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2006年5月31日 (水)

アルバム・ジャケット品評会 後編 (其之壱)

今回から

「アルバム・ジャケット品評会」

後編に突入いたします。

前編では、僕のカッコイイと思うジャケ写を特集して

記載してきましたが、

後編では、おバカなジャケ写を特集して

記事に仕立てております。

ちなみに、後編は全2回に分けて

お送りする予定です。

では、お楽しみください。。。

 

  

今回はHIP HOPに見る

“バカ丸出し”のジャケット写真について特集している。

 

 

 

 

B000003r5l01_4    

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

SHOW AGGOODFELLAS

PAYDAYFFRR1995

 

いきなりなんだけど…

なんじゃコレ!?

こんな色気なくていいの?

ってカンジの①は

さすが漢汁(オトコジル)溢るる

DIGGIN’IN THE CRATES(D.I.T.C.)の

猛者だけのコトはある。

にしてもコレはちょっとヒドすぎない?

いくら低予算だからってさ…

イヤ、知らないよ、そこんとこの事情はさ。

でも金かけなさすぎでしょ?

でもコレだからイイってのも彼らだから肯けるんだけど。

まあ要は“中身聞けよ!”ってコトっしょ?

 

 

 

 

 

Oneforall  

 

 

 

 

  

 

 

 

 

 

 

BRAND NUBIANONE FOR ALL

ELECTRA1990

 

このジャケは何と言っても

GRAND PUBA (左手前) のイイ顔に尽きる。

なんて締まりのない顔なんだ!?

こんな抜けた顔でキメられてもコッチが困ります!

ってなもんだ。

でもイイよね。

憎めないって言うか、

愛すべきHIP HOP馬鹿の顔だよね、コレは。

作品としては

今となってはあまり権威のなくなった基準で言うことになるが、

THE SOURCE誌から5本マイクの評価を受けている、

とだけ言えば想像に難くないだろう。。。

間違いなく歴史的名盤の一枚である。

皆、嫌なコトあったらこのジャケのPUBA見て、

ささくれた心を癒してもらおうじゃないか!

 

 

 

 

 

 

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BIZ MARKIEBIZ’S BADDEST BEATS

COLD CHILLIN’1993

 

彼はねえ、

もうHIP HOPってアートフォームがなきゃ

多分アレだったね、アレ。

これは絵だけど、

実物も大して変わんないよ。

正にまんま、

コミックから抜け出てきたような

強烈なキャラクターです。

しかも“素”で!

シーンがどうのこうのって言うのは嫌なんだけどさ、

けど彼を受けとめるキャパシティーこそが

このシーンの素晴らしい所だよね。

もう彼の作品は彼って人間込みで

一つのアートです。

ヘタウマな唄とヒューマン・ビートボックスの腕が

味まくりのHIP HOPの産物です。

 

 

 

 

 

 

200pxodb__nigga_please  

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

OL’ DIRTY BASTARDNIGGA PLEASE

ELECTRA1999

 

RICK JAMESに扮するO.D.B.の奇態が

前面に押し出されたジャケ写。

彼の2ND作に当たる本作は

そのジャケ写に負けず劣らずの内容で

ファンの期待を裏切らない

O.D.B.のO.D.B.たる所以がそこには宿っている。

上記BIZ同様、

彼もHIP HOPというアートフォームに

救われた一人と言っていいでしょう。

このジャケ写から見てもらっても分かるように、

ほんとキ○ガイだよね。

今となっては昔の語り草ともなった

当時のWU-TANGのアノ壮絶極まる勢いは、

彼の担っていたこのテの狂気によるところが

大きかったと言わざるを得ない。

この度シャバに戻り、

めでたくROC-A-FELLAと契約しての彼のカムバックは、

ファンにとっては何ともうれしいニュースである。

これを機にWU本体の飛躍的な復活を望みたいモンだね。

本作の内容は楽曲自体、

非常にクオリティーの高いまとまりのあるものが多く、

そこに彼の狂気を孕んだ

アーティスト魂が炸裂しています。

 

※この記事は2003年に書いたものです。

 R.I.P. O.D.B.&RICK JAMES!

