無料ブログはココログ

リンク

« 2006年11月 | トップページ | 2007年1月 »

2006年12月31日 (日)

「2006年ベスト・アルバムTOP10 (後編)」

2006年も残すところ、あと数時間となりました。

そんな今年を総括する意味で

勝手なランキングを独断と偏見をフル活用して

“2006年ベスト・アルバムTOP10” の

5位から1位までを厳選し、発表したいと思います。

 

では、

第5位 SNOOP DOGG

「THA BLUE CARPET TREATMENT」

オススメ度 9.1

(ラップ:1.7 トラック:1.8 キャラ:1.9 話題性:1.8 構成:1.9)

200pxbluecarpet_1  

 

 

 

 

 

 

 

WEST COAST HIP HOP復権に賭ける

彼の熱い想いを十二分に感じ取れる大作です。

久々に聴かれる SNOOP の攻撃的なラップはもちろん、

大集結した西の猛者どもの荒ぶる鼻息を

肌に感じられそうなほどのその勢いも魅力的です。

CALI AGAIN!

 

第4位 DJ MUGGS V.S. GZA

「GRANDMASTERS」

オススメ度 8.2 

(ラップ:1.8 トラック:1.9 キャラ:1.4 話題性:1.1 構成:2.0)

200pxb000bittia01_1  

  

 

 

 

 

 

 

正確には、2005年にドロップされた作品になるのですが、

今年の2月、3月あたりに購入した作品なので、

今年のランキングにノミネートさせています。

というより、個人的には今年一番のスマッシュ・ヒットだった本作。

きっと他メディアで本作をこのランキングに位置付ける、

あるいは10位以内はおろか、

20位以内に位置付けることはないでしょう。

正に独断と偏見!

本作は何がすごいって、

その完成度の高さです。

各楽曲単位でのクオリティーの高さはもちろん、

作品全体の構成に至るまで完璧に仕上げられています。

 

第3位 RHYMEFEST

「BLUE COLLAR」

オススメ度 9.3 

(ラップ:1.8 トラック:2.0 キャラ:1.7 話題性:1.8 構成:2.0) 

200pxbluecollaralbumcover_1  

 

 

 

 

 

 

 

今年一番インパクトのあった本作は、

HIP HOPとして一番楽しめた作品でもありました。

新人ながらに集結された豪華プロデューサー陣の名が

彼の実力の高さを裏打ちしています。

僕はスキルフルなラッパーが大好きなのですが、

今年聴いた作品群の中で唯一印象に残った、

ラップ力を前面に押し出した作品といえるでしょう。

 

第2位 THE GAME

「DOCTOR'S ADVOCATE」

オススメ度 9.3

(ラップ:1.7 トラック:1.9 キャラ:1.9 話題性:2.0 構成:1.8)

200pxthegamedoctorsadvocate_2   

 

 

 

 

 

 

 

もうハッキリ言って、この作品を1位にしようかどうか、

記事をアップするギリギリまで悩みました。

記事を書き始めた当初の予定では、

本作を1位とするつもりでいましたし、

もし僕が今の時点でシラフだったなら、

きっと本作を1位に挙げていたでしょう。。。

各楽曲単位での仕上がりも、全体的な構成も、

文句なく素晴らしかったです。

しかし、彼自身の前作が与えた影響力があまりに大き過ぎて、

どうしても物足りなさを感じずにはいられない。

DRE による魔法を打ち破ったかに見えた本作も、

未だその影響下から逃れられずにいる。

その印象を強めただけに、

1位に挙げるのを躊躇ってしまいました。

しかしながら、素晴らしい作品いは違いないです。

今年一番繰り返し聴いた作品でもあります。

 

 

そして、

2006年栄光を勝ち取ったのは・・・

・・・・・

・・・・・

・・・・・

第1位 HI-TEK

「HI-TEKNOLOGY 2」 

オススメ度 8.9

(ラップ:1.7 トラック:2.0 キャラ:1.6 話題性:1.6 構成:2.0)

200px1211962913_l_1_1   

  

 

 

 

 

 

 

第4位に続いて、本作をランキングに、

しかも第1位に挙げるメディアもきっと他にないでしょう。

ここまでくると独断と偏見を通り越して、

唯の天邪鬼なだけかもしれません。。。

第2位に挙げた THE GAME と並べて、

どちらを1位にしようかこの2-3日の間、

悩みまくっていました。

しかし、作品の完成度という点において、

本作の方が THE GAME のそれより

一歩秀でていたように思えます。

そのあたりが勝因かな。

あと、酔っ払った時に両作を流して聴いていたのですが、

HI-TEK の方が耳心地が良かった。

酔っ払ってチルった時に耳心地が良いというのは、

とても大切な要因になってきます。

プロデューサーとして円熟期を迎えた HI-TEK の

完璧に調和の取れた世界観を見事に描ききった力作で、

ぜひとも皆さんに聴いてもらいたい作品になります。

 

 

 

とまあ、

まったく “オススメ度” を無視したランキングが並びましたが、

それこそ独断と偏見です。

2006年を総括すると、ビッグ・ネームの作品に対して、

あまり良い印象を覚えていない一年だったと思います。

MOBB DEEP 、BUSTA RHYMES 、DMX 、

OUTKAST 、LUDACRIS 、P. DIDDY 、JAY-Z ・・・

その分、作品に対してインパクトに欠けるところが大きかったかな。

そういう意味で、2005年の THE GAME や LIL' WAYNE のような

強烈な作品を見出せませんでした。

そのあたり非常に残念に思えるのですが、

逆に GHOSTFACE & TRIFE 、DJ MUGGS V.S. GZA 、

そして1位に挙げた HI-TEK など、

切れ味の鋭い小味の利いた完成度の高い作品が

よく耳に付いた一年でもありました。

 

 

さて、皆さんのランキングはどうだったでしょうか?

 

 

2006年12月30日 (土)

「2006年ベスト・アルバムTOP10 (前編)」

2006年も残すところ、あと一日と数時間となりました。

そんな今年を総括する意味で

勝手なランキングを独断と偏見をフル活用して

“2006年ベスト・アルバムTOP10” の

10位から6位までを厳選し、発表したいと思います。

 

では、

第10位 GNARLS BARKLEY

「ST. ELSEWHERE」

オススメ度 8.1 

(ラップ:1.2 トラック:1.8 キャラ:1.6 話題性:1.7 構成:1.8) 

200pxst_elsewhere_cover_art_1  

 

 

 

 

 

 

 

元 GOODIE MOB の CEE-LO と、

DANGER MOUSE の変則的なこのユニットの本作は

今年一番のサプライズとして

HIP HOPの枠を超えて世界中で大ヒットしました。 

ラップ・マニアの僕がラップの入っていない本作を選ぶほど、

それだけ本作がカッコイイというコトです。 

 

第9位 PIMP C

「PIMPALATION」

オススメ度 8.3

(ラップ:1.6 トラック:1.8 キャラ:1.6 話題性:1.4 構成:1.9) 

200pxpimpalation_1   

 

 

 

 

 

 

 

久々にシャバに戻ったその開放感を見事に捉えた②をはじめ、

非常に素晴らしい楽曲を揃えた充実作でした。

相棒 BUN-B を筆頭に、

地元H-TOWNコネクションから錚々たるメンツを従えて、

正に隙間のない構成が魅力的です。

 

第8位 GHOSTFACE KILLAH AND TRIFE DA GOD

「PUT IT ON THE LANE」

オススメ度 8.2

(ラップ:1.6 トラック:1.9 キャラ:1.6 話題性:1.2 構成:1.9)

200pxputitontheline_1  

 

 

 

 

 

 

 

これは正確には2005年に発表された作品なのですが、

購入したのが今年の2月、3月あたりだったので、

今年のランキングに加えております。

とりあえず、直属の子分一番手として、

単独の名義では弱いと見て

GHOSTFACE 自身の舐めも加えて制作された本作、

小粒ながら非常にカッコよい出来映えになっております。

GHOSTFACE は本作以外にも、

自身名義で二作発表しており、

WU-TANG 勢の中ではなかなか充実した活動を

我々に披露してくれています。

ちなみに、年末に発表された新作は来年のランキングに回します。

 

第7位 T.I.

