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2006年12月13日 (水)

L.A. STYLE 三部作

THE GAME

XZIBIT

ときたので、

今回は “L.A. STYLE 三部作” ・・・ではないけど、

せっかくなのでこの作品を紹介しましょう。

SNOOP DOGG の通算枚目となる新作、

「THE BLUE CARPET TREATMENT」 です。

200pxbluecarpet   

 

 

 

 

 

 

 

“L.A”. とはいうものの、、、

正確には、

THE GAME はCOMPTONだし、

SNOOP はLONG BEACH、

XZIBIT にいたっては、

実は出身は西海岸でさえないDETROITなのだから、

実は生粋のL.A.っ子はこの中に誰一人いない。

でもあえて “L.A. STYLE” で括っちゃいます。

さて今回は、

この SNOOP の新作を通して、

L.A.及びWEST COAST HIP HOPの現在の立ち位置を

測っていきたいと思います。

 

 

WEST COAST HIP HOPが時代の潮流として持て囃され、

一大勢力を誇っていたのは、

今から十年以上昔の話です。

この十年の間、

東西抗争をはじめ、

仲間内での分裂など、

まとまりをなくしたL.A.勢力は個々での活動に終始し、

大きなムーブメントを作るに至りませんでした。

その間、

ATLANTAを中心とする南部系のムーブメントが盛り上がり、

昨年はいわゆるH-TOWN、

HUSTON産のHIP HOPがシーンの話題をかっさらいました。

そこで焦り出したのがL.A.を中心とする

WEST COASTのラッパー達です。

仲間内で争そっている場合じゃない!

西海岸復権をかけて、

内輪もめしていたかつての仲間達とヨリを戻し、

手に手を取り合い輪になって、

かつての強固なWEST COAST CONNECTIONを取り戻そう!

その中心にいるのが SNOOP であり、

現在のその復権にかける動きの集大成となるのが

本作なのです。

それだけに、

結論から言えば、

本作の完成度はズバ抜けて高いです。

個人的な感想だが、

SNOOP のソロ作品群の中では、

デビュー作に勝るとも劣らぬほどに

高いクオリティーを感じています。

正にWEST COAST HIP HOPの真髄を一枚にまとめ上げた

その歴史の結晶とも言うべき大作と呼べるでしょう。 

 

 

本作近年の彼の他の作品のどこがどう違うのか?

