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2007年1月31日 (水)

プロフェッショナル!

今回もHIP HOPの話題からは離れた、

他愛ない話を。。。

 

今日は久しぶりに一人で、

お酒を飲みに外に出ました。

と言っても、

夕食も兼ねていたので、

小さな焼き鳥屋に入っただけですが。。。

初めて入るその店は、

カウンター席が10席程並んだだけの、

本当にこじんまりとした店です。

カウンターを挟んだ中には

鉢巻を巻いた若い男性店長が一人だけ。

客は僕以外に一人客が二組だけでした。

僕は一番奥のカウンター席に腰掛け、

生ビールを飲みながら、

目の前に置いてあった水槽の中の

カージナル・テトラ (だったと思います) の泳ぐ姿を

のんびりと眺めていた。

突き出しのキャベツをシャキシャキ食みながら、

焼き場で真剣な眼差しを串一本一本に注いでいる店長を見ると、

彼のプロフェッショナルぶりに

思わず感心してしまった。。。

 

と、今回は

ココまでが前置きです。

 

“プロフェッショナル” と聞いて、

様々な職業を思い浮かべますが、

スポーツ関連や音楽家などはさておいて、

僕が実生活でよく触れる “プロフェッショナル” で、

大好きなのは、

三つあります。

まず、

自転車屋さん!!

彼らのパンクを直す手際といったら、

本当に見事で、

いつも見惚れてしまいます。

工具の扱い、その手捌きは、

まるで医者と患者の対話のごとく、

実に思慮深く、敬虔で、

尚且つ大胆です。

見る見る間に自転車が治癒されゆく姿を目の当たりにすると、

まるで魔法を目の前にしたかのような衝撃に駆られます。。。

  

次に挙げたいのはバーテンダー!!

彼らのカクテルを作るスキルはもちろん、

あらゆる一切の動作が実に優雅で、

カウンターを隔てた所で慄然とした世界が存在することに

いつも感服してしまいます。

しかも彼らのお客との会話の

寄る辺ないつつましさと言ったら、

この世で右に出るものはないだろう。。。

 

最後に挙げたいのが、

中華料理の調理人!

特に大衆的なお店の料理人達の

豪快で大胆なその手腕には

いつもカウンター越しから見惚れてしまいます。

駅前の小さな中華料理店でも、

チェーン展開する大手の中華料理店でも、

僕はできる限り厨房が見れる

カウンター席に着くようにしています。

彼らのフライパン捌き、

オタマ捌きを見たさに。。。

目分量で調味料を次々フライパンに注ぎ込む姿が

もうたまらなくカッコよすぎです。

コンロ回りに多少こぼれたって、

水をザザッと流し込んでそれで済ましちゃう、

あのダイレクトな処方は

他の国料理の店では絶対に見られないでしょう。

カッコイイ~!!

 

 

2007年1月28日 (日)

ある日常の風景

週末の時は静かに過ぎていく。

大抵の日曜の午後は、

晴れていれば、

僕は姫路城のお堀周りを決まって三周、サイクリングします。

今日も例外なく、

雲が多かったけれど、

寒空の下を気持ち良くサイクリング。

自転車のタイヤには空気を入れたばかりなので、

乗り心地が少し固いのだけれど、

ペダルをキックすると

しっかり地面を捕らえる手応え (足応え?) が伝わってくる。

ポケットから伸びたコードは

僕の両耳へと電撃的なHIP HOPのビートを届けてくれ、

僕はそのビートに乗って

出鱈目なフリー・スタイルを口先に展開していく。

今日は N.O.R.E のレゲトンのを聴きながら走ってました。

それから三周目を終えたところで少し休憩する。

お城の前の広場の記念碑の石垣に腰を下ろし、

ジーンズの後ろのポケットに突っ込んできた

ショウペンハウエル の文庫を取り出し、

1時間程読書する。

目の前を多くの観光客が往来するそんな場所で、

ワザワザ冬の冷たい風に晒されながら

読書に勤しむなんて、、、

狂ったとしかいえないような暴挙である。

当然、観光客は奇異な視線を僕に向けることもある。

頭がおかしいので許してやってください。

そういえば、

昨年末、同じように寒風に晒されながら、

つい読書に熱中してしまい、

3~4時間ほどそこで本を読んでいたら、

翌日から見事に風邪を引いたのだった。

治すのに一週間かかった。

今日も風が冷たい。

風邪を引く前に、

一時間程度で読書を終え、

それから駅地下の食堂で遅い昼飯を食い、

その足で タワレコ に向かった。

毎年、年末のリリースラッシュを終えた翌年始のこの時期は、

当然新譜があまり出ていない。

年末に買い残した2、3枚がせいぜいで、

今日もそういった状況でした。

今日買ったのは、

STYLESMOS DEF

それに RAY CASH です。

この MOS DEF はかなり怪しくて、

ジャケ写もヘッタクレも何もない。

唯クリア・ケースにCDが入っているだけという、

いわくありげな代物。

ネット上で特に騒がれている様子もなく、

ほとんど情報がないのだけど、

一応、GEFFEN から出た正規盤ということらしいので、

買うことにしました。

というワケで、

あまり情報のない MOS DEF の本作のような作品こそ、

このブログできちっとした情報発信しなければ・・・

そういう使命感に燃えているので、

次の週末までに聴き倒して、

文章に起こせるように頑張ります。。。

 

 

というコトで、

皆さん、

もし週末に姫路城に観光に来られた際、

前の広場の記念碑の石垣に座っている、

フードを目深に被って、

ウォークマンで音楽を聴いて微妙に身体を揺らしながら、

文庫を読んでいる奇特な不審者を見つけた場合、

そっとしておいてやってください。

ピース!

 

 

2007年1月27日 (土)

90’S!?

久しぶりに新譜を紹介します。

今回も南部産の作品になります。

現在の南部産HIP HOPの隆盛を決定付けたのが

CRUNK だったのですが、

今回はその CRUNK MUSIC の火付けの立役者でもある、

YING YANG TWINS の新作、

「CHEMICALLY IMBALANCED」 について書きたいと思います。

200pxchi_1  

 

 

 

 

 

  

 

本作とはまったく関係ないのですが、

どこで何をどう勘違いしたのか、

YING YANG と、

NO LIMIT に所属していた真正の双子のラップ・デュオ、

KANE & ABEL を混同してしまっていました。

きっと双子つながりで混乱していたのでしょうが、

そういえば YING YANG って、

今更ながらですが本当の双子ではなかったですね。

 

さて、結構なハイ・ペースで作品をドロップしている彼らですが、

前作ではガナリ立てる CRUNK の性質とは真逆の、

WHISPER RAP (ささやきラップ) なる新展開を見せて、

大盛況だったのはまだ記憶に新しい所です。

そんな彼らが本作で見せる新展開は、

なんと言っても、

THE FUGEESWYCLEF JEAN

プロデューサーに迎えた点だろう。

本作の楽曲制作は大きく分けて、

MR. COLLIPARK と、

件の WYCLEF の二人による担当がほとんどを占めている。

作品の前半、②から⑥を MR. COLLIPARK が担当し、

中盤、⑪から⑮までを

WYCLEF が相棒の JERRY WONDA COLLIPARK の連名で、

そして終盤、⑰、⑱を再び COLLIPARK が単独で担当している。

コレを見ても分かるように、

本作の COLLIPARK の占める割合の高さから、

彼がキー・マンとなると言うのは確かなのだが、

彼との相性の良さは前作を以って証明されている。

やはりどうしても気になるのが

WYCLEFJERRY WONDA の存在だろう。

 

順を追って簡単に解説していくと、

まず前半で一番耳に引っ掛かるのが⑤になる。

小気味の良い打ち込みバウンス系のオケに、

SCREWED 加工されたフックの絡みが

何ともいえないグルーヴを産み出している。

続く⑥で思いっきりレイド・バックさせ、

一呼吸おくところもなかなか構成的には妥当だと言えるでしょう。

BRIAN “B” TEALER なる人物が手掛ける、

オカルティックで緊張感の漲った⑩に続いて、

⑪から本作のヤマ場となる WYCLEF ゾーンに突入。

特にその色が強いのが、

ギターが前面に押し出されら⑫だろう。

WYCLEF 自身がコーラスでも参加しており、

正にその色に染まり上がった一曲なのだが、

ここでの YING YANG の二人が

特に違和感なく溶け込んでいると言うのも

なかなかに見物である。

ちょっとベタ過ぎる⑬も含め、

ここまでの構成としては何だか‘90年代の楽曲を聴いているような、

そんな既聴感を味わう。

そんな本作の中で僕が一番気に入っている曲が、

疾走感のあるピアノのループ心地良い⑮だ。

この曲も真新しいものを感じないのだが、

それこそ最近のレビューでよく名前を出す

2 PAC がやっていてもおかしくないようなオケである。

最終曲⑱でINTRO①と同じオケを持ってきて

本作は幕を閉じる。 

 

