!

いきなりの否定的なタイトルでも分かるように、

今回紹介する新譜は、

御覧のとーり、

大いに話題を呼んだ G-UNIT 移籍第一弾となる

MOBB DEEP の新作、

「BLOOD MONEY」 です。

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ゴシップについてはともかく、

このブログではできる限り作品のクオリティーに重点を置いて

作品の批評を書いていこうと思います。

 

従来の  MOBB DEEP の作品において、

これまで彼らの根幹となしてきたカラーは

地元N.Y.はQUEENSに根付く、

“他のアーティストと交わることのない

唯一無二の世界観”

を描き切ったところにあると思われます。

これは、

今はなきレーベル LOUD にて

同時期、二枚看板を張っていた

WU-TANG CLAN にも当てはまるコトなのですが、

コレこそが彼らの廃れることのない

魅力の源泉でもあります。

彼らについた古くからのファンは

決して彼らから離れることはありません。

。。。。。

しかし、

常に時代の流れの中に漂う水物のシーンにおいて、

それだけでは充分なプロップスは得られないという

そういったジレンマがあるってコトもまた事実で、

特にレーベルから突き付けられる

セールス面でのアレやコレやってのは、

シーンの一時期を築いた古株たちなんかには

今となっては大きな問題となっているのでしょう。

(まあ、これはあくまで僕の予想でしかないんですけど。。。)

 

先程も書いたように、

今回は否定的なタイトルで

このブログを書き進めてきましたが、

本作自体は実際のところ

そんなに悪い出来ではないと思います。

HAVOC の作り出す楽曲は

全16曲中、6曲のみにとどまりますが

(①、③、④、⑤、⑧、⑭)、

世間が騒いでいる程には

その音の世界観は変わっていません。

それに、MOBB DEEP の音楽性と

G-UNIT のそれとの距離が

元々そんなに遠いモノではないことから

(これは MOBB DEEPG-UNIT50 CENT の地元、

N.Y.はQUEENSという土地柄が産み出した

独特のカラーなのでしょう)、

他のプロデューサー陣のプロダクションも

それ程違和感なく

MOBB DEEP の二人と溶け込んでいます。

ただ、これだけまとまりを感じさせる本作も、

だからといって MOBB DEEP の存在価値を高める程に

優れた作品であるとは決して言い難い。

それは何故か?

例えそのアーティスト・カラーが似通っているとはいえ、

本作はあくまで、

MOBB DEEPG-UNIT 側のマナーに添う形で

製作された作品だからです。

独特の個性を放ち続けていたからこそ、

新しいプロップスは得られなくとも、

シーンに確固たる地位を築くことのできた彼らならば、

他との迎合、協調、中和は

そもそもの彼らの魅力の根幹を損ないかねない

由々しき事態でもあるのではないでしょうか?

そういう観点から言っても、

本作にはオモシロミがないのです。

  

シングル・カットされた、

G-UNIT お抱えの SHA MONEY XL の作る

②はまだ何とか許せたとしても、

FREDWRECK の作る⑮はナシでしょ。。。

今作中、最も MOBB DEEP らしい曲は

HAVOC の作った⑤でした。

う~む、さすがにこんな曲ばかりじゃ

クラブで掛けられたモンじゃないだろうけど。。。

 

これでいいのか、MOBB DEEP ?!

このままじゃ、

皆に “SELL OUT” 呼ばわりされ続けちゃうぜ。

せっかく G-UNIT から出すってので、

ちょっと綺麗にまとめ上げ過ぎです。

もっと突き抜けた、

あるいは彼ら流に地下深くにこもった

そういう独特のクセのあるモノを聴かせて欲しい。。。

 

オススメ度 7.4 

(ラップ:1.3 トラック:1.5 キャラ:1.3 話題性:1.8 構成:1.5)

 

 

2006年7月 9日 (日)

BUSTA × DRE = ???

久しぶりの新譜紹介で、

何とか調子を取り戻したいと思います。

 

今日、紹介するのは

AFTERMATH に移籍して第一段目となる

BUSTA RHYMES の新作、

「THE BIG BANG」です。

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本作の注目点は一つ、

これまで強烈な個性を発揮し続けていた BUSTA

DRE 率いる AFTERMATH のサポートを得て、

いかに変容するか?

それに尽きると思う。

 

BUSTA といえば、

そのキャラクター性だけが一人歩きしていた状態の彼にとって、

作品、及びセールスに対する評価というものは

すこぶる低かった。

それはシーンが抱く彼に対するアーティスト・イメージと

彼の作品群に溢れる混沌めいた終末論の影や、

悲観論的なアナーキズムとの間に

ギャップを感じずにはいられなかったという

要因があったからだろう。

ELECTRAJ RECORDS と渡り歩た彼のソロ作品群は

僕個人の評価としては決して低いモノではなかったのだが、

世間の評価として、

これまでそれらの作品で

プラチナム・セールス(百万枚)に届くところが

精々だったというのは、

“BUSTA RHYMES” というネーム・バリューから考えても、

少し低評価に過ぎると

改めて思わずにはいられない。

今回の AFTERMATH への移籍は、

そんな状況を打破すべくとった

最終的な手段だったのではないかと僕は予想している。

 

そういった点に注目した形で

本作を傾聴していくと、

まず極論的な物言いになってしまうが、

この作品の傾向はド頭の①から⑤まで、

この5曲の並びで全てが物語られているかのように思える。

つまり、

BUSTA × DRE = ①、②、③、④、⑤”

ってコトだ。

この五曲分をまず解説していくと、

アルバムの幕開けとなる①は

いきなり DRE が製作に絡んだという楽曲に

ゲストで Q-TIP が参加しているという

豪華な顔ぶれがまず目に付く。

しかし、そのインパクトとは裏腹に、

楽曲中の神経に引っ掛かるような高音のウワモノが

彼のコレまでの諸作品に違わない

エキセントリックでアブストラクトな音楽性を

際立てているかのように耳を惹く。

これこそ BUSTA の真骨頂と呼べる作風なのだが、

DRE もそのことは充分承知していたのだろう。

続く②は SWIZZ BEATZ の製作楽曲で、

シングルとして切られている。

音数が少なく、空間的にスカスカの楽曲なのだが、

非常にインパクトの強い作りになっていて、

SWIZZ の潜在能力の高さを

改めて感心せずにはいられない。

③は DRE が単独で製作にあたった楽曲で、

曲調としては①に続く破綻したアナーキズムを

強く漂わせている。

ここでの BUSTA の低く抑えられたラップが

更に曲間の不協和音を高めているのだが、

ゲストで参加する MISSY の物憂げな声で呟くフックが

ポイント的に作用して、

破滅的なこの楽曲の曲調に救いをもたらしているという点で、

①の Q-TIP と同様の役割を果たしている。

フックとしてはどちらもそれ程には強くないのだけど、

コレは引き篭もりがちな BUSTA の内世界に

外的な光を当てるという意味で、

アルバム全体に強い影響を与えているように思える。

④は DJ SCRATCH 製作、

ゲストに SWIZZ が参加する

アルバム中でも異彩を放つ楽曲。

実は、僕がこのアルバムの中で

一番耳を惹かれたのがこの④だった。

ここにきてようやくのメジャー・コードの曲調に

アゲアゲの SWIZZ のフックと

たたみかける BUSTA のラップが

心地良い疾走感を産み出している。

⑤はこの作品の中でも目玉となる楽曲で、

ゲストに参加する STEVIE WONDER の名前が

一際目立って輝いている。

製作は SHA MONEY XL

G-UNIT 関連の作品他、

今や引っ張りだこの売れっ子プロデューサーが作る楽曲は、

多少安っぽいセンチメンタリズムを煽る、

それこそ G-UNIT モノによくありそうなオケなのだが、

フックの STEVIE の歌声が

この楽曲だけでなく、作品全体をしっかり引き締めている、

正にハイライトとなる楽曲である。

STEVIE WONDER の琴線に触れるような

唯一無二の歌声が

BUSTA のラップと絡まり産み出すそのハーモニーは、

話題性だけに留まらないクオリティーを構築させている。

 

と、ここまでこのアルバムを集約させたような

ド頭から五曲分について解説してきたが、

残りの楽曲について個人的な感想を

更に述べさせてもらえば、

前述①、②、③、④、⑤を超えるインパクトを放つ楽曲は

他には見ない気がする。

J. DILLA 製作、Q-TIP 参加の⑧や、

ERICK SERMON 製作、RAEKWON 参加の⑨、

TIMBO 製作の⑬など、

小味の利いた楽曲が光っていて、

作品の脇をタイトに引き締めている。

しかしそれらに強烈な BUSTA の個性が宿っているのか?

