無料ブログはココログ

リンク

« ようやく | トップページ | 燃え尽きた一ヶ月間 »

2006年7月 9日 (日)

BUSTA × DRE = ???

久しぶりの新譜紹介で、

何とか調子を取り戻したいと思います。

 

今日、紹介するのは

AFTERMATH に移籍して第一段目となる

BUSTA RHYMES の新作、

「THE BIG BANG」です。

7065595  

 

 

 

本作の注目点は一つ、

これまで強烈な個性を発揮し続けていた BUSTA

DRE 率いる AFTERMATH のサポートを得て、

いかに変容するか?

それに尽きると思う。

 

BUSTA といえば、

そのキャラクター性だけが一人歩きしていた状態の彼にとって、

作品、及びセールスに対する評価というものは

すこぶる低かった。

それはシーンが抱く彼に対するアーティスト・イメージと

彼の作品群に溢れる混沌めいた終末論の影や、

悲観論的なアナーキズムとの間に

ギャップを感じずにはいられなかったという

要因があったからだろう。

ELECTRAJ RECORDS と渡り歩た彼のソロ作品群は

僕個人の評価としては決して低いモノではなかったのだが、

世間の評価として、

これまでそれらの作品で

プラチナム・セールス(百万枚)に届くところが

精々だったというのは、

“BUSTA RHYMES” というネーム・バリューから考えても、

少し低評価に過ぎると

改めて思わずにはいられない。

今回の AFTERMATH への移籍は、

そんな状況を打破すべくとった

最終的な手段だったのではないかと僕は予想している。

 

そういった点に注目した形で

本作を傾聴していくと、

まず極論的な物言いになってしまうが、

この作品の傾向はド頭の①から⑤まで、

この5曲の並びで全てが物語られているかのように思える。

つまり、

BUSTA × DRE = ①、②、③、④、⑤”

ってコトだ。

この五曲分をまず解説していくと、

アルバムの幕開けとなる①は

いきなり DRE が製作に絡んだという楽曲に

ゲストで Q-TIP が参加しているという

豪華な顔ぶれがまず目に付く。

しかし、そのインパクトとは裏腹に、

楽曲中の神経に引っ掛かるような高音のウワモノが

彼のコレまでの諸作品に違わない

エキセントリックでアブストラクトな音楽性を

際立てているかのように耳を惹く。

これこそ BUSTA の真骨頂と呼べる作風なのだが、

DRE もそのことは充分承知していたのだろう。

続く②は SWIZZ BEATZ の製作楽曲で、

シングルとして切られている。

音数が少なく、空間的にスカスカの楽曲なのだが、

非常にインパクトの強い作りになっていて、

SWIZZ の潜在能力の高さを

改めて感心せずにはいられない。

③は DRE が単独で製作にあたった楽曲で、

曲調としては①に続く破綻したアナーキズムを

強く漂わせている。

ここでの BUSTA の低く抑えられたラップが

更に曲間の不協和音を高めているのだが、

ゲストで参加する MISSY の物憂げな声で呟くフックが

ポイント的に作用して、

破滅的なこの楽曲の曲調に救いをもたらしているという点で、

①の Q-TIP と同様の役割を果たしている。

フックとしてはどちらもそれ程には強くないのだけど、

コレは引き篭もりがちな BUSTA の内世界に

外的な光を当てるという意味で、

アルバム全体に強い影響を与えているように思える。

④は DJ SCRATCH 製作、

ゲストに SWIZZ が参加する

アルバム中でも異彩を放つ楽曲。

実は、僕がこのアルバムの中で

一番耳を惹かれたのがこの④だった。

ここにきてようやくのメジャー・コードの曲調に

アゲアゲの SWIZZ のフックと

たたみかける BUSTA のラップが

心地良い疾走感を産み出している。

⑤はこの作品の中でも目玉となる楽曲で、

ゲストに参加する STEVIE WONDER の名前が

一際目立って輝いている。

製作は SHA MONEY XL

G-UNIT 関連の作品他、

今や引っ張りだこの売れっ子プロデューサーが作る楽曲は、

多少安っぽいセンチメンタリズムを煽る、

それこそ G-UNIT モノによくありそうなオケなのだが、

フックの STEVIE の歌声が

この楽曲だけでなく、作品全体をしっかり引き締めている、

正にハイライトとなる楽曲である。

STEVIE WONDER の琴線に触れるような

唯一無二の歌声が

BUSTA のラップと絡まり産み出すそのハーモニーは、

話題性だけに留まらないクオリティーを構築させている。

 