前述したが、

本作は真新しい試みとして WYCLEF を制作に

大々的に招いているのだが、

その効果として作品全体に

まったく真新しさを感じさせないというのが

正直な感想です。

それが悪いと言うのではないけれど、

やはり作品の印象としては

そうしても凡庸のイメージが拭えない。

彼らの場合、

元々、CRUNK なんてハッチャケた畑からやってきたのだから、

もっととんでもないことをしないと、

現状維持程度だと

どうしても物足りなさを覚えずにはいられない。

カルマである。。。

 

オススメ度 6.8

(ラップ:1.3 トラック:1.4 キャラ:1.5 話題性:1.3 構成:1.3) 

 

  

ちなみに、

上記の オススメ度 なんだけど、

自分の中でリセットした状態で評価し始めているので、

今年に入ってからの評価は

どれも厳しめに付けるようにしています。

昨年末の飽和した状態での評価と比較して、

各項目で大体、

-0.1~-0.2くらい差し引いているので、

総合となる オススメ度 も-0.5~-1.0くらい

評価が下がっています。

 

 

2007年1月21日 (日)

ジン

今日は最近ハマっているお酒を紹介しましょう。

それはジンです。

その中でも GORDON’S のジンが一番大好き。

Img1061397763  

 

 

 

 

 

 

 

 

定番中の定番とも言えるこの GORDON’S のジンは、

大抵のバーで飲むジン・トニックにとっても欠かせない。

風味も嫌味がなくて味わい深い、

正しくスタンダードの旨味があります。

僕は家で飲む時は、

トニックは買わないので、

コークで割るのですが、

コレも相性が良いです。

 

昔はジンよりヴォトカ派で、、、

と言うより、

元々はウィスキー派だったのですが、

アメリカではウィスキーは結構高くて、

心底貧乏人だった僕は手が出せなくて、

いつも一番安く酔っ払える、

2リットル瓶、$10の安ヴォトカばかり飲んでました。。。

当時の僕の主食は、

その安ヴォトカと、

¢99ショップで買う唐辛子のピクルスと、

CARL'S Jr. の¢99のチキン・サンドウィッチでした。。。

ちなみに、ヴォトカで言えば、

SKY VODKA も良いのですが、

やはり SMIRNOFF が好きです。

コレも定番中の定番。

ウィスキーでは、

スコッチだと CHIVAS REGAL

シングル・モルトだと LAPHROAIG が一番好き。

コレもベタですね。

味覚で言うなら僕はどうやら王道派らしいです。

 

 

話がずいぶん逸れてしまいましたが、

ジンに戻すと、

僕は月に3-4本ボトルを買うのですが、

その内2本はジンで、

あとはウィスキーにjなります。

ウィスキーの方は最近になってコレクションを始めたので、

飲む為というより、

集める為に買っているのですが、

ジンは専ら飲み専用です。

安いし美味いし、

簡単に酔っ払えるし、

言う事ナシですね。

 

ちなみに今夜は、

おでんをアテに500mlの発泡酒を半ダース飲んだ後、

ビーフ・ジャーキーを食みながら

ジン・コークを浴びるほど飲んでいます。

一瓶空けました。

ジンがなくなったのでヴォトカに移行しています。

現在、明け方の4時過ぎですが、

今日はまだ眠くありません。。。

もう少し飲んで、

それから眠ることにします。

 

 

  

 

2007年1月17日 (水)

一本芯の通ったヤツ

1980年代後半から1990年代初頭にかけて、

この音楽の魅力に取り憑かれたヘッズなら

特にその傾向が強いと思うが、

どうしても硬派なN.Y.スタイルに思い入れが

行き易いのではないだろうか?

GANG STARR D.I.T.C. 、

PETE ROCK & C. L. SMOOTH

それに WU-TANG CLAN などの人気が

この日本にあって未だに根強いというのは、

そういった傾向の裏付けとも取れる。

斯く言う僕もそのテの嗜好者なんだけど、

今回紹介する南部からの使者は、

そういった意味では非常に真っ直ぐな、

一本芯の通ったモノを感じさせる。

まるで昔ながらの職人的気質、

それこそN.Y.スタイルに近い雰囲気を漂わせている。

通算7枚目となる、

「BACK BY THUG DEMAND」 を発表した、

TRICK DADDY だ。

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先にも書いたが、

本作が通算7枚目となることもあってか、

彼のスタイルは作品を追うごとにどんどんシンプルになっている。

ベテランとしての風格が漂うギミックへの取り組み方が

実に巧みで素晴らしい。

そのあたりにスポットを当てながら、

本作を聴き進めていこう。

 

 

まず、

耳に引っ掛かりの強い THE RUNNERS 制作曲、

②から幕が開けていくわけだが、

この粘っこいフックがH-TOWNからA-TOWNを介し、

自身の出身地MIAMIを含めた、

南部全体に向けられたアンセムと化している。

この曲で TRICK DADDY のフロウ、声質、ライミングの

確立された存在感を改めて思い知らされる。

続く③で TRICK は自身の魅力でもある

“哭きの美学” を披露してくれている。

G-UNIT からゲスト参加している YOUNG BUCK

姿が霞んでしまうほどに、

TRICK オヤジの存在感が眩しく輝きを放っている。

再び THE RUNNERS の手掛ける⑤では、

一昨年末から大ヒットを飛ばし、

勢いに乗るH-TOWNの新星 CHAMILLIONAIRE が、

本作中、プロデューサーとして活躍も見せている、

GOLDRUSH と共にゲスト参加している。

続く、曲間の切り替えが鮮やかな⑥は、

ピアノの上モノを含めた不協和音の中に、

TRICK DADDY の緊張感漲るライムがよく映えた、

イブシ銀の楽曲に仕上がっている。

自身の世界を構築するという点において、

彼のその特性は実に 2 PAC のそれに近い、

天性のモノを感じずにはいられない。

ぶっ飛んだフックがカッコイイ⑦に、

CASH MONEY の大将、BABY を迎えながら、

⑭では元 CASH MONEY の看板男でもある MANNIE FRESH

プロデューサーとして起用していたりする、

ファンの心をくすぐる演出がニクい。

本作中、一番耳が行くのはやはり⑨だろう。

前述した 2 PAC の名曲、

「SHORTY WANNA BE A THUG

まんまにアレンジしたこの曲は、

確かに 2 PAC の面影もさることながら、

やはり確固とした TRICK オヤジ流儀に仕上げられており、

違和感をまったく感じさせないというのがまた凄い。

濃密な JAHEIM のボーカルと、

アヴァンギャルドな TRINA のラップを迎えた⑫、

続く、見覚えのない

THE DUNK RYDERS という新人(?)グループと、

SKKY という女性シンガーの参加した⑬、

そして前述の MANNIE FRESH 制作となる⑭、

TREY SONGZ8 BALL をゲストに迎えた⑮で

本作は幕を閉じる。

 

 

本作について完遂された南部のマナーは

何ら奇を衒ったものではなく、

徹頭徹尾、TRICK DADDY の揺るぎないスタイルを感じる。

そのあたりに、

冒頭にも書いたミドル・スクール期を支えた

職人気質のN.Y.の巨匠達にも通ずる、

一本芯の通った芯のある魂を感じることが出来る。

 

オススメ度 7.7

(ラップ:1.7 トラック:1.5 キャラ:1.6 話題性:1.3 構成:1.6)

 

 

 

2007年1月14日 (日)

時代が時代なら・・・

作品をドロップするタイミングというものは

素人目からしてもなかなか難しいようだ。

特にメジャー・レーベルからのドロップともなると、

多くの思惑が複雑に錯綜し、

結局、お蔵入りなんてこともザラにある。

そういう環境下で、

時宜を逃し、セールスを損なうってのもよくある話だ。

今回紹介するのは、

ニ年、いや、一年、

ドロップするタイミングが早ければ

もう少し化けていたかもしれない?!

そういう作品を紹介したいと思います。

LIL SCRAPPY

「BRED 2 DIE BORN 2 LIVE」 です。

200pxls06   

 

 

 

 

 

 

 

2006年末を象徴したのは、

JAY-Z の復活、

NASDEF JAM からの新作などが

際立って持て囃されたニュースでしたが、

実は LLOYD BANKS の新作の大失敗に伴う、

G-UNIT 勢力の失速も

シーンの裏に印象付けたニュースでした。

そんな中、

南部の新進気鋭、LIL SCRAPPY がドロップした本作は、

なんと、件の G-UNIT の御大、50 CENT と、

一大ムーブメントとなった CRUNK MUSIC の創始者、

LIL JON との共同でのプロデュース作品となるということです。

・・・・・

なんかスゴイけど、

なんか惜しい!!

どちらも旬というには時期を逃したかのような人選です。

しかし、贅沢といえばかなり贅沢です。

このあたりで早くも、

“セールスには繋がらないであろうが、

クオリティーは期待できるのではないか?”