まずその違いを感じさせるのが、

イントロの①と続く②です。

幕開けを告げる GEORGE CLINTON に続き、

BATTLECAT の制作するビート上で、

短いながらにライムする①の SNOOP

あるいは、

FREQENCY なるプロデューサーの作る

ジャジーなオケの上でライムする②の SNOOP は、

明らかにこれまで築き上げてきた

彼特有のスムースな語り口調を身上とする

そのフロウとは違っています。

彼のフロウは

ビートを半拍遅らせて、

後ろの音に言葉を引っ掛けるようなスタイルを

これまで主流として用いていたのですが、

この①や②では、

珍しく前のめりでビートに被さるようにライムしているのです。

このスタイルはそれこそ今の彼にとっては珍しいのですが、

デビュー当初の 「DOGGYSTYLE」 で世界を熱狂させた、

緊張感溢れるGANGSTA BANGIN'を

見事に描き出したスタイルでもあるのです。

つまり彼はそのフロウ・スタイルからして

彼の原点回帰ともなる

WEST COAST HIP HOP復権の体現を

本作にて図ろうとしているのかもしれません。

盟友 NATE が歌い上げる、

FREDWRECK 制作曲の③に続く、

CYPRESS HILLB-REAL が参加した

THE NEPTUNES 制作の④でも

彼の初期作品に漲る緊張感溢れるフロウを

耳にすることができます。

それにしてもこのビート、

明らかに西寄りな作風なので、

NEP が作っている楽曲だとは

ライナーを読むまで気付きませんでした。

この④、ハッキリ言ってカッコイイです。

特に③からの流れで入ってくる掛かりのイントロ部や、

チープなフックは病みつきなるくらいカッコイイ。

最近 DRE 近辺でその名をよく見かけるようになった

NOTTZ の制作するクセのあるビート上で

R. KELLY が参加し歌い上げる⑤は

近年の SNOOP 作品ではお馴染みのスタイルだが、

やはり本作では亜流となるモノであろう。

続く⑥では西海岸を代表する豪華メンツが勢ぞろいし、

誰が主役か分からないほどに

熱いマイクを交し合っている。

中でも目立っているのが

BAY AREAの巨匠、E-40 の超絶的な変態フロウと、

DAZ のいかつく無骨なフロウである。

特に E-40 はここでズル剥けたライムを披露してくれていて、

そのスキルの高さやオリジナリティーを楽しませてくれている。

⑤での RICK ROCK の作るビートは音数が少なく、

それこそ NEP が作ったのかと思わせるほどだ。

TIMBALAND 制作のバウンシーな⑧は

SNOOP 作品では異色的だが、

なかなか堂に入っていてカッコイイ。

それにしても TIMBO の作り出すビートは

本当にボトムが太く、ロウだ。

楽j曲の構成、展開も

常人には思い付かないような広がり方をする。

続く重厚なオケの重く響く⑧では

SNOOP に非常に近しい存在である、

現在のWEST COAST HIP HOPの象徴とでもいうべき

THE GAME が参加している。

SNOOP が本作をして、

あるいは D.P.G. の復活や 213 を再集結して、

西海岸に働きかけるようになったそもそものきっかけは

この若き THE GAME なる男の存在にあったのではないかと

僕は見ているのだが、

そこに DRE を加えた

この三者のトライアングル的な関係性が

現在のWEST COAST HIP HOPを完全に象徴していると言える。

そして、出来過ぎな話ではあるが、

続く⑨で件の DRE がプロデューサーとして登場する。

ネタは BUSTA THYMES「E. L. E.」 内、

「EVERYBODY RISE」 でお馴染みとなる

THE CONTROLLERS

「IF TOMORROW NEVER COMES」 使いだ。

ちなみに、

BUSTA「EVERYBODY RISE」

NOTTZ が制作している。

僕としては NOTTZ の時のビートのインパクトが

あまりに強かったので、

少しビートが弱い印象を⑨で受けてしまうのだが、

それにしてもこのループは映えが良く、

鉄板である。

ここでは最近大活躍中の AKON が参加している。

続く⑩は BIGGIE「GOING BACK TO CALI」

イントロ部をループさせた

その名もまんまの 「LAX」

“LAX” はL.A. の国際空港の名前)

BATTLECAT の産み出す軽妙なオケの上で

ICE CUBE が参戦し、

奇怪なグルーヴを捻り出している。

⑪は再び NEP の製作曲になるのだが、

これもかなりロウなビートで、

NEP らしからぬ不穏な雰囲気を醸し出している。

ここに乗っかる SNOOP のフロウが

また緊張感溢れていてカッコイイのだ。

対照的に、続く⑫は

DRE 作の緩めのオケが哀愁を帯びて響く。

⑬、⑭、⑮は最近の風潮が混ざったカンジで、

ちょっと軽過ぎるかな。

やはりラップ好きな僕としては、

⑭、⑮のように

ラップのヴァースより歌の部分の方が長い曲は

あまり好ましくありません。

そういう意味では⑯も

AKON の歌い上げる部分の方が

SNOOP のラップ・パートより長いのですが、

まあこれは仕方ないかな。

リード・シングルとして切られたこの曲は、

AKON 制作による秀作です。

続く⑰も鉄板シンガー、

JAMIIE FOXX が制作、参加した曲です。

最近のメジャー作品には

必ずと言っていいほど JAMIE FOXX のゲスト参加した楽曲が

収録されている風潮にあるのですが、

僕としてはその必要性に対し

首を傾げずにはいられません。

とは言うものの、

本作内でのこの曲は

オケのチープさも含めて、

なかなかイケるクチです。

D12MR. PORTER が制作に絡んだ⑱の

色気のなさもステキなのだが、

続く⑲の鬼のようなイカツさは正に圧巻です。

しかもゲストには、

GOLDIE LOCMC EIHTKAMKURUPT!!

最強過ぎます。

特に MC EIHTKAM を招くなんて、

演出がニク過ぎですね。

コレがほんとカッコイイ。

僕の希望としては、

ミックス・テープのレベルでいいので、

SNOOP にこういうハードなGANGST BANGな作品を

今後出してもらいたいですね。

続く⑳は本作中でも目玉となる楽曲でしょう。

DRE 制作、参加に加え、

D'ANGELO もゲスト参加した秀逸の一曲。

オルタナティヴに展開するループと

D'ANGELO のソウルフルな歌声が美しく棚引きます。

そして最終曲、

STEVIE WONDER を迎えた、

DJ POOH 制作の軽妙な楽曲で

作品の幕を降ろします。

 

 

とまあ、

ほぼ全曲に触れて書いたので長くなりましたが、

それだけ本作がすばらしい出来だということを

皆さんに伝えたかったのです。

それこそPOP I-CONとして、

あまりハードな印象のなくなっていた

近年の SNOOP 作品に対して、

可もなく不可もなく、、、

といった評価をしか持たなかった僕にとって、

本作は

SNOOP の偉大さを改めて再確認できる作品でもありました。

それに西海岸の底力を十二分に堪能できる作品でもあります。

コレまでの記事で何度も振れてきた

“WEST COAST HIP HOP復権”

もう間もなく実現に近づいているように思えます。

THE GAME

XZIBIT 

SNOOP 、、、

さあ後は、

DRE 「DETOX」 で決定的になるでしょう。

 

オススメ度 9.1

(ラップ:1.7 トラック:1.8 キャラ:1.9 話題性:1.8 構成:1.9) 

 

 

 

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