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2006年7月20日 (木)

怒れる10時10分の男

今日紹介する新譜は、

タイトルにもあるように、

かつて “10時10分の眉を持つ男” として

西海岸及び、全米を席巻した

怒れる代弁者、

ICE CUBE の新作、

「LAUGH NOW , CRY LATER」 です。

Laughnow  

 

 

 

ICE CUBE のソロ作品として8作目にあたる本作は、

前作から6年の期間を経てのドロップとなりました。

映画俳優としての彼の活躍を見ていると、

この6年間という時の経過も

そんなに長くブランクを感じさせないですね。

(合間に WESTSIDE CONNECTION としての作品も

ドロップしているし、、、)

 

シリーズものとして発表された

前々作と前作 「WAR & PEACE - VOL. 1, 2 - 」

個人的には消化不良なカンジで

あまり楽しめなかったのですが、

その辺り、

やはり俳優業に勤しんでいる CUBE

片手間な雰囲気が感じられなくもない。。。

とかなんとか勝手に分析していたのですが、

さて、

今作はどんなカンジやろかいな?

僕としては、

CUBE や、

彼と同じく俳優業に勤しんでいる L.L. COOL J の作品は

今更ながらにどうしても色眼鏡で見てしまうのです。。。

さあ、どんなカンジ?!

  

というワケで、

いきなり疑り深く耳をそばだてて

作品を傾聴していったのですが、

結論から言って、この作品、

なかなか良いです。

どこが良いって、

まずそれぞれの楽曲のプロダクションが粒立っていて、

単純にカッコイイ。

それに、作品としてのまとまりもしっかりしている。

前作、前々作に見られたような

飽和した雰囲気はまったく見られません。 

粒立った各楽曲は

それぞれに方向性の違うベクトルが

伸びやかに備わっているのですが、

それが乱雑に混在するのではなくて

バランスをとって共存して

本作のテーマをしっかり構築しています。

楽曲単位で感想を述べていくと、

まず、和モノのオケがエキセントリックな③が

いきなり強く耳を惹きます。

CUBE のラップは粘りつくような声質と

語尾を引っ張るようなライミングが特徴的なので、

こういったアブストラクトな楽曲との相性が

非常に良いです。

チープなループが妙に耳障りの良い⑦も

CUBE のラップがよく映えていてカッコイイ。

続く、アルバム・タイトルを冠する⑧のループも

飄々としていて、

派手さは全然ないのだけど、

そのタイトさが無性に心に染み入ります。

⑩は LIL JON 製作楽曲に

彼と SNOOP が参加した、

本作の中でもハイライトとなる曲です。

LIL JON の作る攻撃的なプロダクションが

CUBE の攻撃性を引き立てていて、

その相性の良さを見事に反映させています。

それにしてもこの曲、

すごく完成度が高い。

さすが LIL JON 仕事といったところか。。。

この曲が作品全体のイメージに及ぼす影響力の強さが

その完成度の高さからも伺えると思います。

続く、GREEN LANTERN 製作の⑪も、

これまたカッコイイ出来映え。

ストイックなオケが

CUBE の良い意味での“負”の面を引き立てていて、

それが屈託なく伸びやかに

アルバムを掘り下げています。

GREEN LANTERN といえば

“元 EMINEM のライブDJ” として知られていますが、

離脱して逆にシーンの色んなところで

その活躍が見られるようになっていますね。

今回のこの仕事からも、

彼の今後の活躍が期待されます。

都会的な情景を叙情味タップリに描いた

ドラマティックな展開の楽しめる⑬に続く、

ドラスティックなオケの⑭は

EMILE なるプロデューサー製作によるものです。

この EMILE

先程紹介した⑦のプロデュースも手掛けているのですが、

他にも最近ドロップされたアーティストの新譜内に

その名を見かけており、

今、個人的に大注目している

新進気鋭の若手プロデューサーの一人です。

⑰の製作は SCOTT STORCH によるもので、

さすがにその実力の安定した仕事をしています。

 

総評としては、

HOLLYWOOD然とした

いささか劇画的に過ぎるトータル・パッケージも、

各楽曲のクオリティーの高さを考えれば、

許容範囲内として収めることができます。

濃厚なストリート色はその分褪せてしまいますが、

綿密に紡ぎ出された作品として

完成度の非常に高いエンターテイメントを

堪能することができ、

それ程期待していなかっただけに、

僕個人としては本作を事の他高く評価しています。

コアな ICE CUBE ファンには

物足りないかもしれませんが、

その分、HIP HOP 初心者達にぜひお勧めしたい作品です。

 

オススメ度 8.0 

(ラップ:1.4 トラック:1.7 キャラ:1.6 話題性:1.5 構成:1.8)

  

 

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コメント

>HOSSYさん
HIP HOPをこよなく愛する僕としては、ラッパーが俳優業に勤しみすぎて、本業への情熱が冷めていく様を見るのはすごく寂しいです。特に寂しかったのはMOS DEF!せっかくの才能が。。。KWELIはラップ一本でエラいなあ。

俳優業をしてると、なんかよくないんじゃないかと思ってしまいますよね(汗)
Will Smithも・・・。

映画を見てると、LLの演技はきつい・・・。

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» Laugh Now, Cry Later / Ice Cube [横浜生活]
お久しぶりに、CDレビュー(というかただの感想)です。 今回は前にちらりと書いた、眉毛10時10分の男こと、アイス・キューブさんの 6年ぶりの新しいアルバムです。 彼、実はもう20年近いキャリアの持ち主。 ということは、もう40歳くらいなんでしょう。 眉毛10時10分のチョイわるオヤジです。 というわけで、このアルバムは6年ぶりということですが、 その間に勤しんだ俳優業でコメディ出演が多かったせいか 6年前のアイス・キューブよりも、ほんの少し丸くなったような印象。 とは言え... [続きを読む]

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