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2007年5月18日 (金)

コレはチョット違う。。。

久々に新譜紹介に戻ります。

今日紹介するのは、

RJD2 の新作、

「THE THIRD HAND」 です。

200pxrjd2  

 

 

 

 

 

 

 

まあ、本作をここで紹介すすのもどうか??

とは思うのですが、

買ってしまったモノはしょうがない。

ある種の諦めの気持ちを以って、

書き進めていくことにしましょう。。。

 

こういう書き方だと、

HIP HOPファンの皆さんには

いきなりの興冷ましになってしまうかもしれませんが、

ズバリ言ってしまえば、

そのとーり、

あまり感心できない作品です。

それは②から終わりまで続く、

“非HIP HOP” 的楽曲群に耳を傾けていただければ、

一目瞭然!

一聴同然!!

こんなのの為に金を掛けた、、、

というのではそれ程怒りは感じませんが、

ワザワザこんなのの為に

記事を書き起こさなくてはならない、、、

ということに異常な腹立ちを感じてしまいます。

・・・・・

ちなみに、

このブログは、

誰に強要されているワケでもない、

完全なる個人の自由意志でのみ

書かれているモノなんですけど。。。

・・・・・

前々回紹介した EL-P を

“アングラ” と称して紹介した都合上、

RJD2 の本作も、

まあ、“アングラ” っちゃ、

“アングラ” なんでしょうけど、

コレは全然ダメでしょう。

だって、HIP HOPじゃないもん。

例えば GNARLS BARKLEY の作品のように、

ラップがなくても素晴らしいと思える作品があるという意味で、

本作内でラップがないというのはまだ許せるとして、

音楽そのものに

クロさをまったく感じられない。

コレはアウトです。

全体的に総じてみるなら、

カントリー・ミュージックと、

ホワイト・ポップスと、

それからインストで垣間見えるトランス的なモノの、

ごちゃ混ぜになったカンジ。

僕に引っ掛かるところは、

ほんの1ミクロンもぱりませんでした。

 

こんだけ怒り心頭に書き捨てといて、

僕も放っておけばよいのに、、、ね。

 

オススメ度 3.2

(ラップ:0.0 トラック:0.3 キャラ:1.1 話題性:1.1 構成:0.7) 

 

 

 

2007年5月 3日 (木)

最後の職人

さすがに毎夜、

新譜紹介で更新していると、

この辺りで意気が上がりそうになってしまいます。

が、今日も押し押しながらに更新を試みます。。。

 

今回紹介するのは、

JAY DEE a.k.a. J. DILLA の、

「RUFF DRAFT」 です。

200pxruff_draft  

 

  

 

 

 

(EP盤ジャケ)

200pxruff_draft_rerelease_4  

  

 

 

 

(再発盤ジャケ)

 

 

本作は、

2003年にドロップされた、

JAY DEE 名義でのEP 「RUFF DRUFT」 を、

新たに STONES THROW が

監修しなおして再発されたという作品になる。

JAY DEE が亡くなってもう一年になるのだが、

その間に発表された作品は、

本作で3作目になるということもあり、

実質的な時間以上に、

その存在は近く感じられたりもするから

不思議なものである。

 

作品はの構成は、

2枚組ではあるが、

オリジナル作品とそれのインスト作品であることから、

実質的にココに触れて行くのは、

1枚目のオリジナルの方に留めておく。

そのオリジナルのディスク1にしても、

JAY DEE 作品では御馴染みなのだが、

一曲が3分未満の小品がほとんどなので、

シャウトやSKITを含めても、

全14曲、30分に満たないということで、

ハッキリ言ってしまえば、

それほどガッツリと楽しめるというのではない。

むしろ、本作自体が、

JAY DEE 作品群の中でのSKITにあたるような、

そんな印象を与えられる。

 

とはいうものの、

やはり、稀代のトラック・メイカーとして

一時代を築いた男の作品である。

小品の隅々に、

光り輝くセンスが鏤められていて、

ドラム・ライン、

あるいは、

スネアの一つに至るまで、

彼の彼たる所以でもある個性が

確実にその足跡を残しているのを

聴き取ることができるであろう。

例えば、②の、

硬質のスネアを含むドラムと、

不協和音を束ねるループの妙は、

古き良き時代のサンプリングを至上とする、

彼の流儀がまんまに現れている。

くぐもった音の旨味を抽出したような⑤も、

彼の実験的且つOLD SCHOOLマナーに対する、

先鋭と保守の絶妙のバランス感覚が現れていたりする。

 

昨今のシーンで目に付く、

新進気鋭のトラック・メイカーをして、

“職人的” とは形容し難いところがあるのだが、

JAY DEE はそういった意味で、

第一線で活躍した、

最後の世代の “ビート職人” だった、

と言えるかもしれない。

 

オススメ度 6.6

(ラップ:1.2 トラック:1.4 キャラ:1.3 話題性:1.2 構成:1.5)

 

 

 

2006年11月 3日 (金)

パンチのないのが武器?!

様々な外的トピックをまとわせ、

シーンから注目を浴びながらデビューを果たした

シカゴからの新人、

LUPE FIASCO

彼のデビュー盤、

「FOOD & LIQUOR」

今日は紹介したいと思います。

200pxfoodandliquor  

 

 

 

 

 

 

 

いわゆる “ニュー・タイプ” ってカンジで、

まあ、平たく言や、

“オタク系” です。

THE NEPTUNES らの N.A.R.D.

