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2007年1月 6日 (土)

雪だるまは語る

DEF JAMDEF JAM たる所以は何か?

それはどんな時流、シーンの流行にも見合った、

新しいスターを発掘する点にこそ見出される。

L.L. に始まリ、BEASTIE BOYSPUBLIC ENEMY

SLICK RICKWARREN GDMXJA RULE

一昨年には YOUNG JEEZY

去年は RICK RO$$ と、

実に旬を捉えた新人を発掘することに長け、

また絶妙のプロモーション・ワークで

彼らを時代の寵児となる大ヒットへと押し上げている。

 

今回はそんな中から前述にも挙げた、

YOUNG JEEZY の2ND作となる、

「THE INSPIRATION」 を紹介したいと思います。

220pxtheinspiration  

 

 

 

 

 

 

 

 

結論から言えば、

本作は素晴らしい作品です。

何が素晴らしい?

まず作品全体の構成を通して耳を惹き付ける

力強さを感じます。

これは前作にも感じたことでしたが、

彼の作品はラップに魅力を感じるのではなく、

また、

楽曲単位に魅力を感じるものでもないのですが、

しかし、作品として強烈なインパクトを残します。

前作に続き、

本作でもそのスタイルは踏襲され、

確固として確立されています。

古いタイプのHIP HOPファンとしては、

ラップ力や楽曲の印象に勝る作品のインパクトというものは

ある種のタブーに触れかねない評価に繋がります。

これは決して YOUNG JEEZY のラップが

ヘタだと言っているワケではありません。

その点は後で触れますが、

ここであえて言うなら、

YOUNG JEEZY のラップは際立つのではなく、

作品全体をパックする特殊な才能を湛えています。

 

前書きで書いた DEF JAM  の果たした功績を加味しながら、

2ND作に見出される YOUNG JEEZY の陰なき姿に

ここから迫っていくことにしましょう。

 

まず耳を惹くのが③、④です。

前作から引き続き SHAWTY REDD を起用しての楽曲となります。

この SHAWTY REDD は本作の半分くらいの楽曲を手掛けており、

正に本作のキー・マンと呼べるでしょう。

粘り気のある JEEZY のボーカルを

最大限に活かす SHAWTY REDD のあっさりストレート系の楽曲。

(あるいは逆に、

SHAWTY REDD の楽曲を JEEZY のボーカルが

最大限に活かしているのかもしれません)

その相性は前作にも増して良好と言えるでしょう。

続く T.I. 作品でよくその名を見掛ける

DJ TOOMP 制作の⑤の、

衒いのないストレートな楽曲も素晴らしい耳心地を残します。

さすが本作からシングルとしてファースト・カットされた曲です。

ここまで期待を裏切らない構成が続きます。

そして本作のハイライトとなる⑥、⑦が続きます。

まず、R. KELLY をゲストに迎えた⑥。

コレは DIPSET 周辺や

昨年大ヒットした RICK RO$$ らの作品で活躍している、

THE RUNNERS が制作したモノなのですが、

この曲、女性ファンに向けて R. KELLY を配していますが、

コーラスがなくても充分カッコイイです。

(僕としてはコーラス抜いた方が好ましいですが)

THE RUNNERS は最近注目しているプロデューサーなのですが、

ここで見せるシンプルなループが異常にカッコイイ。

ちなみにこの曲もシングルで切られています。

続く⑦は言わずもがなの TIMBO 制作曲。

フックでも参加している TIMBO のその楽曲構成の独得の深みは、

ここでも異彩なる煌きを放っています。

この曲を聴いていると、

未だ衰えを知らない TIMBO の天才ぶりに圧倒され、

また、

今後発売予定の彼自身の名義では初となるソロ作品が

非常に待ち遠しいです。

今や南部系作品では欠かせないブランドとなった、

COOL & DRE 制作による⑨の

浮遊感漂うオケもまた耳にシックリときます。

続く、前作から登用の J.U.S.T.I.C.E. LEAGUE 制作となる⑩の、

ドラマティックな情緒を煽った構成も

芯にブレがなくカッコイイです。

THE RUNNNERS 制作、KEYSHIA COLE 参加による⑪は

少々大業に過ぎますが、

続く、

MR. COLLIPARK としても知られている

DJ SMURF 制作による⑫、

自身のレーベルから SLICK PULLABLOOD RAW

お披露目させる⑬と、

印象に強く残るというのではないが、

いちいちカッコイイ。

このカッコイイという印象だけが残るのが

JEEZY の特徴でもあるのだけれど。

そして非常にシンプルなドラム・ラインと上モノのループが

的を得るようにして JEEZY のボーカルと絡み合う絶品の⑭が

作品の終盤に来て際立っています。

南部の若き皇帝、T.I. が参加した、

DJ TOOMP 制作による⑮、

そして表題曲となる⑯にて、

本作は幕を閉じます。

 

 

先にも書いたように、

YOUNG JEEZY のラップはほとんど印象に残りません。

楽曲それぞれも粒が立っていてカッコイイのですが、

それだけで強烈に印象に残るものはありません。

ただ、作品全体があまりにタイトにまとまりすぎていて、

“カッコよかった” という印象をしか残さないのです。

それは彼がラップがヘタだという意味ではなく、

また、楽曲自体のミニマルさに遜色するという意味でもなく、

増してや、作品としてつまらなかったという意味でもありません。

前書きとして DEF JAM のプロモーション・ワークについて

少し触れましたが、

ここで作用する DEF JAM の仕事を超えたところで、

YOUNG JEEZY のアーティストとしてのパッケージング能力が

本作を “カッコよかった” という印象の内にパックしてしまうのです。

それは、

多少遊び心に欠けるところある作品構成を、

シンプルに、

ストレートに、

ラップによって包み込んでしまう、

JEEZY の最大の魅力だと言っても過言ではないでしょう。

感覚的には、

語弊があるかもしれませんが、

“EASY LISTENING” 呼ばわりされた

WARREN G に近いモノがあるのではないでしょうか?

とにかく本作は作品としての完成度も高く、

前作に劣らぬ秀作と言えることだけは確かです。

 

オススメ度 8.5

(ラップ:1.5 トラック:1.8 キャラ:1.8 話題性:1.7 構成:1.7) 

 

 

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