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2007年5月 4日 (金)

アンダーグラウンドの定義

アンダーグラウンドの定義って何なんでしょ?

特に昨今の音楽の世界では、

ジャンルの如何を問わず、

所謂、“アングラ” ってレッテルが付けば、

何でもカッコよく捉えられちゃう、

魔法のキーワードのよう。

メジャーでなく、

売れていないモノ全般を言うのじゃなく、

売れてないけど、

カッコいいモノを総じて “アングラ” と

カテゴライズしているのかな?

まあ、今日は、

そんな表題を持ってきはしたのだけど、

定義なんてここで云々するつもりはありません。

今日紹介するアーティストは、

このシーンで言うところの、

“アングラ” の代表格的な捉えられ方をしているので、

そんな冒頭になってしまいました。

 

というワケで、

今回紹介するのは、

EL-P の新作、

「I'LL SLEEP WHEN YOU'RE DEAD」 です。

200pxiswyd_cover  

 

 

 

 

 

 

 

東の DEFINITIVE JUX 、

西の STONES THROW 、

と並び称される、

米HIP HOP界の二大アンダーグラウンド・レーベル。

両勢力は未だ力の衰えを見せることなく、

長年に渡り、

世界中からの絶賛を欲しいままにしている。

ここ日本での彼らの需要も尚高く、

熱心なリスナー、好きモノ、好事家達の耳を、

長らく満足させ続けてきた。

僕自身はスキルフルなラップをメインにした嗜好者なので、

扱うトピックスのアブストラクトでマニアックな

“アングラ” モノより、

メジャーに流れる傾向が強かったことは否めません。

ただ、

この二つのレーベルについては、

弥が上にも注目せざるを得ない。

彼らを無視できない、

それほどに、

DEFINITIVE JUX と STONES THROW の作品のクオリティーは

次元が高いと言えます。

・・・・・まあ、

今更、僕が言うまでもなく、

周知の事実なのですが。。。

 

それにしても、

久しぶりに EL-P の作品を買いました。

実質、前作から3年が経っているということです。

しかし、

蓋を開けてみると、

3年のブランクなんてまったく感じさせない、

良い意味で、

まったく変わりのない、

変態的な世界観が繰り広げられているのを

こうやって目の当たりにして、

安堵の溜息を漏らしてしまうほどでした。

 

EL-P の創造する、

狂気を孕む音の歪みは、

サイケデリックな緊張感を生み出す短いギターのリフ、

精神を蝕むかのような不協和音を組み合わせて生み出される上モノ、

都会的なせせこましさを描き出すビート、

これらに要約されるでしょう。

②や③はその典型といえます。

OLD SCHOOLを意識した④は

EL-P の作風には珍しいです。

AESOP ROCK をゲストに招いた⑦の

病んだドラム・ラインが流石です。

⑨のメロディアスなラインを使ったループというのも、

EL-P の作風には珍しいと言えるでしょう。

まあ、

それがストレートな楽曲に仕上がっているのか?

というと、

結局そうではないというのも彼の味なのですが。

作品終盤に差し掛かった⑪のイカレ具合なんか、

いかにも彼の本領発揮といったところで、

やはり一筋縄ではいかない、

東のアンダーグラウンド界を一身に背負って立つ、

彼の異才を堪能できます。

非情なN.Y.のブルース的⑬で幕を閉じる本作。

そのどれをとってみても、

昨今のシーンの流行にまったく触れていない、

怖いくらいにオリジナルな世界が描かれていて、

それは言葉を巻き込むようにして吐き出される彼のライムにも、

昨今では珍しい絶滅種的な独特のリリシズムを伺えます。

本当に一癖も二癖もある、

浮世離れしたような作品なので、

慣れないヘッズはアテられちゃうかも。

すごくステキな作品で、

僕自身、おいそれと一気にレビューを書くには

本作は完成度が高すぎました。

アングラ好きはもちろん、

アングラ聴いたことないって人にも

ぜひ勧めたい作品です。

 

オススメ度 7.6

(ラップ:1.6 トラック:1.7 キャラ:1.6 話題性:1.2 構成:1.5) 

 

 

 

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コメント

>HOSSYさん
最近、ホント、アングラ系の話題聞きませんね。
特にN.Y.のシーンについては。
西は以前住んでいたということもあって、未だに結構馴染みがあったりしてたのだけど。。。

HIP HOPにとっては、元々アングラな音楽だったのがシーンの最先端に一気に登り詰めたというのもあって、マスとアングラの乖離の仕方、というより、アングラの存在意義が喪失してしまったのかもしれません。
HOSSYさんや僕のような、その過渡期を追ってきた者にとっては、年々それがより明白になってきているように感じられるのではないでしょうか?

怒涛の更新、楽しく見ています!

たしかにアングラっぽいと、なんかかっこよく見えます。少し病んでるトラックに切れたラップがのっているとしびれます。

最近はアングラ風味のメジャーなものも減っているような気がします。アングラ系は人気が落ちているのでしょうか?
私がシーンについていけてないからのような気もしますが^^;

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