 

 

 

次回、

「アルバム・ジャケット品評会 後編(其之弐)」

お送りします。

前述しましたように、

今回の特集の完結編になります。

まあ、そないに大業な言い回しで煽るほど、

大層な特集ではなかったのですが。。。

 

2006年5月29日 (月)

アルバム・ジャケット品評会 前編 (其之肆)

引き続き、ジャケット品評会です。

前編は今回で完結です。

 

 

 

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JAY DEE a.k.a. J DILLAWELCOME 2 DETROIT

bbe2001

 

これはクロい!

bbeBEAT GENERATIONシリーズに登場した

秀逸の作品。

煙たいジャケ写そのままに、

内容も彼の煙たい煤けた感性が大爆発している。

非常にクオリティーの高い

サウンド・プロダクションと相俟った

ハードボイルド感溢れるそのジャケ写から、

煙に巻かれそうな錯覚さえ覚える。

筆者にとっては、

JAY DEE緒関連作品の中でも

一番彼のソウルを感じられる作品で、

トータル的なバランスとしても

文句のつけようがない秀作です。

R.I.P. JAY DEE

 

 

 

 

 

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PETE ROCKPETE STRUMENTAL

bbe2001

 

⑬同様、今作もbbeの同シリーズの作品。

概して、

このシリーズのジャケットは皆どれもカッコよく、

作品内容に関しても非常に音楽性が高い。

もちろん本作がスバラシイ作品であることは

改めて言うまでもないが、

あえて言及すれば本作はインスト作品である。

インスト作品だけあって、

PETE ROCKマナーのゴリゴリとしたビートと

ホーン使いが浮き彫りになっている。

個人的な嗜好としては、

ボーカルが入ってたらなおカッコよかったであろうに。。。

にしても、このジャケ写、クロいね~!

シブすぎです。

 

 

 

 

 

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PETE ROCK C.L.SMOOTH

THE MAIN INGREDIENT

ELECTRA1994

 

オオトリは⑫に続くPETE ROCKの初期作品。

つまり、伝説のユニット、

PETE ROCK C. L. SMOOTH3RD作。

①にも似通った感のある構図もさることながら、

やはり小物の数々が風味を醸し出しています。

特に部屋中に溢れ返ったヴァイナルが

HIP HOP特有のむさ苦しい臭いを

この一枚の写真に集約して閉じ込めている。

職人的なポジションから見ても

①のGANG STARRと肩を並べる非凡な才能の持ち主で、

もちろんその内容が悪かろうハズもなく、

まあ簡単に言っちゃえば、

皆このクロいFUNKNESSにトバされちまいな!

 

 

とりあえず、前述のとーり、

今回をもって 「アルバム・ジャケット品評会 前編」

完結します。

次回から、

おバカなジャケ写ばかりを集めて品評する

「アルバム・ジャケット品評会 後編」

お送りしたいと思います。

・・・・・

・・・・

・・・引っ張りすぎって?

そこのところはひとまず大目に見てやってください。

では次回、乞うご期待?!

 

2006年5月28日 (日)

アルバム・ジャケット品評会 前編 (其之参)

引き続き、

アルバム・ジャケット品評会 前編 (其之参) を

お楽しみください。。。

  

 

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BUSTA RHYMESEXTINCTION LEVEL EVENT

ELECTRA1998

 

 

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BUSTA RHYMESANARCHY

ELECTRA2000

 

LEADERS OF NEW SCHOOL時代からソロを経て、

彼のキャラクターは際立ってポップだった。

唯一無二のその存在感は

現在のシーンにおいても変わることなく

カリスマ性を発揮しているのだが、

彼自身のアルバムにおけるスタンスは⑦の示す通り、

非常に世紀末的な暗澹を強く警告していた。

それは⑧についても同じであるが、

シーンにおける彼の立ち位置と

実際の彼のアルバムでのスタンスが

あまりにかけ離れすぎている為、

どうも彼のアルバム・セールスは

イマイチ奮わないようである。

筆者的には

こういったジャケやアルバム内に見る

鬱々とした彼のイメージも嫌いではないんだけどね。

 

 

 

 

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LUDACRISWORD OF MOUF

DEF JAM SOUTH2001

 

 

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LUDACRISCHICKEN-N-BEER

DEF JAM SOUTH2003

 

上記BASTAと同じく、

彼のようなビジュアル的なキャラ立ちってのは

近年のオーバー・シーンを生き抜く上で

必須となっているワケで、

プロモーション・ビデオと平行して投げかける

イメージ戦略って今や

この音楽業界では欠かせなくなっている。

⑨、⑩はどちらも

彼のエンターテイメント性が爆発した好感触の内容。

ジャケ写は、

実は二つとも見開きになっていて、

ブックレットを開くと

更に奥行きのあるストーリー性の高い世界が

そこに広がっている。

正にエンターテイナーの彼らしい、

見ていて楽しくなるジャケットである。

開いた絵は実物で確かめてくれ。

 