という予想が立ってしまうのが

何だか物悲しいですが。

 

さて、その内容はというと、

やはり良いです。

まず、期待どーり、各楽曲の音が立っている。

これはこれまでの全ての G-UNIT 作品に言えることですが、

(コケたとされる LLOYD BANKS の新作にも当て嵌まります)

彼らの作品は総じて音が立っていて、

それぞれのサウンド・プロダクションの妙味を

隈なく味わうことができます。

この楽しみは、

50 CENT 嫌いな僕でさえ、

非常に魅力的です。

それが本作でももちろん味わえるのだから、

まず及第点は与えられるべきでしょう。

それから次に、

南部系のラッパーにしては珍しく

正統派のラップを聴かせてくれていて、

そのあたりにも好感を持てます。

彼の場合は声が良いから、

その印象が強まったのかもしれませんが、

若々しい声質でのフレッシュなフロウは、

最近の南部系にありがちな退屈さをまったく感じさせません。

本作でオモシロイのが、

まず、ゲスト陣の名前。

②の YUNG JOC

④の YOUNG BUCK

⑥の LIL JON

⑫の LIL' CHRIS と、

本人を含めて “LIL” 系、“YOUNG” 系が並んでいるのを見て、

思わず笑っちゃいました。

せっかくのステージネームなんだから、

もうちょい考えればいいのに。

ゲストで言えば、

⑦の THREE 6 MAFIA が気になりますね。

楽曲制作も彼らサイドでやっています。

それから、もう一点気になるゲストが⑪の LLOYD です。

LLOYD といえば、

MURDER INC (現 INC.) に所属するシンガーです。

今でこそその応酬の激しさはなくなってしまいましたが、

かつては一触即発間近でもあった

50 JA RULE

それに彼らが率いる G-UNIT MURDER INC です。

こんなところでまさか LLOYD の名前を見るだなんて、

思っても見なかったのでビックリしました。

どういう事情なのか興味深い所です。

 

楽曲単位で言うなら、

その半分近くを LIL JON が自ら手掛け、

所々で G-UNIT 色を出すべく、

⑨の JONATHAN “JR” ROTEM

⑬の SHA MONEY XL

⑲の EMINEM らが

作品にアクセントを付けている。

個人的には、

最近よく目にする名前、DON CANNON の制作する⑫や、

前述の SHA MONEY XL による⑬、

モロに G-UNIT 色の 50 参加による⑱などは、

なかなか耳障りが良いのだが、

本作中で最も際立っているのは何と言っても

⑥と⑨のこの二曲に集約されているであろう。

まず⑥は、

前述した LIL JON がゲスト参加し、

自ら制作した楽曲に華を添えているのだが、

このアゲ具合は全盛期の LIL JON 自身を髣髴させ、

非常にカッコイイ仕上がりになっている。

こういうモロに CRUNK な楽曲で、

LIL JON と並んでいる

LIL SCRAPPY のボーカルを聴いていると、

投げっ放しの傾向の強い CRUNK 系と違って、

LIL SCRAPPY のストレートなラップが

生真面目に良く映えている。

もう一点、⑨は、

前述、JONATHAN “JR” ROTEM による楽曲で、

2 PAC のボーカルがフックにサンプリングされた

流麗で非常に印象的な楽曲になる。

僕はリアル・タイムで聴いていた時は、

BIGGIE の大ファンだったので、

2 PAC はあまり好きでなかったのですが、

あれから数年経って、

今こうして聴いてみると、

2 PAC のボーカルや彼のやったプロダクションが

妙に心の琴線に触れて、

最近すごく気になっています。

やはりレジェンドはすげぇーや。。。

 

 

とまあ、こんなカンジで、

なかなかタイトにまとまった作品で、

しかも天邪鬼の僕としては、

現在のシーンの最先端というのではなくて、

逆にちょっと時代を逆流したかのような、

そういう本作のスタイルが気に入っているのだけど、

やっぱり、、、

世間的に言えば、

せっかくの秀作なのにあまり受け入れられないんだろうな。。。

本当に惜しいです。

あと一年早くドロップしてれば。。。

 

オススメ度 7.8

(ラップ:1.7 トラック:1.6 キャラ:1.4 話題性:1.5 構成:1.6)

 

 

2007年1月10日 (水)

どうしようもない作品

今年に入って今の所毎日、

昨年末から合わせると12月29日から

12日間連続してブログを更新しています。

まあ、正確には、

きちんと記事が完成されないまま、

そのまま更新されてしまってて、

追い追いで文章を書いていったりもしたのですが。。。

(今回の記事もそうなってしまった。。。)

とにもかくにも、

12日毎日連続して記事を更新するというのは

僕のコレまでのペースからすれば結構珍しいです。

でも、安心 (?) ください。

そんなハイ・ペースも今日で終わりだと、

自信を持って断言できます。。。

 

さて、今回紹介するのは、

またも映像作品です。

でも今回はお勧めするような作品ではありません。

唯の紹介です。

そんな前置きを付けないといけないほど、

この作品はヒドい!

ソイツは、、、

ROC-A-FELLA が制作した、

「BACKSTAGE of HARD KNOCK LIFE TOUR」

です。

Film_backstage_25_4  

 

 

 

 

 

 

 

 

1998年から1999年にかけて行われた、当時のシーンにおいては、

HIP HOP史上最大級のライブ・ツアーと称され、

当時最も勢いのあった DEF JAM から、

JAY-Z を筆頭とする ROC-A-FELLA CLUE

DMXMETHOD MAN & REDMAN

それにデビューして間もない JA RULE らが集結しています。

このメンツからすると DEF JAM 主催と取れなくもないが、

実はそのツアー名、

「HARD KNOCK LIFE TOUR」 が示すとーり、

このツアーは ROC-A-FELLA がメインとなって主催しています。

「HARD KNOCK LIFE」JAY-Z の3RD作のタイトルで、

世界中で大ヒットを飛ばしたのはもちろん、

JAY-Z 自身にとっても最大のセールスとなった作品です)

 

ツアーが終わってしばらくして、

この 「BACKSTAGE」 が映像作品として出るという話を聞いて、

それこそ当時のトップに並ぶメンツを揃えた

このツアーの模様を観賞できるとのことで、

かなり期待して探し回っていたのを覚えています。

まあ、結局その当時には探し当てることが出来なくて、

で、今になってようやく手に入れることが出来たのですが・・・

 

ハッキリ言って、ヒドイ作品です。

脈絡も何もない。

唯あるとすれば、

それは ROC-A-FELLA のオレ自慢だけです。

ライブの凄さも何も伝わってこないというのが逆に凄い。

そもそも、ROC-A-FELLA の制作する映像作品は、

これまで何度か目にしてきているのですが、

そのどれもが本当にヒドイ出来映えで、

目を覆ってしまいたくなるような、

あるいは購入したことを本気で後悔してしまうような、

どうしようもない作品ばかりです。

僕はこの作品の他にも、

「STREETS IS WATCHING」 という作品を持っているのですが、

コレも相当ヒドかった。

一度観ると、その後数年は手に取ろうとは思わない作品です。

それから 「STATE PROPERTY」 という映画を、

留学していた時、

向こうの映画チャンネルで偶然目にしたのですが、

コイツもヒドかった。

何を思ってこんな低俗な五流にも満たない映画を、

ROC-A-FELLA が作らねばならなかったのか?

本気で理解に苦しみました。

あと、「PAID IN FULL」 も旅行に行った時に

ビデオを借りて観たのですが、

ハッキリ言って、

限られた旅時間の中の貴重な1時間30分を

こんなことに費やすなんて

世の中で一番愚劣なやり方だと断言できるほどの出来でした。。。

 

・・・・・

 

とか何とか言いながら、

ちゃっかり全作品をチェックしているあたり、

僕も懲りないヤツですね。

皆さんにはぜひとも時間を有効的に使ってもらいたいので、

これらの作品は絶対的にオススメしませんが、

“時間が腐るほどあってどうしよーもない!”

とのたまう、

ヒマでヒマで仕方ない奇特なHIP HOPファンは、

興味があったらチェックしてみてください。

きっと後悔すること請け合い!

 

 

2007年1月 9日 (火)

2番目に好きな映画

今回は僕がコレまでに見た中で

2番目に好きな映画を紹介したいと思います。

(ちなみに、1番好きな映画は、

昨年の新年一発目に記事を書いた、

「CITY OF GOD」 というブラジルの映画になります)

 

2番目に好きな映画、

それは米黒人映画監督の第一人者として

日本でもお馴染みの SPIKE LEE が制作した、

「CLOCKERS」 という映画です。

200pxclockers  

 

 

 

 

 

 

 

 

 

この映画は1995年に公開されたモノで、

N.Y.はBROOKLYNのプロジェクトを舞台にした、

CLOCKERS (麻薬ディーラー) の若者達を描いた

SPIKE LEE 作品にしてはやけにストレートな内容になります。

映画館では観なかったのだけれど、

それこそ10年来、

何度もレンタルしてきては観賞を繰り返した、

個人的に思い入れの強い作品でもあります。

昨年末、ようやくDVDを購入したので、

とりあえず一安心です。(← 何が?)