KANYE WEST あたりが

現行シーンでその道を切り開いているのですが、

もっと遡れば、

NEW SCHOOL 期の NATIVE TONGUES

その流れの原初と言えるでしょう。

元々、自己顕示欲から発生し、

バトルの流れを汲むラップの歴史において、

マチズモ的な色が濃くなることは

ある種の必然性がありました。

だからこそ、

この音楽が拡大し、成長を続けていく中で、

そのマチズモに対するカウンターとして、

いわゆる “オタク系” が

確実に機能するということが、

歴史的に実証されているのです。

それこそ DE LA SOUL

1STのジャケットに鏤められたひなげしの花は

そういった象徴であります。

 

さて、

次世代を担う (予定の) 彼、

LUPE 君。

シカゴ出身の新人ということで、

以前、このブログで絶賛を以って紹介させていただいた

RHYMEFEST と比較されることがよくあるようです。

確かに、

RHYMEFEST のスタイルも

GANGSTA BANGIN' なカンジから離れたところにあって、

彼の場合は “BLUE COLLER” 視線から描かれた、

等身大の米黒人社会の生活を

鋭く切り取ったモノでした。

そういった社会性からは

多少かけ離れてはいますが、

今回の LUPE 君も

よくある GANGSTA SHIT とは

一味も二味も違ったスタイルを

堂に入って披露してくれています。

そのスタイルの特徴はというと、

正に今回のブログの表題のとーリ、

“パンチのないのが武器?!”

という点に集約されていると思えます。

それほどスキルフルというでもなし、

特徴的な声質というでもなし、、、

その癖、耳への引っ掛かり方が、

やはり他のよくあるような

マチズモ的なラップとは一線を画しているようで、

確かに違って聴こえてきます。

リリックにさらっと目を通してみましたが、

日常を取り上げながら、

そこに毒々しさというか、

生々しさはなく、

まるで夢見心地な世界を垣間見る思いでした。

そういった彼の独得の世界観を

上手く包み込んでいるのが、

本作の優れた楽曲群になります。

本作を大々的に取り上げている各メディアが、

まず一番に注目して書き立てているのが、

本作のトータル・プロデュースに

DEF JAM 総帥の JAY-Z

その名を連ねている点にあります。

ちなみに、

本作はその DEF JAM からの作品ではなく、

ATLANTIC からのドロップになるのですが、

それだから余計に、

JAY-Z のお墨付き” という話題が

先走りした感も拭えなくもありません。

しかも、

その他に、NEPKANYE

楽曲製作で参加しているという点も、

本作に華を添える話題となっていますが、

話題が先行しすぎたという感も

無きにしも非ずだと思います。

結論から先に言えば、

本作はメジャー会社であるハズの

ATLANTIC が製作したワリに、

どうもアングラ的な安っぽさを

作品全体に感じてならないのです。

ジャケ写やブックレットの作りの安っぽさもさることながら、

作品の全体的な構成が、

あまりに振れ幅が狭すぎて、

抑揚に欠ける仕上がりに留まっているのです。

先ほども書きましたが、

楽曲はそれぞれとても素晴らしい出来です。

それは前述した、

⑤の NEP 製作曲、

⑩の KANYE 製作曲だけに留まらず、

中堅どころで活躍を見せる

⑪の NEEDLZ

それに本作の大半の曲を手掛けている

SOUNDTRAKKPROLYFIC らの活躍にも

目を見張るモノがありました。

情感溢れるドラマティックな展開の曲が

本作内にはひしめき合っていて、

いかにもシカゴ流儀な装いを感じさせます。

僕もこのテのオケは嫌いではないので、

本作はけっこう多めにリピートして聴いているくらいです。

なのに作品全体の感想は、、、

例えば、

それこそ振れ幅の狭い所で、

同じような楽曲が並んでいることに対する

作品全体の展開のつまらなさを感じてしまう。

仕上がった作品を唯々、

並べていったような仕上がりに思えてしまうのです。

このあたり、

JAY-Z はともかくとして、

ATLANTIC はどうにかしようとしなかったのでしょうか?

メジャー作品にしては

お粗末に過ぎる仕事ではないかと

不満に思っています。

 

ちょっと辛口な批評にはなりましたが、

これは実際は LUPE 君に対しての酷評ではなくて、

メジャー・レーベルである

ATLANTIC への不満です。

でも、本作はメロディアスで、

とても聴きやすい曲がたくさん入っているので、

HIP HOPファンじゃない人でも

手に取りやすい作品ではあると思います。

 

非常に惜しい!!

 

 

ところで、

最後のシャウト・アウト、

やりすぎじゃない??

 

オススメ度 8.1

(ラップ:1.4 トラック:1.9 キャラ:1.7 話題性:1.9 構成:1.2)

 

 

 

2006年10月31日 (火)

カウンター?!

いわくがあるのないのか?!

そのあたり、

非常に怪しい所ではあるが、

かつての恩師を意識してかしてないか?