というと、そう言い切れない押しの弱さを感じてしまうのだ。

更に言えば、

RICK JAMES のボーカルが

あまり活かされきっていない⑥、

ムリヤリ捩じ込んだような印象がぬぐえない

WILL. I. AM.KELIS の参加楽曲⑩、

NAS の登場が完全に場違いな⑪、

D-12 のメンバー KON ARTIS a.k.a. MR. PPORTER

(昔は DENAUN POTER とも名乗っていた) が作る

凡庸の域を脱しきれない⑫など、

これらの楽曲の内には BUSTA の魅力となる

キャラクターのダイナミズムがスッカリ削がれてしまっている。

得てして、

DRE のトータル・プロデュースにより

作品全体がタイトにまとめ上げられている為、

BUSTA のラップそのものがその統制化で

ミニマルに過ぎるきらいがあるのがどうしても気に掛かる。

これが本作にもたらされた功罪の一つなのか?

それともあるいは、

BUSTA が歳を重ねて丸くなってしまった結果なのか?

 

最近の風潮として、

DRE を頼り

AFTERMATH へ移籍する

(脱退はしたが、RAKIM や、

次作が噂されている WU-TANG など) 、

あるいは、

50 CENTG-UNIT へ移籍する

MOBB DEEPM.O.P. 、MA$E など)

ベテラン・ラッパーが多いのだが、

それが果たして全て良い結果に繋がるとは

到底考えられない。

BUSTA のこの新作にしても

彼の望んだような反響が得られたとは思えないのだが。。。

 

BUSTA RHYMES に僕が期待する音楽は

この作品の前半五曲に集約されており、

全体の感想としては、

大きな期待をかけていたその反動で

多少、消化不良に思えるところが大きい。

確かに、

クオリティーは高いのだけれど。。。

 

オススメ度 8.3 

(ラップ:1.5 トラック:1.7 キャラ:1.6 話題性:1.8 構成:1.7)

 

ちなみに、

このブログでいつもコメントしてくださっている

HOSSY さんの日記 の中にも

同じ BUSTA の新作のレビューがあるので、

そちらの方も参照してみられてはいかがでしょうか?

  

 

2006年4月30日 (日)

LADIES LOVE ...

LADIES LOVE ...

と書けば、モグリじゃない方はもうお解かりのハズですね。

“LADIES LOVE COOL JAMES” こと

LL COOL J の通算12枚目 (!) となる新作

「TODD SMITH」

今日は紹介したいと思います。

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本作タイトル 「TODD SMITH」

LL の本名 “JAMES TODD SMITH” から採られたモノだが、

なぜフル・ネームを使わなかったのか?

それは多分、

彼が運営するクロージング・ラインの名称が

同じ “TODD SMITH” だからというのもあると思う。

そして、それ以上に本作は

デビュー11年目を迎える彼の

個人的な思い入れを詰め込んでいるからかもしれないと

僕は想像しています。

。。。。。

さて、本作を手に取って、

まず一番に目が行くのは、

何と言っても本作にクレジットされている

客演陣の豪華な顔ぶれでしょう。

全13曲 (+日本盤ボーナス・トラック2曲) 中、

12曲に錚々たるメンツの名が並んでいます。

しかも、その12組のゲストの内、

シンガーの客演が10組もあるというところが

なんとも LL らしいではありませんか!

それでは、順を追って各曲を紹介していきたいと思います。

 

ド派手なイントロダクションから始まる①には

レーベル・メイトでもある若手有望株 JUELZ SANTANA が参加し、

お互い攻撃的なラップを披露して幕を開けています。

この二人の共通のイメージはナンパなカンジなのですが、

こういう路線もイケるってところをしっかり証明してくれています。

JERMAINE DUPRI 製作の軽快なオケに

JENNIFER LOPZ のエロくて柔らかいボーカルがのっかる②は

本作の華やかなイメージを強く印象付ける楽曲に仕上がっています。

続く、POKE AND TONETRACKMASTERS 製作曲③には

MARY J. BLIGE が参加し、

その流麗な歌声で作品をピシっと引き締めています。

いかにもHOLLYWOODの週末の夜を想起させるような楽曲です。

続いて、トーンがグっと押さえられた作りの

LYFE JENNINGS 参加曲④は

LLLYFE の二人で楽曲製作した模様。

一転、煌びやかに浮かび上がるような⑤は

THE NEPTUNES 製作、JAMIE FOXX 参加の

美しい楽曲に仕上がっています。

決して派手な曲調ではないのだけど、

隠し切れない華々しさが滲み出ている曲です。

続く⑥は JAY-Z の秘蔵っ子 TEAIRRA MARI が参加し、

LL との掛け合いからストーリー・テリングする

展開のオモシロい曲。

新作が期待されている FREEWAY 参加の⑦は

アップ・テンポな曲調に LLFREEWAY のスピットが熱く滾る。

本作は全編を通してその豪華な客演陣の顔ぶれにもかかわらず、

主役となる LL の存在感が際立つ曲ばかりが並んだ構成なのだが、

唯一、この曲だけはゲストの FREEWAY に喰われてしまってます。

それ程に、今、FREEWAY がノってるってコトでしょう!

TRACKMASTERS の得意とするドラスティックなオケに

RYAN TOBY のファルセットが映える⑧は

LL のラップする声質を引き立てています。

LL はやっぱこの声がカッコイイんですよね。

続く、SCOTT STORCH 製作、GINUWINE 参加の⑨は

もうエロさ満開です。

メロウネスにとろけるナンパ・ソング。

SCOTT STORCH はこういう曲調も手掛けるんだと、

彼の仕事の幅を改めて思い知らされました。

TRACKMASTERS 製作のラテン調なオケに

LL が所々スパニッシュを織り込んだライムを披露する⑩は、

表にクレジットこそされていないが、

女性のラテン・シンガーがしっかり参加しています。

⑪も製作は TRACKMASTERS が担当。

112 が参加した壮麗な楽曲で、

曲中に広がる空間がいかにも雄大にイメージを膨らませます。

続く⑫は前曲とはまた違った雄大さを湛えています。

久々にメジャー作品でその名を見ることになった BINK! の製作曲で、

そのドラマティックに展開していくビート上を

LL の確固としたラップと

ゲストの MARY MARY の力強いソウルフルな歌声が

ある種の興奮を湛えて交錯していきます。

まさにクライマックスに相応しい曲です。

そして⑬で、現在のR&B界に新風を吹き込んだ NE-YO が参加。

ここでも TRACKMASTERS が楽曲製作で参加しております。

。。。。。

 

今回は参加ゲストを中心にして作品を紹介していきましたが、

先にも書いたように、

本作は全編を通してこれだけ豪華絢爛な

客演陣の顔ぶれにもかかわらず、

主役となる LL の存在感は一際際立っていて、

しっかりと彼のカラーを前面に押し出すことに成功しています。

その煌びやかさといったら実にHOLLYWOOD的で、

これぞ正にメジャー作品といった洗練された貫禄に溢れています。

しかし、その分、タイトにまとまりすぎていて、

味気ないように感じたりもするのだけど・・・

非常にミニマルに構成されてはいますが、

音の良さや作品バランスの良さも素晴らしく、

何よりこの客演陣の顔ぶれから見ても

きっと多くの女性達が大喜びしてこの作品に飛びつくんだろうことは

想像に難くありません。

 

オススメ度 7.6 

(ラップ:1.5 トラック:1.6 キャラ:1.4 話題性:1.5 構成:1.6)

 

 

本作とは関係ありませんが、

僕は個人的にR&Bはほとんど聴かなくて

(唯一聴くのは ALICIA KEYS くらい) 、

こんなこと言うと怒られそうなのですが (誰に?) 、

最近、TEAIRRA MARIMARY MARYRIHANNA

この4人がゴッチャに混じってしまって

誰が誰だか区別がつかない状態です。

MARY MARY がデュオだってのも最近知ったほどで、

彼女たちが目の前に並んでも

きっと誰が誰だか僕にはわからないと思います。。。

  

 

2006年4月25日 (火)

皆大好き GHOSTFACE

さて、今回も前置きを省いて新譜を紹介したいと思います。

GHOSTFACE KILLAH の通算5枚目のソロ作、

「FISHSCALE」 です。

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日本では未だに根強い人気を誇る WU-TANG ですが、

中でも1、2番の人気を誇る GHOSTFACE

本国での WU の低迷感もどこ吹く風の彼のソロ活動は

飄然としていながら、しかし、きちんと結果を伴っていて、

だからこそ DEF JAM とのディールなど、

業界内での高い評価を獲得できているのでしょう。

彼と他の WU-TANG メンバーとの差は

何と言っても他のメンバーが未だ “WU-TNAG ブランド”

依存しないといけない立場にあるのに対し、

彼は “GHOSTFACE ブランド” をきちんと確立しているという点に

顕著に顕れています。

現に、これまでの GHOSTFACE 作品にはハズレ作品がなく、

そのどれもが彼のカラーを踏襲し、

揺るぎない一方向へとベクトルが向けられています。

これって出来そうでなかなか出来ないことです。

だから彼の作品は安心して買えるし、

もちろん本作も例に漏れるようなことはありません。

 

ゲストやプロデューサーについてのメンツなど、

本作について言いたい事はたくさんありますが、

まず、何よりも第一に、声を大にして言いたい事があります。

それは・・・・・

・・・・

・・・

本作中に参加している PETE ROCK 製作曲が

もう、どえらいコトになっている!!?!

