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2006年12月23日 (土)

省エネしすぎのハイ・ペース

歴史に名を残す、、、

とまでは到底いかないのだが、

それでも結構なハイ・ペースで

毎年シレ~っと作品を出し続けているヤツ。

FAT JOE

彼の新作が今年も懲りずにドロップされた。

「ME ,MYSELF & I」 だ。

200pxfatjoemmicover_1  

 

 

 

 

 

 

 

 

キャリアも長く、

結構な重鎮のハズなのに、

FAT JOE に対するメディアの扱いは至って軽い。

ヘタをすると、

かつての舎弟分で、

死して伝説となった BIG PUN より

彼の扱いは軽いのではないだろうか?

というより、

彼がほぼ毎年のようにドロップし続けている

その諸作品のあまりのミニマムさにこそ、

その原因があると言っても間違いではないのだろうが。。。

 

性懲りもなく、

通算枚目となる本作も、

小品と言えば小品です。

しかしながら、

本作のミニマルな作風はこれまでの小品とは違って、

なかなかに粒が立っている。

結構好きです。

全12曲、50分弱の

そのあまりにコンパクトにまとめられた構成は、

確かに強烈なインパクトに欠けますが、

それなりのクオリティーを感じさせる楽曲群が

揃えられています。

例えば、

②の攻撃的なオケと JOE のフロウは

圧力があってなかなかカッコイイし、

LIL' WAYNE をゲストに招いた③のタイトさは

なかなかに良い仕上がりを見せています。、

②、③ともにオーソドックスなループが

HIP HOPの音源の普遍的なカッコよさを醸し出しています。

WAYNE のラップの適度な絡まり具合も素晴らしい。

続く④は、南部の流行を取り入れた、

SCREWED & CHOPPED仕様。

このあたりに、

最近のシーンに対するムーブメントを作り出せないでいる

N.Y.のアーティストとしてのジレンマを感じられますね。

続く⑤も、ユルいオケに、

ゲストの THE GAME

いかにもWEST COASTを意識して作成された楽曲が、

N.Y.の現在の不振を

逆に露呈させてしまっているような曲になっています。

④も⑤も決して悪い出来ではないのだけれど、

生粋のN.Y.スタイルHIP HOPファンの僕としては、

何だか残念に思えて仕方ないです。

⑥は緊張感を煽るような、

なかなかカッコイイオケなんだけど、

ここに被さる JOE のフロウが

いかにも弱々しい。

②で見せたような

昔のイカツいスタイルでガシガシライムしてくれてった方が、

彼の場合、

絶対カッコイイと思うんだけどな。。。

COME ON , MAN!FLOW JOE!!

とか何とか言ってると、

続く⑦は完全に

ゲスト参加で再び登場の LIL' WAYNE 寄りの楽曲なのだから、

どっちがゲストだか分からなくなるくらいだ。

でも、これはこれで悪くないんだよな。。。

そのあたりが微妙な印象を与えるのだけど。

それに対して⑧は、

シックな古いN.Y.スタイルを微かに感じさせるようなビートが

なかなかにオモシロい構成を見せている。

JOE のアプローチは

ここでもやはり弱めなのは気に掛かりはするが、

まあこれは彼なりの全国区に向けたスタイルなのだろう。

ストリングスが荘厳な⑨では

少し強めのフロウでアクセントを付け、

自身が伝説的なユニット、D.I.T.C. の一員であることの

その片鱗を見せてはいます。

この作品のハイライトとなるのが、

MICHAEL JACKSON 「MARIA」 をサンプリングした

⑪になるでしょう。

コレは確かに本作中では一番インパクトがあるのだが、

ビートがどうのこうの言うより、

JOE のラップがどうのこうの言うより、

偏にサンプリリングされた MICHAEL のボーカルが

もう一人勝ちしている状態です。

 

・・・・・

 

N.Y.スタイルの弱体化や、

JOE のフロウ・スタイルの弱体化について

云々してきましたが、

前述したように、

この作品自体はそれ程悪い出来ではありません。

ただ、そのまとまりのタイトさは、

各楽曲それぞれに対しても、

それから作品全体に対しても、

あまりにミニマル過ぎて、

どうしても物足りなさを感じずにはいられない。

と言って、

このまま同じような曲を足して、

曲数を増やしただけで

この物足りなさが改善されるとも思えないし。。。

って言うか、

何故、本作に TERROR SQUAD のメンツはおろか、

N.Y.のラッパーが参加していないのか??

・・・・・

僕は思うんですけど、

昨今のシーンに見合わせるような

全国区向けの、

全方位的でポップ・ライクな作品が売れると言う傾向に対して、

カウンター的な形で注目を浴びたのが、

昨年、一大勢力と成したH-TOWN勢や、

THE GAME だったのではないでしょうか?

HIP HOPからすれば地元賛歌は基本中の基本なのですが、

現在のそういった横並び的なシーンにっとて、

H-TOWN勢や THE GAME のような強烈なフッドへのアンセムは

新しいヘッズ達にとって逆に新鮮に映ったのかもしれません。

ともかく、

FAT JOE はこのスタイルのままで

誰が納得するのか?

ということを考えると、

いくら作品がタイトに仕上がっているからと言っても、

あまり喜べた話ではないと思われます。

 

COME ON , MAN!FLOW JOE!! 

 

オススメ度 8.2

(ラップ:1.6 トラック:1.7 キャラ:1.8 話題性:1.5 構成:1.6) 

 

 

 

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