その辺り測りかねるところはあるのだが、

LUDACRIS の新譜に合わせて (?!) の

新譜のドロップは、

ファンでなくとも

アレコレ推測してしまうハズです。。。

 

というワケで、

今日紹介するのは、

CHINGY

「HOODSTAR」 です。

200pxhood_star   

 

 

 

 

 

 

 

CHINGY の三作目となる本作は、

表題 「HOODSTAR」 の中に

二つの意味を持たせています。

“HOOD” を意図するストリート盤と、

“STAR” を意図するオーバー・グラウンド盤です。

現に、

その辺りの区別化に顕著に現れているのが、

ゲスト陣についてです。

“STAR SIDE” の収録曲では、

⑦の JERMAINE DUPRI

⑧の TYRESE

⑨の MR. COLLIPARK

⑩の MANNIE FRESH

⑬の FATMAN SCOOP と、

非常に豪華なラインナップが続きます。

対して、

“FOOD SIDE” では、

ゲスト参加は、

有名どころは③の THREE 6 MAFIA くらいなモノです。

。。。。。

この辺りの明確な線引きは、

視聴者にも分かり易いイメージを与えているでしょう。

・・・・・

しかし、

正確に言うなら、

彼の場合はやはり、

それがいくら “HOOD SIDE”

銘打たれていても、

メジャー路線に他ならないことは、

今更言及するまでもありません。

その点で彼の作品は

HIP HOP初心者はもちろん、

HIP HOPに縁もゆかりもないリスナーにも

耳心地がいいコトは確かです。

・・・

では、

ヘビーなHIP HOPリスナーにとっては

本作はどうなのでしょうか??

 

ビートから言えば、

彼ら自身がゲストで参加する③での、

THREE 6 MAFIA 製作曲は

ドラム・ラインのボトムが

非常にしっかりしていて、

かなり良い仕上がりになっています。

J.D. 製作、TYRESE 参加の

思いっきりメロウな⑧は

J.D. のツボを押さえた楽曲構成を堪能できるでしょう。

かなりトリッキーで癖のある

TIMBALAND 製作の⑫では、

そのビートを乗りこなしている、

という風には聴こえないが、

独得のビート解釈でフロウする

CHINGY の苦闘ぶりが

よく現れています。

このビートはかなりカッコイイのですが、

それ以上に乗りこなすのが難しそうです。。。

 

レッテルを張るワケではないのですが、

本作は確かにメジャー・アーティストによる、

HIP HOPファン向けの作品ではなくて、

音楽ファンに向けての色の

濃い作品に仕上がっていると言えるでしょう。

でも、

僕はそれを非難するつもりはありません。

これも

HIP HOPの一つの表現方法なのです。

良い言い方をすれば、

“進化形” とでも言いましょうか・・・?

しかしながら、

あえて明確な比較は行いませんが、

かつての恩師、

LUDACRIS の新作と並べてみると、

逆にファンの層を狭めている構成であるとも

言えるのではないでしょうか?

 

オススメ度 7.6

(ラップ:1.4 トラック:1.6 キャラ:1.5 話題性:1.4 構成:1.7)

 

 

 

2006年10月20日 (金)

コイツは出来が素晴らしいだけに。。。

今回紹介する作品は

非常に出来が素晴らしい作品です。

それだけに、

いろいろな面で

もったいないと思わせる節が多々あります。

それが作品自体に

マイナス要素として働いている

というのではないけど、、、

実に惜しい作品です。

本当に、

実に惜しい。。。

 

と、ここまで書けば

勘のいいHIP HOPファンなら

容易に察しが付くでしょう。

今日紹介するのは、

J DILLAa. k. a. JAY DEE) の遺作、

「THE SHINING」 です。

200pxtheshiningalbum  

 

 

 

 

 

 

アングラ層からメジャー層まで、

それぞれの方面を代表するような

実力派のラッパー達から

全幅の信頼を寄せられていた故 JAY DEE

それこそ玄人を唸らせ続けていた彼だけあって、

彼の遺作となる本作に

その名を連ねるゲスト陣が

まさに選りすぐりといったところで、

各楽曲のどこを切っても

見劣りしないという点が、

まず本作のスゴイところです。

それこそ、

唯のイントロでのシャウトなだけのハズの①の

BUSTA からして、

その語り口の鋭さに耳を惹かれてしまいます。

続く COMMON の参加した②が

これまたすごい。

この曲での音の三次元的な広がり方が、

アブストラクトを標榜した

A.T.C.Q.Q-TIP 率いるプロダクション・チーム、

THE UMMAH に在籍していた

彼の経歴の一端を

非常に顕著に表しています。

かと思えば、

続くインスト曲の③を挟んで、

東西随一のフロウ・スキルを持つ

PHAROAHE MONCH を迎えた④では、

?UESTLOVE を中心に、

D'ANGELOJAMES POYSER らと組んだ、

SOULQUARIANS の音の世界を

髣髴させる作りが魅力的です。

そこに MONCH の声がよく映えています。

続く⑤は彼にしては珍しいほどの

メジャー・コードの中で

盟友 MADLIB とマイクを交し合っている。

ユニット JAY LIB での二人の相性の良さが

この先耳にできないのが

いかにも残念に思われます。

⑥は再び COMMON が登場。

それこそ SOULQUARIANS の代表作ともなる

COMMON「LIKE WATER FOR CHOCOLATE」 内の

楽曲に見られそうな

クリエイティビティー溢れる楽曲に仕上がっている。

密かに、

この楽曲で COMMON は猥談をライムしているのだが、

それがいかにも爽やかな語り口になっているのは

何だか複雑な心境だ。。。

ちなみにコーラスは D'ANGELO

ゴージャスな話である。

でも、最近 D'ANGELO の話題

聞きませんね?

超硬質なスネアと浮遊感あるウワモノが

モロにアブストラクトな⑦は

小粒な作品だが味わい深い。

シンガー DWELE を迎えた⑩の

抑揚されたビート・マナーに続く、

何の音をサンプリングしたのか?