 

ストーリーについてはここでは触れませんが、

出演する俳優陣について少し書いておきましょう。

まず、何と言っても本作の目玉は

刑事訳を務める名優 HARVEY KEITEL の演技でしょう。

それから様々な映画でツボを心得た名脇役を務めている、

DELROY LINDO の演技も見所です。

若きドラッグ・ディーラーの苦悩を描く主役 STRIKE 役には、

「SHAFT」 や、ROC-A-FELLA 制作の 「PAID IN FULL」

大ヒットを記録した EMINEM 主演の映画 「8 MILE」 など、

HIP HOPファンにはお馴染みの映画に多数出演している、

MEKHI PHIFER がフレッシュな演技を見せています。

その他にも、

SPIKE LEE 自らがチョイ役で出ていたり、

ONYX の看板、FREDRO STARRSTICKY FINGAZ らも、

CLOCKERS役で出演しています。

 

無常感を誘うストーリーも大好きだし、

俳優人のタイトな演技も大好きなのですが、

この映画の何よりの魅力は、

何と言っても音楽にあるでしょう。

僕はこの作品の映像はつい最近まで持ってなかったのですが、

サントラだけはキッチリ購入していました。

MARC DORSEYCHAKA KHAN に始まり、

BUCKSHOT を含め、

伝説の CROOKLYN DODGERS など、

小便チビりそうなほど超熱いセレクトで、

今聴いてもメチャクチャカッコイイです。

 

そういった音楽も含めて、

特に若い世代のHIP HOPファンにぜひ見てもらいたい作品です。

 

 

 

2007年1月 8日 (月)

究極のOLD SCHOOLER

今日は新譜ではなく、

映画についての紹介をしたいと思います。

関西地域にお住まいの方は、

この正月間にTVで放映されていたモノになります。

ご覧になりました?

「BUENA VISTA SOCIAL CLUB」

Dvd  

 

 

 

 

 

 

 

 

キューバ音楽のOLD SCHOOLER達を

一同に会して制作された同名アルバム。

その制作メンバーを再集結させ、

飛び立ったワールド・ツアーでの映像や、

各アーティストのなどインタビューを、

キューバの日常風景を交え、

撮影された貴重なドキュメンタリー映画です。

その映像の中にはストーリーはないのですが、

音楽と織り成す人間ドラマの最終的な形態、

キューバン・ミュージックだけに留まらない

音楽の真髄に触れることができます。

その演奏の素晴らしさもさることながら、

老練な音楽家達が語る、

人生と音楽の哲学がいかにもカッコイイです。

詳しくは語られずとも、

人生と音楽との迎合の話を

各人それぞれ紹介してくれているのですが、

皆が皆、ドラマティックでノスタルジックなのに魅せられます。

それにキャラクターも素晴らしく、

特にシンガーの COMPAY SEGUNDO や、

ピアニストの Rubén González

その歌唱や演奏も込みでカッコ良過ぎです。

 

ぜひとも酒を飲んで

アゲた状態で観賞されることをお勧めします。

音楽の良心に触れてみてください。

 

 

 

ちなみのこの映画は1999年に撮影されたもので、

残念ながら、

先に挙げた二人のミュージシャンや他にも数名、

既に他界しているという。

2007年1月 7日 (日)

どっちが主役?

一蓮托生という言葉があるが、

彼らの命運はそのボスたる THE NEPTUNES のそれと

正に一蓮托生である。

CLIPSE が放つ4年振りとなる新作、

「HELL HATH NO FURY」

今回は紹介しよう。

200pxhellhathnofury  

 

 

 

 

 

 

 

先にも書いた一蓮托生は、

彼ら、CLIPSE の二人にとって、

NEP が手掛けるレーベル、STAR TRAK

配給先であった ARISTA との間での

ゴタゴタに巻き込まれるという意味も含まれている。

大成功に終わった前作からの4年のブランクは

彼らにとってあまりに大きかったのではないかと

思わざるを得ないのだが、

いくら運命共同体といっても、

プロデュース・チームである NEP 

他から寄せられる仕事量に、

絶えずシーンの最前線でその名を轟かしていたのに対し、

まったく音沙汰のなかった CLIPSE には、

レーベルの問題がカルマとして

彼らに大きな影を落としたであろうことは

容易に想像できる。

 

それでも、

よくこの4年という期間を持ちこたえることが出来たと

彼らを賞賛せざるを得ない。

水物のシーンにおいて、

いくら大ヒットを飛ばしたからといって、

4年のブランクはあまりに長すぎる。

もちろん、彼らのこの期間がまったくの空白だったとは言わない。

ごく僅かではあるが、

ゲスト仕事も幾らかはこなしている。

しかし、彼らの輝きは、

それこそ一蓮托生、

NEP の超実験的なオケの上でないと

その光を放たないのである。

そして4年ぶりの新作。

そこに寄せられる期待とは、

NEP がどれほどの実験的なオケを用意できただろう?”

という点に集約されてしまっている。。。

 

 

本作をビートに括ってだけ評価して、

結論から言えば、

前作に劣らぬほどとまでは言い難いが、

しかしなかなかに素晴らしい楽曲群を取り揃えた秀作です。

現在のシーンにおいても、

これほどに浮いた楽曲群ばかりを集めた作品というのは

他にないでしょう。

その特異性が全然嫌味になっていない点も

本作の魅力の一つに挙げられます。

ラップに関して言及すれば、

MALICEPUSHA-T

この二人、前作から比較するとかなりの上達を認められる。

特に MALICE は、

前作ではほとんど存在感のなかったラップだった、、、

というより、

さすが兄弟ということもあってか、

PUSHA-T との聴き分けが出来ないほど

二人の声質が似通っていたのだが、

僕にはどうしても PUSHA-T の方が立っているように聴こえていた。

それが本作においては 、

多少聴き分け難いというのは相変わらずだが、

MALICE のライミングが格段に固くなっていて、

独自の存在感を放ち始めている。

PUSHA-T のそれは

更に伸びやかにビートへ寄り添うスタイルを確立しており、

こちらもレベル・アップが確認できる。

 

さて、本作を進行に沿って検証していってみると、

まず最初に耳に付くのが②だ。

無機質なハイハットが乱れ打たれる中で、

このフガフガに抜けた上モノが

非常にグルーヴ感をかき立てる。

この脱力した中で気の抜けたような声で、

“MIAMI VICE♪” とか言われても、、、ねえ?

続く③はREMIXが本作からのファースト・カットとなる楽曲だが、

オリジナルの方が思いっきり脱力している。

当ブログでお馴染みの HOSSYさん

自身のブログで紹介してくれていた、

BAY AREAの新人グループ、

THE PACK も素晴らしい脱力系だが、

やはりこのテの本家本元たる NEP の凄まじさは

どうしても侮れないであろう。

そして2NDシングルとしてカットされた④こそ、

僕が本作で一番推したい楽曲である。

イントロからいきなりクロいボーカルを聴かせてくれるのは、

THE GAME と共に、

僕が今一番期待している新人MCの一人、

SLIM THUG である。

オリエンタルな上モノにパーカッシヴなドラム・ラインが

絶妙にマッチしたオケ上で、

ここでは SLIM THUG のフックが一人勝ちしています。

スゴイ存在感のあるフロウだ。

カッコ良過ぎです。

オカルティックな不穏さを醸し出す上モノの⑤は

珍しく MALICE の攻撃的なフロウが楽しめます。

PHRRELL が珍しくファルセットを使わず、

控えめにフックをコーラスする⑦に続いて、

イントロ、フックのノリ具合が最強な⑧、⑨という流れは

本当に素晴らしいです。

特に⑨のアグレッスヴなビートは

体が自然と揺れ動きだしてしまうほどです。

CLIPSE 所有のレーベル、RE-UP GANG から

AB-LIVASANDMAN が参加しています。

(といっても、

現在の所、同レーベルは

上記二人の他にアーティストは見当たらないのですが)

⑪で実に気色の悪い上モノと

いつになくイカツいフックを聴かせ、

本作中唯一、色気を漂わせる、

BILAL が歌い上げ、

PHARRELL がバック・コーラスを勤める⑫で

本作は幕を閉じます。

 

先程、CLIPSE の二人のラップは

前作と比較して格段にレベル・アップしたと書きましたが、

しかし、

やはり何と言っても本作の見所は

THE NEPTUNES による実験的なプロダクションです。

ここは一蓮托生とか言っても、

やはり注目が集まるのはどうしても NEP の方。

どっちが主役だか分からないでもないが、

この点に関しては仕方ない。

で、肝心のそのプロダクションに関して言えば、

確かに前作ほど革新的ではないにしても、

昨今のシーンからすれば充分に奇異で、

新鮮な楽曲を楽しめるというのが

本作の最大の魅力ともいえるでしょう。

特に本作は全12曲という構成と、

かなりシンプル且つストレートに作り込まれた

タイトで変態的なオケが特徴的で、

前作と比較しても格段に耳障りの良い仕上がりになっております。

そのスマートさも含め、

僕としては本作中、④で耳にした

SLIM THUG の次作に俄然期待が高まる所です。

 

オススメ度 8.5

(ラップ:1.5 トラック:2.0 キャラ:1.5 話題性:1.6 構成:1.9)

 

 

 

それにしても、

彼らのP.V.って

出演してる女の子がすごく可愛いのが気にかかります。

前作からの 「WHEN THE LAST TIME」

PHARRELL と絡むグラスの女の子然り、

本作からの  に出てくるほとんど全てのモデルさん然り。。。

 

 

2007年1月 6日 (土)

雪だるまは語る

DEF JAMDEF JAM たる所以は何か?