「KING.」

オススメ度 8.9 

(ラップ:1.7 トラック:1.8 キャラ:1.9 話題性:1.9 構成:1.6)  

200pxking_28album29  

 

 

 

 

 

 

 

その題名に偽らぬ王道的な作風で

非常にクオリティーの高い作品だった本作。

全体的な構成よりむしろ楽曲単位での粒の立ち方が

今年聴いて来た作品の中で群を抜いて立っていた。

特に本作中での JUST BLAZE の仕事は素晴らしかったです。

 

第6位 RICK RO$$

「PORT OF MIAMI」

オススメ度 9.0

(ラップ:1.6 トラック:1.9 キャラ:1.8 話題性:1.8 構成:1.9)

200pxport_of_miami  

 

 

 

 

 

 

 

今年発掘した新人君の中では一番注目度の高い作品でした。

その風貌からライム・スタイルに至るまで、

新人らしからぬふてぶてしい風貌と貫禄を見せつけ、

作品の完成度も極めて高かった。

MIAMIスタイルをスタンダードとして全国区へと押し広める

その技量の幅の広さと奥の深さに、

思わず引き込まれてしまいます。

 

 

ちなみに、次点では、

LOON 「NO FRIENDS」

XZIBIT 「FULL CIRCLE」

が入っていました。

上記2作品もなかなか素晴らしい出来映えで、

ぜひランキングに入れたかったのですが、

TOP10の枠に収まらず、

ここで簡単に紹介するに留めておきます。

明日は、2005年の総決算ともいえる

“2005年ベスト・アルバム トップ10”の

5位から1位を紹介します。

お楽しみに!

2006年12月29日 (金)

「2006年ベスト・シングルTOP10」

今年も残す所、あと三日となりました。

ようやく仕事の方も一段落ついて、

この休み間こそ、

溜まりに溜まりまくった新譜を

ここで紹介しきってしまいたいと考えています。

・・・が、その前に、

年の瀬最後の三日間は

この一年を振り返るランキングを紹介するのに充てましょう。

 

ます、今日は

“2006年ベスト・シングルTOP10” の

ランキングの発表です。

まあ正確に言えば、

僕はDJじゃないので、

正式なシングルじゃない曲でも並べちゃうのですが、

そこはご愛嬌ってコトで。

では、始めましょう。

第10位 GHOSTFACE KILLAH 「DOGS OF WAR

「FISHSCALE」 収録)

このギターのリフを使ったビートの狂い様は凄まじいです。

まさか PETE ROCK 様がお作りになられたとは。。。

実験的且つ、攻めの姿勢を今も忘れていない PETE 御大に

感涙してしまいます。

 

第9位 THE GAME 「COMPTON」

「DOCTOR'S ADVOCATE」 収録)

今をときめく BLACL EYED PEAS の首謀者、

WILL. I. AM がらしからぬロウなビートを制作。

この楽曲のイカレ具合が最強です。 

 

第8位 T.I. 「I’M TALKIN’ TO YOU」

「KING.」収録)

JUST BLAZE 制作の超攻撃的なオケに

普段は澄ましたフロウが特徴の T.I. が

まるで噛み付くかのようにイカツい被せ方で

フロウをかましているのが素敵です。

  

第7位 THE ROOTS 「CAN'T STOP THIS」

「GAME THEORY」 収録) 

この曲は J. DILLA が制作したもので、

彼の訃報後に出された彼名義のインスト集にも

このオケは収録されていたのですが、

ラップ好きの僕としてはボーカル入りの方で

こちらにエントリーさせていただきました。

R.I.P. JAY DEE !!

 

第6位 HI-TEK 「JOSEPHINE」

「HI-TEKNOLOGY 2」 収録)

メロディアスで抑揚と深みのあるオケと、

郷愁を描き立てるコーラス、

それに空間を捉えたようなラップの、

この三様のバランス感覚が正に完璧です。

ちなみに、この曲に参加している GHOSTFACE は

自身の新作でこの曲を収録していますが、

HI-TEK 盤と微妙に違っているのがミソです。

  

第5位 XZIBIT 「FAMILY VALUES」

「FULL CIRCLE」 収録)

疾走感のあるトラックに

カッチリ嵌め込んでいく XZIBIT のラップは正に爽快。

ものすごくタイトにまとめられているのにボリューミーに感じる点が、

この曲のクオリティーの高さを雄弁に物語っています。

 

第4位 JIM JONES 「MY LIFE」

「HUSTLER'S P.O.M.E.」 収録)

まだここで新譜のレビューを書いていないのですが、

JIM JONES の新作からのエントリー。

彼はヤサグレ具合が売りなのですが、

この曲はスタイリッシュで彼には似合わないようでいて、

しっかりカッコイイ曲に仕上げています。

 

第3位 YUNG JOC 「HEAR ME COMING」

「NEW JOC CITY」 収録)

実は、今年一番記憶に残っている曲かもしれません。

何と言ってもこの曲のフックが最強です。

この作品をお持ちの方はぜひ

巻き舌を駆使してフックの “BLLLLUUUPP, BLLLLUUP BUMPIN!”

を謳いましょう。

きっとその日一日の嫌なコトが忘れられますよ。

 

第2位 RHYMEFEST 「DYNAMITE」

「BLUE COLLAR」 収録)

楽曲タイトルその名のとーり、

破壊力バツグンの JUST BLAZE 制作曲。

RHYMEFEST 自身のメジャー・デビューの

華々しい幕開けという意味も込めて、

実にインパクトの強いストレートな楽曲でした。 

そして栄光の2006年ナンバー1シングルは・・・

・・・・・

・・・・・

第1位

THE GAME 「ONE NIGHT」

「OOCTOR'S ADVOCATE」 収録)

NOTTZ 制作の哀愁ループと

愁いを帯びた THE GAME のフロウが完璧なマッチング。

毎日のストレスもこの曲を聴いて癒されました。

昨年のシングル1位も THE GAME でしたが、

多少の贔屓を差し引いても、

やはり彼の作品のクオリティーは揺るぎ難く、

素晴らしいものでした。

何よりそこには成長の跡が見出されます。

心の琴線を掻き鳴らすようなこの曲が

2006年、僕が一番繰り返し聴いた曲になります。 

 

 

2006年12月27日 (水)

今年最後のD.I.T.C.

今年最後のD.I.T.C.・・・

と言っても、

アノ D.I.T.C. の話ではありません。

彼らの場合は “DIGGIN’ IN THE CRATES” ですが、

僕の場合、

D.I.T.C.D.I.T.C. でも、

“DIGGIN’ IN THE CD” になるのです。

。。。。。

。。。。

。。。

というワケで、

くだらない前置きをダラダラと書いてしまいましたが、

要は新譜を漁ってきた、

ということを書きたかったのです。

 

先週末の土曜に買いに行ってきたのですが、

お目当ての NASGHOSTFASE を筆頭に、

CLIPSEYOUNG JEEZY もあって

思わずニンマリしてしまう。

Z-RO はなかったけど、

他に、YING YANG TWINZTRICK DADDY

LIL SCRAPPYBLACK JAK

計8枚を買いました。

その内、5枚が南部産だから、

ちょっと偏りすぎてしまったけど、、、

まあいいや。

あと、

ROC-A-FELLA が昔行ったツアーの

裏舞台を撮影した、

その名もまんまの

「BACK STAGE」 というDVDと、

前々から欲しかった、

SPIKE LEE 監督の 「CLOCKERS」 のDVDを買った。

 

・・・・・

 

正月休みこそ、

頑張ってブログを更新して、

新譜を紹介したいと思っています。

 

では、次回から

三回に分けて、

「2006年ベスト・シングルTOP10」

「2006年ベスト・アルバムTOP10 (前編)」

「2006年ベスト・アルバムTOP10 (後編)」

を披露したいと思います。

お楽しみに!