分かりそうで分からない、

THE ROOTS のリード・ラッパー、

BLACK THOUGHT 参加の⑪は

その構成がとてもおもしろいです。

やはり JAY DEE のビートは

ドラム・ラインに顕著な特徴が見られるのだが、

この曲のような遊び心溢れるものにまで、

彼のセンスが滲み出ている。

そして、

自身がソロでラップする⑫で

本作は幕を閉じるのだが、

全12曲、36分というのは、

あまりにコンパクトにまとまりすぎていると思われる。

各楽曲のクオリティーは

前述のとーり、

どれも非常に高いのだが、

実は、

一曲一曲の尺が短く、

仕上がりが軽すぎるきらいがあるってのも、

本作に対する不満点の一つである。

もっと濃い JAY DEE の世界を

詰め込んでも良かったのでは?!

本当に惜しい。

ゲストに関しては、

これだけでも非常に豪勢なのだが、

彼の追悼盤なら、

更に Q-TIPKWELI

MOS DEFERYKAH BADO らも

加わることもできたのであろう。

でも、

そこまでいくと

濃い色が混じりすぎて、

JAY DEE の色が薄められてしまうだろうから、

これくらいでちょうど良かったのかもしれない。

 

本作は

JAY DEE の追悼云々を加味せずとも、

非常に素晴らしい出来映えなのは確かです。

これは純然たる “音楽” であり、

それ以前に純粋な “HIP HOP” の作品です。

素晴らしい!!

それだけに実に惜しい!

 

オススメ度 7.8

(ラップ:1.5 トラック:1.7 キャラ:1.4 話題性:1.5 構成:1.7)  

 

 

ちなみに、

本作が僕の大好きなレーベル、

bbe からのドロップってのが

心をくすぐります。。。

 

 

2006年10月 7日 (土)

この中ではどうしても色が薄い。。。

実力はあると思う。。。

だけど、、、

この中に入ると

どうしても色が薄くなってしまう。

生半可なキャラの強さじゃ

到底勝ち残れない!

だからこそ、

彼は暗中模索しながら、

足掻き藻掻き、

悩める等身大の姿を、

幸か不幸か、

自身で認識しないままに

作品の中に投影させてしまっているのかもしれない。。。

 

今日紹介するのはそんな作品です。

アクトは

OBIE TRICE

彼の二作目、

「SECOND LOUND’S ON ME」 です。

200pxsecond_rounds_on_me  

 

 

 

 

 

  

コレは大げさな話でもなんでもなく、

OBIE TRICE

ある種の大きなカルマに捕らえられている。

良きにつけ、悪しきにつけ、

EMINEM の完全バックアップを受け、

彼のレーベルからデビューする。

しかも、

レーベル・メイトは

EMINEM に負けず劣らずのヒット・メイカーとなった

50 CENT が並んでいるのだ。

キャラが強く、

アクの強い彼らと肩を並べようとするなら、

ちょっとやそっとの才能では

お話にならない惨めな結果に終わってしまう。

ハッキリいって、

そこまでキャラの強くない OBIE

どんな風にして作品に取り組み、

彼を取り巻くこのカルマに立ち向かっているか?

その辺りを中心に

本作を聴き進めていきます。

 

まず言えることは、

前作と比較して、

格段に OBIE のラップが

上手くなっているというコト!

彼がここまでスキルフルなラッパーだったとは

前作の時点では気付かなかった。

リリックのトピックスが

垢抜けていない点は別にして、

発声法も、

フロウのフレキシブルさも、

前作とは見違えるほどに進化しています。

それこそ垢抜けていないのが特徴の

EMINEM 製作楽曲が多く並ぶ中で、

そういった彼のラップの純粋な魅力が

充分に引き立って見えます。

そのあたり、

EMINEM が製作曲した⑥などで、

OBIE TRICE の素晴らしいスキルを

思う存分堪能できるだろう。

AKON が製作し、

自身がゲストとして参加してフックを歌い上げる

ソウルフルな⑥は

本作中、ビビッドなハイライトとなっているが、

そこでの OBIE のハマリ具合も

文句のつけようのない素晴らしさだ。

キレたようなBPM早めのソリッドな⑪で見せる

ビートの乗りこなし方も、

堂に入っている。

 

ビート製作陣に関しては、

全18曲中、

8曲を EMINEM が手掛けており、

彼特有の陰鬱に篭ったようなビートが

様々な角度からアプローチされているのを

楽しむことができるだろう。

その他には、

JONATHAN “J.R.” ROTEM という

最近よくその名を見かけるプロデューサーが

4曲手掛けている。

総体的に見て、

各楽曲の方向性は

同じベクトルに向かっているので、

作品自体ののまとまり方は非常にタイトだ。

ゲストには、

前述の AKON の他に、

⑫の NATE

⑬、⑮の TREY SONGZ

⑭の 大将 EMINEM

⑰の 50 CENT が参加しているが、

このあたりは少し面白味に欠ける部分でもある。

 

作品自体のクオリティーは

決して低くないと思います。

それどころか、

なかなか良くできた作品だといっても

過言ではないでしょう。

しかし、

先程も書いたように、

彼を取り巻くカルマを前にして、

やはりどうしても地味な印象を拭えないのは、

非常に残念な所だ。

EMINEM がどうこうではなくて、

この作品はぜひ

“スキルフルなラップが好き” という人に

偏見の耳を待たずに

聴いてもらいたい作品です。

 

オススメ度 8.2

(ラップ:1.9 トラック:1.6 キャラ:1.5 話題性:1.5 構成:1.7) 

 

 