それはどんな時流、シーンの流行にも見合った、

新しいスターを発掘する点にこそ見出される。

L.L. に始まリ、BEASTIE BOYSPUBLIC ENEMY

SLICK RICKWARREN GDMXJA RULE

一昨年には YOUNG JEEZY

去年は RICK RO$$ と、

実に旬を捉えた新人を発掘することに長け、

また絶妙のプロモーション・ワークで

彼らを時代の寵児となる大ヒットへと押し上げている。

 

今回はそんな中から前述にも挙げた、

YOUNG JEEZY の2ND作となる、

「THE INSPIRATION」 を紹介したいと思います。

220pxtheinspiration  

 

 

 

 

 

 

 

 

結論から言えば、

本作は素晴らしい作品です。

何が素晴らしい?

まず作品全体の構成を通して耳を惹き付ける

力強さを感じます。

これは前作にも感じたことでしたが、

彼の作品はラップに魅力を感じるのではなく、

また、

楽曲単位に魅力を感じるものでもないのですが、

しかし、作品として強烈なインパクトを残します。

前作に続き、

本作でもそのスタイルは踏襲され、

確固として確立されています。

古いタイプのHIP HOPファンとしては、

ラップ力や楽曲の印象に勝る作品のインパクトというものは

ある種のタブーに触れかねない評価に繋がります。

これは決して YOUNG JEEZY のラップが

ヘタだと言っているワケではありません。

その点は後で触れますが、

ここであえて言うなら、

YOUNG JEEZY のラップは際立つのではなく、

作品全体をパックする特殊な才能を湛えています。

 

前書きで書いた DEF JAM  の果たした功績を加味しながら、

2ND作に見出される YOUNG JEEZY の陰なき姿に

ここから迫っていくことにしましょう。

 

まず耳を惹くのが③、④です。

前作から引き続き SHAWTY REDD を起用しての楽曲となります。

この SHAWTY REDD は本作の半分くらいの楽曲を手掛けており、

正に本作のキー・マンと呼べるでしょう。

粘り気のある JEEZY のボーカルを

最大限に活かす SHAWTY REDD のあっさりストレート系の楽曲。

(あるいは逆に、

SHAWTY REDD の楽曲を JEEZY のボーカルが

最大限に活かしているのかもしれません)

その相性は前作にも増して良好と言えるでしょう。

続く T.I. 作品でよくその名を見掛ける

DJ TOOMP 制作の⑤の、

衒いのないストレートな楽曲も素晴らしい耳心地を残します。

さすが本作からシングルとしてファースト・カットされた曲です。

ここまで期待を裏切らない構成が続きます。

そして本作のハイライトとなる⑥、⑦が続きます。

まず、R. KELLY をゲストに迎えた⑥。

コレは DIPSET 周辺や

昨年大ヒットした RICK RO$$ らの作品で活躍している、

THE RUNNERS が制作したモノなのですが、

この曲、女性ファンに向けて R. KELLY を配していますが、

コーラスがなくても充分カッコイイです。

(僕としてはコーラス抜いた方が好ましいですが)

THE RUNNERS は最近注目しているプロデューサーなのですが、

ここで見せるシンプルなループが異常にカッコイイ。

ちなみにこの曲もシングルで切られています。

続く⑦は言わずもがなの TIMBO 制作曲。

フックでも参加している TIMBO のその楽曲構成の独得の深みは、

ここでも異彩なる煌きを放っています。

この曲を聴いていると、

未だ衰えを知らない TIMBO の天才ぶりに圧倒され、

また、

今後発売予定の彼自身の名義では初となるソロ作品が

非常に待ち遠しいです。

今や南部系作品では欠かせないブランドとなった、

COOL & DRE 制作による⑨の

浮遊感漂うオケもまた耳にシックリときます。

続く、前作から登用の J.U.S.T.I.C.E. LEAGUE 制作となる⑩の、

ドラマティックな情緒を煽った構成も

芯にブレがなくカッコイイです。

THE RUNNNERS 制作、KEYSHIA COLE 参加による⑪は

少々大業に過ぎますが、

続く、

MR. COLLIPARK としても知られている

DJ SMURF 制作による⑫、

自身のレーベルから SLICK PULLABLOOD RAW

お披露目させる⑬と、

印象に強く残るというのではないが、

いちいちカッコイイ。

このカッコイイという印象だけが残るのが

JEEZY の特徴でもあるのだけれど。

そして非常にシンプルなドラム・ラインと上モノのループが

的を得るようにして JEEZY のボーカルと絡み合う絶品の⑭が

作品の終盤に来て際立っています。

南部の若き皇帝、T.I. が参加した、

DJ TOOMP 制作による⑮、

そして表題曲となる⑯にて、

本作は幕を閉じます。

 

 

先にも書いたように、

YOUNG JEEZY のラップはほとんど印象に残りません。

楽曲それぞれも粒が立っていてカッコイイのですが、

それだけで強烈に印象に残るものはありません。

ただ、作品全体があまりにタイトにまとまりすぎていて、

“カッコよかった” という印象をしか残さないのです。

それは彼がラップがヘタだという意味ではなく、

また、楽曲自体のミニマルさに遜色するという意味でもなく、

増してや、作品としてつまらなかったという意味でもありません。

前書きとして DEF JAM のプロモーション・ワークについて

少し触れましたが、

ここで作用する DEF JAM の仕事を超えたところで、

YOUNG JEEZY のアーティストとしてのパッケージング能力が

本作を “カッコよかった” という印象の内にパックしてしまうのです。

それは、

多少遊び心に欠けるところある作品構成を、

シンプルに、

ストレートに、

ラップによって包み込んでしまう、

JEEZY の最大の魅力だと言っても過言ではないでしょう。

感覚的には、

語弊があるかもしれませんが、

“EASY LISTENING” 呼ばわりされた

WARREN G に近いモノがあるのではないでしょうか?

とにかく本作は作品としての完成度も高く、

前作に劣らぬ秀作と言えることだけは確かです。

 

オススメ度 8.5

(ラップ:1.5 トラック:1.8 キャラ:1.8 話題性:1.7 構成:1.7) 

 

 

2007年1月 5日 (金)

200

200です。

何が200かって?

それはこのブログの更新が

今回でキリの良い200回目だというコトです。

・・・・・

・・・・

・・・

と、まあ、

久しぶりにHIP HOPと違う話題で、

何か書けばいいのだろうケド、

200回目の記念だからといって

今回は特に何もありません。

100回目の更新の時は

特別連載で 「人体実験体験記」 なんて書き始めたりしましたが、

今回は企画モノはちょっとムリそうです。

・・・・・

ってか、

年が明けたってのに、

未だオメデトウの一言も触れてないのだから、

ちょっとどうかしてますね。

 

改めまして、

明けましてオメデトウございます。

 

・・・遅い?

 

 

あ、そうや、

今、唐突に閃いたのですが、

今回は200回目の更新を自分で勝手に記念して、

“僕が自分で選ぶ当ブログの好きな記事ランキング” の

TOP5を紹介しちゃいましょう。。。

 

どうでもええわ!!

なんて声も聞こえてきそうですが、

あくまでこのブログは自己満なので、

このまま書き進めちゃいます。。。

 

 

というワケで、

 

第5位 「新・恐怖!百物語之会 -Vol.2-」

いきなりHIP HOPと関係ない記事からですが、

怖い話を話すのと、

文章に置き換えるのでは、

全然違ってくるというのをこの企画を書いていて痛感しました。

この回の記事は、

中でも一番コンパクトに話がまとめることが出来て

気に入っています。

 

 

第4位 「L.A. STYLE 三部作」

昨年末の SNOOP の新作のレビューです。

自分の好きな作品の記事は

どうしても文章が長くなってしまいます。

この記事も長ったらしくなってしまったのですが、

まあそれは偏にその作品に対する愛情の現われだと

自分で受け取っています。 

 

 

第3位 「3 KINGS 説 -キャノン篇-」

企画モノです。

この “3 KINGS 説” の記事は、

この企画自体、結構気に入っていて、

その記事も好きです。

中でも一番のフェイバリット・ラッパーである、

BIGGIE のコトを書いた “キャノン編” を

ここでは推しておきます。

 

 

 

第2位 「STRAIGHT OUTTA ...」

昨年末に発表された THE GAME の新作レビューです。

先程も書きましたように、

好きな作品に対しては思いっきり贔屓して、

言葉を費やします。

この作品のレビューを書くにあたって、

聞き込んでいないまま文字を打っていくことを躊躇った為、

記事を完成させるのに丸1週間掛かってしまいました。

それだけに感慨深い記事でもあるのです。 

 

 

 

そして、栄光、栄誉にまみれまくったNo.1は、、、

 

第1位 「究極のカリズマ」

これもHIP HOPの話題とは関係のない記事になるのですが、

僕としては一番書いている時の思い入れがある記事になります。

僕は記事を書く際、

できる限り正しい日本語を心掛けようと

自身に架せているのですが、

この記事では僕の持てる日本語力を

100%出し切った状態で書ききることに成功した

唯一の記事でもあります。

・・・・・

とまあ、ホントに手前ミソな話で、

誰も興味ねえ!