 

 

 

 

2006年12月23日 (土)

省エネしすぎのハイ・ペース

歴史に名を残す、、、

とまでは到底いかないのだが、

それでも結構なハイ・ペースで

毎年シレ~っと作品を出し続けているヤツ。

FAT JOE

彼の新作が今年も懲りずにドロップされた。

「ME ,MYSELF & I」 だ。

200pxfatjoemmicover_1  

 

 

 

 

 

 

 

 

キャリアも長く、

結構な重鎮のハズなのに、

FAT JOE に対するメディアの扱いは至って軽い。

ヘタをすると、

かつての舎弟分で、

死して伝説となった BIG PUN より

彼の扱いは軽いのではないだろうか?

というより、

彼がほぼ毎年のようにドロップし続けている

その諸作品のあまりのミニマムさにこそ、

その原因があると言っても間違いではないのだろうが。。。

 

性懲りもなく、

通算枚目となる本作も、

小品と言えば小品です。

しかしながら、

本作のミニマルな作風はこれまでの小品とは違って、

なかなかに粒が立っている。

結構好きです。

全12曲、50分弱の

そのあまりにコンパクトにまとめられた構成は、

確かに強烈なインパクトに欠けますが、

それなりのクオリティーを感じさせる楽曲群が

揃えられています。

例えば、

②の攻撃的なオケと JOE のフロウは

圧力があってなかなかカッコイイし、

LIL' WAYNE をゲストに招いた③のタイトさは

なかなかに良い仕上がりを見せています。、

②、③ともにオーソドックスなループが

HIP HOPの音源の普遍的なカッコよさを醸し出しています。

WAYNE のラップの適度な絡まり具合も素晴らしい。

続く④は、南部の流行を取り入れた、

SCREWED & CHOPPED仕様。

このあたりに、

最近のシーンに対するムーブメントを作り出せないでいる

N.Y.のアーティストとしてのジレンマを感じられますね。

続く⑤も、ユルいオケに、

ゲストの THE GAME

いかにもWEST COASTを意識して作成された楽曲が、

N.Y.の現在の不振を

逆に露呈させてしまっているような曲になっています。

④も⑤も決して悪い出来ではないのだけれど、

生粋のN.Y.スタイルHIP HOPファンの僕としては、

何だか残念に思えて仕方ないです。

⑥は緊張感を煽るような、

なかなかカッコイイオケなんだけど、

ここに被さる JOE のフロウが

いかにも弱々しい。

②で見せたような

昔のイカツいスタイルでガシガシライムしてくれてった方が、

彼の場合、

絶対カッコイイと思うんだけどな。。。

COME ON , MAN!FLOW JOE!!

とか何とか言ってると、

続く⑦は完全に

ゲスト参加で再び登場の LIL' WAYNE 寄りの楽曲なのだから、

どっちがゲストだか分からなくなるくらいだ。

でも、これはこれで悪くないんだよな。。。

そのあたりが微妙な印象を与えるのだけど。

それに対して⑧は、

シックな古いN.Y.スタイルを微かに感じさせるようなビートが

なかなかにオモシロい構成を見せている。

JOE のアプローチは

ここでもやはり弱めなのは気に掛かりはするが、

まあこれは彼なりの全国区に向けたスタイルなのだろう。

ストリングスが荘厳な⑨では

少し強めのフロウでアクセントを付け、

自身が伝説的なユニット、D.I.T.C. の一員であることの

その片鱗を見せてはいます。

この作品のハイライトとなるのが、

MICHAEL JACKSON 「MARIA」 をサンプリングした

⑪になるでしょう。

コレは確かに本作中では一番インパクトがあるのだが、

ビートがどうのこうの言うより、

JOE のラップがどうのこうの言うより、

偏にサンプリリングされた MICHAEL のボーカルが

もう一人勝ちしている状態です。

 

・・・・・

 

N.Y.スタイルの弱体化や、

JOE のフロウ・スタイルの弱体化について

云々してきましたが、

前述したように、

この作品自体はそれ程悪い出来ではありません。

ただ、そのまとまりのタイトさは、

各楽曲それぞれに対しても、

それから作品全体に対しても、

あまりにミニマル過ぎて、

どうしても物足りなさを感じずにはいられない。

と言って、

このまま同じような曲を足して、

曲数を増やしただけで

この物足りなさが改善されるとも思えないし。。。

って言うか、

何故、本作に TERROR SQUAD のメンツはおろか、

N.Y.のラッパーが参加していないのか??

・・・・・

僕は思うんですけど、

昨今のシーンに見合わせるような

全国区向けの、

全方位的でポップ・ライクな作品が売れると言う傾向に対して、

カウンター的な形で注目を浴びたのが、

昨年、一大勢力と成したH-TOWN勢や、

THE GAME だったのではないでしょうか?

HIP HOPからすれば地元賛歌は基本中の基本なのですが、

現在のそういった横並び的なシーンにっとて、

H-TOWN勢や THE GAME のような強烈なフッドへのアンセムは

新しいヘッズ達にとって逆に新鮮に映ったのかもしれません。

ともかく、

FAT JOE はこのスタイルのままで

誰が納得するのか?

ということを考えると、

いくら作品がタイトに仕上がっているからと言っても、

あまり喜べた話ではないと思われます。

 

COME ON , MAN!FLOW JOE!! 

 

オススメ度 8.2

(ラップ:1.6 トラック:1.7 キャラ:1.8 話題性:1.5 構成:1.6) 

 

 

 

2006年12月21日 (木)

秘密兵器

最近、仕事やらジムやら

忙しい、忙しいと言っていて、

それこそ記事を書く時間どころか、

音楽を聴く暇もない。。。

なんてココで書いていましたが、

そんなワタシに秘密兵器をプレゼントしちゃいました。

(もちろん自腹を切って買っただけなのですが)

SONY WALKMAN NW-A608 です。

 

Ruku9192002img600x45011659203571_1      

 

 

 

 

 

 元々、4GBのMP3プレイヤーは持っていたのですが、

こちらにはクラシック作品ばかりを詰め込んでしまったので、

新譜用にどうしてももう一つ

MP3プレイヤーが欲しくなったのです。

これで、

ジムでの運動中も絶えず新譜に密接した生活を

送れるようになったので、

僕としては大満足なのです。

容量は2GB。

これは絶えず新譜を更新させ続ける

専用のプレイヤーとして考えているので、

2GBもあれば充分でしょう。

元々、僕は音楽再生ツールに関しては、

SONYKENWOOD を贔屓にしていたので、

ⅰ-Pod より断然こちらを狙っていました。

コイツの優れている点は、

“3分充電 → 3時間再生”

というハイスピード充電の機能を備えているところです。

コレで毎日、安心して新譜が聴ける。。。

・・・・・・

・・・・

・・

・・・・・・・

・・・

そのワリに、

ブログの更新が相変わらず滞りがちで、

最近は記事が完成されないままアップされて、

追々で書いている始末なのですが。。。

 

言い訳をさせてもらえば、、、

年末に入って、

益々仕事が忙しくなって、

新譜を聴く時間はなんとかこの秘密兵器で確保できても、

記事を書く時間がどうしても確保できないというのが

悲しい実情なのです。

一日24時間じゃとても足りないなあ。。。

 

そういえば、

一人暮らしを始めた当初、

犬を飼おうかなとか考えていたのだけど、、、

とてもそんな所じゃないですね。

まあ、もちろん、

ペット厳禁のアパートなので、

元々無理な話なのですが。。。

モッフモフのゴールデンレトリバーを飼おうかなぁ、、、

なんて無謀なコトを考えていました。

でも、世話のコトを考えると、

時間的な余裕がまったくないので、、、

じゃあ、次はミニ・ウサギ、

あるいは百歩譲って金魚なんて。。。

ゴメンナサイ。

とてもムリそうです。

時々、ペットショップに行って、

ガラス越しに子犬を眺めて慰めにしています。

 

 

 

2006年12月18日 (月)

今年のNo.1アルバム最有力候補

実は、今すごくツボにハマっている新譜がある。

もちろんここで書くからには

正真正銘、米国産HIP HOPの

真っ黒な作品である。

別に勿体つけるワケじゃないけど、

コイツ、スゲー良いの!