そういえば最近、

この OBIE TRICE 然り、

RHYMEFEST 然り、

OBIE と同郷で EMINEM の旧友でもある

ROYCE DA 5’9” (最近捕まったらしいが) 然り、、、

スキルフルなラップを聴かせるラッパーが

N.Y.よりMID WESTから

多くデビューしている傾向にあるように思える。

時代の流れは未だ

明らかにMID WESTとSOUTHにあるようで、

N.Y.とL.A.の復権を鳴らすような

新たな力には未だ出会えていないなあ。。。

 

 

2006年8月 7日 (月)

‘06年の最有力

今回紹介するのは、

RHYMEFEST のメジャー・デビュー作品、

「BLUE COLLAR」 です。

200pxbluecollaralbumcover   

 

 

 

 

 

 

コレ、めっちゃ良いです、コレ。

結論から言って、

今年に入って買ってきた作品群の中で

一番喰い付いています。

間違いなく、

この年末に作るであろう

僕の個人的な2006年トップ10ランキングの

3位以内に入ってくるでしょう。

。。。。。

RHYMEFEST の人となりを語る上で

一番象徴しているのが、

本作のタイトル 「BLUE COLLAR」 でしょう。

バトルMCとして名を馳せる彼は、

自らを有態の “ギャングスタ”“ハスラー”“サグ” 等の

いわゆる定番としてのラッパー・スタイルに置くのではなく、

一般 “肉体労働者 (BLUE COLLAR)” の視点から、

アメリカの資本主義社会の底辺に属する

ストラグルする人々を代弁しようとしている。

それは現行シーンにおける流行に対しての

明確な差別化を計ることにより、

RHYMEFEST 自身の存在を

特異ならしめる作用を及ぼしています。

・・・・・

ってか、

一般的な生活を送る者のスタイルが

“異種” とみなされるこの世界も

考えてみればおかしなモンなんだけど。。。

  

そういった点を踏まえながら

本作を聴き始めていくと、

まず最初に、

イントロ明けの②でいきなりガツンっとヤラレた。

JUST BLAZE 製作の攻撃的なオケに

ガシガシと擦られるスクラッチが

僕の胸を鷲摑みにした。

JUST BLAZE は最近、

自らの製作楽曲でスクラッチを多用しているが、

その見せ方 (聴かせ方) がどんどん巧妙になっていて、

いかにもアンダーグラウンド使用な印象を強く与える。

カッコイイじゃないか。。。

目指せ、PRIMO

フリーキーでトリッキーな引っ掛かり方をする

RHYMEFEST のフロウも、

さすがバトルで鳴らしたそのスキルの片鱗を

至るところで見せ付けています。

KANYE WEST が製作、ゲストとしても参加している③は、

同郷シカゴ出身というよしみだけではない。

GRAMMY 受賞など、

シーンを席巻した KANYE の名曲、

「JESUS WALK」 製作の裏方に

この RHYMEFEST が一役買っていたというのは

有名な話です。

ただ、

個人的な感想だが、

本作における KANYE の参加ってのは

ちょっとしたブレーキになってるのではないか?

という気がする。

というのは、

そのスタイルの似通った感のある二人が並ぶと

どうしても KANYE の方のインパクトが強く、

今現時点では RHYMEFEST の魅力が

打ち消されてしまうのである。

確かにネーム・バリューはあるんだろうけどね。

そういう意味において、

本作中、プロデューサーとして

KANYE が参加した楽曲はこの③のみだし、

ゲスト・ラッパーとしての参加曲も

この③と⑦の二曲だけに留めているっていうのは、

よくやったと褒められるべき点である。

きっと生半可なラッパーだったら、

KANYE WEST の名を借りて、

彼に全面的にバックアップを願い出ていることでしょう。

その辺り、

RHYMEFEST の漢気と、

その度量を伺うことができます。

(しかしながら、

③は先行カットとしてP.V.でも出回っているという、

したたかな面もあるけれど。。。)

そして、表題 「BLUE COLLAR」 が暗示する

地域に根付いたアンダーグラウンド性を

全国に主張すべく、

KANYE より以上に重要な役割を充てられているのが

シカゴの重鎮プロデューサー、

NO-I.D. です。

COMMON を全国区へと導いた功労者にして、

KANYE のプロデューサーとしての師匠的な存在。

僕としては、

COMMON の全盛は

彼の3RD作にあったと考えているのですが、

その中でも NO-I.D. の活躍は素晴らしかった。

なのに、それ以降、

COMMONNO-I.D. から離れ、

全国区の有名所のプロデューサーばかりを掴まえて、

新作をドロップするというのは

正直、あまり好感が持てないでいました。

KANYE と製作にあたった昨年の作品だって、

各誌での評価は高かったけど、

僕としては有名になった KANYE

今更のように迎えるのもいかがなモンか?!と、

COMMON に対し、

首を傾げていた始末です。

それこそ、同郷のよしみでいうなら

無名時代の KANYE をフック・アップすりゃよかったのだ。

。。。。。

話が逸れてきましたね。

とにかく、僕はこの NO-I.D

ORIGINAL FLAVORSKI の製作する

90年代初頭の煙たいような空気の充満する

楽曲群が大好きなのです。

両者の楽曲に挙げられるのは、

JAZZのエッセンスをふんだんに盛り込んだ

展開の豊かな構成と、

色鮮やかな音の切り口。

そこに彼らの断然の魅力が集約されています。

今作中での NO-I.D. も、

その腕に衰えの影を見せぬ

獅子奮迅の活躍を見せています。

サルサ調でキャッチーな④の

アヴァンギャルドな映え方は、

非凡な RHYMEFEST のライミングと

NO-I.D. の確信深いオケの

見事な融合を反映したものです。

また、⑥や⑧のネタの使い方も素晴らしい!