そう、アノ例の、皆大好き PETE ROCK の製作曲です。

彼は本作内で3曲、プロデュースで参加しているのですが、

その3曲とも、すごい曲に仕上がっていて、

一聴して思わず鳥肌が立ってしまったほどでした。

本気でぶっ飛んじゃった!

クレジットを見ずに聴いていて、

引っ掛かった曲を後でクレジットで調べると

そのどれもが PETE ROCK 製作楽曲だったってのが

まず驚きだった。

特に強烈なのが⑩と⑰。

⑩はその圧倒的なドラム・ラインの素晴らしさに耳が惹きつけられる。

ともすれば凡庸に埋もれそうになるループを

力技でねじ伏せるかのような、

そんな圧倒的な存在感をそのドラム・ラインは湛えているのです。

もう一つ、⑰はギターの短いリフをループさせて作られた

エキセントリックなインパクトのある楽曲に仕上がっています。

このループの非凡さに PETE ROCK の偉大さが

滲み出ているかのようだ。

実際、PETE ROCK の名前をクレジットに見るのは久々のことだが、

それがこういうメジャー作品で、

しかもこんなにすばらしい出来映えを誇って

こうやって我々の前にカム・バックしてくれたという現実は

何にも増して喜ばしい。

他に有名どころで、

④の JUST BLAZE 製作曲はロッキッシュでアヴァンギャルドな、

いわゆる “JUST BLAZE 印” のまんまのオケの上に、

GHOSTFACE の高音ボイスによる攻撃的なラップが新鮮に映える。

⑦、⑫は故 J. DILLA 製作曲だが、

これはどちらも先日発売された

J. DILLA 名義の作品

「DOUNUTS」 に収録されているオケがそのまま使われている。

ゲスト出演では盟友 RAEKWON が4曲参加しており、

GHOSTFACE との相変わらずの相性の良さを

充分披露してくれています。

他に WU-TANG 一軍メンバーが勢揃いした⑥や、

DEF JAM 繋がりで、

大ブレイク中のシンガー、NE-YO が参加した⑬は

間違いなく本作のハイライトとなるであろう。

もちろん、

GHOSTFACE 率いる THEODORE UNIT の面々も

大活躍しています。

ボーナス・トラックには COOL & DRE 製作、

P. DIDDY こと DIDDY がCO-PRODUCEし、

BIGGIERAEKWON が客演参加している。

(ちなみに BIGGIE のヴァースは

彼の 「NIGGAS BLEED」 から引用されたものだ)

 

“ソウル・ミュージック” を体現する彼としては

本作はこれまでと比較して、

よりメジャー・コード寄りな気もしないではないが、

だからといってそれが GHOSTFACE のイメージを

損なっているというワケでもなく、

やはり独特の世界を構築しております。

全体としてSKITが多いのがちょっと気に掛かるが、

楽曲はどれも GHOSTFACE の世界観を見事に反映しており、

相も変わらず高いクオリティーを維持しています。

それだけに、楽曲単品がミニマルすぎる作りなので

もったいなく思えちゃうくらいです。

それくらい、各楽曲、ツブが立っていてカッコイイ。

 

にしても、

本作内の PETE ROCK 製作楽曲には

つくづくぶっ飛ばされました。。。

 

オススメ度 8.4 

(ラップ:1.7 トラック:1.9 キャラ:1.6 話題性:1.5 構成:1.7) 

 

2006年3月30日 (木)

BUMPY KNUCKLES BABY!!

今日は BUMPY KNUCKLES こと

FREDDIE FOXXX の作品

「KONEXION」 を紹介したいと思います。

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FERDDIE FOXXX

GANG STARR FOUNDATION の中でも

M.O.P. と並ぶ

“漢汁(オトコジル)” 溢れる雄々しいMCの一人。

DJ PREMIER の好みは一貫してますね。

 

今回 AMAZON で取り寄せた6作品の内、

最後に紹介する作品になります。

ちなみに、この作品は BBE からドロップされた作品で、

厳密には、全然新作ではありません。

何せ、2003年の作品ですから!

その割に、全然カッコイイのは、

HIP HOPの唱える普遍的、

つまり  “クラシック” 的要素が高い為です。

 

超硬派なビート群に超硬派なライムの数々!

女子たちには悪いが、

このゴリゴリの路線にはやはり王道とも言うべき

HIP HOPの本質的な魅力が詰まっています。

 

捨て曲ナシ!

③、⑬で PREMIER

⑭では DJ CLARK KENT

少なくはありますが楽曲提供で参加。

その他の曲もイカツくて、かなりカッコイイ!

さすが FREDDIE FOXXX + BBE

時代の流れなんてクソ喰らえ!な仕上がりです。

 

個人的には、

L.A.留学時、

ハリウッドの ARENA というクラブによく通ってたのですが、

そこで行なわれた彼のライブが印象的です。

ちょうどのその頃、

この作品がドロップされた時期になります。

ゴリゴリのN.Y.マナーのライブは

レイドバックした雰囲気を好むL.A.の観客には場違いで、

それこそ冷め冷めでした。

そのライブでステージに噛り付いて盛り上がってたのは

N.Y.スタイル嗜好者の僕一人だけでした。

ホンマ、僕一人だけ。

まさにマンツーマンのライブで、

ライブ後、彼がシェイク・ハンドしてくれたことが

異常に嬉しかったです。

ちなみに、彼の二の腕は僕の胴体くらい太くて、

セキュリティーよりイカツかったです。

最後まで (僕以外) 盛り上がらなかったライブに腹立ててか、

マイクをステージに叩き付けて彼は去っていきました。

カッコイイ。。。

正にN.Y.スタイルです。 

 

さすがに今年買ったとはいえ、

2003年発表された作品を

2006年のランキングに入れるワケにはいかないですが、

個人的な評価としてはかなり高いです。

参考までに “オススメ度” で点数化すると

 

オススメ度 8.3 

(ラップ:2.0 トラック:1.8 キャラ:1.7 話題性:1.2 構成:1.6)

です。 

 

 

2006年3月24日 (金)

LIVEで GHOSTFACE

昨日の続き じゃないけど、

GHOSTFACE KILLAH AND TRIFE DA GOD 名義の

「PUT IT ON THE LINE」 の中に入っている

GHOSTFACE のライブ映像が収められたDVDを

今日は紹介したいと思います。

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このDVDは昨年(2005年)の10月、

N.Y.の B.B.KING'S というクラブで行われた

GHOSTFACE のソロ・ライブを収めたもので、

CDに付属したDVDにしては珍しく結構しっかりと編集されていて、

普通にライブDVDだけでも楽しめちゃう

なかなかリーズナブルな特典になります。

 

これまでのキャリアで通算4枚のソロ・アルバムを出していて、

それぞれ高い評価を得ているコトからしても、

GHOSTFACE の持ち歌だけのライブは

充分見所満載である。

1STから名曲 「ICE CREAM」 のイントロが流れ出すと

場内が一斉に沸き上がるのも当然頷けます。

そこで客演の CAPPADONNA

かなり熱いステージングを披露してくれています。

CAPPA は他のライブでも

なかなかかっこいいパフォーマンスをしてくれているので、

結構注目しています。

「ICE CREAM」 から 「NUTMEG」「APOLLO KIDS」 への流れは

もう最高!

特に 「APOLLO KIDS」 での会場内の爆発ぶりは凄まじく、

アガり方がハンパじゃありません。

他にも 「HOLLA」 での GHOSTFACE の嘶きっぷりは

ズバ抜けていて、

さすが “啼き”GHOSTFACE

“ソウルフル” という言葉を具現化した唄いっぷりです。

「RUN」 での THEODRE UNIT メンバーの暴れっぷりも見物だし、

この曲もステージでよく映える。

ゲストに MASTA KILLAKILLAH PRIESTGZA

出演しているのだが、

中でも GZA のステージングがめちゃくちゃにカッコイイ!

いいねえ、、、

今度は GZA だけのソロのライブが見たいなあ。。。

 

とにかくミニマルにまとまりつつも、

なかなか濃いライブシーン満載で、

CD付属の特典DVDだとは思えないくらいしっかり楽しめます。

欲を言えば、

あと 「DAYTONA 500」 をパフォームしておいて欲しかった。

でも、コレ最高!

 

>WADA さん

この作品、かなりオススメですよ。

ぜひ聴いてみてください。

 

2006年3月23日 (木)

過保護な GHOSTFACE!