それこそ、個人的な今年のTOP10ランキングの

上位三位のどこかに入り込むであろう、

それくらいにお気に入りの作品。

今日はそのとっておきの作品を紹介したいと思います。

誰あろう、

HI-TEK「HI-TEKNOLOGY 2」 です!!

200px1211962913_l_1  

 

 

 

 

 

 

 

かつて、TALIB KWELI とのユニット、

REFRECTION ETERNAL での活動から、

この二人をして、

PETE ROCK & C.L.SMOOTH の再来”

とまで呼ばしめた実力者、

HI-TEK

僕はその称号をあえて今こそ、

ここに持ち出すべきだという必要性をすら

感じているくらいです。

それはつまり、

伝説的とも言えるクラシック作品、

PETE ROCK の初ソロ作となる

「SOUL SURVIVOR」 に勝るとも劣らぬ

作品としての完成度、充実振りを

この HI-TEK の2ND作から感じ取れるからなのです。

・・・と、

こう書くと確かに語弊が出るかもしれません。

何せ、PETE ROCK「SOUL SURVIVOR」

鬼の様なクロさを湛えた伝説のHIP HOPアルバムだったから。。。

鬼の様にクロいグルーヴネスを湛えたビート群に、

鬼の様に第一線で活躍していた達人レベルのラッパー達を

これでもかっ?!ってなくらい

詰め込みまくって、

しかもそれで作品として完全にまとまったモノだったから。。。

それと比較して、

HI-TEK の本作は確かにそこまでへヴィーな

クロさを湛えているのか?

というと、

さすがにそこまで断定しては言い切れない部分もある。

しかしながら、

適材適所に配置された

達人レベルのゲスト陣の配置や、

各楽曲の構成はもちろん、

作品全体としての構成力の高さは、

PETE ROCK のそれを遥かに上回るほどに

完成度が高い。

 

まず、

イントロ明けのスウィンギンな②からして、

楽曲の完成度の高さに耳を奪われてしまう。

この曲では HI-TEK 自らラップを披露しているのだが、

HI-TEK のラップ自体、かなり珍しいもので、

僕としては TALIB KWELI との

REFRECTION ETERNAL 名義、

「THE BLAST」 以来、耳にすることになる。

我の強いMCと比べて、

プロデューサーがメインで、

ラップもこなすというアーティストにあっては、

PETE ROCK をはじめ、

KANYE WEST Q-TIPRZA

SWIZZ BEATZ 、故 JAY DEE らを含め、

得てして、

自身のビートを最大限に引き立てるようなフロウなのが

その最大の特徴なのだが、

ここで聴かれる HI-TEK のラップも

そのご多分に漏れず、

ビートの属性を最大限に引き立てている。

続く③では、

流麗な DION のコーラスが楽曲をやさしく包む上で、

上記の Q-TIP

それに D.P.G.KURUPT

マイクを交わしています。

そこには完全なる調和が感じられ、

ビートとコーラス、ラップが

一つのハーモニーとして溶け合っています。

愛息を配した④のインタールードまでもが、

楽曲としてきちんと成立している所に

今更ながら驚かされるのですが、

続く⑤のシンガー AYAK と、

旧友 TALIB KWELI を配したこの楽曲での

その完成度の高さにも改めて驚かされることでしょう。

それこそ前述 「THE BLAST」 以来の

二人のラップのコラボレートが聴けるワケです。

この⑤でも、

そこに感じ取られるのが、

楽曲としての完全な調和です。

特に HI-TEKKWELI の相性の良さは

本当に素晴らしいです。

先程から “調和” 、“調和” と申しておりますが、

更に輪をかけてすごいのが、

続く⑥になります。

この曲は本当にズバ抜けています。

バックに THE WILLIE COTTRELL BAND を配し、

GHOSTFACEPRETTY UGLY

ラップを披露しているのですが、

ビート、コーラス、ラップのバランス感覚が

完璧に調和していて、

その音楽がまるで身体に沁み込むように入ってくるのです。

この楽曲に関しては、

その音楽性があまりに高過ぎていて、

HIP HOPの枠を超えかねない危険性も孕んでいるのですが、

それこそギリギリのところで

HIP HOPたらしめている絶妙のバランス感覚にも

注目していただきたいです。

そこでポイントとなるのが GHOSTFACE の配置なのですが、

彼のラップがあるからこそ、

この曲がHIP HOPの枠を超えようとする音楽性と、

HIP HOPを繋ぐ調和を産み出しているのです。

この曲のもたらす音楽性とHIP HOPのバランス感覚、

調和が作品全体に及ぼす影響は

測り知れないほど大きいでしょう。

⑥は本作のハイライトと呼べる一曲でしょう。

続く⑦は一転してド真ん中のHIP HOPループが際立ちます。

BUSTA が息巻くラップが小気味良く耳に馴染みます。

⑥をハイライトといいましたが、

もう一曲のハイライトとなるのが、

続く⑧です。

N.Y.出身の実力派、

JADAKISSKWELI RAEKWON らが参加したこの曲、

②でコーラスを披露した DION

ここでも活躍しています。

皆さんも一度は耳にしたことがあるかもしれない有名曲、

ANDY WILLIAMS「LOVE STORY」

サンプリングしたこのビートが

いかにもデキ過ぎなカンジもしないでもないのですが、

聴き齧っていくとクセになるループで、

終いには “いかにもN.Y.を語る上でピッタリ!”

なんてな具合に聴こえてくるのだから

不思議なものです。

にしても、

とにかくシブい。

やはり、

まずラッパーの人選からしてステキ過ぎるでしょう。

実際、HI-TEK

OHIO州のCINCINNATI出身なんだけど、

いかにもN.Y.アンセムなこの曲は、

最近元気のないN.Y.のシーンに対して、

純粋な愛情を見出せる一曲となっています。

続く⑨は小品ではありますが、

今、旬の THE GAME がヴァースをキックした、

ユルいWEST COASTテイストの一曲に仕上がっている。

このあたり、

最近、現在制作中となる

DRE「DETOX」 のスタッフとして参加している

HI-TEK の現在の顔というものが

チラリと覗いているかのようだ。

WEST COAST繋がりで言えば、

続く⑩も L.A. から

XZIBIT 率いる STRONG ARM STEADY が参加している。

楽曲自体はN.Y.っぽい、

疾走感溢れるループが特徴的なトラックで、

そこに被さってくるイントロの XZBIT のボーカルが

なかなかカッコイイ。

でも、よくよく考えてみると、

XZBIT って STRONG ARM STEADY

離脱したんじゃなかったっけ?

一転、ユルくてメロウな⑪を挟んで、

作品全体にゆとりを与えながら、

三度、DION の素晴らしいボーカルに、

KWELI の参加した⑫がビビッドに映える。

この DION なる男性シンガー、

どうやら HI-TEK が起こしたプロダクションの

お抱えアーティストらしい。

この作品での活躍から、

今後の DION の活躍がかなり期待できそうである。

書く必要もないのだろうが、

相変わらず HI-TEK のビートと

KWELI のラップの相性は格別だ。

だが、惜しむらくは、

KWELI のライムについて、

もうちょっと長いヴァースを聴いてみたいな。

そうなってくるとやはり、

REFRECTION ETERNAL 復活を

待望せずにはいられないです。

⑬では、

⑥で素晴らしいハーモニーを披露した

THE WILLIE COTTRELL BAND が再度登場。 

この曲はラップがまったく入っていないのだが、

それこそ⑥での GHOSTFACE のアクセントが

効果覿面で作用を及ぼしていて、

ラップ・ファンの僕をして、

ラップがないことに違和感を覚えさせないでいる。

⑭はH-TOWNから

重鎮 BUN-BDEVIN THE DUDE が、

それに DIONPRETTY UGLY が一緒に参加している。

思いっきりレイド・バックしたオケで、

H-TOWNアーティストによく見合っている。

そして最終曲となる⑮の

アウトロとして終わってしまうのか?