もう、大好きです。

そして、⑫あたりの曲調なんかは

昔の NO-I.D. まんまの作りで、

思わずグっときちゃいます。

 

本作中、NO-I.D. の製作曲、

④、⑥、⑧、⑫の四曲だけでも

もうお腹一杯になっちゃうようなクオリティーなのですが、

NO-I.D. と共に、

本作では外せないというのが

レーベル・オーナーでもある

MARK RONSON の製作曲になります。

 

過去に、バトルMCとして

EMINEM をも打ち負かしたという

輝かしい経歴を持つ RHYMEFEST

そんな彼との契約を求めて

たくさんの有名レーベルが

争奪戦を繰り広げたというのは

想像に難くありません。

結局、そんな彼と契約に漕ぎ着けることができたのは

J RECORDS 傘下で自らのレーベルを立ち上げたばかりの

MARK RONSON 率いる ALLIDO RECORDS でした。

N.Y.のクラブDJとして名を馳せていた RONSON は

MIX TAPEなどの売り上げも好調で、

当時、NATE DOGGGHOSTFACE 他、

たくさんの有名ラッパーを取り揃えた

自身のデビュー・アルバムでも大成功を収めています。

そんな実績を買われ、

J RECORDS 傘下での 

ALLIDO RECORDS 立ち上げとなったのですが、

そういった RONSON のビジネス戦略が

本作中の至る所に張り巡らされているのを

ハッキリと感じ取れます。

まず、

RHYMEFEST のキャラクター性を

メジャーとアンダーグラウンドの中間に位置させ、

マスとストリートの両面に適確にアプローチさせている

MARK RONSON のトータル・プロデュース面に

並々ならぬ才覚を感じます。

これは RONSON がクラブDJとして

現場で培った嗅覚がモノをいっているのでしょう。

そして、それに応えるだけのスキルとバイタリティーを持つ

RHYMEFEST というラッパーの獲得も

RONSON の商才と幸運とを悠然と物語っています。

 

そんなレーベル・オーナー自らがプロデュースした楽曲が

⑪、⑮、⑯の三曲。

いかにもスカ・テイストなオケの⑪で

まず軽くジャブをいなすと、

トリッキーな⑮で RHYMEFEST のテクニカルなライムを

十全とお膳立て。

圧巻は何といっても

OL' DIRTY BASTARD

ヘタウマなコーラスを配した最終曲⑯。

明るい曲調に O.D.B. のこの歌声を聴いてると

何だか泣けてきちゃうよ。。。

この曲で幕を閉じているっていう点からして、

作品全体にきちんとオチがついているので

全編を通して

非常にタイトにまとまった印象を強く与えている。

多方面に顔を向けながらも、

立ち位置はマスとストリートの中間で

周囲にしっかりと睨みを利かせた

隙のない作品に仕上がっています。

これこそ RHYMEFEST にしか出せない味というべきか。。。

MARK RONSON もそこを狙っての

アプローチだったんだろうしね。

 

 

上記の他にも、

COOL & DREEMILE らが

楽曲製作で素晴らしい仕事をやってのけていますし、

ゲスト・シンガーの MARIO

⑩で伸びやかなファルセットを披露し、

作品に奥行きを与えています。

 

作品の全体としての印象は

TALIB KWELI のソロ・デビュー作に近い、

アンダーグラウンド・マナーを

メジャーに向けて展開していくモノで、

そのクオリティーに関しては引けをとらないほど

高品質にまとめ上げられています。

とにかく、本作は今年に入って

初めてガツンときた作品で、

個人的には限りなくクラシックに近い作品です。

特に JUST BLAZE が擦りまくった②は素晴らしい!

久々、心弾むような

スキルフルな新人ラッパーの作品に触れることができ、

本当に大興奮です。

 

オススメ度 9.3 

(ラップ:1.8 トラック:2.0 キャラ:1.7 話題性:1.8 構成:2.0)  

 

 

2006年5月23日 (火)

音楽の才能

いきなり前置きもなく書き出しますが、

今回紹介する作品は新譜ではありません。

正確には1996年に発表された作品になります。

タイトルはズバリ、

SLUM VILLAGE のデビュー作となる

「FANTASTIC , VOL. 1」  です。

Slumvillagevol1official_1  

 

 

 

今年の2月、元 SLUM VILLAGE の中心的なメンバーだった

JAY DEE (a.k.a. J. DILLA) の突然の訃報が

シーンのトップニュースとして舞い込んできたことは

皆さん、記憶に新しいと思います。

このブログでも追悼の意を込めて、

彼に寄せる記事 を書いてもいます。

それが何故、SLUM VILLAGE のデビュー作の紹介記事を

今頃になって書いてるのだろう

と皆さん疑問に思われるかもしれませんが、

特に深い意味はありません。

個人的な話ですが、

実はこれまで、

このグループの2ND作、3RD作は持っていたのですが、

彼らのデビュー作となる本作は購入できていなかったのです。

インディー配給になる本作は

流通がメジャー作品のようには行き届いていない為、

これまでなかなかレコ屋でお目にかけることが出来なかったのです。

それが幸か不幸か、

この度の JAY DEE の訃報をきっかけに

レコ屋のバイヤーも慌てて仕入れなおしたのでしょう。

ようやく本作をこの3月に手に入れることが出来ました。

購入時期から少し時差はありますが、

ようやく手持ちの新譜も全て紹介してしまったので、

ネタ繋ぎというワケではないのですが、

今回、この作品にスポットを当てて

紹介していこうというコトに相成ったのであります。

。。。。。 

 