 

次回、

アルバム・ジャケット品評会 前編(其之肆)を

お送りしたいと思います。 

 

 

 

 

2006年5月27日 (土)

アルバム・ジャケット品評会 前編 (其之弐)

引き続き、アルバム・ジャケット品評会の前編から。。。

 

 

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CMAOVERALL

CMA RECORDS1999

ふとジャケ写に吸い寄せられて手に取った作品。

グループ名CMAとは

CALIFORNIA MUSIC AUTHORITYを略したモノで、

その名とジャケ写にもあるように、

CLIFORNIAのアンダーグラウンド界を中心に

活動する実力派のグループ。

彼らに関する情報は

未だほとんど認識されていないままなのだが、

そのワリに結構聴き込むくらい作品内容が良くて、

当時の時流に流されていない彼らのスタンスには

爽やかな感動さえ覚えた程である。

ジャケ上のCLIFORNIAの地図に貼り巡らされた

コラージュ写真がいかにも朴訥としていて、

虚飾に飾り付けられていないところがカッコイイ。

 

  

 

 

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BLACK STARBLACK STAR

RAWKUS1998

ご存知、

MOS DEF TALIB KWELI are BLACK STAR

最初で最後(?)の作品。

木目調にラスタ・カラーの雑なプリントが味まくりだ。

この作品を機に

二人の大活躍が始まっていくワケなのだが、

二人のそれぞれのソロ、

あるいは別ユニットでの活動を見ていて、

そのどれもが高いクオリティーを保持してはいつつも、

やはり原点であるこの作品の方が魅力溢れる

HIP HOPマジック“に詰まっているように思える。

親元となるRAWKUSが揺れ動く為、

二人のユニット再結成は

未だ五里霧中の希望的な話だが、

いつかまたBLACK STARとしての作品が

ドロップされる日のコトを

きっと多くのファンが待ちわびているハズ。

 

 

 

 

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ERICK SERMONDOUBLE OR NOTHING

DEF JAM1995

これはカッコイイというのではないのだけど、

強烈なインパクトのあるジャケ写。

夜中、暗闇の中で見ると

ビビッてしまいそうなくらいだが、

どこか洗練されたスタイリッシュさを感じさせる。

全面に並べられた14枚のERICK SERMONの右目が

何かを物語っているように思えてならないのは

筆者だけだろうか?

彼のソロとして2枚目の作品です。

中身のFUNKYなのは言うまでもないでしょ?

 

  

 

 

 

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DIGABLE PLANETSBLOWOUT COMB

PENDULUM1994

洒落たJAZZ使いとソフトなラップで

その名を世界に轟かせたこのグループの

2ND作のジャケ写。

題名の示すコーム(櫛)を単色で描いた

シンプルな表現法に思わず魅かれてしまう。

手書きの線の柔らかみとモノトーンさが

このグループの併せ持つポップさとシュールさ、

そしてセンスの良さを見事に顕している。

ちなみにデビュー作ではGRAMMY賞を受賞しています。

HIP HOPのマチズモ的な固定観念に対する

カウンターとして一役買ったグループだ。

 

 

更に前編(其之参)へ続く。。。。

2006年5月26日 (金)

アルバム・ジャケット品評会 前編 (其之壱)

“ジャケ買い”という言葉がある。

レコ屋、CD屋にて、

そのアーティストや音楽に対し何の前知識もなく、

ただジャケット写真に一目惚れして購入してしまう、

言わば衝動買いの一種にあたる行為がそれだ。

筆者の経験上、

CD物色中におけるジャケット写真の占める

重要性の割合は非常に高い。

ジャケ写に見るアーティスト・イメージって

その音楽性のセンスと

直結している場合が多々あるからだ。

だから結構“ジャケ買い”をしている。

今回はHIP HOPに見る

ジャケット写真のアレやコレやについて、

前後編の二部に分けて紹介していこう。

前編では、カッコイイ

HIP HOPスラングで言うところの

DEF”で“ILL”で“DOPE”で

COOL”で“BAD”で…って、

コレ皆死語なんだろうけど、

今回はあえて、とりあえず!!)、

もしくは意味深なジャケット写真について特集し、

後編では

バカ丸出しのジャケット写真について特集している。

 

差し当たり、今回の品評会に際しては

CDアルバムに括っての記載となっているので、

まずその点をご了承頂きたい。

また、CDアルバムに括った事により、

OLD SCHOOL期の作品の出展が少なくなっている。

更に、筆者の嗜好から

フィメール・ラッパーからの出展がないのだが、

これは独断と偏見に基づいた品評会なので、

これらの点も併せてご了承頂きたい。

では、まずは前編。

 

 

 

 

Gangstarrdailyoperation  

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

GANG STARRDAILY OPERATION

GOLD RUSH1992

見てくれ、このクロさの滾りまくり具合を!

