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2008年9月30日 (火)

HOLLYWOOD DERBY

自己顕示欲の強いラッパーは、

音楽活動が頭打ちになると、

新たな表現手段としてスクリーン・デビューに向かう傾向が強い。

フッドからHOLLYWOODへ、

そんなお決まりのコースを歩んだ者の中でも、

頭一つ抜きん出ているのは、

ご存知、WILL SMITH だが、

その次あたりに成功を収めているのは、

LLICE CUBE 辺りなんじゃないかと捉えている。

キャリアもカリズマもバキバキのレジェンドである二人だが、、

それぞれの売りはまるっきり別モノのようではあるけれど、

改めて二人を見比べてみると、

案外シンクロしているようにも思えてくる。

奇しくも、お互い新作をドロップしたばかりということもあって、

今日は “HOLLYWOOD DERBY” と題して、

二人のその新作を聴き比べてみようと思う。

 

まず先攻は LL COOL J から。

数年前から所属の DEF JAM との折り合いがよくないとのことで、

絶えず移籍の話が出続けていながらに、

その後も数作が DEF JAM からドロップされていた LL だが、

それも本作を以って、契約はいよいよ解消されるという。

何せ、タイトルが 「EXIT 13」 なんだもの。

200pxexit13_2   

 

 

 

 

 

 

 

オリジナル12枚とベスト盤1枚の計13枚。

「PHENOMENON」 での CANIBUS とのビーフ以降、

正直、LL とその後の彼の作品に対し

ラッパーとしての強烈なインパクトを

僕は感じられなくなっていたというのはあるが、

しかし、だからといって、

彼のここ数年の作品が駄作だったかというと、

決してそうではないと言わざるを得ない。

グっとはこないのだが、

作りが上手く、妙にカッコイイのだ。

その雰囲気は本作にも充分満ち溢れている。

それほど旬なプロデューサーが絡んでいるワケでもないし、

ゲストの顔ぶれもイマイチなのに、、、

どうしてカッコよく聴こえるんだろう?

本作は 50 CENT が総監修するという噂もあったが、

幸か不幸か③でのゲスト参加だけに終わっている。

それ以外、有名どころでは、

MARLY MARL が楽曲製作した⑥、

DJ SCRATCH 製作の⑨、⑩、

DAME GREASE 製作の⑬、

WYCLEF がゲスト参加した⑭

(ココ、ツッコミたいが、今回はあえてスルーしよう。)、

FUNKMASTER FLEX が怒鳴りを入れた⑯、

FAT JOE と SHEEK LOUCH という

イカツめな二人をゲストに揃えた⑰くらい。

DAME GREASE の⑬はなかなかスタイリッシュでカッコイイが、

それ以上に本作で気になるのが、

同じく前述、DJ SCRATCH 製作の⑩。

この曲はゲストにOLD SCHOOLレジェンドの

GRANDMASTER CAZ を迎えているのだが、

ハッキリ言って、本作中でも突出して耳に引っ掛かる、

ハードな仕上がりとなっている。

確かに LL のキャラからして、

スタイリッシュな楽曲は彼に似合うかもしれないが、

実は時代錯誤なくらいイカツくて、

色気のない楽曲をガチガチに集めた方が、

彼に合っているのではないかと思えてならない。

本当に、今の時代にあって、

本作中、この楽曲⑩はブッ飛んだカッコよさを湛えている。

。。。。。

 

さて、お次は後攻の ICE CUBE の作品を。

LL「EXIT 13」 に対して、

ICE CUBE の新作 「RAW FOOTAGE」 は、

それ程話題性があるのではなく、

出元も自身のインディー・レーベル LENCH MOB からとなる。

200pxrawfootage   

 

 

 

 

 

 

 

その影響というのでもないが 

(彼の前作も同レーベルよりドロップされている。)、

本作はこれまでの彼のどのソロ作品と比較しても、

極めてハードコア色が強いように思われる。

それはもちろん良い意味において。

その音色からインディーな空気がプンプン漂っているのだけれど、

蓋を開けてみると、

②では YOUNG JEEZY が参加していたり、

⑥では MUSIQ SOULCHILD が参加していたり、

⑬では当然のように THE GAME が、

WC と一緒に参加していたりして、

旬なゲストが実に印象的に配置されているあたり、

作品として抜かりの無い仕上がりになっている。

プロデューサーに有名どころの名前はなかったけど、

どの楽曲も粒が立っていて、

ドス黒くカッコよいこと一入だ。

中でも特に耳を惹いたのが⑤。

この訳知りな、茹だったリフのループが

最強にステキすぎる。

ライムもボロいこと繰り返してるだけなんだけど、

このビートにはコレ以上もコレ以下ない。

ユルさと熱さの均衡が

二つとない絶妙のバランスの上で構成されている。

コイツ最高!⑤最高!!

楽曲として締りのある⑦も素晴らしいが、

本作では何といっても⑤がズバ抜けている。

。。。。。

 

というワケで、両作の総評だが、

LL にしても ICE CUBE にしても、

この長いキャリアを戦い続けてきたアーティスト特有の

抜け目なさというものをお互いの作品に感じざるを得ない。

自身の旨味、見せ所を心得ていると言うべきか。

両作ともにタイトな仕上がりを見せ、

合格点に値する作品といっても過言ではないと思う。

しかし、裏返せば、

期待値を下回ることはなくとも、

上回ることもない、

そのまんまの作品と呼べなくもない。

つまりは、面白みに掛けるとでも言おうか、

初期衝動に欠ける分、

(もちろんベテランの二人にコイツを期待するのが間違っているのだろうが)

HIP HOPの内包する妙味ともいえる、

スリリングさに欠けると言わざるを得ないというのも確か。

惰性で製作された、

とまでは言わないが、

やはり片手間感がどうしても拭えないのも事実で、

その辺り、

LLICE CUBE 共に、

成功し続けているベテランゆえのジレンマを

抱えていると捉えることもできる。

 

さて、“DERBY” と称したからには、

今回の LLICE CUBE 両人の新作に対し、

個人的な嗜好の甲乙を付けておかないといけない。

というワケで、

今回は ICE CUBE の勝ち。

勝因は作品のタイトさにある。

 

LL COOL J 「EXIT 13」

オススメ度 8.2

(ラップ:1.7 トラック:1.5 キャラ:1.7 話題性:1.7 構成:1.6)

 

ICE CUBE 「RAW FOOTAGE」

オススメ度 8.2

(ラップ:1.7 トラック:1.7 キャラ:1.7 話題性:1.4 構成:1.7)

 

 

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