今回紹介するのは、

出来立てホヤホヤの新作ってのではなくて、

これまでと同様に AMAZON を使って取り寄せた

昨年末に発売されたという作品です。

WU-TANG 関連紹介の際

少し記述した GHOSTFACE KILLAH の企画するグループ

THEODORE UNIT の若手筆頭のメンバー

TRIFE DA GOD のデビュー作品となる

「PUT IT ON THE LINE」 をオススメしたいと思います。

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ちなみに作品名義は

“GHOSTFACE KILLAH AND TRIFE DA GOD”

になってます。

 

結論から言うと、

この作品、かなりスバラシイ仕上がりです。

先にも書きましたが、

コレは昨年末ドロップされた作品になりますが、

僕の中では自分が購入した期日を元に

その年のベスト10ランキングを作っているので、

今年のランキングに入れるつもりです。

多分、この作品と、

以前に紹介した GZA の作品

間違いなくトップ10に入ってくるでしょう。

それくらいにこの両作品、カッコイイ。。。

 

TRIFE にとっては自身のデビュー作が

完全なソロ作品ではないというところに

まだその力量の未熟なところが窺えたりもします。

確かに、本作が極めて完成度の高いクオリティーを湛えているのは

TRIFE の隣に過保護ぎみに佇む

GHOSTFACE の存在があってこそだとは思います。

ケド、その未完成なカンジの TRIFE のラインのツッコミ方などは

初々しいアグレッシヴさに溢れていて、

聴いていて楽しくなり、好感が持てます。

この作品の場合、

二人の出番のバランスを見てみると非常に均衡が取れていて、

それが展開を飽きさせない仕組みを作り上げている。

更にはゲストの仕事も絶妙のスパイスが効いていて、

RAEKWON をはじめ、

G RAPSLICK RICK の人選がシブ過ぎる。

正に飽きさせない構成だ。

楽曲に関して言えば、

製作者の名前がクレジットされていないのだが、

コレが全曲みんなカッコイイ!

バラエティーも豊富で、

しかもどれも音が立っていてビックリするくらい高品質。

いつもならピックアップして曲ごとに追って説明していくのだが、

今回は全曲捨て曲ナシで

ここでは説明しきれない。

WU-TANG 色から飛び抜けた GHOSTFACE

極彩色に織り成すドラマティックでセンセーショナルな

この作品の迫力を皆さんにもぜひ味わってもらいたいと思います。

 

しかも、、、

この作品、なんとライブ DVDが付いていて

二度美味しい!

ライブ映像に関しては

明日、別にして紹介したいと思います。

 

2006年3月17日 (金)

U-GODZILLA

今日紹介するのは

以前、WU-TANG 特集の際に少し触れた

U-GOD の2ND作となる

「MR. XCITEMENT」 です。

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WU-TANG 一軍メンバーの中でも

地味な役割を果たしている U-GOD 君。

総統 RZA に構って貰えないことにヘソを曲げて、

“U-GODZILLA” なんてトンデモなくシケった名前を持ち出し、

HILLSIDE SCRAMBLERS なる自身のクルー率いて

思いっきりマイナーなところで活動を始めた。

この活動があまりに深過ぎて、

僕自身、クルーの作品をなかなか掘り出せないでいます。

AMAZON でさえ扱ってないって、

もはや地下に括った名もないDJのMIX TAPE並だぜ!

彼名義で出た今作はなんとか押さえる事ができたけど、

コレもやばいニオイがプンプン漂っています。

ヤクザな話だなあ。。。

 

結論から言えば、

予想に違わぬヌルい仕上がりに少々ガッカリ。

本作での彼の立ち位置がものすごく曖昧で、

盤全体を通し掴みどころのない消化不良を起こさせる。

楽曲単位でそれ程ヒドいとは思わないのだけど、

そのどれもがインパクトなくて、

どうしても心魅かれないのである。

どうしたものか、、、困ったモンだね、U-GOD 君。。。

。。。。。

。。。。。

。。。。。

元々、僕としては彼の声質と

ブツ切りで吐き出されるそのフロウは結構好きで、

本隊の中でも注目して追ってた存在だったんだけど、

ソレにも増して、RZA 思想を介して打ち出された

U-GODWU 内での立ち位置って

なかなかシブくて単純にカッコよかったよな。

“コイツ、絶対に不器用だよ、きっと!” という

そのまんまのニオイが彼の味だと僕は思うのだけど、

ヘタにクルー率いるとか、、、

ソレってどうなの??!?

RZA とガップリ組み合った1STの出来が良かっただけに

すごくもったいない気がします。

 

とは言うものの、

彼の魅力の一つでもある

しわぶいた声量のあるテナーはこの作品でも充分に堪能できる。

ぶっきらぼうに歌い上げるフックなどを聴いていると、

彼の才能の素晴らしさに改めて気付かされたりもする。

だから余計に惜しいと思っちゃうのだ。

WU 一軍からはもちろん、

HILLSIDE メンバー以外の参加はなさそうで、

楽曲製作も、4TH DISCIPLE が僅かに一曲のみ提供するだけで、

WU 色は極めて薄い。

まあそれも、U-GODRZA の影響力から

脱しようとした試みがこの作品の本質なのだから、

仕方ねえか。

③とかいかにもロウなカンジでカッコよかったりするんだけど、

いかんせん押しが弱い。

今作中、一番耳がいったのは⑥で、

エレキ・ギターのリフがイナタくていいです。

朴訥な U-GOD のラップによく合ったビートだ。

 

U-GOD だけでなく、WU-TANG 一軍の他のメンバー自体も

昨今の低迷に喘いでいるのが

実際のところのU.S.シーンの現状なんだけど、

パっと出の新人ラッパーなんかより

断然気になっちゃう彼らの作品。

もうすぐ GHOSTFACE も新作出るらしいケド、

彼らには流行に捉われないスタイルを

これからもガンガン貫いて欲しいね。

それが彼らの味ってもんでしょ?!

 

2006年3月12日 (日)

CAPONE だって負けてません!

皆さん、CAPONE ってご存知?

“知らいでか!” とツッコまれた方、

オミソレしました。

そりゃそうだ、

なんたって CAPONE-N-NOREAGA で名を馳せた片割れだもんね。

N.Y.はクイーンズというHIP HOP最重要地区をレペゼンした

同コンビのかつての活躍を知ってなきゃ

そりゃモグリってもんよ!

・・・・・

ところで、

CAPONE のラップを記憶している人って、、、

います??

 

今回紹介するのは

その CAPONE の初のソロ作品

「PAIN ,TIME & GLORY」 です。

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CAPONE-N-NOREAGA として華々しくデビューした

CAPONE ではあるけれど、

コンビのデビュー作 「THE WAR REPORT」

強烈なスポットライトを浴びていたのは

相棒の NOREAGA の方でした。

しかも、そんな折にも CAPONE はムショを行ったり来たり。

一方その間、NOREAGA はコツコツと仕事に励み、

いつしか客演王の座にまで昇り詰め、

自身のソロ作品も大成功を収める。

ムショの壁の中でまんじりともできぬ CAPONE

シーンを席巻する NOREAGA  “WHAT !? WHAT !?” 旋風を

単純に比較しても

二人の間には雲泥の差が生まれてしまっていました。

皆が注目するのは当然 NOREAGA の方になります。

それはもう、圧倒的に。

。。。

しかし!

天邪鬼でヘソ曲がりな僕は秘かに

眠れる獅子 CAPONE の活躍を

今か今かと待ち続けていたのです。。。

そしてようやく待望の CAPONE 初ソロ作品が

昨年 (2005年) 秋頃、ドロップされました。

その作品がコレなんです。

 

とは言っても、

この作品、今のところ

それ程大々的に取り上げられてはいません。

輩出先もインディーだし、

配給もメジャーは全然噛んでいません。

ドロップされたってコトを知らない人も多いのではないでしょうか?

ちなみに、この作品も昨年から探し回っていたのですが、

店頭で発見することができず、

仕方なく AMAZON で取り寄せた一つになります。

 

一聴してチープな印象が強く、

期待ハズレだったか、とガッカリしかかっていたのですが、

繰り返し聴いてみると

それぞれの楽曲の印象がドンドン変化してきました。

結論から言えば、

この作品、なかなか味が出ていてオモシロい。

CAPONE のラップの魅力を充分に伝えてくれる

ツボを押さえた作りとなっています。

 

CAPONE のラップの特徴は

何と言ってもその高音域の声質で

引っ掛かるように言葉をぶつけてくる点にあります。

まるで耳障りなまでの高周音波のような彼の声は、

確かに相棒 NORE と比べると

音の通り方が断然に引けをとるので、

二人が並んだ楽曲では当然目立ちにくくなってしまいます。

しかし彼の声を単品で聴くと、

なかなか特徴的で独特のインパクトを持っています。

僕個人の嗜好としては、

こういった個性的なラッパーが大好きなので、

売れてるけど売れてない (?)