これぞHIP HOP FUNKNESSだ!

HIP HOPのジャケ写の中でどれが一番カッコイイ?”

て聞かれて、筆者が一番に挙げるのがコイツだ。

GANG STARRどころかHIP HOPに関してさえ

何の前知識もなかったこの頃の筆者が、

何の気なくそのビジュアルに吸い寄せられ、

手に取ったが最後、

そっちの世界にまんまとトバされてしまったワケだ。

構図、二人の佇まいから細々たる小物の全てに到るまで、

正に完璧すぎる。

そして、このジャケットのイメージに違わない

内容の黒々としたFUNKNESS GROOVEがまたタマラナイ!

皆このクロさにトバされちまいな!

 

 

 

 

Uptownsaturdaynight  

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

CAMP LOUPTOWN SATURDAY NIGHT

PROFILE1997

 

“絵モノ”が好きな筆者にとってはタマラナイ一作。

MARVIN GAYEI WANT YOU』の

ジャケを意識したってのはあまりにも有名な話で、

このジャケのファンも国内外問わずかなり多いハズ!

また中ジャケなどで見られるCAMP LO二人の

服の着こなし方がイナセでなんとも洒落ぬいている。

内容の方でもSKIのプロダクションが

冴えに冴えまくった秀作。

その華やかなイメージは

HOLLY WOODあたりの週末の夜を髣髴させるではないか!?

(ちなみに彼らの出身はN.Y.QUEENSなんだけど。。。)

 

 

 

 

 

Notoriousbigreadytodie  

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

THE NOTORIOUS B.I.G.READY TO DIE

BAD BOY1994

 

真ん中に座って微笑むアフロが可愛い赤ん坊。

背景が真っ白ってコトもあり、

これほど無垢なイメージを与えられるものはない。

しかし内容は大きく反し、

キャッチーながらもその色合いがエゲツない!

そのギャップに思わず仰け反ってしまう。

言わずと知れたN.Y.のラップ・キング、

BIGGIEの1STアルバム。

このジャケットによる

彼のマス&ハーコーを上手く掌握したイメージ戦略は

商業的にも大当たりし、

BAD BOYを率いるSEANPUFFYCOMBS

当時からのビジネス面における敏腕さにも

改めて感心させられる作品である。

 

 

 

 

 

Digitalinstereo  

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

RZA AS BOBBY DIGITALIN STEREO

GEE STREETV2)1998

 

②に続くこれも絵モノ。

WU-TANG CLANの総帥RZA

BOBBY DIGITALなるキャラクターを介して

ドロップした自身初のソロ作品。

このジャケ、何でも、

WU-TANG総出演となる

BOBBY DIGITAL』なる映画からの

イメージ画になるのではないかと推測される。

(果たしてそんな胡散臭い映画、

本当にあるんだろうか?)

イラストレーターの手掛ける

小物にまで目の行き届いた

緻密な水彩画タッチが非常にカッコイイ。

って言っても、結構悪趣味なんだけどね。

 

 

前編 其之弐 に続く。。。

2006年5月25日 (木)

困ったときの・・・

あ~困った!

何が困ったって、

そりゃ、ブログ用のネタが尽きてしまって、

それで困ってるんでやんす。

手持ちの新譜もすでに全て紹介してしまい、

それじゃあ早く新たに買出しに行けばいいじゃん!なんて

言われちゃうかもしれないけれど、

実は今、深刻な金欠なんです!!

というワケで、

巷じゃ MOBB DEEP の新譜に対する賛否論で

にわかに盛り上がっている今日この頃なんですが、

このブログにうってつけのそういったネタも

もうしばらくは傍観したままにおかなければならない状態であります。。。

こういう事情だから、

何も無理から更新しなくてもいいのでしょうが、

それこそヒネクレた性格の僕だから

こんな時こそ何か書きたいと思い立ってしまうのです。

・・・・・

しかし、ネタがない!

というワケで、

明日から数回に分けて企画物を書こうと思っています。

というより、

実は昔、友人達とクルーを組んでた頃、

皆で運営してたサイト用に書いていたレポートを

少し手を加えてここに発表しようと考えています。

乞うご期待!

 

P.S.

