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2006年12月18日 (月)

今年のNo.1アルバム最有力候補

実は、今すごくツボにハマっている新譜がある。

もちろんここで書くからには

正真正銘、米国産HIP HOPの

真っ黒な作品である。

別に勿体つけるワケじゃないけど、

コイツ、スゲー良いの!

それこそ、個人的な今年のTOP10ランキングの

上位三位のどこかに入り込むであろう、

それくらいにお気に入りの作品。

今日はそのとっておきの作品を紹介したいと思います。

誰あろう、

HI-TEK「HI-TEKNOLOGY 2」 です!!

200px1211962913_l_1  

 

 

 

 

 

 

 

かつて、TALIB KWELI とのユニット、

REFRECTION ETERNAL での活動から、

この二人をして、

PETE ROCK & C.L.SMOOTH の再来”

とまで呼ばしめた実力者、

HI-TEK

僕はその称号をあえて今こそ、

ここに持ち出すべきだという必要性をすら

感じているくらいです。

それはつまり、

伝説的とも言えるクラシック作品、

PETE ROCK の初ソロ作となる

「SOUL SURVIVOR」 に勝るとも劣らぬ

作品としての完成度、充実振りを

この HI-TEK の2ND作から感じ取れるからなのです。

・・・と、

こう書くと確かに語弊が出るかもしれません。

何せ、PETE ROCK「SOUL SURVIVOR」

鬼の様なクロさを湛えた伝説のHIP HOPアルバムだったから。。。

鬼の様にクロいグルーヴネスを湛えたビート群に、

鬼の様に第一線で活躍していた達人レベルのラッパー達を

これでもかっ?!ってなくらい

詰め込みまくって、

しかもそれで作品として完全にまとまったモノだったから。。。

それと比較して、

HI-TEK の本作は確かにそこまでへヴィーな

クロさを湛えているのか?

というと、

さすがにそこまで断定しては言い切れない部分もある。

しかしながら、

適材適所に配置された

達人レベルのゲスト陣の配置や、

各楽曲の構成はもちろん、

作品全体としての構成力の高さは、

PETE ROCK のそれを遥かに上回るほどに

完成度が高い。

 