と思わせておいてのこの出来の素晴らしさに

最後にきてまたまた感心させられてしまいます。 

留守電のメッセージに吹き込む、、、

ような構成で作られたこの最終曲は、

JAY DEE a.k.a. J. DILLA による

本物のメッセージから入って、

続いてストイックなライムがオケにピッタリの NAS

HI-TEK 自らがキックし、

続いて COMMON が思慮深げなヴァースを披露、

アウトロ部で BUSTA のメッセージと

最後にもう一度 JAY DEE のメッセージが流れて終わる。

この⑮でも、

ビートとコーラスとラップのバランス感覚が非常に素晴らしく、

楽曲としてのまとまり、

包み込まれるような安定感を

感じずにはいられない。

 

先に書いた比較対象の

PETE ROCK 「SOUL SURVIVOR」

鬼の様なイカツいクロさに括られるとすれば、

本作は

ビートとコーラスとラップとの

完全なる調和に括られる作品である。

その意味で、

両作品共に方向性は違うのだが、

作品としての完成度、

そして何より、

ゲストをまとめ上げたその手腕に対して、

共通したプロデューサーとしての確かな才覚を

感じ取らずにはいられないのである。

作品セールスやら、

レーベルのプロモーションやらを考えると、

世間的にはほとんど話題に上らないであろう本作ですが、

2006年を語る上で、 

僕としては外すことのできない大作として、

ぜひ皆さんに本作をお勧めしたいです。

 

オススメ度 8.9

(ラップ:1.7 トラック:2.0 キャラ:1.6 話題性:1.6 構成:2.0) 

 

 

2006年12月16日 (土)

KING IS BACK

シーンは今やこの話題で持ちきり。。。

“KING IS BACK!!”

そう、HIP HOP界の帝王、

JAY-Z が3年ぶりに

新作 「KINGDOM COME」 を引っ提げてカムバックした。

200pxjayzkingdomcome28front29   

 

 

 

 

 

 

 

すでに様々な媒体で絶賛の嵐を以って迎えられている本作。

実は僕、あまり好きじゃありません。

のっけからこんなこと言うのもナニですが、

期待値が高かった分、

失望感も大きかったというのが正直なところです。

HIP HOP専門誌でも、

音楽関連のサイトでも、

本作について非常に高い評価を得ているようなのですが、

僕としてはそれらの評価に対して

首を捻らずにはいられない有様です。

今回のレビューは、

そういった世間での評価と

僕自身の評価を対比させながら

書き進めていきたいと思います。

 

まず本作で耳に付いたのが

JIGGA のフロウの弱体化です。

まあそれは本作に始まったことではなくて、

前々作 「THE BLUEPRINT 2」 から

その兆候が激しく出ていました。 

JIGGA は元々ファスト・フロウが得意なのですが、

作品が売れるにつれ、

リリックをキャッチーに届ける為に

フロウに間を持たせるようになりました。

そこに更なるオリジナリティーを加える為に

独得の抑揚を持たせているのですが、

そのフロウが僕にはどうも気に入らない。

キャッチーなラップは

僕にとっては唯の軟弱なポップスとしか映らないのです。

例えば、

JUST BLAZE がなかなかイカツいビートを捻り出した③など、

せっかくのオケも JIGGA のヤワなラップが

台無しにしています。

LAFAYETTE AFRO ROCK BAND

「DARKEST LIGHT」 からサックス・パートをネタに使った

④のその大胆な作曲手腕にも

JUST BLAZE の才能が感じられますが、

このビートに合わせる JIGGA のフロウは

悪くないと思います。

ちなみにこのネタは PUBLIC ENEMY

「SHOW ‘EM WHATCHA GOT」 でもお馴染みですね。

THE GAME の新作中 「REMEDY」 でも

PUBLIC ENEMY へのオマージュを見せたJUST BLAZE 。

こういうのを聴かされると、

古いHIP HOPファンとしてはドキっとさせられます。

⑥の KANYE WEST が制作する楽曲は

完全にゲストの JOHN LEGEND 寄りのオケなのだが、

今の JIGGA のフロウはこういう場合でこそ

違和感なく映えているのが皮肉な感想です。

それは、

THE NEPTUNES が制作し、

USHERPHARRELL がゲスト参加する⑨、

SYIENCE なるプロデューサーの作る煌びやかなオケ上を

結婚間近と噂される恋人 BEYONCE と共演する⑩などでも、

同じ兆候が見られ、

客演者寄りのオケにこそ

JIGGA のヤワなフロウが良く映えているというのは、

何とも言いようがない。

現に SWIZZ の作るロウなビートがいかにもらしい⑫では、

JIGGA のラップは明らかに浮いてしまっている。

 

。。。。。

 

 

改めて本作を検証してみると、

本作に対して抱く失望感は

まるでビートと JAY-Z のラップの相性の悪さ、

つまりは JIGGA 本人のフロウの変化に

耐えることのできないビートの不出来に

由来するように思えてくるのだが、

しかし、実はこの失望感の根源的な原因は

他の所にある事実が浮き彫りになった。

それは、

本作中⑧以外のほとんど全ての曲を

DRE がMIXしているということである。

確かに、DRE のMIX技術は素晴らしく、

ボーカルは鮮明に浮かび上がり、

音の一つ一つまでクッキリとした輪郭を持つ様は、

正に現在の音楽録音技術の最先端を

具現化していると言えるでしょう。

しかしながら、

そこで克明に浮かび上がった JIGGA のライムと

本作のビート群との相性の悪さまでも

露呈してしまうというのは

唯々皮肉な結果だったとしか言えない。

 

超V.I.Pなプロデューサー陣、ゲスト陣を迎え、

金に糸目をつけずに制作された

KINGの復帰作。

大絶賛を持って迎えられる王様を傍目から見ていると、

あのまま引退していた方が

絶対カッコよかったのに。。。

と思えてきます。

 

オススメ度 8.5

(ラップ:1.3 トラック:1.7 キャラ:1.9 話題性:2.0 構成:1.6)  

 

 

2006年12月13日 (水)

L.A. STYLE 三部作

THE GAME

XZIBIT

ときたので、

今回は “L.A. STYLE 三部作” ・・・ではないけど、

せっかくなのでこの作品を紹介しましょう。

SNOOP DOGG の通算枚目となる新作、

「THE BLUE CARPET TREATMENT」 です。

200pxbluecarpet   

 

 

 

 

 

 

 

“L.A”. とはいうものの、、、

正確には、

THE GAME はCOMPTONだし、

SNOOP はLONG BEACH、

XZIBIT にいたっては、

実は出身は西海岸でさえないDETROITなのだから、

実は生粋のL.A.っ子はこの中に誰一人いない。

でもあえて “L.A. STYLE” で括っちゃいます。

さて今回は、

この SNOOP の新作を通して、

L.A.及びWEST COAST HIP HOPの現在の立ち位置を

測っていきたいと思います。

 

 

WEST COAST HIP HOPが時代の潮流として持て囃され、

一大勢力を誇っていたのは、

今から十年以上昔の話です。

この十年の間、

東西抗争をはじめ、

仲間内での分裂など、

まとまりをなくしたL.A.勢力は個々での活動に終始し、

大きなムーブメントを作るに至りませんでした。

その間、

ATLANTAを中心とする南部系のムーブメントが盛り上がり、

昨年はいわゆるH-TOWN、

HUSTON産のHIP HOPがシーンの話題をかっさらいました。

そこで焦り出したのがL.A.を中心とする

WEST COASTのラッパー達です。

仲間内で争そっている場合じゃない!

西海岸復権をかけて、

内輪もめしていたかつての仲間達とヨリを戻し、

手に手を取り合い輪になって、

かつての強固なWEST COAST CONNECTIONを取り戻そう!

その中心にいるのが SNOOP であり、

現在のその復権にかける動きの集大成となるのが

本作なのです。

それだけに、

結論から言えば、

本作の完成度はズバ抜けて高いです。

個人的な感想だが、

SNOOP のソロ作品群の中では、

デビュー作に勝るとも劣らぬほどに

高いクオリティーを感じています。

正にWEST COAST HIP HOPの真髄を一枚にまとめ上げた

その歴史の結晶とも言うべき大作と呼べるでしょう。 

 

 

本作近年の彼の他の作品のどこがどう違うのか?