CAPONE の活動に注目してしまうのは、

これはもう必然といっても過言ではありません。

(もちろん NORE がオリジナリティー溢れるラッパーであることは

言及するまでもなく、 彼も同じく注目してはいますが)

 

楽曲製作には

CAM'RON 率いる DIPLOMATS の作品などでお馴染みの

HEATMAKERZ らが参加し、

ビビッドでドラマティックな楽曲構成を主軸に配されています。

特に作品後半は絶妙の展開を見せています。

また、客演の人選もシブくて、

C-MURDERBUN BSCARFACE

DEVIN THE DUDEBUTCH CASSIDY

それに RAEKWON と、なかなか心得てらっしゃる。

相棒 NOREAGATHE NEPTUNES は今回不参加だが、

CAPONE の持つ特色を活かす為には

それが正解だったと思う。

②、③によるドラスティックなオケが印象的な幕開けから

疾走感溢れるビートにアグレッシヴなラップの乗っかる⑬、

バウンスの突き抜け方が素晴らしい⑭、

情感タップリにスピットする泣きの⑮あたりの流れは

確実に作品を波の頂に高めつつあるのが手に取るようにわかる。

そこからクライマックスに達する展開が

この作品の非凡な様を如実に顕していて、

45回転オケ上で攻撃的なフロウを見せる⑰、

うねり狂うベース音上で RAEKWON とマイクを交わす⑱、

巧妙な展開が目を見張る絶品の⑲、

そして幕閉めには壮麗すぎるほどの⑳で作品は完結を見るが、

先にも言ったように、

後半の展開し方が実に巧みで絶妙の上手さを見せている。

ドカンっとデカい衝撃はないが、

インディー作品にしてはよく練られた構成で、

CAPONE-N-NOREAGA の際では決して表現しきれなかった

CAPONE の魅力が

この作品に十全と詰まっている。

 

僕としては彼のアグレッシヴにつっこむラップが好きで、

そのあたり、⑬や⑰あたりで見事に期待に応えてもらってるのだが、

それだけでなく、

一歩引いた泣きの魅力も充分に堪能させてもらった。

よく似たところで GHOSTFACE がいるが、

彼をもっと無骨にしたスタイルが CAPONE だと思ってもらうと

わかり易いんじゃないだろうか。

GHOSTFACE ファンは CAPONE の本作を

ぜひチェックしてみられるといいと思います。

 

2006年3月 7日 (火)

BLACK ROB

この数ヶ月、色んなレコ屋で探し回ってたんだけど

全然見つからなかった BLACK ROB の新作。

リリース情報では昨年末発売しているハズなのに

一体どうしたことか?

多分、BAD BOY 側の不手際で

正規リリースが延び延びになってんじゃないかな、

なんて我慢して待ってたんだけど、

なかなか店頭に並ばない。

こういうことはよくあるんだけど、

さすがに頭にきたので AMAZON で取り寄せることにした。

 

というワケで、今回紹介するのは

BLACK ROB の2ND作品となる

「THE BLACK ROB REPORT」

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この数年にわたって続いた BAD BOY

配給先を巡るお家騒動で、

レーベルの信用を失いかねん

(あるいはもうとっくの昔に失ってしまっていた)

輩出作品のクオリティーの低さは目に余っていた。

BIGGIE 贔屓の僕としては、

このレーベルがバッシングの真っ只中であった時でも

(‘96年から‘98年くらいにかけての

いわゆる “シャイニー・スーツ” 全盛あたりの頃だが)

注意深く彼らの動向を追って、

それらの作品を楽しんでさえいたのに!

2000年以降、このレーベルからドロップされた作品群の中で

個人的に評価できたのは、

BLACK ROB の1ST作となる 「LIFE STORY」 と、

EIGHTBALL & MJG「LIVING LEGENDS」 だけだった。

ほんとヒドイ。。。

 

なので、今回の BLACK ROB の新作には

個人的に一方ならぬ期待を込めて待ち望んでいたワケです。

BAD BOY が復権できるかどうかは

彼の新作にかかっている。。。

 

結果から言うと、

期待ハズレもいいトコでした。

前作に垣間見れた BLACK ROB というラッパーの

荒削りながらも輝きを放つダイヤのごとき個性が

歪められ、薄められ、こそぎ落とされてしまったかのようです。

一体何故こんなことになってしまっているのだろう?

まず挙げられるのがビートの問題です。

彼はN.Y.はハーレムで過ごしたホームレス時代からの

人生のストラグルを言葉に乗せる

ハードコア・ラッパーを自称しています。

そんな彼に見合ったハードな楽曲が用意されていない。

コレがそもそもの間違いの元なのだ!

ビートが弱い。

どうせなら、いっそのこと全曲の製作を

EASY MO BEE あたりにでも任せてしまえばいいのに。

確かに構成的にオモシロい楽曲もいくつか見られます。

例えば、シングルで切られている⑧や、

ループと AKON のフックの浮遊感が耳に付く③、

曲の中の転調が不思議なインパクトを持っている⑨など、

比較的にトリッキーなビートで軒並みの水準に達するモノもあります。

しかし、それがハードコア・ラッパーに

必要不可欠な楽曲かというと・・・・・

この作品で唯一、引っかかった曲があって、

それはブロークンなピアノのループを使った⑲なのですが、

このビートはハードなスタイルの BLACK ROB

よくマッチしていると思います。

このテの水準を備えた楽曲が集まっていれば、

この2NDも喝采を持ってシーンに受け入れられたんだろうけど。

 

それからもう一つ気になったのが、

ROB のフロウの微妙な変化です。

ライミング部分がビートにかかりながらゴリ押しで

踏んでいくスタイルが、

粗野で無骨なカッコよさを湛えていたのですが、

今作ではどうもそういったアクが弱まっているように思えます。

語尾に引っかかったしゃがれ声の彼のフロウが

結構気に入ってたので、

そのあたりでもトーン・ダウンしてしまう。

それに彼の印象を際立てるようなゲストも参加していないし。

 

BLACK ROB が何故いまだに BAD BOY に留まるか、

それが僕には理解できない。

デビューに際してでさえ、

レーベルの都合で散々待ちぼうけを喰わされてて、

2NDもやっぱり散々待ちぼうけを喰わされてて、

しかもレーベルのプッシュが弱いとなれば、

もう彼がこのレーベルに括る意味はないと思うんだけど。。。 

 

しかも、このブログにとってタイムリーなことに、

またまた逮捕のニュースが入ってきて、

ホントもったいないとつくづく思います。

ROB をはじめ、G-DEPSHYNE はつくづくもったいない!

  

2006年2月 7日 (火)

CLANの2軍、3軍、4軍 (4軍編)

さあ、今日こそ完結させるぞ!

この十日近く追っかけてきた WU-TANG CLAN 特集も

いよいよ大詰めです。

今日は世間にあまり知られていない 4軍 にスポットを当ててみます。

あらかじめ、僕の情報もあいまいなので、

軽く紹介程度に書いていきます。

 

4軍 は未だCDデビューしていません。

 

 

まずはプロデューサー部門

 

ARABIAN KNIGHT4軍 の中でも比較的に名が通っている

WU プロデューサー軍団の一人です。

1軍 から 3軍 まで幅広く楽曲提供して活躍しています。

 

BRONZE NAZARETH はまだ WU に加入して日が浅い

プロデューサーです。

先日紹介したモロッコ系オランダ人ラッパーの

CILVARINGZ の運営するレーベル

RINGZ & PARTNERS INC からネット・オンリーで

作品を出したらしいです。

 

JOHN THE BAPTISTGZA らの作品などに楽曲を提供しています。

また、自身で DEADLY VENOMS PRODUCTIONS という会社を

設立し、運営しています。

 

 

続いてグループ部門

 

A.I.G. (ALLAH IS GOD)ALLAH WISE

DARKIM BE ALLAH の二人から構成されています。

収録を終えた作品がお蔵入りしてしまい、

WU から離れ、インディーの道を再び模索中だとか。

 

AMERICAN CREAM TEAM は先日も書きましたが、

RAEKWON のプロジェクトです。

CHIP BANKSPOLITEKINGPIN BABY THAD TRIFLYN

NINOSUPERBRHYME RECCARAEKWON で構成されています。

彼らも作品がお蔵入りしているらしい。

 

ANCIENT COINSAMELD-MICAH SPANKY SPLASH

MARCELDEVIL DESTROYA HOLY SMOKE で構成されている。

WEBにて作品を発売。

 

THE BEGGAZBUDDAH HAVA FATHER LORD BOLO GAH

MAGIC SWORDOHH AHH SWORDSMAN PERSIAN KILLER

SAMO HEUNG SCORPIONDRAGON FLY

LONG FIST LONG AXE SHORT AXE で構成されている。

FATHER LORD はすでに死去。

 

BROOKLYN ZU (BKLYN ZU)O.D.B. のプロジェクトで、

構成員は 12 O'CLOCKCHEROKEE CHIEF SHORTY SHISTAIN

ZU KEEPERSILKSKI 、そして先日書いた BUDDAH MONK

ちなみに、12 O'CLOCKO.D.B. の実の兄弟らしい。

 

DEADLY VENOMSN-TYCE J-BOO CHAMP MC

FINESSELIN が構成するフィメールのラップ・グループ。

先ほど書いた JOHN THE BAPTIST のマネージメントする会社と

同名なのだが、 関係がイマイチわかりません。

作品を二枚製作したが、どちらもお蔵入りしてしまったようだ。

 

HARLEM 6 のメンバーは A.G.R. (ALMIGHTY GOD RULE)

BLACK JESUSBIG DEAL/RIGHTEOUS BORN

WILL POWERYUNG MAN で構成されている。

プロデューサーの BIG DEAL/RIGHTEOUS

MOBB DEEPHAVOCONYX

BLACK ROBICE-TGANG STARR GURU らに

楽曲を提供し、幅広く活動している。

 

HILLSIDE SCRAMBLERSU-GOD のプロジェクトです。

あっ、コレ、アルバム出してました。(じゃあ 3軍 やん!)