特集のリクエストがあれば

皆さんぜひ書き込みください。

よろしくお願いします。

 

2006年5月23日 (火)

音楽の才能

いきなり前置きもなく書き出しますが、

今回紹介する作品は新譜ではありません。

正確には1996年に発表された作品になります。

タイトルはズバリ、

SLUM VILLAGE のデビュー作となる

「FANTASTIC , VOL. 1」  です。

Slumvillagevol1official_1  

 

 

 

今年の2月、元 SLUM VILLAGE の中心的なメンバーだった

JAY DEE (a.k.a. J. DILLA) の突然の訃報が

シーンのトップニュースとして舞い込んできたことは

皆さん、記憶に新しいと思います。

このブログでも追悼の意を込めて、

彼に寄せる記事 を書いてもいます。

それが何故、SLUM VILLAGE のデビュー作の紹介記事を

今頃になって書いてるのだろう

と皆さん疑問に思われるかもしれませんが、

特に深い意味はありません。

個人的な話ですが、

実はこれまで、

このグループの2ND作、3RD作は持っていたのですが、

彼らのデビュー作となる本作は購入できていなかったのです。

インディー配給になる本作は

流通がメジャー作品のようには行き届いていない為、

これまでなかなかレコ屋でお目にかけることが出来なかったのです。

それが幸か不幸か、

この度の JAY DEE の訃報をきっかけに

レコ屋のバイヤーも慌てて仕入れなおしたのでしょう。

ようやく本作をこの3月に手に入れることが出来ました。

購入時期から少し時差はありますが、

ようやく手持ちの新譜も全て紹介してしまったので、

ネタ繋ぎというワケではないのですが、

今回、この作品にスポットを当てて

紹介していこうというコトに相成ったのであります。

。。。。。 

 

正直な感想を述べると、

完成度という点で見れば

断然、2ND作の方が際立っていると思いますが、

JAY DEE プロダクションの真骨頂とも言える

硬くて図太いスネア・ドラムやベース・ラインの成熟し方は

デビュー作となる本作の時点で

もう既にスタイルが確立されています。

それは作品冒頭の①、②を聴けばすぐにそれと判る程に

JAY DEE の音楽的な才能の片鱗が

きちんと形となって表現されていることを表しています。

2ND作にも収録されている③は

ここでは少しコンパクトにまとめられていますが、

正にこのグループの “顔” 的な楽曲の一つと言っても

過言ではないでしょう。

ブルージーな上モノのループが味わい深い⑥や⑦、

フュージョン系の上モノのループが幻想的な世界を描き出す

⑧や⑩などをよく聴いてもらえばわかると思いますが、

JAY DEE の作り出す音世界は

一音一音のドラム音、ベース音が

それぞれに表情を持っていて、

深層に息衝く音の生命力の力強さを感じさせます。

⑪などに見られるループの浮遊感に

音の際立ったドラムやベースのラインが

現実的な存在感を与えているのです。

⑮や⑰に代表されるようなアブストラクト的曲調が

その後、A TRIBE CALLED QUESTQ-TIP

耳に留まり、スカウトされるというのも

今更ながらに頷ける話ですね。 

歌モノを軽く上掛けた⑱は本作中では異色をなすが、

続く⑲から幕引きまで、

JAY DEE のカラーは徹底されている。

全22曲というボリュームもあってか、

各一曲一曲の構成がミニマルに過ぎて

楽曲単品としての物足りなさは感じずにはいられないのだが、

SLUM VILLAGE のグループ作品というより、

JAY DEE のプロダクションのお披露目作品として捉えるなら、

これだけのボリュームに大満足することだろう。

 

本作から JAY DEE の才能は開花し、

彼のそのキャリアは

シーンのトップに向かって広がっていくことになるのですが、

そういう意味で、

本作は JAY DEE のタレントが

決定的に表立った作品と言えるでしょう。

A.T.C.Q.Q-TIPBUSTA RHYMESCOMMON 等の他に、

最近では GHOSTFACE に至るまで、

正しく “玄人好み” される JAY DEE サウンドの原点が

本作には溢れんばかりにギッシリと詰まっています。 

それと同時に、本作は、

改めて彼を失った事によるシーンの大きな損失を

再確認せずにはいられない作品でもあります。

本当に、唯一無二の才能でした。

 

オススメ度 7.2

(ラップ:1.2 トラック:1.8 キャラ:1.3 話題性:1.4 構成:1.5)  

 

2006年5月20日 (土)