まずその違いを感じさせるのが、

イントロの①と続く②です。

幕開けを告げる GEORGE CLINTON に続き、

BATTLECAT の制作するビート上で、

短いながらにライムする①の SNOOP

あるいは、

FREQENCY なるプロデューサーの作る

ジャジーなオケの上でライムする②の SNOOP は、

明らかにこれまで築き上げてきた

彼特有のスムースな語り口調を身上とする

そのフロウとは違っています。

彼のフロウは

ビートを半拍遅らせて、

後ろの音に言葉を引っ掛けるようなスタイルを

これまで主流として用いていたのですが、

この①や②では、

珍しく前のめりでビートに被さるようにライムしているのです。

このスタイルはそれこそ今の彼にとっては珍しいのですが、

デビュー当初の 「DOGGYSTYLE」 で世界を熱狂させた、

緊張感溢れるGANGSTA BANGIN'を

見事に描き出したスタイルでもあるのです。

つまり彼はそのフロウ・スタイルからして

彼の原点回帰ともなる

WEST COAST HIP HOP復権の体現を

本作にて図ろうとしているのかもしれません。

盟友 NATE が歌い上げる、

FREDWRECK 制作曲の③に続く、

CYPRESS HILLB-REAL が参加した

THE NEPTUNES 制作の④でも

彼の初期作品に漲る緊張感溢れるフロウを

耳にすることができます。

それにしてもこのビート、

明らかに西寄りな作風なので、

NEP が作っている楽曲だとは

ライナーを読むまで気付きませんでした。

この④、ハッキリ言ってカッコイイです。

特に③からの流れで入ってくる掛かりのイントロ部や、

チープなフックは病みつきなるくらいカッコイイ。

最近 DRE 近辺でその名をよく見かけるようになった

NOTTZ の制作するクセのあるビート上で

R. KELLY が参加し歌い上げる⑤は

近年の SNOOP 作品ではお馴染みのスタイルだが、

やはり本作では亜流となるモノであろう。

続く⑥では西海岸を代表する豪華メンツが勢ぞろいし、

誰が主役か分からないほどに

熱いマイクを交し合っている。

中でも目立っているのが

BAY AREAの巨匠、E-40 の超絶的な変態フロウと、

DAZ のいかつく無骨なフロウである。

特に E-40 はここでズル剥けたライムを披露してくれていて、

そのスキルの高さやオリジナリティーを楽しませてくれている。

⑤での RICK ROCK の作るビートは音数が少なく、

それこそ NEP が作ったのかと思わせるほどだ。

TIMBALAND 制作のバウンシーな⑧は

SNOOP 作品では異色的だが、

なかなか堂に入っていてカッコイイ。

それにしても TIMBO の作り出すビートは

本当にボトムが太く、ロウだ。

楽j曲の構成、展開も

常人には思い付かないような広がり方をする。

続く重厚なオケの重く響く⑧では

SNOOP に非常に近しい存在である、

現在のWEST COAST HIP HOPの象徴とでもいうべき

THE GAME が参加している。

SNOOP が本作をして、

あるいは D.P.G. の復活や 213 を再集結して、

西海岸に働きかけるようになったそもそものきっかけは

この若き THE GAME なる男の存在にあったのではないかと

僕は見ているのだが、

そこに DRE を加えた

この三者のトライアングル的な関係性が

現在のWEST COAST HIP HOPを完全に象徴していると言える。

そして、出来過ぎな話ではあるが、

続く⑨で件の DRE がプロデューサーとして登場する。

ネタは BUSTA THYMES「E. L. E.」 内、

「EVERYBODY RISE」 でお馴染みとなる

THE CONTROLLERS

「IF TOMORROW NEVER COMES」 使いだ。

ちなみに、

BUSTA「EVERYBODY RISE」

NOTTZ が制作している。

僕としては NOTTZ の時のビートのインパクトが

あまりに強かったので、

少しビートが弱い印象を⑨で受けてしまうのだが、

それにしてもこのループは映えが良く、

鉄板である。

ここでは最近大活躍中の AKON が参加している。

続く⑩は BIGGIE「GOING BACK TO CALI」

イントロ部をループさせた

その名もまんまの 「LAX」

“LAX” はL.A. の国際空港の名前)

BATTLECAT の産み出す軽妙なオケの上で

ICE CUBE が参戦し、

奇怪なグルーヴを捻り出している。

⑪は再び NEP の製作曲になるのだが、

これもかなりロウなビートで、

NEP らしからぬ不穏な雰囲気を醸し出している。

ここに乗っかる SNOOP のフロウが

また緊張感溢れていてカッコイイのだ。

対照的に、続く⑫は

DRE 作の緩めのオケが哀愁を帯びて響く。

⑬、⑭、⑮は最近の風潮が混ざったカンジで、

ちょっと軽過ぎるかな。

やはりラップ好きな僕としては、

⑭、⑮のように

ラップのヴァースより歌の部分の方が長い曲は

あまり好ましくありません。

そういう意味では⑯も

AKON の歌い上げる部分の方が

SNOOP のラップ・パートより長いのですが、

まあこれは仕方ないかな。

リード・シングルとして切られたこの曲は、

AKON 制作による秀作です。

続く⑰も鉄板シンガー、

JAMIIE FOXX が制作、参加した曲です。

最近のメジャー作品には

必ずと言っていいほど JAMIE FOXX のゲスト参加した楽曲が

収録されている風潮にあるのですが、

僕としてはその必要性に対し

首を傾げずにはいられません。

とは言うものの、

本作内でのこの曲は

オケのチープさも含めて、

なかなかイケるクチです。

D12MR. PORTER が制作に絡んだ⑱の

色気のなさもステキなのだが、

続く⑲の鬼のようなイカツさは正に圧巻です。

しかもゲストには、

GOLDIE LOCMC EIHTKAMKURUPT!!

最強過ぎます。

特に MC EIHTKAM を招くなんて、

演出がニク過ぎですね。

コレがほんとカッコイイ。

僕の希望としては、

ミックス・テープのレベルでいいので、

SNOOP にこういうハードなGANGST BANGな作品を

今後出してもらいたいですね。

続く⑳は本作中でも目玉となる楽曲でしょう。

DRE 制作、参加に加え、

D'ANGELO もゲスト参加した秀逸の一曲。

オルタナティヴに展開するループと

D'ANGELO のソウルフルな歌声が美しく棚引きます。

そして最終曲、

STEVIE WONDER を迎えた、

DJ POOH 制作の軽妙な楽曲で

作品の幕を降ろします。

 

 

とまあ、

ほぼ全曲に触れて書いたので長くなりましたが、

それだけ本作がすばらしい出来だということを

皆さんに伝えたかったのです。

それこそPOP I-CONとして、

あまりハードな印象のなくなっていた

近年の SNOOP 作品に対して、

可もなく不可もなく、、、

といった評価をしか持たなかった僕にとって、

本作は

SNOOP の偉大さを改めて再確認できる作品でもありました。

それに西海岸の底力を十二分に堪能できる作品でもあります。

コレまでの記事で何度も振れてきた

“WEST COAST HIP HOP復権”

もう間もなく実現に近づいているように思えます。

THE GAME

XZIBIT 

SNOOP 、、、

さあ後は、

DRE 「DETOX」 で決定的になるでしょう。

 

オススメ度 9.1

(ラップ:1.7 トラック:1.8 キャラ:1.9 話題性:1.8 構成:1.9) 

 

 

 

2006年12月10日 (日)

久しぶりだね、X TO THE Z

前回の THE GAME に引き続き、

ウェッサイ繋がりということで、

今回は “MR. X TO THE Z” こと、

XZIBIT の通算6枚目となる新作、

「FULL CIRCLE」 を紹介したいと思います。

200pxfullcircle  

 

 

 

 