U-GOD の紹介時に書いた

「U-GOD PRESENTS THE HILLSIDE SCRAMBLERS」

B0001jxpkw01  

 

 

 

メンバーの構成が良くわからない。

とりあえず、KING JUST というラッパーが含まれています。

 

ICE WATER INCRAEKWON が企画する

AMERICAN CREAM TEAM とはまた別のプロジェクトで

POLITE はどちらにも在籍するが)、

RAEKWON を筆頭に、POLITECIGARSTUMIK

PC で構成されている。

RAEKWON の3RDなどでお目見えしています。

 

MACCAQBEEZKILLAH PRIEST の作ったグループらしい。

オリジナル・メンバーは DADDY ROSE SALAHUDIN だったが、

TIMBO KINGHELL RAZAH が入れ替わりで加入した。

そういえば、KILLAH PRIEST

THE 4 HRSMN というプロジェクトに参加してたなあ。

これは WU とは関係ないプロジェクトだったんだけど、

そのメンバーが RAS KASSCANIBUSKURUPT という

超豪華なラインナップ!

さすがに今はもう活動してないだろうけど。。。

 

RUTHLESS BASTARDSTHE BLAQUSMITHS をリーダーに

APOCALIPPSBENOIRON MIC SHA GOTTI

TRUCK で形成されたグループです。

グループ及びソロでのMIX TAPEなどを製作して

活動しているようです。

 

T.M.F.GHOSTFACE のプロジェクト

THEODORE UNIT の前身になります。

 

WEST COAST KILLA BEEZ はその名の通り、

西海岸で活動する BLACK KNIGHTS を主軸にし、

SNADMANG-TWINGANGSTA WIGGLES

P.C.BLACK TECHS らで構成されています

 

ZU NINJAZ O.D.B. のプロジェクトです。

同プロジェクト BROOKLYN ZU とどこがどう違うか、

ハッキリわかりかねます。  

  

 

続いてソロMC部門

  

CARLTON FISKMETHOD MAN に近しい人物らしく、

彼や STREETLIFE の作品でラップしている。

 

JAMIE SOMMERSRZA のレーベルと契約している

フィメール・ラッパー。

 

LA THE DARKMAN はよくよく考えると、

彼もソロ作品を出してたので、3軍 入りですね。

「HEIST OF THE CENTURY」 (1999)

Simg_t_oamg1921302979_1617jpg  

 

 

 

どうりで聞いた名前だと思った。

 

WARCLOUD は元々 BLACK KNIGHTS に所属するメンバーだった。

「NIGHTMARES THAT SURFACE FROM THE SHALLOW SLEEP」

「SMUGGLING BOOZE IN THE GRAVEYARD」

Warcloud02aWarcloud02b  

 

 

 

の二作品を2002年に出しているらしいが、

もうこうなってくるとサッパリわかんないです。

 

YOUNG JUSTICEGZA の息子で、

現在アルバム製作中だとか。

 

 

いよいよ最後のカテゴリー、4軍 シンガー部門

 

ALLAH REALAL GREEN スタイルのシンガーで、

GHOSTFACE MATHEMATICS の作品でお目見え。

 

BLUE RASPBERRYWU 1軍のソロ・ワークスの

ファースト・ラウンドに顔を出している。

 

SUGA BANG BANG はレゲエ・アーティストです。

映画 「GHOST DOG」 のサントラなどで顔見せしています。

 

TEKITHAWU シンガーの中でも一番有名です。

本隊の作品にも参加しているし、

各ソロ作品でもフックを流麗に、力強く歌い上げています。

 

 

 

・・・・・

と、コレでとりあえず終わりです。

今日はいつも以上に適当な紹介になってしまいました。

というより、

僕自身知らなかった情報があまりに多くて、

逆に勉強させてもらった気分です。

ちなみに、

1軍 から 4軍 まで入り乱れて出演している

WU-TANG KILLA BEES シリーズが二枚ほど出てます。

「THE SWARM」 (1998)

「THE STING」 (2002)

Simg_t_oamg1921290645_1617jpgSimg_t_oamg1921641940_1617jpg  

 

 

 

けっこうオモシロいので参考にしてみてください。

 

 

2006年2月 6日 (月)

CLANの2軍、3軍、4軍 (3軍のソロMC編)

実は、今回書いている WU-TANG CLAN 特集は

最初の予定では、

三回分で収めてしまおうと考えていました。

一回目で映像、二回目で WU1軍

そして三回目で 2軍 から 4軍 までを網羅する予定だったのです。

ところが、、、

色々調べながら書いていると、

文章も薀蓄もタラタラと長くなるし、

それ以上に、知らなかった情報が出てくるわ、出てくるわ!!

そんなこんなで今回もまだ解決が見られないと

諦めを付けた上で書き進めます。

 

前回も書きましたが、

3軍4軍 を分け隔てる線は、

“CDを出してるかどうか” という所で引いています。

そのカテゴライズからいうと、 

ソロMCとしては、SHYHEIM STREETLIFE

REMEDYSHABAZZ THE DISCIPLE BUDDHA MONK

CILVARINGZPOPA WU 等が 3軍 になります。

では、例のごとく順を追って紹介しましょう。

 

SHYHEIM 3軍 ソロMCの中では

一番知られた存在かもしれません。

それは偏に、彼のキャリアが一番

WU 本隊に寄り添った形でプロモーションされてきたからです。

WU-TANG CLAN の弟分というよりは

甥っ子分というカンジで受け止められていたかもしれません。

なにせ、彼がデビューしたのは14歳の時だったのだから!

「SHYHEIM A.K.A. THE RUGGED CHILD」 (1994)

「THE LOST GENERATION」 (1996)

「MANCHILD」 (1999)

「THE GREATEST STORY NEVER TOLD」 (2004)

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3  

 

 

 

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個人的な嗜好で、僕は白人ラッパー、米国以外のラッパー、

フィメール・ラッパー、そして子供のラッパーは聴かないので、

彼の作品は一枚も持っていません。

 

STREETLIFEMETHOD MAN に近しい人物として

記憶されている方も多いと思います。

ソロ・デビューに関してももちろん

METH の完全バック・アップを受けた形でリリースされています。

「STREET EDUCATION」 (2005)

Clp1497cd  

 

 

 

探しているところですが、未だ手にしていない作品です。

 

REMEDY はMC業とプロデュース業を兼任する

WU-TANG 初の白人 (しかもユダヤ系) ラッパーです。

「THE GENUINE ARTICLE」 (2001)

「CODE : RED」 (2003)

Simg_t_oamg1921508674_1617jpg86700226  

 

 

 

彼に関してはまったく認知してなかったのですが、

調べてみるとオモシロい。

なんと2ND作と同名のレーベル

CODE : RED ENTERTAINMENT を立ち上げていて、

そこから CAPPADONNA のソロの3RD作が

ドロップされていたりする。

WU はホント奥が深い・・・

深すぎて見えてこねえ!