まず、

イントロ明けのスウィンギンな②からして、

楽曲の完成度の高さに耳を奪われてしまう。

この曲では HI-TEK 自らラップを披露しているのだが、

HI-TEK のラップ自体、かなり珍しいもので、

僕としては TALIB KWELI との

REFRECTION ETERNAL 名義、

「THE BLAST」 以来、耳にすることになる。

我の強いMCと比べて、

プロデューサーがメインで、

ラップもこなすというアーティストにあっては、

PETE ROCK をはじめ、

KANYE WEST Q-TIPRZA

SWIZZ BEATZ 、故 JAY DEE らを含め、

得てして、

自身のビートを最大限に引き立てるようなフロウなのが

その最大の特徴なのだが、

ここで聴かれる HI-TEK のラップも

そのご多分に漏れず、

ビートの属性を最大限に引き立てている。

続く③では、

流麗な DION のコーラスが楽曲をやさしく包む上で、

上記の Q-TIP

それに D.P.G.KURUPT

マイクを交わしています。

そこには完全なる調和が感じられ、

ビートとコーラス、ラップが

一つのハーモニーとして溶け合っています。

愛息を配した④のインタールードまでもが、

楽曲としてきちんと成立している所に

今更ながら驚かされるのですが、

続く⑤のシンガー AYAK と、

旧友 TALIB KWELI を配したこの楽曲での

その完成度の高さにも改めて驚かされることでしょう。

それこそ前述 「THE BLAST」 以来の

二人のラップのコラボレートが聴けるワケです。

この⑤でも、

そこに感じ取られるのが、

楽曲としての完全な調和です。

特に HI-TEKKWELI の相性の良さは

本当に素晴らしいです。

先程から “調和” 、“調和” と申しておりますが、

更に輪をかけてすごいのが、

続く⑥になります。

この曲は本当にズバ抜けています。

バックに THE WILLIE COTTRELL BAND を配し、

GHOSTFACEPRETTY UGLY

ラップを披露しているのですが、

ビート、コーラス、ラップのバランス感覚が

完璧に調和していて、

その音楽がまるで身体に沁み込むように入ってくるのです。

この楽曲に関しては、

その音楽性があまりに高過ぎていて、

HIP HOPの枠を超えかねない危険性も孕んでいるのですが、

それこそギリギリのところで

HIP HOPたらしめている絶妙のバランス感覚にも

注目していただきたいです。

そこでポイントとなるのが GHOSTFACE の配置なのですが、

彼のラップがあるからこそ、

この曲がHIP HOPの枠を超えようとする音楽性と、

HIP HOPを繋ぐ調和を産み出しているのです。

この曲のもたらす音楽性とHIP HOPのバランス感覚、

調和が作品全体に及ぼす影響は

測り知れないほど大きいでしょう。

⑥は本作のハイライトと呼べる一曲でしょう。

続く⑦は一転してド真ん中のHIP HOPループが際立ちます。

BUSTA が息巻くラップが小気味良く耳に馴染みます。

⑥をハイライトといいましたが、

もう一曲のハイライトとなるのが、

続く⑧です。

N.Y.出身の実力派、

JADAKISSKWELI RAEKWON らが参加したこの曲、

②でコーラスを披露した DION

ここでも活躍しています。

皆さんも一度は耳にしたことがあるかもしれない有名曲、

ANDY WILLIAMS「LOVE STORY」

サンプリングしたこのビートが

いかにもデキ過ぎなカンジもしないでもないのですが、

聴き齧っていくとクセになるループで、

終いには “いかにもN.Y.を語る上でピッタリ!”

なんてな具合に聴こえてくるのだから

不思議なものです。

にしても、

とにかくシブい。

やはり、

まずラッパーの人選からしてステキ過ぎるでしょう。

実際、HI-TEK

OHIO州のCINCINNATI出身なんだけど、

いかにもN.Y.アンセムなこの曲は、

最近元気のないN.Y.のシーンに対して、

純粋な愛情を見出せる一曲となっています。

続く⑨は小品ではありますが、

今、旬の THE GAME がヴァースをキックした、

ユルいWEST COASTテイストの一曲に仕上がっている。

このあたり、

最近、現在制作中となる

DRE「DETOX」 のスタッフとして参加している

HI-TEK の現在の顔というものが

チラリと覗いているかのようだ。

WEST COAST繋がりで言えば、

続く⑩も L.A. から

XZIBIT 率いる STRONG ARM STEADY が参加している。

楽曲自体はN.Y.っぽい、

疾走感溢れるループが特徴的なトラックで、

そこに被さってくるイントロの XZBIT のボーカルが

なかなかカッコイイ。

でも、よくよく考えてみると、

XZBIT って STRONG ARM STEADY

離脱したんじゃなかったっけ?

一転、ユルくてメロウな⑪を挟んで、

作品全体にゆとりを与えながら、

三度、DION の素晴らしいボーカルに、

KWELI の参加した⑫がビビッドに映える。

この DION なる男性シンガー、

どうやら HI-TEK が起こしたプロダクションの

お抱えアーティストらしい。

この作品での活躍から、

今後の DION の活躍がかなり期待できそうである。

書く必要もないのだろうが、

相変わらず HI-TEK のビートと

KWELI のラップの相性は格別だ。

だが、惜しむらくは、

KWELI のライムについて、

もうちょっと長いヴァースを聴いてみたいな。

そうなってくるとやはり、

REFRECTION ETERNAL 復活を

待望せずにはいられないです。

⑬では、

⑥で素晴らしいハーモニーを披露した

THE WILLIE COTTRELL BAND が再度登場。 

この曲はラップがまったく入っていないのだが、

それこそ⑥での GHOSTFACE のアクセントが

効果覿面で作用を及ぼしていて、

ラップ・ファンの僕をして、

ラップがないことに違和感を覚えさせないでいる。

⑭はH-TOWNから

重鎮 BUN-BDEVIN THE DUDE が、

それに DIONPRETTY UGLY が一緒に参加している。

思いっきりレイド・バックしたオケで、

H-TOWNアーティストによく見合っている。

そして最終曲となる⑮の

アウトロとして終わってしまうのか?

と思わせておいてのこの出来の素晴らしさに

最後にきてまたまた感心させられてしまいます。 

留守電のメッセージに吹き込む、、、

ような構成で作られたこの最終曲は、

JAY DEE a.k.a. J. DILLA による

本物のメッセージから入って、

続いてストイックなライムがオケにピッタリの NAS

HI-TEK 自らがキックし、

続いて COMMON が思慮深げなヴァースを披露、

アウトロ部で BUSTA のメッセージと

最後にもう一度 JAY DEE のメッセージが流れて終わる。

この⑮でも、

ビートとコーラスとラップのバランス感覚が非常に素晴らしく、

楽曲としてのまとまり、

包み込まれるような安定感を

感じずにはいられない。

 

先に書いた比較対象の

PETE ROCK 「SOUL SURVIVOR」

鬼の様なイカツいクロさに括られるとすれば、

本作は

ビートとコーラスとラップとの

完全なる調和に括られる作品である。

その意味で、

両作品共に方向性は違うのだが、

作品としての完成度、

そして何より、

ゲストをまとめ上げたその手腕に対して、

共通したプロデューサーとしての確かな才覚を

感じ取らずにはいられないのである。

作品セールスやら、

レーベルのプロモーションやらを考えると、

世間的にはほとんど話題に上らないであろう本作ですが、

2006年を語る上で、 

僕としては外すことのできない大作として、

ぜひ皆さんに本作をお勧めしたいです。

 

オススメ度 8.9

(ラップ:1.7 トラック:2.0 キャラ:1.6 話題性:1.6 構成:2.0) 

 

 

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