 

 

 

明日からもうしばらく新譜のレビューを

根を詰めて書きます。

今日のところは許してやってください。

 

 

2007年1月 4日 (木)

昔の面影が懐かしい

一大勢力を誇った CASH MONEY 勢力も

今となっては大将の BABY と、

若頭の LIL WAYNE しか残っていません。

しかしながら、一昨年末の LIL WAYNE

5枚目となるソロ作品を、

レーベルの主柱だったプロデューサー、

MANNIE FRESH を欠いた状態で大成功させ、

未だその勢いは留まる所を知りません。

そして昨年末、

残った2トップでもって新作をドロップしてきました。

今回はその、

BIRDMAN & LIL WAYNE 名義となる、

「LIKE FATHER, LIKE SON」 を紹介します。

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個人的には結構 CASH MONEY モノが苦手で、

昔は避けて通ってた時期もあったのですが、

そんなアレルギー症状も現在は表立たなくなり、

ゆっくり耳を傾ける余裕が出てきたのも

僅か3-4年前の話になります。

(でも、JUVE はデビュー時から好きでした)

そんな彼らの隆盛と衰退

(決して衰えきってしまったワケではないが)

を傍目で見ていて、

ようやく本気で関心を持ち始めたのが、

MANNIE FRESH を欠いてからの活動についてなのだから、

自分のコトながら、

相変わらずのヒネクレ具合に溜息が漏れます。

 

 

さて、

本作は BABYWAYNE の連名作品ですが、

やはりリードはラップに存在感のある

WAYNE の方が舵を取っています。

楽曲制作の大半を TMIX が手掛け、

作品全体としての振れ幅は小さくまとまっているというのが

その印象です。

他には DJ NASTY & L.V.M. が②、⑬、⑱の3曲、

珍しい所で SCOTT STORCH が⑥の1曲、

JIM JONSIN というプロデューサーが⑫の1曲を手掛けています。

まず耳に付くのが、

本作からリード・シングルとしてカットされた③になります。

まるで MANNIE FRESH の系譜をそのまま受け継いだかのような、

CASH MONEY 印のキャッチーなオケが

脳の奥に絡みつくように入ってきます。

その後に続く④、⑤と TMIX の作る

同様の CASH MONEY 印のオケが立て続き、

まるで作品自体に

WAYNE「THA CARTER Ⅱ」 で見られた革新性を

見出せないでいるのが残念でなりません。

前述、SCOTT STORCH 制作となる⑥も

ここではその特異性が成りを潜め、

凡庸の域を脱し切れていません。

昨年大ヒットを飛ばしたMIAMIの新人、RICK RO$$

T-PAIN を外部から向かえた⑧は

なかなか耳障りの良い楽曲に仕上がっているが、

やはりインパクトに欠けるところが大きい。

それに比べると、続く⑨は

「THA CARTER Ⅱ」 のマナーが敷かれていて、

逆に耳を惹かれる。

特にこういったオケと WAYNE の相性はバツグンで、

もうすぐドロップされる予定だという 「THA CARTER Ⅲ」

このテの作品を大いに期待してしまう。

軽妙なオケの⑩から、

シックなフックと乱れ打つドラム・ラインが相対的な⑪への流れは

変わり映えこそしないが、

的を得た楽曲の編成で耳に優しい。

そこから⑯まで凡庸な楽曲が続くのだが、

⑰での一転したようなレイドバック感を醸し出すオケは、

それまでの流れをまったく無視したような楽曲が

非常にビビッドに映えて素晴らしい。

⑰でのウェッサイ系のオケに続いて、

SCREWED MIXしたイントロから入る、

完全に南部系のオケで、

DAZKURUPT という

ウェッサイを代表するコンビが登場するのが多少皮肉的なのだが、

ここでの KURUPT のフロウが非常に変態的で

他を圧倒している。

⑲で FAT JOE をゲストに迎え、

これにより東西南に攻め手を見せて、

南部のローカルに留まらない全国区の作品であることを

密かにアピールすることも忘れていない。

 

 

作品としてのクオリティーをハッキリ言ってしまえば、

正直、面白味に欠けると言わざるを得ません。

それは、このレーベルの売りでもあった、

大挙して押し寄せる身内内でのタレントのごった煮感が

最早なくなってしまったことに起因しているのかもしれません。

LIL WAYNE「THA CARTER Ⅱ」

そこから新機軸を打ち立て、

脱却するのに成功していたのですが、

本作では路線が元に戻ってしまったことで、

足りないタレント性が浮かび上がってしまった結果になりました。

MANNIE FRESH のカラーから早く脱却すべきだというのが、

僕の本作を聴いた正直な感想です。

 

オススメ度 7.4

(ラップ:1.4 トラック:1.4 キャラ:1.6 話題性:1.6 構成:1.4)

 

 

 

2007年1月 3日 (水)

ヤサグレ、ドサクレ、ハミ出し者達にピースを!

ATLANTAを中心に、H-TOWNやMIAMIやら

地域を挙げて盛り上がりを見せるSOUTH勢力の隆盛。

その隆盛の様を見て、再度復権に立ち上がった

WEST COAST HIP HOPの猛者達。

KANYEEMINEM らを中心に

新しい才能が次々と輩出されている、

CHICAGO、MOTOWN を含むMID WEST勢。。。

ではHIP HOPの聖地とされるN.Y.は??

・・・・・

ここ数年、まとまった形でのムーブメントというものを

ほとんど感じさせないN.Y.で、

唯一それらしいのが、

CAM'RON を中心とした DIPLOMATS 勢による活動です。

(果たして僕には、

“DIPLOMATS”“DIPSET” の違いが良く分かりません)

今日はその DIPSET の中心メンバーでもある、

JIM JONES の新作、

「HUSTLER'S P.O.M.E.」 を紹介します。

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JAY-ZDAMON DASH が袂を分かッた時点で

DAME 側だった CAM 及び、DIPSET 軍は

ROC-A-FELLA からの脱退を余儀なくされますが、

現在最大手のインディー、

KOCH といち早くディールを結んだ彼らの

それからの活動の活発さには目を見張るものがあります。

もともとMIXテープなどを使った

ストリートに近い活動が得意だっただけに、

性が合っているのか、

DIPSET としての活動と、

それぞれのソロ活動をまるで波状攻撃のように仕掛け、

インディーながらにきっちりと成果を残し、

N.Y.のストリートからの支持を得続け、

自らのブランドを確立させているのが彼らの強みです。

 

そんな彼らにあって、

メンバーの頭脳を司っているのがこの JIM JONES です。

ライナーの中でもありますが、

彼はラッパーとしての活動だけでなく、

プロデューサー業、P.V.や自主映画のディレクター業、

DIPLOMAT RECORDS のCO-CEO業を兼務し、

その多才振りを発揮しています。

ゲスな言い方をすれば、

要は何にでも噛みたがる出しゃばりだと

取られないでもないのですが、

何故か気になってしまう憎めないヤツです。

 

そんな JIMMY の通算3枚目となる本作。

相変わらずヤサグレていて、

まるで昔の DAZ を髣髴とさせる出来映えを

今作でも披露してくれています。

まず、JIM JONES のラップの特徴は

なんと言ってもその物憂げな発声とヤクザな物言いにあります。

鼻から抜けるような発声で

ライムの語尾をビートに引っ掛けることによって、

いかにも煩わしそうなフロウを完成させた彼のスタイルは

決してテクニカルとは言い難いですが、

味のあるラッパーとして存在感を放ちます。

楽曲群に関しては、

THE RUNNERS やメンバーの CHINK SANTANA 等の

お馴染みのプロデューサー陣を取り揃えた他、

DIPSET 特有のまったく目新しい名前も多く並んでいます。

中でもまず最初に耳に付いたのは、

大将 CAM 、若頭 JUELZ SANTANA らをゲストに迎えた、

うねるような上モノが特徴的な⑥です。

制作は CRISTAL CHILD という人物。

このイカレたビートは尋常じゃありません。

が、それを悠然と乗りこなす DIPSET 最重要人物の三人が

これまたスゴイです。

DIPSET 関連はN.Y.の王道スタイルとは異なる、

実験的なビートと、

それに劣らぬ実験的なビート解釈を展開してくれていて、

そのあたりがすごく新鮮だったのですが、

今作のこの曲でもそのスタイルは踏襲されていて嬉しいです。

続く⑦はメンバー内から JHA JHA が参加し、

リードを務めているのですが、

ここで見せる彼女のラップの上達振りに

思わず目を見張ってしまいます。

これまでそのスキルの稚拙さだけが目立っていた彼女ですが、

ここでは目が覚めたかのような活躍を見せています。

その独得の声の活かし方を、

最大限に活用したフロウが

たまらなくコケティッシュで素晴らしい。

⑨は JIMMY が現在ビーフ中の

JAY-ZG-UNITTONY YAYO に向けて発せられた

ディス・ソングになります。

ちなみにここでは収録されていませんが、

この曲は P. DIDDYBABY T.I.