正直な感想を述べると、

完成度という点で見れば

断然、2ND作の方が際立っていると思いますが、

JAY DEE プロダクションの真骨頂とも言える

硬くて図太いスネア・ドラムやベース・ラインの成熟し方は

デビュー作となる本作の時点で

もう既にスタイルが確立されています。

それは作品冒頭の①、②を聴けばすぐにそれと判る程に

JAY DEE の音楽的な才能の片鱗が

きちんと形となって表現されていることを表しています。

2ND作にも収録されている③は

ここでは少しコンパクトにまとめられていますが、

正にこのグループの “顔” 的な楽曲の一つと言っても

過言ではないでしょう。

ブルージーな上モノのループが味わい深い⑥や⑦、

フュージョン系の上モノのループが幻想的な世界を描き出す

⑧や⑩などをよく聴いてもらえばわかると思いますが、

JAY DEE の作り出す音世界は

一音一音のドラム音、ベース音が

それぞれに表情を持っていて、

深層に息衝く音の生命力の力強さを感じさせます。

⑪などに見られるループの浮遊感に

音の際立ったドラムやベースのラインが

現実的な存在感を与えているのです。

⑮や⑰に代表されるようなアブストラクト的曲調が

その後、A TRIBE CALLED QUESTQ-TIP

耳に留まり、スカウトされるというのも

今更ながらに頷ける話ですね。 

歌モノを軽く上掛けた⑱は本作中では異色をなすが、

続く⑲から幕引きまで、

JAY DEE のカラーは徹底されている。

全22曲というボリュームもあってか、

各一曲一曲の構成がミニマルに過ぎて

楽曲単品としての物足りなさは感じずにはいられないのだが、

SLUM VILLAGE のグループ作品というより、

JAY DEE のプロダクションのお披露目作品として捉えるなら、

これだけのボリュームに大満足することだろう。

 

本作から JAY DEE の才能は開花し、

彼のそのキャリアは

シーンのトップに向かって広がっていくことになるのですが、

そういう意味で、

本作は JAY DEE のタレントが

決定的に表立った作品と言えるでしょう。

A.T.C.Q.Q-TIPBUSTA RHYMESCOMMON 等の他に、

最近では GHOSTFACE に至るまで、

正しく “玄人好み” される JAY DEE サウンドの原点が

本作には溢れんばかりにギッシリと詰まっています。 

それと同時に、本作は、

改めて彼を失った事によるシーンの大きな損失を

再確認せずにはいられない作品でもあります。

本当に、唯一無二の才能でした。

 

オススメ度 7.2

(ラップ:1.2 トラック:1.8 キャラ:1.3 話題性:1.4 構成:1.5)  

 

2006年4月12日 (水)

PROOF の死

既にご存知の方も多いと思いますが、

EMINEM 率いる D 12 のメンバーの中心人物、

PROOF が昨日 (現地時間で11日の早朝) 、

デトロイトにあるクラブ CCC 内で銃撃され

死亡する事件が起こりました。

このクラブは EMINEM が主演し、

話題を呼んだ映画 「8 MILE」 の舞台となる

8 MILE STREET 上に並んでいるとのコトです。

この事件が今後、

世間に与える衝撃の大きさはまだ計り知れませんが、

これから事件の詳細や、

関係者のコメントなどが各メディアに向けて

多数寄せられることは予想に易いでしょう。

 

というワケで、

今回は PROOF への追悼の意味も込めて、

彼が携わった D 12 としてのグループ作品と

彼のソロ作品について検証してみたいと思います。

まず D 12 作品から。

「DEVILS NIGHT」 (2001)

「D 12 WORLD」 (2004) 

200pxd12__devils_night__cd_cover200pxd12__d12_world__cd_cover  

 

 

 

ハッキリ言うと、実は僕はあまり D 12 が好きではない。

EMINEM の実力は認めるが、

彼のグループとなる D 12 はというと、

どうにもキワモノ的なイメージが強くて

どうしても馴染めないのだ。

彼らに対する個人的な失望感は

そもそも1ST作の時点で形成されてしまいました。

2ND作は少し盛り返してくれてなかなか良かったのだけど、

それでも繰り返し聴きたいと言うほどのモノでもなかった。

とかなんとか言いながら二作とも持ってる僕は

一体何なんでしょうね・・・??

まあそんな否定的な所から入ってますが、

それでもとりあえず2ND作内での PROOF

けっこう立ち回り方が上手く、

きちんとキャラが立っていて感心しました。

さすが D 12 内でも EMINEM に次ぐ実力者だけの事はある。

ちなみに、D 12 の初期メンバーは PROOF を筆頭に、

BUGZ (1999年死亡) 、EYE-KYU BLIZZARD

KILLA HAWKFUZZ の6人組だったそうで、

現在は EMINEMKON ARTISSWIFTKUNIVABIZARRE

PROOF の6人組に編成を変えて活動していたそうです。

つまり D 12 はそもそも PROOF のグループだった、

そういっても過言ではないようです。

PROOF の活動歴は長く、

地元デトロイトでもなかなか名が通っていたようで、

そのあたりは映画 「8 MILE」 の中でも描かれていたりしますね。

グループ内 -特に2ND作- での PROOF

際立っていると思えるのは、

何より彼のその声質がグループのアナーキーな方向性とは違って、

しごくマットウなHIP HOPの情感を宿していたからである。

しわぶいた声でのぶっきらぼうに吐き捨てるようなフロウは

BAD BOYBLACK ROB にも似通ったスタイルで、

なかなかカッコイイ。

それに無骨な感じがする割に、

意外と器用で複雑なライムのデリヴァーを見せていたりもして、

彼の実力の片鱗を充分に発揮しているのが

グループの2ND作から聴いて取れた。

。。。 

そんなワケでその実力を買って

彼のソロ作を手にするに至った。

 

「I MISS THE HIP HOP SHOP」 (2004)

Amal010  

 

 

 

この作品はメジャー・レーベルから出されたモノではなく、

内容もインディーに見合った

実にアンダーグラウンド的な作りで、

実際に持ってる人も少ないのではないだろうか?