 

 

 

奇しくも THE GAME の先輩格として

DRE 門下で立派に結果を残し、

その後すぐに独り立ちした XZIBIT ですが、

その活動について、

MTV 内の車改造番組のホストをしていたという以外、

あまり情報が入ってこなかったところを見ると、

音楽環境的にはもしかすると芳しくなかったのかもしれません。

RCA から LOUD での絶頂期を経て、

SONY/COLOMBIA

そして今作の KOCH へのレーベル移籍の経歴を見てみても、

そのあたりの事情が伺えます。

しかしながら、

KOCH のイメージと XZIBIT のアングラなイメージは

非常に近しいモノがあるので、

この組合わせに違和感がありません。

というより、

相性ピッタリな予感が

本作を聴く前からプンプン漂っていました。

で、

フタを開けてみると・・・・・

 

 

イントロからしてシビレるほどに、

XZIBIT 本来の姿をまんま反映させたような、

JELLYROLL 製作の①で幕を開けます。

JELLYROLL 自身が担当するフックも効果的なこの曲が

作品のド頭を見事に飾っていて、

本作に対する期待値は俄然高まっていきます。

続く、楽曲の展開が非常に興味深い②も

JELLYROLL 製作楽曲になります。

更に続く③は、

WEST COASTの大御所、

DJ QUIK 製作によるモノ。

エフェクトで潰したボーカルを

軽妙なビートに乗せたアンバランスさが

絶妙な味わいを醸し出しています。

合いの手と最後のシャウトで

KURUPT の参加する④に続く⑤は、

他愛ないTVショウをパロったインタールードなのだが、 

このマヌケ具合が何度聴いても笑わせられる。

続く⑥はストーリーテリングが秀逸の作品だが、

この曲で言えるのは、

XZIBT のライミングの硬さについてだ。

それこそ、

前回の THE GAME の記事を書く為に、

この1週間あまり、

THE GAME の新作を聴き齧っていたものだから、

彼のユルイ (悪く言えば “拙い” ) ライムが

耳にこびりついていたので、

この曲などで聴かれる

XZIBIT の硬いライムを耳にしていると、

すごく新鮮に聴こえてくるほどだった。

流石というか、

ベテランとしての XZIBIT の実力を

こういうといころで改めて思い知るに至った。

RICK ROCK の作る呪詛めいた声ネタの⑦に続き、

のたくるウワモノが正にウェッサイなビート上を、

DAZXZIBITTHE GAME とマイクを回す⑧は、

“WEST COAST HIP HOP復権”

一役を担いうる一曲となるであろう。

特に力強い DAZ のラップがよく映えています。

続く⑨は本作中でも特に抜きに出て

クオリティーの高い楽曲に仕上がっている。

正にハイライトとも言うべき一曲です。

個人的には本作中、一番好きな曲で、

このテの楽曲に XZIBIT のラップが

また良く映えている所がミソでもある。

ラップというよりポエトリー・リーディングを

DRE 風なオケの上に乗せた⑩、

トリッキーなビートが実験的な JELLYROLL 製作曲⑪、

THE GAME の新作でも活躍を見せた DJ KHALI 製作のオケに

DJ QUIKKING-T という、

L.A.のラップ・レジェンド二人を迎えた⑫が続く。

更に⑬では、

JELLYROLL 製作の掴みどころのないようなビート上で、

BAY AREAの巨頭、TOO $HORT と、

再び KURUPT が参加し、

三者三様のやり方でWEST COASTを代弁している。

そして最終曲となる⑭。。。

このループも実に素晴らしい。

哀愁漂う流麗なループが紡ぎ出すシックな終幕は、

実はこのテのビートも得意にしている XZIBIT にとっては

正にお誂え向きの大団円である。

 

 

インディー最大のレーベルとはいえ、

きっと KOCH の性質上、

大々的なプロモーションは望めないであろう本作ではあるが、

しかしながら、

そこらに広まっている薄まった

“HIP HOP的作品”

と比較すれば、

格段にしっかり作り込まれた、

“製作者の制作した意図をしっかり汲み取れる”

作品に仕上がっているといえるだろう。

各楽曲のクオリティーも高く、

作品としての構成もかなり出来上がっている、

秀作と呼ぶに相応しい作品です。

 

オススメ度 8.6

(ラップ:1.8 トラック:1.9 キャラ:1.7 話題性:1.4 構成:1.8)

 

 

 

 

2006年12月 5日 (火)

STRAIGHT OUTTA ...

金網のフェンスに有刺鉄線、

昼間から何するでもなくポーチにたむろする男達、

その前を車で通り掛ると、

彼らの視線は緊張を帯びた警戒心を剥き出しにして

こちらに突き刺さる。

ギャング同士のドライブ・バイが

ここでは日常的な出来事だということを

彼らのその痛いまでの視線が雄弁に物語っているのだ。

道一本間違えて迷い込んだCOMPTONのストリートは

正に想像以上の乾いた緊張感に支配されている。

リリックから浮かび上がったそのままの光景だ。

 

僕がこの一年ブログを続けてきた中で、

一番に力を入れて書きたいと思っていたのが、

この作品である。

THE GAME の2ND作、

「DOCTOR’S ADVOCATE」

200pxthegamedoctorsadvocate  

 

 

 

 

 

 

  

THE GAME

言わずと知れた、

時代の寵児。

デビューからまだ2年しか経っていないのだが、

その動向の一々に尾鰭が付き、

ゴシップのネタとして

絶えずシーンに足取りざたされてきた男が

様々な話題を引き連れたままドロップしたこの2ND作。

50 CENT との確執から、

とうとう偉大なる師、DREAFTERMATH を去ってまでして

独力で作り上げた本作を、

まずは純粋に2つの点で評価して

このレビューを進めていきたいと思います。

“ラップ”“ビート” について。。。

 

 

では、まず “ラップ” について。

今作と前作の決定的な違いは

このラップにある。

ここで挙げられるのは、

DRE のトータル・プロデュースの有無についての

その影響力を顕著に感じることが出来る。

唯でさえぶっきらぼうに吐き捨てるようなスタイルの

声の篭りがちな THE GAME のライミングは、

今作内において

かなりその傾向を強めている。

そのあたり、

やはり DRE の影響力の有無を感じずにはいられないのだが、

前作でギミックに括られ過ぎた THE GAME としては、

ラッパーとしての再評価に繋がる部分もあるのではなかろうか?

例えば、

本作を発表する以前の

THE GAME の動向に目を向けてみると、 

50 率いる G-UNIT 勢との熾烈な抗争において、

「300 BARS AND RUNNING」 を代表とする

数々のフリースタイルを発表し、

彼らを猛烈に攻撃すると同時に、

そのスキルに更なる磨きをかけていた。

つまり、本作は

前作でのギミックにまみれたキャッチーさと引き換えに、

よりコアでスキルフルな THE GAME のラップが

十二分に楽しめるというのだ。

確かに、

リリックに目を通していると、

L.A.賛歌、ギャングスタ賛歌は相変わらずとしても、

前作に見られないような、

より意味深長な深みのある内容を

そこに見出すことが出来る。

特に顕著なのが⑩、⑪、⑫の流れの中で、

シリアスな語りの⑩、

DRE への私信的な本音が述べられている⑪、

そして無情なCOMPTONのストリートを物語る⑫は

正に THE GAME の等身大の姿が映し出されたような

ある種の生命力に溢れたリリックを堪能できる。

もちろん、

得意のギミックにまみれたスキャンダラスなゴシップも

満面に鏤められて、

相変わらず聴いていて飽きない、

その面白味も彼の魅力の一部なのだが。

しかしながら、

やはりラップのパッケージングとしては、

DRE 不在のその影響としてか、

エフェクト仕事が多少雑なので、

先程も書いたように、

前作と比較すると聴き取り難いのが難点である。

 

