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2006年11月 3日 (金)

パンチのないのが武器?!

様々な外的トピックをまとわせ、

シーンから注目を浴びながらデビューを果たした

シカゴからの新人、

LUPE FIASCO

彼のデビュー盤、

「FOOD & LIQUOR」

今日は紹介したいと思います。

200pxfoodandliquor  

 

 

 

 

 

 

 

いわゆる “ニュー・タイプ” ってカンジで、

まあ、平たく言や、

“オタク系” です。

THE NEPTUNES らの N.A.R.D.

KANYE WEST あたりが

現行シーンでその道を切り開いているのですが、

もっと遡れば、

NEW SCHOOL 期の NATIVE TONGUES

その流れの原初と言えるでしょう。

元々、自己顕示欲から発生し、

バトルの流れを汲むラップの歴史において、

マチズモ的な色が濃くなることは

ある種の必然性がありました。

だからこそ、

この音楽が拡大し、成長を続けていく中で、

そのマチズモに対するカウンターとして、

いわゆる “オタク系” が

確実に機能するということが、

歴史的に実証されているのです。

それこそ DE LA SOUL

1STのジャケットに鏤められたひなげしの花は

そういった象徴であります。

 

さて、

次世代を担う (予定の) 彼、

LUPE 君。

シカゴ出身の新人ということで、

以前、このブログで絶賛を以って紹介させていただいた

RHYMEFEST と比較されることがよくあるようです。

確かに、

RHYMEFEST のスタイルも

GANGSTA BANGIN' なカンジから離れたところにあって、

彼の場合は “BLUE COLLER” 視線から描かれた、

等身大の米黒人社会の生活を

鋭く切り取ったモノでした。

そういった社会性からは

多少かけ離れてはいますが、

今回の LUPE 君も

よくある GANGSTA SHIT とは

一味も二味も違ったスタイルを

堂に入って披露してくれています。

そのスタイルの特徴はというと、

正に今回のブログの表題のとーリ、

“パンチのないのが武器?!”

という点に集約されていると思えます。

それほどスキルフルというでもなし、

特徴的な声質というでもなし、、、

その癖、耳への引っ掛かり方が、

やはり他のよくあるような

マチズモ的なラップとは一線を画しているようで、

確かに違って聴こえてきます。

リリックにさらっと目を通してみましたが、

日常を取り上げながら、

そこに毒々しさというか、

生々しさはなく、

まるで夢見心地な世界を垣間見る思いでした。

そういった彼の独得の世界観を

上手く包み込んでいるのが、

本作の優れた楽曲群になります。

本作を大々的に取り上げている各メディアが、

まず一番に注目して書き立てているのが、

本作のトータル・プロデュースに

DEF JAM 総帥の JAY-Z

その名を連ねている点にあります。

ちなみに、

本作はその DEF JAM からの作品ではなく、

ATLANTIC からのドロップになるのですが、

それだから余計に、

JAY-Z のお墨付き” という話題が

先走りした感も拭えなくもありません。

しかも、

その他に、NEPKANYE

楽曲製作で参加しているという点も、

本作に華を添える話題となっていますが、

話題が先行しすぎたという感も

無きにしも非ずだと思います。

結論から先に言えば、

本作はメジャー会社であるハズの

ATLANTIC が製作したワリに、

どうもアングラ的な安っぽさを

作品全体に感じてならないのです。

ジャケ写やブックレットの作りの安っぽさもさることながら、

作品の全体的な構成が、

あまりに振れ幅が狭すぎて、

抑揚に欠ける仕上がりに留まっているのです。

先ほども書きましたが、

楽曲はそれぞれとても素晴らしい出来です。

それは前述した、

⑤の NEP 製作曲、

⑩の KANYE 製作曲だけに留まらず、

中堅どころで活躍を見せる

⑪の NEEDLZ

それに本作の大半の曲を手掛けている

SOUNDTRAKKPROLYFIC らの活躍にも

目を見張るモノがありました。

情感溢れるドラマティックな展開の曲が

本作内にはひしめき合っていて、

いかにもシカゴ流儀な装いを感じさせます。

僕もこのテのオケは嫌いではないので、

本作はけっこう多めにリピートして聴いているくらいです。

なのに作品全体の感想は、、、

例えば、

それこそ振れ幅の狭い所で、

同じような楽曲が並んでいることに対する

作品全体の展開のつまらなさを感じてしまう。

仕上がった作品を唯々、

並べていったような仕上がりに思えてしまうのです。

このあたり、

JAY-Z はともかくとして、

ATLANTIC はどうにかしようとしなかったのでしょうか?

メジャー作品にしては

お粗末に過ぎる仕事ではないかと

不満に思っています。

 

ちょっと辛口な批評にはなりましたが、

これは実際は LUPE 君に対しての酷評ではなくて、

メジャー・レーベルである

ATLANTIC への不満です。

でも、本作はメロディアスで、

とても聴きやすい曲がたくさん入っているので、

HIP HOPファンじゃない人でも

手に取りやすい作品ではあると思います。

 

非常に惜しい!!

 

 

ところで、

最後のシャウト・アウト、

やりすぎじゃない??

 

オススメ度 8.1

(ラップ:1.4 トラック:1.9 キャラ:1.7 話題性:1.9 構成:1.2)

 

 

 

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