西海岸アンダーグラウンドの流儀

僕はHIP HOPに関して言えばかなりのミーハーなので、

特に好んでメジャー・アーティストの作品を嗜好しているのですが、

時々、その反動でか、

オーセンティックな音楽的アングラ作品を

ふと求める傾向があります。

しかし、

昨今の米国アンダーグラウンドHIP HOPに関しては

僕の中ではある種の飽和状態を態していて、

なかなか心に響くようなアングラ作品を 

耳にする機会が減ったような気がしていました。

そもそもアンダーグラウンドの概念が

消滅しかけているのではないかと推察しているのですが、

いずれにせよ、

かつての NEW SCHOOL 的台頭や、

RAWKUS のごときインディー・レーベルの台頭は

今は望めなくなりつつあります。

それも商業的成功により成し得た

HIP HOPの肥大したマス・イメージによる功罪かもしれません。

そういう事情があってか、

ここ日本では80年代末から90年代初頭にかけての作品や

その当時活躍していたアーティストたちへの希求心が

未だ衰えることなく、

現在も多くのファンを虜にしたままでいます。

僕ももちろん当時の作品やアーティスト達は大好きで、

あの頃のシーンの昂ぶる情熱を未だ夢見ながら、

過去の作品群を振り返ることも多々あります。

。。。。。

そんな状況の中、

久々にループの美しい楽曲を揃えた

素晴らしいアングラ作品に出会うことが出来ました。

PEOPLE UNDER THE STAIRS

STEPFATHER」 という作品になります。

Simg_t_oh28263ljmb9  

 

 

 

西海岸はL.A.アンダーグラウンドを拠点に活動する彼らは

DOUBLE KTHES ONE からなるラップ・デュオだ。

二人はラップはもちろん、

楽曲のプロデュースも請け負っていて、

それぞれに味のある曲を作り出しています。

特に今作耳を引いたのがその楽曲群のクオリティーの高さで、

レコ屋で視聴して一発目でヤラレたような具合でした。

L.A.特有のまったりとしてレイドバックした空気の

ギッシリ凝縮されたようなループの数々が詰まっており、

それはかの地でチル・アウトしてたかつての時間を

僕の肌身に懐かしい感覚として呼び戻してくれます。

 

最初の一音からズバっと耳を惹き付ける②で

この作品の素晴らしさは既に証明されていると言えるでしょう。

スクラッチの際立った④や、

まるで PETE ROCK のようなループ使いの⑤、

フリーキーでユーモア溢れるドラム・ループの⑥などは、

あくまで彼らのHIP HOP及び音楽に対する愛情や喜びが

一杯に詰まっているのが感じられる。

ビジネス・ライクなメジャー作品には決して出せない

開放的な自己表現が

こういったアングラ作品の一番の醍醐味だと言えるでしょう。

レイドバック感の強いオケが流麗な⑦は

リリックも叙情的で実に美しく楽曲にマッチしている。

⑧、⑨と続く連作もゆったりした空間を演出したような

ご陽気なL.A.らしいオケが楽しい曲に仕上がっている。

ここからの展開が更にループの質が向上していき、

尻上がりにこの作品の秀作としての印象を強めていきます。

西海岸アンダーグラウンドをそのまま体現したような⑪、

ループの配し方が実にメロディアスでバラエティー豊かな

⑬、⑭、⑯への流れは

前のめりになるHIP HOP傾聴時における態勢を

音楽的な開放感と共にリラックスした方向へ持っていってくれます。

レゲエのフックがコントラストとなる⑰の

実生活中の精神性を訴えるリリックも素晴らしいです。

インタールード的な⑱も小品ながら実に味わい深い。

そして、本作中でも最もループの美しい⑲、

そしてその対照としてトーンをぐっと押さえた⑳で

本作は幕を閉じています。

 

少し飛躍した言い方にはなりますが、

僕は本作を “西海岸アンダーグラウンドの流儀” を

正統的に踏襲している作品として捉えています。

例えば、それは西海岸アンダーグラウンドを代表するグループ

JURASSIC 5 の諸作品の音楽性に

非常に似通ったような空気が溢れていて、

両グループの作品の中に見出せる

西海岸アンダーグラウンドの住人の生活風景を

切り取ったような空気の生々しさを表現している点に

J 5PEOPLE UNDER THE STAIRS という二つのグループの

共通点が見出せたりします。

 

作品の至る所に鏤められた

遊び心溢れるスクラッチやコラージュ、

虚実をない交ぜにして構築する得心深いリリック、

そして揺るぎない技量とセンスの上に織り成される

素晴らしいループの数々。。。

J 5DILATED PEOPLES など

西海岸アンダーグラウンドに興味のある方は

ぜひ本作を手に取られてみられてはいかがでしょうか?