と、ここまでこのアルバムを集約させたような

ド頭から五曲分について解説してきたが、

残りの楽曲について個人的な感想を

更に述べさせてもらえば、

前述①、②、③、④、⑤を超えるインパクトを放つ楽曲は

他には見ない気がする。

J. DILLA 製作、Q-TIP 参加の⑧や、

ERICK SERMON 製作、RAEKWON 参加の⑨、

TIMBO 製作の⑬など、

小味の利いた楽曲が光っていて、

作品の脇をタイトに引き締めている。

しかしそれらに強烈な BUSTA の個性が宿っているのか?

というと、そう言い切れない押しの弱さを感じてしまうのだ。

更に言えば、

RICK JAMES のボーカルが

あまり活かされきっていない⑥、

ムリヤリ捩じ込んだような印象がぬぐえない

WILL. I. AM.KELIS の参加楽曲⑩、

NAS の登場が完全に場違いな⑪、

D-12 のメンバー KON ARTIS a.k.a. MR. PPORTER

(昔は DENAUN POTER とも名乗っていた) が作る

凡庸の域を脱しきれない⑫など、

これらの楽曲の内には BUSTA の魅力となる

キャラクターのダイナミズムがスッカリ削がれてしまっている。

得てして、

DRE のトータル・プロデュースにより

作品全体がタイトにまとめ上げられている為、

BUSTA のラップそのものがその統制化で

ミニマルに過ぎるきらいがあるのがどうしても気に掛かる。

これが本作にもたらされた功罪の一つなのか?

それともあるいは、

BUSTA が歳を重ねて丸くなってしまった結果なのか?

 

最近の風潮として、

DRE を頼り

AFTERMATH へ移籍する

(脱退はしたが、RAKIM や、

次作が噂されている WU-TANG など) 、

あるいは、

50 CENTG-UNIT へ移籍する

MOBB DEEPM.O.P. 、MA$E など)

ベテラン・ラッパーが多いのだが、

それが果たして全て良い結果に繋がるとは

到底考えられない。

BUSTA のこの新作にしても

彼の望んだような反響が得られたとは思えないのだが。。。

 

BUSTA RHYMES に僕が期待する音楽は

この作品の前半五曲に集約されており、

全体の感想としては、

大きな期待をかけていたその反動で

多少、消化不良に思えるところが大きい。

確かに、

クオリティーは高いのだけれど。。。

 

オススメ度 8.3 

(ラップ:1.5 トラック:1.7 キャラ:1.6 話題性:1.8 構成:1.7)

 

ちなみに、

このブログでいつもコメントしてくださっている

HOSSY さんの日記 の中にも

同じ BUSTA の新作のレビューがあるので、

そちらの方も参照してみられてはいかがでしょうか?

  

 

« ようやく | トップページ | 燃え尽きた一ヶ月間 »

コメント

たしかにDreとバスタならもっと凄いのが出来そうな気がするという意味ではイマイチですね。

もちろんハズレではないんですけど汗
ゲストのひかり具合も冴えません。

何年か前のノクターナルの新譜も期待しすぎてガッカリした記憶があります。
Dreも人の子。期待せずに聞くとかなり良さそうですね!

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/4428/2556468

この記事へのトラックバック一覧です: BUSTA × DRE = ???:

« ようやく | トップページ | 燃え尽きた一ヶ月間 »

最近のトラックバック

2017年1月
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30 31