YOUNG DROJUELZ

超豪華なゲストを加えたREMIXが有名です。

⑬は楽曲自体は凡庸なのですが、

外部からゲスト参加している LIL' WAYNE との相性が

コトのほかシックリきています。

そういえば、

LIL’ WAYNEJUELZ SANTANA

近々コラボ・アルバムを出す予定だそうなので、

そのあたりの繋がりを感じさせます。

⑭は今となっては懐かしい45回転でのネタ使いが

逆に新鮮です。

結構まともな楽曲に仕上がっているのがマジックです。

⑰なんかを聴いていても、

楽曲としての構成に興味深いものを覚えるのですが、

このあたり、フックの作り方に起因しているのかもしれません。

そういう意味で、幾多のMIX仕事も含め、

作品作りに小慣れたカンジがありますね。

そういう点も鑑みて、

WARNER のA&Rに抜擢されているのも頷けてきます。

そして、本作中、

僕が一番注目していたのが⑲になります。

この曲は “2006年ベスト・シングルTOP10” のランキングに

4位で挙げたほど気に入っています。

いつもの物憂げな JIM JONES のラップが、

ここでは疾走感溢れるビートに駆られ、

魂に訴えかけるところのあるフロウに変化しているのがオモシロい。

非常にタイトな小品ですが、

クオリティーが高く、

しかもこんなヤサグレた楽曲群の中では浮き上がっているので、

弥が上にも耳に付いて離れません。

らしくないカッコよさを湛えた素晴らしい楽曲です。

 

先程も書いたように、

DIPSET の扱う作品群は多少ヤサグレ感があり、

どことなく昔の DAZ の作品に見られたような

ヤクザな印象が強い。

それはインディーならではの、

しかしそこから新しいトレンドを発信しているという自負が、

その印象を強める作用を及ぼしているのだろう。

だから諸作品群はそれになりにクオリティーが高く、

しかもストリート性も強いモノになる。

これは昨今のシーンからすれば亜流の系譜となるのだが、

この道を邁進する DIPSET 勢には一寸の躊躇いも見られない。

本作においても、

BILLBOARD のチャートで初登場6位を記録し、

売り上げももうすぐゴールドに届く勢いなのだから、

さこらへんの冴えないメジャー作品より、

余程儲けの割がいいだろう。

(確か、インディーで10万枚売れれば、

メジャーでプラチナ売れたと同等の価値があるらしい)

しかも JAY-Z とのディス合戦も絡めて、

絶えずシーンの最前線へ話題を振りまくことにより、

自らの作品の販売戦略にも繋げるあたり、

やはり JIM JONES は唯の出しゃばりなだけではなさそうだ。

 

オススメ度 8.0

(ラップ:1.5 トラック:1.7 キャラ:1.7 話題性:1.6 構成:1.5)

 

 

2007年1月 2日 (火)

もっと魚喰わせろ!

まさかこのタイミングで新作をドロップしてくるとは

想像だにしなかった、、、

今回はそんな

GHOSTFACE KILLAH の新作、

「MORE FISH」 を紹介します。

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2006年の5月に、

通算5枚目となるオリジナル・アルバム、

「FISHSCALE」 を発表したばかりで、

12月に更に新譜だなんて!

それだけ GHOSTFACE が勢いに乗ってるってコトかな。

それにしても、

彼のこれまでの全作品に関して、

悪い評価を聞いたことがないのですが、

それこそ彼の強みなのでしょう。

特に、これは前作のレビュー時にも書きましたが、

WU 全体が混迷する昨今において、

古くからのファンは彼らに対し

原点回帰を希望する傾向にあるのですが、

GHOSTFACE にだけは、

そのままの進化を見守る余裕というものを

ファンは持ち合わせているようです。

それはかれが創造し続ける音楽性に

一寸のブレも感じさせない、

完全なベクトルを見出せる故の賜物なのです。

WU に限らず、

自身の音楽性をここまで貫けるアーティストというのも

他に珍しいでしょう。

さて、本作では

GHOSTFACE のどんな顔を伺うことができるのか?

ファンにとっては期待に胸を膨らませながらも、

唯々安心して作品を聴き進めていくことが出来ます。

 

 

まず本作について言えることは、

その作品タイトルからも分かるように、

今作は前作の続編にあたる位置付けだということです。

並べられた楽曲群も系統を継いだように、

実に実験的なものが並んでいます。

しかもこれが妙にシックリ馴染んでいるのだから、

さすが GHOSTFACE と感服せずにはいられません。

しかしながら、

さすがにこのハイペースでこしらえたとあってか、

多少、手抜きの部分も垣間見られるのですが、

そのあたりにも注目しながら作品の解説を進めていきましょう。

 

まず、手抜きと中傷するワケではないのだけど、

いきなり幕開けの①から、

ERIC B. & RAKIM 「JUICE」

まんま使った曲から入る点に驚かされます。

最近の JUST BLAZE

よく PUBLIC ENEMY をリバイバルさせていますが、

それでも多少加工されているのですが、

ここではまんま流れているので、

ほとんどMIXテープ状態。

でも、このオケと GHOST の相性がかなり良いので、

まったく違和感を覚えません。

この曲の他にも、

①程ではないのだが、

⑪では HI-TEK の作品で収録されていた 「JOSEPHINE」

ヴァースを少し変えて収録されていたり、

最終曲となる⑰で、

前作 「FISHSCALE」 に収録されていた

「BACK LIKE THAT」 がREMIXという名の元に、

ほぼそのままの形で再現されて収録されていたりする。

まあ、これらの曲が

そこらにあるようなMIX程度の出来映えなら

僕も文句をつけるのだけれど、

そこはぬかりないクオリティーの高さを誇っているので、

良しとしないワケにはいかない。

他に気になったところでは、

作品中の THEODOR UNIT メンバーの参加率の高さだが、

この点に関して言えば、

本作は JAY-Z でいうところの 「ROC LA FAMILIA」 に相当する、

ファミリーお披露目的な意味合いも

作品に持たせているのかもしれません。

メンバーの中心を担う TRIFE を筆頭に、

CAPPADONNASHAWN WIGS らが

本作内で大活躍しています。

といっても、

やはり CAPPA 以外のメンバーはまだ

ラップの稚拙さが見え隠れしているのですが。

外部ゲストに関して言えば、

前述の⑪での THE WILLIE COTTRELL BAND

最終曲⑰での KANYE WESTNE-YO との共演はもちろん、

⑩での REDMAN

⑬での LOX の SHEEK との共演は

意外性があってなかなか新鮮です。

楽曲に目を向けていくと、

③のクレイジーさがまず耳に付きます。

制作は M. F. DOOM が担当。

さすがです、このイカレ具合。

M. F. DOOM は他にも⑮でその辣腕を振るっていますが、

GHSOATFACE との相性が余程いいのか、

今年2007年に、二人によるユニット、

SWIFT & CHANGEABLE として

作品をドロップする予定だそうです。

これは楽しみだな。

更に実験的な作品が期待できそうです。

④のループの素晴らしさも特筆すべきでしょう。

楽曲のイントロ部からして一気に耳を惹き付けられたこの曲、

サンプリングの素晴らしさを再認識させられるような、

奇跡的なループを描き出しています。

EARTH, WIND & FIRE「LOVE MUSIC」 を使った⑤は

多少ベタ過ぎるところが気に掛かりもするのですが、

楽曲としてしっかり作り込まれているので、

まあ良しとしましょう。

アシッドな雰囲気の⑦は MADLIB 制作によるモノ。

前述、REDMAN 参加の⑩は

もうコレは完全にイってしまってます。

ここでの REDMAN のキレ具合が最強です。

続く⑪は先程も書きましたように、

僕の大好きな 「JOSEPHINE」 です。

ここではオリジナル(?)で参加していた

PRETTY UGLY の代わりに、

TRIFE が参加している他、

GHOST が2ヴァース分ライムしています。

僕としては HI-TEK 盤のオリジナルの方が好きですが、

やはりこの曲は素晴らしい。

本作中唯一、まともなオケのように思える⑫に続いて、

前述、SHEEK 参加の⑬が、

またエラいコトになっています。

ここでの SHEEK は、

LOX 時では見られなかったような

ズルムケ具合を披露してくれており、

正直、驚かされました。

LOX 三人の中で一番地味な印象のあった彼ですが、、、

そうか、こんなコトも出来るのか。。。

と、見直した次第です。

続く MARK RONSON が制作した⑭の構成が

これまたオモシロい。

まるで日本の昭和の歌謡曲のような節回しのオケ、コーラスが

GHSOTFACE の人情味を誘うラップと非常に良くマッチしている。

ここまで濃い味噌味のオケを

自分のモノとして料理できるラッパーは

やはり GHOSTFACE をおいて他にいないだろう。

この曲を作った RONSON GHOSTFACE

どちらも素晴らしいです。

前述、M. F. DOOM 制作による

崩れたモラル感を問い質されるような⑮に続いて、

やや凡庸な⑯、

そして、同じく前述、 KANYE 参加のREMIX名義⑰で

本作は幕を閉じます。

 