ちなみに、特典としてDVD付いてます。

  

オススメ度 7.2

(ラップ:1.5 トラック:1.8 キャラ:1.1 話題性:1.1 構成:1.7) 

 

 

2006年5月18日 (木)

C.L. とか書くけど SMOOTH じゃない

いきなりですが、

皆さん、見ました?

何が?って、ホラ、

C.L. ですよ、C.L. 。。。

タイトルのとーり、

C.L.C.L. でも

C.L. SMOOTH のコトじゃありませんよ。

CHAMPIONS LEAGUE

(正式名称 UEFA CHAMPIONS LEAGUE

のコトです。

ご存じない方に簡単に説明しておくと、

この チャンピオンズ・リーグ というのは、

欧州のサッカー最強クラブ・チームを決定する為に

毎年開かれる大会のコトで、

今年のクラブ王者を決定する決勝戦が、

今日、フランスのパリにて行なわれたのです。

決勝のカードは

スペインの バルセロナ (F.C. BARCELONA

イングランドの アーせナル (ARSENAL F.C. です。

その試合の生中継が民放でも放映されていたのですが、

フランスの時差から、

深夜の3時半頃のキックオフに始まり、

朝方6時になる少し手前での試合終了と、

日本のサッカー・ファンにとっては

なかなか過酷なスケジュールでありました。

よくよく考えると、

来月に迫った ワールド・カップ

フランスのお隣、ドイツで行なわれるのだから、

そのことを考えると

今から来月のスケジュールが恐ろしいコトになりそうです。。。

 

僕はこの決勝戦の前に

BS で NBA のプレイ・オフ

ウエスタン・カンファレンスのセミ・ファイナル

L.A. CLIPERSPHOENIX SUNS の試合を

深夜の1時から見てたので、、、

ハイ、そうです。

寝る暇がありません。

しかも、昨日は仕事を休むつもりで

一昨日の夜中も寝ずに映画を2本ほど朝まで見てて、

さあそろそろ寝ようかという時になって

仕事に入ってくれと頼まれたので、、、

ハイ、そうです。

丸二晩、時間にして丸58時間寝てません。。。

もう歳なのに何やってんだか・・・

それより、NBA の方では

応援していた CLIPERS がアウェイとはいえ、

2ND OVER TIME まで持ち込むものの競り負けてしまい、

残念な思いをしましたが、

欧州C.L. の方では、

応援していた バルサ

2-1のスコアで見事に逆転勝ちして

14年ぶりのクラブ王者の座を奪還し、

僕としては気分よく朝を迎えることが出来ました。

それにしても、

昨年の決勝程までとはいかないにしても

なかなかの波乱含みの試合でしたね。

個人的には ロナウジーニョ (RONALDINHO)

直接的に得点に絡んでもらいたかったのですけどね。。。

まあ、

相手キーパーのレッド・カードを生んだスルー・パスは

さすがに素晴らしく見事でしたけど。

代わりに、途中出場の ラーション (LARSSON)

2アシストはすごかったですね。

特に1点目の エトー (ETO'O) へのパスはすごかった。

ガナーズ 側はこのパスをオフサイドだと抗議していたようですが、

キーパーのレッド・カード時の バルサ のゴールが

ノー・ゴールにされてるのだから、

ドッコイドッコイってコトでいいんじゃないでしょうかね。

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ちなみに、

僕はあまりテレビは見ないのですが、

プロ・スポーツのテレビ観戦は大好きで、

中でも毎年このシーズンに行なわれる NBA のプレイ・オフ、

ウィンブルドン・テニス は大好物でよく見てます。

他のスポーツではサッカーでは 欧州C.L.トヨタ・カップ

ワールド・カップ欧州選手権 が大好き。

あと、F-1 と メジャー格闘技系 、

それに 甲子園で行なわれる高校野球 が好きで

よくテレビ観戦してます。

甲子園には最近こそ全然行ってないのですが、

昔、西宮に住む女の子と付き合ってた頃は、

その子の家に泊り込んで、

朝から晩まで毎日行ってたくらい好きでした。

今年は特にテレビ観戦しがいのあるスポーツ中継が多いので

僕としても睡眠時間を削って

なんとか対応していきたい所存であります。。。

 

  

2006年5月14日 (日)

田舎モンって言うな!