 

SHABAZZ THE DISCIPLE は元々

SUNZ OF MAN のオリジナル・メンバーだったそうです。

グループの1ST作をドロップする前に脱退し、

GZA のマネージメントとサインして

ソロ活動を始めたとか。

「THE BOOK OF SHABAZZ : HIDDEN SCROLLZ」 (2003)

Bookofbaz  

 

 

 

彼は RZA も在籍した伝説のグループ

GRAVEDIGGAZ のデビュー・シングル

「DIARY OF A MADMAN」 のヴァースをキックしていることでも有名。

SUNZ OF MAN 脱退者同士

KILLAH PRIEST と活動を共にしていたりもする。

 

BUDDHA MONKO.D.B. のプロジェクトである

BROOKLYN ZU の一員として活動している。

でも、グループでの作品は未だ発表がないのに、

とりあえず、ソロで出してしまったようです。

「THE PROPHECY」 (1998)

Simg_t_oamg1921301744_1617jpg  

 

 

 

プロデュースも兼業しています。

これも持ってません。

 

CILVARINGZ はモロッコ系オランダ人のラッパーです。

彼のデビューに至るまでのエピソードが面白い。

WU-TANG のライブ・ツアーのオランダ公演にて

フリースタイルを RZA に披露し、気に入られたらしい。

ライブ後のバック・ステージに招待されたが

その時は結局会えなかったそうです。

その後、N.Y. へ飛び、作ったデモを渡そうと、

RZA のオフィスの前で数時間待ち続けたとか。

運良く RZA の姉妹の助けを受けることができ、

渡ったデモを聴いた RZA からディールをもらったという。。。

大した根性ですね。

「THE MENTAL CHAMBERS」 (2001)

Mentalchambers01

 

 

 

 

さすがにここまでくるとサッパリわからないです。

 

POPA WU に関してがよくわからない。

FIVE PERCENTERS で、

RZA と近しい人物だという情報はあるのですが、

あとはよくわかっていません。

「VISIONS OF THE TENTH CHAMBER」 (2000)

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ライナー読んでもイマイチ掴めないし、

ゲストだらけで作られた作品で

彼の影さえも掴めないでいる始末です。

 

 

・・・・・

ようやくゴールが見えるところまで来ました。

明日の 4軍 特集でとりあえず

このシリーズを締めたいと思います。

 

2006年2月 5日 (日)

CLANの2軍、3軍、4軍 (3軍のグループ編)

とりあえず、

今回特集した WU-TANG CLAN について

一応の完結を付けるべく、

WU の深淵ともいうべき

その構成員のマイナー・クラスである

3軍4軍 について書こうと思います。

ちなみに、このカテゴライズ化は

一般に流通しているモノではなくて、

僕がコレクションや知識として整理しやすいよう、

関係を簡略化しているだけのオリジナルのモノです。

(だから他の所では通用しない?!)

皆の参考になればいいのだけれど。。。

 

3軍4軍 を分け隔てる線は、

“CDを出してるかどうか” という所で引いています。

では、まず 3軍 の紹介を。

グループでは、SUNZ OF MAN KILLARMY

BLACK KNIGHTSG.P. WUTHE ROYAL FAM

WU-SYNDICATETHEODORE UNIT

NORTHSTARBBLACK MARKET MILITIA になります。

ソロMCとしては、SHYHEIM STREETLIFE

REMEDYSHABAZZ THE DISCIPLE 

CILVARINGZPOPA WU 等になります。

では、順を追って紹介しましょう。

 

SUNZ OF MAN WU-TANG 3軍 としては

作品も多くドロップしていて

一番知られたグループかもしれません。

構成員は PRODIGAL SUNN HELL RAZAH

60 SECOND ASSASSINKILLAH PRIEST になります。

「THE LAST SHALL BE FIRST」 (1998)

「THE FIRST TESTAMENT」 (1999)

「SAVOIRZ DAY」 (2003)

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彼らのグループ作品に関しては

実は僕は一枚も持っていません。  

1STアルバムが欲しくて、当時探し回ったのですが

結局手に入れることが出来ず、

そうこうするうちに熱が冷めてしまったのです。

2ND作は、1STより以前に収録されていたらしいです。

そして3RD作を製作する前に、

グループの要的存在だった PRIEST が脱退してしまいました。

最近、2ND作が同じジャケットのまま、

タイトルを 「ELEMENTS」 に変えて、

再発盤として販売されています。

ちなみに、グループ内から 

KILLAH PRIEST がソロでアルバムをなんと四枚も出しています。 

「HEAVY MENTAL」 (1998)

「VIEW FROM MASADA」 (2000)

「PRIESTHOOD」 (2001)

「BLACK AUGUST」 (2003)

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僕は1ST しか持っていませんが、

コレはなかなかよかったです。

 

KILLARMY もファンの間ではけっこう知られたグループで、

その構成員は  9TH PRINCEISLORD

DOM PACHINOKILLA SIN OHIO

プロデューサーの 4TH DISCIPLE からなります。

「SILENT WEAPON FOR QUIET WAR」 (1997)

「DIRTY WEAPONRY」 (1998)

「FEAR ,LOVE & WAR」 (2001)

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1STと2NDは持っています。

どちらも古き良き WU マナーにのっとって製作されており、

けっこうツボにハマります。

ちなみに、9TH PRINCERZA の実弟。

 

BLACK KNIGHTS

WU のカリフォルニア支部出身のグループです。

構成員は CRISISDOC DOOM MONK

HOLOCAUST からなります。

「EVERY NIGHT IS A BLACK KNIGHT」 (2004)

Picserve  

 

 

 

残念ながらこの作品も持っていません。

1軍 から 4軍 まで寄せ集めたコンピ的な作品

KILLA BEES シリーズに出ています。

 

G.P. WU の構成員は

DOWN LOW RECKARUBBABANDZJUNE LUVA

POP DA BROWN HORNET からなります。

「DON’T GO AGAINST THE GRAIN」 (1998)

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当時、WU 関連かどうかわからないまま手に取り、

聴いていましたが、

WU の世界とはまた違った中毒性があって、

けっこう好きでした。

ちなみに、POP DA BROWN HORNET

GHOSTFACE の従兄弟だそうで、

ソロ・デビューもしています。

「UNDERGROUND EMPEROR」 (2000)

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コレは持ってません。

 

THE ROYAL FAM はフレキシブルなグループらしく、

TIMBO KINGDARK DENIM MIKEY JARRETT JR.

三人を中心に

Y-KIMTHE ILL FIGURESTONEFACEDREDDY KRUGER

Q-BASEROC & JAHRULE らが出入りしているらしい。

「BLACK CASTLE」 (2005)

605737  

 

 

  

これも持ってません。

それ以上に彼らの情報があいまいで、

あまりよくわかっていませんが。

 

WU-SYNDICATE はヴァージニア出身の

JOE MAFIAMEVER LANSKY NAPOLEAN の三人組で、

元々 CRIME SYNDICATE と名乗っていたそうです。

WU-TANG RECORDS と契約しデビューしましたが、

その後、イザコザがあり、

再度グループ名を THE SYNDICATE に変えています。

「WU-SYNDICATE」 (1999)

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これも持ってません。 

  

THEODORE UNIT は先日も書いたように、、

GHOSTFACE の立ち上げたプロジェクトです。

グループは彼をはじめ、2軍 CAPPADONNA

DU-LIZSHAWN WIGGSSOLOMON CHILDS

そして TRIFE DA GOD から構成されています。

「718」 (2004)

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また、メンバーの TRIFE

GHOSTFACE との共作という形で作品を出しています。

「PUT IT ON THE LINE」 (2005)

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NORTHSTARCHRIST BEARER

MEKO THE PHAROAH の二人からなるラップ・デュオです。

BLACK KNIGHTS と同じく WU のカリフォルニア支部出身で、

位置づけも似たようなカンジかな。

「BOBBY DIGITAL PRESENTS NORTHSTAR」 (2003)

17593477  

 

 

 

表題にもあるように、

RZA の実験的な試みがなされている作品です。

WU 関連では珍しくジャケが鮮やかで明るいのは

カリフォルニア色のイメージがあるからだろうか?

 

BLACK MARKET MILITIA

少し毛色の変わったグループで、

SUNZ OF MANKILLAH PRIEST HELL RAZAH

それに THE ROYAL FAMTIMBO KING と、

WU 外部から TRGEDY KHADAFI WILLIAM COOPER が参加した

異色のユニットである。

「BLACK MARKET MILITIA」 (2005)

Image_1  

 

 

 

アルバムをドロップする以前からの活動も活発で、

MIX TAPEもすでに2本出ている。

 

 

 

・・・・・

ああ・・・ぜんぜん追いつけない。

今日中に終わらせるつもりだったのに・・・

メンバー多過ぎて、書ききれません。

とりあえず、明日 3軍 のソロ書いて、

明後日、4軍 書いて締めたいと思います。

 

急いで書き上げたので、

誤字脱字、あと、情報の誤りがあった場合はゴメンなさい。

 

2006年2月 3日 (金)

CLANの2軍、3軍、4軍 (2軍編)

この一週間にわたって取り組んだ

WU-TANG CLAN に関する特集も、

今回はもう少しコアな部分に突っ込んでいこうと思います。

というワケで、今日は

WU-TANG CLAN に属するとされる

本隊以外のメンバーの内の

2軍 と目されるメンバーについて検証していきましょう。

 

“CLAN” の言葉を直訳すると

“一族、一門、一派” という意味になるのですが、

WU-TANG CLAN は正に大人数の構成員を抱える

一大派閥になります。

その全容は未だ把握されていない (らしい) のですが、

とりあえず、わかるところで

僕なりの見解を加えた分類方法により

区分して紹介していこうと思います。

ちなみに、1軍

WU-TANG のソロ活動 (前・中・後編)で書いた

9人がそのメンバーになります。

 