 

THEODORE UNIT の面々のラップの稚拙さが

多少引っ掛かりはするのですが、

しかしながら、

GHOST 自身の立ち位置がツボを押さえていて

非常に素晴らしいです。

目立ち過ぎず、

きちんと存在感を放っている。

特にビートと対面した彼の姿勢が目に浮かぶように分かるほど、

調和の取れた結果を残しており、

そのあたりに益々彼の評価を高める要因を見出せます。

実際、本作は先にも書いたように、

手抜き感が伺えたりするのですが、

それも込みで作品としての完成度を高めているように思えます。

そういった意味では充分満足のいく秀作なのですが、

近場のメンバーを使い過ぎているだけに、

コンパクトにまとまりすぎたきらいもあります。

僕個人としては、

稚拙なメンバーのラップを排除した形で、

もっとガチで GHOSTFACE のテクニカルなラップを

正面から捉えた作品を聴いてみたいです。

そういった点で、

今後ドロップされるという M. F. とのユニット作品は

大きな期待が掛かります。

 

オススメ度 8.7

(ラップ:1.8 トラック:1.8 キャラ:1.9 話題性:1.6 構成:1.6)

 

 

2007年1月 1日 (月)

新年の一発目は王道で

2007年の記念すべき一発目を飾るのは、

やはり王道中の王道、

NASDEF JAM 移籍後初となる新作、

「HIP HOP IS DEAD」 です。

200pxhiphopisdead1   

 

 

 

 

 

 

 

その題名が話題を呼んでいることもさることながら、

やはりこの話題に触れないワケにはいかないでしょう。

かつてのライバル、JAY-Z との電撃的な和解から、

更に衝撃的な DEF JAM 移籍へと、

正に絵に描いたような計画的な NAS を取り巻く環境の変化。

コレに関して言えば、

今になって振り返ってみると、

NAS は完全に JAY-Z の掌の上で

踊らされているように見えてきます。

もしここまでの筋書きを計画して

NAS とバトルをしていたというなら、

JAY-Z の青写真に今更ながらに感服せずにはいられない。

。。。。。

そんなこんなで古巣の COLUMBIA から

初めて離れて新作を出すことになった NAS だが、

メジャー路線が露骨な DEF JAM カラーとの

相性は如何に?!

というのが、

まず本作の注目点になるであろう。

 

 

結論から言えば、

本作は思った以上にロウな作品で、

その硬派な NAS のイメージは

DEF JAM によって傷付けられることなく

見事にパッケージされている。

もう少し突っ込んだことを言うと、

ハッキリ言って、

先頃カムバックを果たしたもう一人のKING、

つまりレーベルの頭でもある JAY-Z の新作と比べると、

本作の素晴らしさが際立つほどである。

 

JAY-Z の新作と比較するまでもなく、

本作は秀作である。

まず幕開けの①の最初のヴァースに出てくる

“BRRRAT!” の部分の巻き舌からして、

早速に心奪われてしまったのだが、

この時点で、

本作が良作である予感はヒシヒシと伝わってきていた。

その予感は楽曲を聴き進めていく内に

どんどん確信に変わっていく。

まず、何が良いって、

楽曲がそれぞれイカツく色気のないところが良い。

NAS 関連作品ではお馴染みの L.E.S. 制作となる

前述の①を筆頭に、

SCOTT STORCH 制作の③、

先日訃報が届いたばかりの巨星 J.B. をサンプリングした、

鬼のようなイカツさを誇る、

NASSALAAM REMI 連名での制作曲④、

そして最近そこら中でその名を見かける、

BLACK EYED PEAS の首謀者、

WILL. I. AM 制作のゴリゴリなファンクネスがらしくない、

アルバム・タイトル曲となる⑤と、

作品の入り口は非常にロウな構成になっている。

これは DEF JAM 移籍に伴い、

NAS がまたそっち方面に行ってしまうのではないか?

という懸念に対しての挨拶代わりの牽制とも受け取れる。

特に④の J.B. 使いと、

⑤の定番 「APACHE」 使いは、

ベタだが牽制として非常に効果覿面に効いていて、

続く SALAAM REMI WILL. I. AM 連名制作となる、

トびまくったオカルト的雰囲気の⑥や、

本作中、間違いなく一番注目されるであろう

JAY-Z と初めてボーカルの並んだ楽曲となる⑦の

そのオケのあまりの大業さも、

前述の牽制による影響下に収められている。

それにしても、

やはり NASJIGGA の声が並んでいると、

聴き慣れていないので何だか耳がこそばゆい。 

個人的には一番好きな⑧は、

2ND収録の 「THE MESSAGE」 にも似た

哀愁漂うメロディー・ラインが流麗なのだが、

ここで入る妻、KELIS のボーカルは不要なのではないか?!

と非常に残念に思っている。

歌モノのフックなんてなかったらこの曲の印象が

もっともっと向上したであろうに。。。

本当に惜しい、しかし良い楽曲である。

続く⑨は KANYE WEST が制作し、

ゲストとしても参加している。

KANYENAS の共演というのも

これまで考えられなかったのだが、

これも DEF JAM の威光の賜物である。

で、その相性はというと、

それほど特筆して素晴らしいと褒め称えるようなものでは

正直ないのだけれど、

それにしてもこのオケの中毒性は物凄い。

一聴した限りにおいては大した印象も残さないのだが、

繰り返し聴く内に、

そのループとフックの中毒性にいつの間にか耳を奪われている。

このあたり、さすがに KANYE の才気を覗わせる、

非凡なモノを感じさせらる。

作品中でも異色なのは⑪だということが

一聴してお分かりになるだろうが、

このビートの薄い曲を制作したのは、

なんと、PHILADELPHIA で活躍する現役の NBA プレイヤー、

CHRIS WEBBER だ。

楽曲自体の良し悪しは言わずもがなだが、

それにしても、NBA プレイヤーの中で

ラッパーとして作品を出したというのはよく聞く話だが

SHAQA.I.TONY PARKERRON ARTIST など)、

プロデューサーとしてクレジットされたっていうのは初めて聞いた。 

(後で調べたら、“C. WEBB” 名義で作品も出している!) 

ドラム・ラインの特徴的な KANYE 制作の⑫に続いて、

SCOTT STORCH 制作、SNOOP 参加の⑬、

WIIL. I. AM 制作の⑭、

DRE 制作、THE GAME 参加の⑮と、

このあたりの流れは非常に豪華である。

さすがに DEF JAM の威光がチラついて見えなくもないが、

そういう下世話な話を抜きにしても充分にクオリティーが高い。

例えば SNOOP との掛け合いが妙に新鮮な⑬の

楽曲後半に向けてのアガり具合だったり、 

⑭での WILL. I. AM の‘60年代を意識したかのような 

シックなオケだったりは、

なかなか構成的にも面白味がある。

⑮でいえば、DRE の作る楽曲自体は凡庸なのだが、

THE FIRM 以来となる NASDRE の迎合は

なかなかに感慨深く、

しかもそこに自身の作品では見られなかった

THE GAMEDRE との迎合を見出せるというのは、

更に興味深い。

それにしても THE GAME は相当意識しているのか、

その発声から発音、フロウの仕方に関して、

かなり NAS のそれに近いものを感じる。

彼の担当する頭の数ヴァース分は

本当に瓜二つで、聞き分けられないほどである。 

 

アーティストが描き出す創造力、

オリジナリティー、

進化、発展、向上、あるいは停滞、退化、

それらに対して、

水モノのシーンの流行、

さらには、

ファンがアーティスト・イメージに対して求めるもの、

そういった全てが噛み合うというのは

なかなか難しいことなのだが、

ことにこの NAS の場合、

彼の不器用さがダイレクトに反映されるように

これまでの作品に “非クラシック” のレッテルを受けてきた。

それは彼が負ったカルマなのだが、

新たなレーベルへ移籍したことによって、

確かにこれまでになかった NAS の魅力を

本作によって楽しめることが出来る。

そういう意味で、

DEF JAM のパッケージングは間違っていなかったと言えるでしょう。

それも JAY-Z のモノと比べれば数段上手く仕上げられている。

何より NAS の試行錯誤する姿が素直に現れているようでいて、

その部分も含めたパッケージングが好感を持てる。

だが、残念なコトに、

伝説の名作 「ILLMATIC」 に比すほどの

クラシックたらしめない作品であるのもまた事実ではあるが。。。

 

オススメ度 8.6

(ラップ:1.8 トラック:1.7 キャラ:1.7 話題性:1.9 構成:1.5)

 

 

 

 

 

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