無料ブログはココログ

リンク

« 「2007年ベスト・アルバムTOP10 (後編)」 | トップページ | NAPPY ROOTS »

2008年9月21日 (日)

L.A.X.

THE GAME

商業的な音楽が蔓延するこの現在のシーンにおいて、

特別な輝きを放っていると僕は捉えている。

それは、彼の新作、

通算3作目となる 「L.A.X.」

そのタイトルからも窺い知れよう。

200pxgame_lax   

 

 

 

 

 

 

 

正にL.A.の玄関口にも当たる国際空港の名を、

自らの引退を掲げた本作のタイトルに当てる事からもわかるように、

今のシーンにおいて、

特にメジャーのシーンにおいて、

これほどまでにローカリズムを主張する作品は

ほとんど見当たらない。

H-TOWNの勢力が落ち着いてしまった今となっては、

本当に稀有と言えるメジャー作品だろう。

その点だけ伺っても、

古くからのHIP HOPファンだった僕にとっては、

本作は賞賛にふさわしいと言える。

 

さて、その内容はというと、

先ほども述べたように、

古くからのHIP HOPファンである僕の耳を捉えて話さない、

HIP HOPゴシップやアーティスト名、

名曲のタイトルやパンチ・ラインが、

ふんだんに鏤められた THE GAME 独特のライミングが、

これまで2作同様、否、それ以上に、

効果的な印象を深く与える。

ともすれば、下世話と思えなくもなかった

1作目でのこの彼のライムも、

3作目を経て、立派な芸術的スキルと呼ぶにふさわしいまで、

成長を遂げていることに感銘を受けるほどだ。

2ND作中、加熱していた 50CENT とのビーフも、

50 が落ち目となった今では、

あえて深く引き摺ることをせず、

THE GAME 自身の新たな展開を本作に見出せる。

それが冒頭にも述べた、

ローカリズムと全国区の融合なのだが、

彼が本当にそれを狙っていたかどうかはわからないが、

本作はその点で見事な成果を残している。

まず、ゲスト陣の顔ぶれから挙げていくと、

③の ICE CUBE 、④の RAEKWON 、⑤の LIL' WAYNE 、

⑦の BILAL 、⑧の LUDACRIS 、⑪の NE-YO 、

⑭の COMMON 、⑮の LA TOYA WILLIAMS 、

⑰の KEYSHIA COLE 、⑱の NAS 他、

これだけ見ても全国区の、

しかも各地を代表するような豪勢且つ、

シブい人選に心奪われる。

しかも、①、⑲のINTRO、OUTROを

DMX の 「PRAYER」 をまんま使用している辺りに、

THE GAME の作品の面白味の本質を窺い知ることができる。

つまり、その本質とはこうだ。

THE GAME はこの音楽シーンの強烈なフォロワーであるということ。

それは、EMINEM の出現以降、

50CENT やこの THE GAME 自身や、

KANYE WEST 、 9TH WONDER など、

多くのアーティストに見られる、

僕と同時代のこの音楽シーンの歴史を体感した、

いわゆる “激動の90年代” から強烈なインスピレーションを受け、

そいつを現在のシーンに反映させる、

彼らは猛烈な “HIP HOPファン” であると言える。

本作内でも、先に挙げた DMX 「PRAYER」 の使用や、

RAEKWON の参加などに見られる、

シブい点を突いた人選の他に、

今最も勢いのある LIL' WAYNE や NE-YO の登用は、

現在のHIP HOPファンにとっても実にスリリングな人選である。

さて、上記のような煌びやかな人選にも拘らず、

THE GAME 自身の個性は全く失われていない。

あるいは、ゲストが遜色して聴こえるほどに、

THE GAME のフロウは輝いている。

特筆すべきは、③での ICE CUBE 、

④での RAEKWON の映え方であろう。

ICE CUBE はフックのみを担当しているが、

正にL.A.玄関口を迎えるにふさわしい、

濃厚なL.A.、COMPTON、CALIFORNIAのタフな生活を描き出す。

燻し銀の、正に煙った都市伝説の語り部としての

RAEKWON と THE GAME のヨタり具合も素晴らしい。

その他、人生をシリアスに歌い上げた、

LIL’ WAYNE との⑤や、

自らを東西の王としてリリカルなスキルを展開する、

NAS との⑱も聴き所に挙げられる。

COMMON との⑭も面白いが、

これは THE GAME の一人勝ち。

特に2ND VERSEは絶品です。

プロデュース・ワークについて言えば、

今作も DRE は不参加ながら、

J. R. ROTEM 、JELLY ROLL 、COOL & DRE 、NOTTZ 、

DJ TOOMP 、SCOTT STORCH 、KANYE WEST 、HI-TEK 他、

昨今を賑わすこれまた豪勢な顔ぶれが揃っている。

個人的には J. R. ROTEM の②、③、

JELLY ROLL の④、

NOTTZのファンキーさの輝く⑦、

DJ TOOMP のベース音のうなり具合がロッキシュな⑩、

SCOTT STORCH の⑫がお気に入り。

 

総体的に言って、

素晴らしい作品と呼べなくはない作品だと思う。

特に、THE GAME のスキルや勢いは、

前作、前々作に引けをとらぬどころか、

以前にも増して輝きを放っている。

ただ、、、ただ、やはり思わずにいられないのが、

DRE 総合プロデュースであったならば、

更にどんなにか素晴らしかったであろう?!

という点に尽きる。

願わくば、THE GAME 、彼の引退宣言が撤回され、

次作こそ、DRE に製作を委ねた “L.A.讃歌” ともなる大作を

期待せずにはいられない。

個人的には、TIMBO とのコラボも再現してもらいたい。

 

今もL.A.で戦い続けている僕の同志にピースを!!

 

オススメ度 8.6

(ラップ:1.9 トラック:1.6 キャラ:1.9 話題性:1.5 構成:1.7) 

« 「2007年ベスト・アルバムTOP10 (後編)」 | トップページ | NAPPY ROOTS »

コメント

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/4428/23904526

この記事へのトラックバック一覧です: L.A.X.:

« 「2007年ベスト・アルバムTOP10 (後編)」 | トップページ | NAPPY ROOTS »

最近のトラックバック

2017年1月
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30 31