続いて、“ビート” について。

何度も書いているが、

DRE のトータル・プロデュースがないのはもちろん、

DRE 自身の製作するビートも

本作には収録されていない。

しかしながら、

その辺りの影響は

全楽曲の構成を通してみても

さほど影響は内容に思われる。

確かに、前作の楽曲構成は

完璧に近い出来映えだったが、

今作のそれも前作に引けをとらない

すばらしい出来映えであると言えるだろう。

プロデューサー陣には、

前作に引き続き、

SCOTT STORCH

JUST BLAZE

KANYE WEST

HI-TEK らが参加。

更に新加入組としては、

BLACK EYED PEASWILL. I. AM

SWIZZ BEATZ

NOTTZ

最近活躍目覚しい “J.R. ”

D12MR. PORTER

それに西海岸色の濃厚な JELLYROLL らが参戦している。

順を追って解説していくと、

まず最初に耳を惹くのは

西海岸出身の DJ KHALIL の製作する②だ。

うねりが特徴の振れ幅のあるウワモノが

いかにもウェッサイな加工を施されていて、

ビビッドに映えている。

続く③は JUNIOR REID をゲストに迎えた、

本作からのファースト・カットとなる曲だが、

これは狙いすぎな所が耳について、

あまり好感が持てない。

今の所、本作からはこの③に続き、

SCOTT STORCH の製作した⑥、

KANYE WEST が製作し、

自らヴァースをキックした⑧が

シングルとして切られているが、

僕としてはあまりに妥当な選曲すぎて、

面白味を感じないでいる。

その点では、

本作内でインパクトの強い曲を押すなら

WILL. I. AM が製作し、

フックを担当する④はかなりパンチガ利いていて、

断然オススメできる。

特にイントロ部のとぼけたボーカルから、

THE GAME のシリアスなボーカルが重なる

そのコントラストがたまらなくカッコイイ。

ビート自体も、

最近、メジャーで大成功して以来、

そちらの方向性へ大きく偏った感のあった

BLACK EYED PEAS の作風がウソのように思えるほど、

ハードで硬派なのも気に入っている。

続く⑤も本作中、ハイライトとなりそうな曲で、

JUST BLAZE が製作、

泣く子も黙る、

ISAAC HAYS

「HYPERBOLICSYLLABLICSEQUEDALMISTIC」 使い。

これは PUBLIC ENEMY

「BLACK STEEL IN THE HOUR OF CHAOS」 でお馴染みのネタだが、

この曲もインパクトが強いので、

シングルで切っちゃえばいいのにと思ってしまう。

JUST BLAZE は時々、

信じられないくらい神掛かったカッコイイ曲を作り出す。

よく比較される KANYE WEST の最近の作品が

妥当な線に流れがちであるのに対し、

JUST BLAZE は決して実験的とまでは言わないが、

挑戦的な作風が目立っていて、

素晴らしいクオリティーを備えたモノが多いように思える。

前述のシングル曲⑥に続く⑦も

SCOTT STORCH 製作曲になる。

NATE DOGG の参加とタイトなオケが絶妙にマッチした

SCOTT STORCH 会心の一曲に仕上がっていて、

THE GAME のいきんだラップが良く映える

聴き応え充分の自己賛歌である。

KANYE 製作、参加のシングル曲⑧は、

前作の 「DREAMS」 に続く二人の相性の良さを

十二分に証明している。

続く、⑨は SWIZZ BEATZ 製作による曲になるのだが、

この曲も破壊力がスゴイ。

なんて太いビートなんだ。

あまりに色気がなさすぎてカッコよすぎる。

それにしても、

この曲での THE GAME のフロウは

エフェクトの加減もあるのだろうケド、

まるで NAS のそれのように聴こえる。

多分、ラップ・マニアの THE GAME としては、

NAS のフロウも多分に研究しているのだろう。

その影響が見え隠れしていてもおかしくはないハズである。

それにしても似ている。。。

“ラップ” の所でも触れた⑩、⑪、⑫の流れは、

“ビート” の観点から見ても

秀逸の楽曲が並んでいるといえるだろう。

まず、NOTTZ 製作の⑩に注目していただきたい。

NOTTZ は元々、BUSTA RHYMES 作品などで

注目を集めてきたプロデューサーだが、

印象としてはもっとはじけたようなビートのイメージがある。

しかしながらこの⑩では、

シックで流麗なループをシンプルに加工したオケが

リリックの詩情を描き立て、

世界観に抑揚のある深みを与えている。

実は僕が本作内で一番好きなのがこの⑩なのだが、

それこそ流麗なループはいくら聴いても聴き飽きないという

その事実を証明してくれている一曲である。

続く⑪は JONATHAN “J.R.” ROTEM 製作による曲。

前述したように、

THE GAMEDRE に送る

(あるいは SNOOP に送る)

私信的な楽曲なのだが、

リリック上に垣間見られる THE GAME の本心を

映し出したかのような憂慮に満ちたオケが

シリアスに映えている。

“J.R.” の名は昨今のメジャー作品中で

必ず目にするまでに、

現在売れっ子として大活躍している

若手筆頭のプロデューサーである。

若い頃からの音楽の基礎的な素養が出来ているだけに、

彼の生み出す楽曲は幅が広く、

構成がしっかりしているのが特徴だ。

続く⑫は HI-TEK 製作による楽曲。

最近、自身の2ND作を出したばかりの彼なのだが、

本当に音楽性の豊かな楽曲を作り出す。

この⑫も叙情に溢れるオケで、

THE GAME の紡ぎ出すストリートの物語を

情感タップリに彩っている。

SNOOPXZIBIT をゲストに招いたL.A.賛歌の⑬は、

“J.R.” 製作による楽曲。

SNOOPXZIBIT 両者ともに

同じく新作を発表したばかりだが、

THE GAME も含め、

三者三様のやり方で “WEST COAST HIP HOP復権”

目論んでいるのが良く分かる。

ちなみに、

SNOOP の新作にも、

XZIBIT の新作にも、

THE GAME はゲスト参加している。

このあたり、

THE GAME が前述の “WEST COAST HIP HOP復権”

担い手としていかに重要な役割を果たしているか?

ということが如実に現れていると言えるだろう。

続く⑭も DOGG POUND の二人をゲストに招いているあたり、

L.A.のGANG BANG色の強い楽曲に仕上がっている。

しかもプロデュースには JELLYROLL なのだから、

その耳当たりはモロだ。

MR. PORTER 製作、JAMIE FOXX 参加の⑮に続く最後の二曲、

JUST BLAZE 製作、NAS がゲスト参加した⑯と、

WILL. I. AM 製作、自身と FERGIE の参加した⑰は

個人的にはハッキリ言っていらなかった。

JUST BLAZEWILL. I. AM 二人とも、

先程大絶賛したばかりなので、

余計に残念である。

 

。。。。。

 

総評をまとめていこう。

本作についての評価の基準となるのが、

DRE 不在の影響が作品にどう作用しているか?!”

という点に集約されていると思うのだが、

“ラップ” の面では、

DRE 不在によりインパクトを損なうという

マイナス面も伺えはするのだが、

まあそれ以上に、

前作と比べてスキルフルなフロウが楽しめるし、

それ以前に、

個人的にあまり好きでない 50 のラップを

聴かされないで澄むというのがプラス点に繋がっている。

“ビート” の面においてこそ、

DRE 不在の影響が懸念されたのだが、

そんな心配もどこ吹く風といったところで、

今作も前作に劣らぬほどに完成度は高い。

DRE 不在でここまでできているのだから、

THE GAME の株も逆に上昇していると言えるだろう。

だが、

正直、前作ほどの魅力を感じなかったのも事実ではあるが。。。

 

オススメ度 9.3

(ラップ:1.7 トラック:1.9 キャラ:1.9 話題性:2.0 構成:1.8)

 

 

 

ちなみに、

彼の前作 「THE DOCUMENTARY」 の評価点は

オススメ度 9.7 (ラ:1.9 ト:1.9 キ:1.9 話:2.0 構:2.0)

でした。

これは当ブログの昨年 (2005年) の

ベスト・アルバム・ランキングで

1位の評価を与えています。

 

  

 

« 2006年11月 | トップページ | 2007年1月 »

最近のトラックバック

2017年1月
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30 31