インディー作品だけあって

EMINEMDRE らの参加はもちろんなく、

他の D 12 メンバーの参加も一切ない。

プロデューサーとして DJ PREMIER と 故 JAY DEE

それぞれ一曲ずつ楽曲提供で参加してるのみで、

あとは無名に近い地元の仲間がこの作品を盛り上げている。

構成としてはMIX CDに近いノリで、

非常にラフな雰囲気がするが、

それがデトロイトのアンダーグラウンド・シーンの空気を

絶妙に物語っているかのように受け取れたりもする。

しわぶいた声で吐き出す PROOF のライムが

またその雰囲気によく合っている。

作品としてのダイナミズムはいささか希薄に思えるが、

コンセプト的にはミニマルまとまっていて

好感が持てる作品である。

オススメはやはり PREMIER 作の⑫と、

JAY DEE 作の⑬かな。

他の曲もツブが立っていてけっこう好感触です。

  

ソロ作としては他にも

「SEARCHING FOR JERRY GARCIA」 という作品を

昨年 (2005) に出している。

Image_2  

 

 

 

さすがにこれは持ってない。

 

DRE 軍団率いるツアー 「UP IN SMOKE」 などで

EMINEM のサイドMCとしてその活躍が収められた映像が

色んな媒体で残っているので、

それらを見ながら彼の死に対し哀悼の意を捧げたいと思います。

 

REST IN PEACE !

 

2006年4月11日 (火)

地区分類に困るST. LOUIS

あ~困った!

何が困ったって、

アメリカのミズーリ州をHIP HOP的地区分類化するとなると、

どこにカテゴライズすればいいだろうか?

地域としてはセントラル (中部) とされるが、

HIP HOPマップではそこまで細分化したカテゴライズはない。

南部に近いとはいえ、

アーティスティックな毛色は南部のそれとはまた違うし、

もちろん東西部とは地理的にかけ離れすぎている。

ムリヤリ作ったNORTH (北部) に囲うにしては

それもまた違う毛色をしている。。。

 

イヤ、、、特にそんなに拘ってるワケじゃないんだけど、

このブログのカテゴリーでどこに入れようか、

それを迷ってるだけなんです。。。

よい案あればコメントください。

 

というワケで、

前置きをウダウダ書いて

ようやくここから今日の本題に入るのですが、

モグリじゃないHIP HOPヘッズならこの時点で

今回の話題の一応の目星は付いたんじゃないかと思います。

今回紹介するのは、そう、

NELLY とそのクルーの ST. LUNATICS の新譜

「WHO'S THE BOSS」 です。

766834  

 

 

 

ただ、この作品、新譜とは言っても、

正規盤の新譜ではありません。

いかがわしいニオイのプンプンする作品です。

サイトで探してもなかなか見当たらない、

それくらい胡散臭い作品になります。

ちなみに、名義は

“NELLY & ST. LUNATICS” になっています。 

 

セントルイスなんて

それまで見向きもされなかったような一地方都市を

一躍、HIP HOPマップに記載せしめた NELLY の出現は

まだ記憶に新しいところだと思います。

HIP HOPという枠に収まらない世界的なヒットで

スターダムへと一気にのし上がった彼。

僕が留学してた頃、

ちょうど NELLY の2NDがドロップされて間もない時期で、

MTV は毎日彼のプロモを飽きもせず流し続けていました。

ホント、ウンザリするくらいに!

とは言うものの、それほど嫌いではないです、NELLY

めちゃくちゃ小躍りするほど好きってワケでもないケド。。。

 

というワケで、NELLY とその愉快な仲間たちなんだけど、

前述したように、正規盤でない本作は、

ホントに胡散臭い作りになっています。

まず、NELLY の出番が少なすぎる。

あのアクの強い彼がどこにいるのか?

けっこう集中して聴いてないと聴き逃してしまうほど

今作での NELLY の存在感は薄い。

で、ST. LUNATICS の面々がその分頑張ってるのだが、

それがどうしても凡庸の粋を超えないのだ。

オケもちょっと古臭い。

昔の BAD BOY が得意とした煌びやかなネタ使いで、

妙に懐かしい感じがするが、

それが時代錯誤なもどかしさを生んでいる。

ってか、なんでこの作品出したのか

その意図がわかんない。

こづかい稼ぎにMIX CDを出すメジャー・アーティストは多いけど

そのテのモノなのかな?

にしても、時流を外し過ぎてるきらいがあるんだけど、

ここまでクオリティーが低いと

本来のアーティスト・イメージに傷付くんじゃないだろうか?

‘96-‘00あたりの曲が好きな人には

懐メロみたいなノリでいいかも。

僕個人としては “?” な作品だったけど。。。

 

オススメ度 5.0  

(ラップ:1.0 トラック:1.1 キャラ:1.1 話題性:0.7 構成:1.1)  

 

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