2軍 の基準としては

WU-TANG CLAN のアルバムに参加し、

密接に関わっているメンバーに限られます。

MCでは CAPPADONNA

プロデューサーでは MATHEMATICS

4TH DISCIPLETRUE MASTER らが

このカテゴリーに属します。

 

CAPPADONNAWU-TANG の2NDアルバムから登場し、

続く3RD作では、O.D.B. 不在の穴を埋める為、

1軍 登録を承認されました。

しかし、4THでまた格下げされてしまいます。

自身のソロ名義での作品はこれまで三枚ドロップしていて、

なかなか活動的な一面を覗かせています。

「THE PILLAGE」 (1998)

「THE YIN & THE YANG」 (2001)

「THE STRUGGLE」 (2003)

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彼に対する WU 本隊、並びに RZA の処遇は

けっこうヒドいモノだったと聞いています。

ディールがきちっと結ばれてなかったこともあってか、

CAPPADONNA はほとんど金をもらえなかったらしいです。

ですので、家族を養うために、

昼はタクシー・ドライバーをやりながら、

夜にレコーディングなどをして二重に働いていたとか。

彼の3RD作の表題 「THE STRUGGLE」 が物語っていますね。

こういうエピソードを聞くと妙に親近感が沸いて、

応援したくなります。

その他にも、RAEKWONGHOSTFACE の作品に

頻繁に顔を出していて、

GHOSTFACE のプロジェクト THEODRE UNIT には

正規メンバーとして参加しています。

 

MATHEMATICS

WU お抱えのプロデューサーとしとはもちろん、

WU のライブなどでのDJとしても有名です。

昨年ドロップされた作品もなかなかよかった。

「LOVE ,HELL OR RIGHT」 (2003)

「THE PROBLEM」 (2005)

Simg_t_oamgsg02476d4337jpgSimg_t_mg90516o1vkejpg175   

  

 

 

GZA に非常に近しい人物で、

プロデューサー、DJだけでなく、

グラフィティー・ライターとしても

その才能を大いに発揮しています。

GZA「LIQUID SWORDS」 のアート・デザインは彼の仕事です)

RZA の創造した、いわゆる “WU-TANG サウンド”

忠実に継承しつつ、新たな方向性を示す

彼のその歪んだ世界観がまたイイ。

現在も WU のソロ・プロジェクトなどで大活躍しています。

ちなみに僕は、

彼のソロは2NDしか持っていません。

 

4TH DISCIPLE は、特に WU-TANG の2NDで

大々的に取り上げられたプロデューサーです。

ソロ名義での作品はありませんが、

KILLARMY というグループに属していて、

そのグループで三枚アルバムをドロップしています。

KILLARMY についての詳細は後日書きます)

4TH DISCIPLE といえば、

GZAKILLAH PRIEST「B.I.B.L.E.」 という曲を

製作したことでも有名です。

多分、アノ曲で RZADISCIPLE の実力を認め、

WU の2NDアルバム製作に参加させることを

決めたのではないでしょうか?

 

TRUE MASTER の経歴は

他の WU 構成員とは違って、少し異彩を放っています。

なんと、GANG STARRGURU

プロジェクトに参加していたという異色の過去を持っていて、

GANG STARR FOUNDATION に属する

AFU-RA のソロ・アルバムなどにも楽曲提供するなど、

仕事に幅の広さを感じさせます。

自身のソロの作品の発表はありませんが、

ミニマルで不穏な雰囲気を醸し出す RZA 譲りの彼の楽曲は

多くの WU ソロ・プロジェクト作品の中で

耳にすることが出来ます。 

 

ということで、

次回は 3軍4軍について検証したいと思います。

2006年2月 1日 (水)

WU-TANG のソロ活動 -後編-

引き続き、WU-TANG CLAN の本体メンバーの

ソロ活動についてそれぞれ紹介していきたいと思います。

最終となる後編の今回は、

RAEKWONGHOSTFACEMASTA KILLA

それぞれのソロ作品を紹介します。

 

まずは、切れ味鋭いフロウが超カッコイイ、

RAEKWON のソロ作品を紹介します。

「ONLY BUILT 4 CUBAN LINX」 (1995)

「IMMOBILARITY」 (1999)

「THE LEX DIAMOND STORY」 (2003)

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自身が傾倒する映画 「SCARFACE」 へのオマージュを

タップリと投影する彼の世界観は

その鋭角的な声質と切り裂くようなフロウに

正にピッタリだ。

WU と二枚看板でレーベル LOUD の隆盛を支えた

MOBB DEEP との交流も

RAEKWON の持ち味にハマってて

ほんと、シビレるくらいカッコよかったなあ。

そんな LOUD が消滅の憂き目に会い、

WU-TANG CLAN としても、

ソロとしての彼や INS の契約も打ち切られてしまい、

彼らの存在がシーンの片隅に追いやられてしまったのは

残念でならない。

ちなみに、1ST、2NDは LOUD から、

3RD は UNIVERSAL からドロップされているが、

2ND以降、RZA はおろか、

WU お抱えのプロデューサーが一人も参加してない。

噂では、もうすぐドロップされる 4THで再び、

RZA 製作曲上を RAEKWON のラップが駆け巡るらしい。

楽しみ! 

ちなみに、RAEKWON AMERICAN CREAM TEAM という

プロジェクトを率いていますが、

今のところ作品は出てないみたいです。 

 

続いては GHOSTFACE KILLA の作品の紹介。

「IRONMAN」 (1996)

「SUPREME CLIENTELE」 (2000)

「BULLETPROOF WALLETS」 (2001)

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GHOSTFACE に対する

メジャー・アーティスト達からの信頼は厚い。

それはひとえに彼の創り出す世界が

唯一無二のオリジナルで、

しかも際立った存在感を放っているからである。

EPIC からドロップされた1STの出来は

特にズバ抜けているが、

2ND、3RDもそれぞれ高水準で、

より強固なプロップスを築き上げていく布石となった。

その布石があった上での

DEF JAM への移籍だったのだが、

彼の描き出す “泣きの美学” 的なスタイルが

911 以降の世相と上手くシンクロしたことも

より多くのプロップス獲得に繋がったのかもしれない。

「THE PRETTY TONEY ALBUM」 (2004)

Cd_prettytoney  

 

 

 

この作品は DEF JAM 移籍後に発表されたモノで、

一人の男の心情を更に赤裸々に描き出している。

この他にプロジェクトものとして、

THEODORE UNIT なるグループを設立して

「718」 (2004)

525963  

 

 

 

なる作品をドロップしている。

また、同グループのメンバーの一人

TRIFE DA GOD と共作という形で

「PUT IT ON THE LINE」 (2005)

Fcm6001cd  

 

 

 

という作品を昨年末に発表しているが、

これはまだ手にしていないので

現在探しているところです。

 

WU-TANG 9番目のメンバーとして

最後に紹介するのが MASTA KILLA です。

「NO SAID DATE」 (2004)

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遅れてきた男とは正に彼のことで、

WU デビューから10年という月日を経て

ようやくソロ・デビューなんだから、

呑気というか何というか。。。

地味、地味と言われ続けてきた彼だが、

その太い声質でモッチャリと尾を引くような

独特のラップはけっこう気になってたりしました。

オマケのDVDではステージ上で雄々しくスピットする

MASTA KILLA の勇姿が見られます。

さて、彼の次作が出るのは

また10年後なのかな?

 

 

と、まあこんなカンジで、

WU-TANG CLAN

いわゆる1軍メンバーのソロ作品、活動を

追って紹介してきました。

次回は、WU-TANG CLAN に所属する

2軍、3軍、4軍の作品について紹介したいと思います。

 

2006年1月31日 (火)

WU-TANG のソロ活動 -中編-

引き続き、WU-TANG CLAN の本体メンバーの

ソロ活動についてそれぞれ紹介していきたいと思います。

中編となる今回は、

METHO.D.B.U-GOD

それぞれのソロ作品を紹介します。

 

WU の広告塔ともいうべき METHOD MAN

ソロとしての人気も高く、

人気絶頂だった DEF JAM の看板アーティストでもありました。

「TICAL」 (1994)

「TICAL 2000 : JUDGEMENT DAY」 (1998)

「TICAL 0 : THE PREQUEl」 (2004)

TicalJudgment20day20cover_3  

 

  

   

B00008g5dz01  

 

 

 

三作とも DEF JAM からドロップされているが、

作品を追うごとにセールスが伸び悩んでいるというのは、

例え METHWU 随一の人気者であったとしても

WU への希求心の弱まりつつある時代の流れには

逆らえないという皮肉なテーゼなのである。

確かに、ファースト・アルバムの METH の、

そして プロデューサーとして