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2007年4月 8日 (日)

南部の王道

今回は前置きもなく入ります。

紹介するのは、

南部の王道ともいうべき、

8 BALL & MJG の新作、

「RIDIN' HIGH」 です。

200pxridinhigh  

 

 

 

 

 

 

 

8 BALL & MJG

地元MEMPHISのみならず、

南部ラップの草分け的な存在として、

H-TOWNの英雄、SCARFACE や、

U.G.K. らに次いで影響力を持つ、

熟成されたベテランのラップ・デュオです。

彼らが電撃的に BAD BOY と移籍契約を果たし、

そのキャリアにいかような変化が見られるかが、

移籍後初となる前作での注目点でしたが、

その作品クオリティーに関しては、

心配するほど下世話な影響は見られず、

彼らのモティベートや世界観はそのままに、

セールス面では、

BAD BOY のブランド・バリューを上手く利用して、

彼ら自身初めてのゴールド・ディスクに達し、

結果的には成功といっても過言ではありませんでした。

本作では、

前作に当たっての不安感がそのまま払拭されているので、

何の躊躇いもなく、

8 BALL & MJG の世界観に飛び込んでいけるというのが

最大の魅力となっています。

 

それにしてもスゴイと思うのは、

BAD BOY SOUTH 経営陣によるところの

その手腕です。

BAD BOY 本隊の低迷ぶりと切り離れたところで

快進撃を続けるその様相は、

彼らの未だ底知れぬポテンシャルを伺わせています。

快進撃の要因として挙げられるのは、

本隊からは別モノとして管理されたクオリティー・コントロールと、

本隊のブランド・バリューを織り交ぜての

絶妙のバランス感覚にあるのではないかと分析しています。

ANTI BAD BOY-IST が少なくないであろう、

HIP HOPファンとして、

ガッカリさせられることの、まずない、

力学、ベクトルが、

この BAD BOY SOUTH というレーベルの諸作品から

伺うことができます。

それに何より、

作品がコンスタントにリリースされているという、

その事実と、

それらがそれぞれスマッシュ・ヒットしているという、

その事実とが、

全てを物語っているのではないでしょうか。

 

 

さて、そんな中で、

この “南部の王道” とも称すべき、

8 BALL & MJG の本作を評価するに際して、

最も妥当な言葉というのは、

“良作”

なのではないかと思います。

クリティカルにヒットするというのではなしに、

的確に、

自身のやるべき仕事を心得た、

実にベテランらしい “良作” に仕上がっています。

イントロ明けの BIGGIE のラインをコラージュさせ、

フックに貼り付けたという②の、

明らかにウケ狙い的な BAD BOY 色に塗れたこの曲でさえ、

8 BALLMJG の絶妙のコンビネーションが際立っていて、

ギミックに思えないほどです。

本作のタイトル曲となる③の走り方も、

二人のお互いに対する信頼度の高さが伺えてきます。

DIDDY の合いの手がスゲぇジャマなんですケド。。。

112SLIM がヴォーカルを担当し、

同郷の雄、THREE 6 MAFIA が参加した⑤では、

BAD BOY とジョインした彼らにとってのメリットとして得た

ある種の役得といううようなモノを感じます。

MIDNIGHT BLACK の製作したトラックの秀麗さが冴え渡っています。

普段は出しゃばり過ぎが目立ち、

あまりプラスに作用することのない DIDDY ですが、

トリッキーなオケに耳がいってしまう⑦では、

彼の存在感が消されていて、

逆にイケます。

SHAWTY REDD 製作の熱いオケがカッコイイ⑨、

同じ BAD BOY SOUTH 繋がりで YUNG JOC の参加する⑪、

JAZZE PHA が製作、フックのコーラスも参加し、

更にゲストに JUVENILE が参加した⑭、

MIDNIGHT BLACK 製作のオケにコーラスが際立った⑯など、

実にヴァースが硬く、

素直にタイトでカッコイイ。

ベテランならではの、

彼らの肩の力の抜き加減、

あるいは、

息巻く力加減という点に、

並々ならぬ才能を今更ながらに思い知らされる。

特に凄いと思うのは、

上記に挙げたゲスト陣の他にも、

②での PROJECT PAT 、

⑥での PIMP C 、

⑩での KILLER MIKE など、

実に錚々たるメンツが本作に名を連ねているのだが、

そんな彼らの誰をとってしても、

皆、一様に、

完全に 8 BALL と MJG の創り出す音の世界観に

染め替えられているのです。

このあたりの力量に関して言うなら、

僕は今現在、

この二人に適うラップ・デュオというのは、

他にいないのではないかと思っています。

スキルの高さはもちろん、

モティベーションの高さも、

パートナーシップのタイトさも、

作品の安定感も、

実に硬い。

そこにまず拍手を贈りたくなります。

突き抜けたかのような爽やかなオケに、

地元MEMPHIS讃歌を捧げた⑰の

強烈なインパクトが尾を引きながら、

全19曲となる本作は幕を閉じます。

 

本作を聴いて、

改めて思ったのは、

“BAD BOY SOUTH の仕事のクオリティーの高さ”

についてです。

彼らは本当に的確に、

良い仕事をやってのけています。

そして本作は、

そういったギミックを余裕で纏いながら、

尚、自身の技量の奥深さを見せ付けることのできる、

8 BALL & MJG という

このデュオの存在感に対して、

圧倒的なモノを感じさせる一枚でもあります。

 

オススメ度 7.9

(ラップ:1.7 トラック:1.5 キャラ:1.7 話題性:1.4 構成:1.6)

 

 

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