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2007年4月14日 (土)

オーソドックス

今回紹介するのは、

昨年、2006年の10月頃にドロップされたですが、

世間の話題の端にも上っていなかったので、

あまり知られていない作品になります。

ベテランとして、

N.Y.スタイルの王道に据えられるべきラッパー、

C. L. SMOOTH の、

なんと、コレがソロ作品としては初めてとなる、

「AMERICAN ME」 です。

200pxamericanme  

 

 

 

 

 

 

 

PETE ROCK & C. L. SMOOTH として

シーンに強烈な爪跡を残している彼ですが、

結局というか、

取り上げられるのはどうしても相棒の PETE だけで、

C. L. の方はほとんど脇役扱い。

よく比較される DJ PREMIORGURU

GANGSTARR でも、

確かに PRIMO の天才性は別格として

シーンの歴史に取り沙汰されていますが、

だからといって GURU の扱いは、

C. L. 程にはヒドくないです。

MCとしてのスキルも

決して低いワケではなく、

ともすれば非常にクレバーな才能を

今も見せ付けてくれている彼だけに、

ソロとしてのデビュー作となる本作の

世間での興味の薄さがあまりに露呈していて、

なんだか C. L. に同情してしまいます。

 

さて、

そんなこんなはともかく、

本作の感想をまずダイレクトに伝えるとするなら、

“オーソドックス” という言葉に尽きると思います。

オーソドックスなN.Y.スタイル、

オーソドックスなオリジナル・スタイル、

オーソドックスなMC作品、、、

といったところです。

良くも悪くも、

奇を衒ったところのない本作風は、

これまでの彼の実績に裏打ちされた安定感も手伝って、

非常に重心の低い、

ガッチリと落ち着きを見せる、

大人の音楽を作り上げています。

しかしながら、

それが必ずしもHIP HOPにとって

プラスに作用する話でもないので、

そのあたりで、

本作の評価が大きく分かれていくポイントとなっているでしょう。

 

本作に大きな影響を及ぼしている脇役として、

昨今のN.Y.サウンドの新勢力の一端を担っている、

HEATMAKERZ が参加している点が

まず挙げられるでしょう。

②、⑦、⑭を製作しているのですが、

HEATMAKERZ 独特のブッ飛んだような作風は

ここではあまり見られません。

②、⑦はあまりにオーソドックスに過ぎて、

彼らの持ち味が見出せないほどです。

⑭だけは結構無茶な入り方からして、

ホーンのタギングをループさせているのが

微妙にカッコよかったりして、

面目躍如なのですが。。。

もう一点、

本作で目立っているのが、

NAUGHTY BY NATUREDJ KAYGEE

数曲でプロデュース参加しているのです。

彼は④、⑨、⑰でその名が見られます。

90年代初頭のファンとしては

この二人の組み合わせは

なかなか涎モノのコラボレーションなのではないでしょうか?

NAUGHTY で聴かせるような抑揚の深い、

メロディアスな展開の④、⑨、⑰は、

それぞれ確かに新しさはないのですが、

古き良きN.Y.マナーにのっとられた、

オーソドックスなスタイルを堪能できます。

本作中唯一、

⑪のみでかつての相棒 PETE ROCK との

競演が叶えられているのですが、

やはりというか、

この曲だけは本作中でも

群を抜いて完成度が高いです。

一聴してソレと判別できる、

独特の音世界を奏でる PETE と、

その世界観に違和感なく溶け込む C. L. のボーカルは、

別次元での融合を見ているかのようです。

それこそ、

90年代初頭に産み出された、

彼らの歴史的名曲の数々の内に

この曲が並んでいてもおかしくないほどに、

当時の雰囲気を醸し出している、

一番彼にとってオーソドックスともいえる楽曲です。

この他に、MIKE LOE というプロデューサーが

①、③、⑤、⑩、⑫、⑮、⑯の計六曲を手掛けている。

結構器用な人で、

③で JUST BLAZE 風なダイナミックな切り口を見せたかと思えば、

⑩で PRIMO ばりのスクラッチを絡ませたり、

⑫で本作参加の HEATMAKERZ のお株を奪うかのような

ドラスティックな構成を見せていたりとしている。

しかし、どれもパンチが弱いのが難だが。

本作中、個人的に一番耳を惹いたのは、

先に挙げた曲ではなく、

SQUARTA なるプロデューサーも製作した⑥の

郷愁に駆られるようなシンプルな楽曲です。

80年代中期のJAZZ FUSIONを想起させる

愁いを帯びたキーボードの上モノが、

C. L. のボーカルと相俟って、

当時のN.Y.の都会的な情景を

見事に描き出しています。

 

作品自体、

何度も言うように、

“オーソドックス”

な作風なので、

それこそ可もなく不可もなく、

非常にタイトにまとめ上げられています。

昨今の南部産の雑なMC仕事の作品に比べれば、

耳にするだけで安心感が与えられるでしょう。

その分、面白味がないというのも

揺るぎない事実ではあるのですが、

逆に今のシーンでこんなにド真ん中を突いた作品も

珍しいのではないかと思います。

 

オススメ度 6.8

(ラップ:1.5 トラック:1.4 キャラ:1.4 話題性:1.1 構成:1.4) 

 

 

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