今日は “田舎モン” コンプレックスの

BUBBA SPARXXX の新作

「THE CHARM」 を紹介したいと思います。

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鬼才 TIMBALAMD の強烈なプッシュの下、

シングル 「UGLY」 の大ヒットで

デビュー後まもなくスターダムにのし上がった BUBBA 君。

白人ラッパーとして彼と TIMBO の関係を

EMINEM DRE のそれになぞらえて、

“第2の EMINEM 誕生か?!”

な~んて持て囃されたりしたのも

今となっては過去の話。。。

 

そもそも彼の 「UGLY」 のP.V.などによる視覚的イメージは

いかにも田舎風でバタ臭い色合いをデフォルメした、

当時のHIP HOPメディア界からすれば

斬新なイメージ戦略でした。

その戦略は前述のごとく大当たりしましたが、

“田舎モン” のレッテルを貼り付けられた彼としては

どうやら不本意であったらしく、

続く2ND作で躍起になって

その “田舎モン” の汚名を返上しようとしたようです。

しかし、コレがプロモーション不足の為に

低い評価に沈む結果となっていまい、

彼のアーティスト生命は奇しくも

イメージ戦略を掲げるレコード会社に

翻弄される形となってしまいました。

しかも、ついには所属していた TIMBO 率いるレーベル

BEAT CLUB が配給元 INTERSCOPE との契約解消を伴い、

消滅する事態にまで至ってしまい、

BUBBA 君にとっては

正に泣くに泣けない状況となってしまったようです。

しかし、“捨テル神アラバ、拾ウ神アリ” とはよく言ったもので、

このたび、OUTKASTBIG BOI の立ち上げた

PURPLE RIBBON と契約を交わし、

この作品をドロップするに至ったのです。

・・・・・

つまり本作は BUBBA 君の復活を掲げた

彼のキャリアにとっては非常に重要な

ターニング・ポイントとなる作品になるワケです。

そのあたり、

全11曲とかなりコンパクトにまとめられてはいるものの、

各楽曲の粒の立ち方などに

彼の漲る意欲というものがよく顕われています。

これは、“さすが BIG BOI !” とでもいうべきか。

そのサウンド・プロダクションには

ORGANIZED NOIZE が中心となっています。

彼らと BUBBA 君は彼の1STからの付き合いがあるので、

お互いの距離感がしっかり掴め合っている。

斬新さはないけれど、

シックリと馴染んだ “ジョージア流儀” が

心地良いハーモニーを奏でているのが本作の特徴だろう。

 

BUBBA 君は元々ラップのポテンシャルが高い。

声質もフロウもキャッチーな楽曲によく映え、

彼のキャラクターを反映させている。

今作で用意されたフレキシブルな楽曲群も

見事に乗りこなしている。

特に④、⑤、⑥の流れはキャッチーで、

どれをシングルで切っても間違いないクオリティーがある。

⑦は BIG BOI 大将自らの製作曲だが、

すごくスムーズで幻想的なオケが不思議な魅力を醸し出している。

フリーキーな⑨も引きが強く、

音の立ち方が素晴らしい。

先行カットされた⑩は YING YANG TWINS らが客演した

破壊力バツグンの楽曲だ。

クランク直系のフックは漢汁 (オトコジル) 満開だ!

そしてラストの⑪にもってきたのが

かつての師ともいうべき TIMBO 製作曲。

彼特有のトリッキーでキャッチーな楽曲と

BUBBA 君のコンビネーションは今も健在ということが

この曲で見事に証明されているだろう。

それにしても、TIMBALAND はやっぱスゲエや。

このクオリティーの高さはハンパじゃない。

客演では前述の YING YANG TWINS の他に、

KILLER MIKESLEEPY BROWN

DUDDY KENSCAR ら、

PURPLE RIBBON の面々に、

PETEY PABLOFRANKIE J らが参加している。

大将 BIG BOI がラップで参加していないのは

少々残念なところではあるが、

とにかくどの楽曲をとってみても

本当によくまとまっていて捨て曲がない。

逆に、もっと曲数を増やして、

南部特有の泥臭い、遊び心満点の曲を

あと4、5曲くらい入れておいても良かったのではないかと

思っちゃったりする程なんだけど、、、

まあ、コレはコレで、

BUBBA SPARXXX の復活劇には

申し分ない作品に仕上がっていると思います。

 

オススメ度 7.8

(ラップ:1.7 トラック:1.8 キャラ:1.4 話題性:1.4 構成:1.5) 

 

2006年5月10日 (水)

ペシミストとしての希望

今回のブログでは

先週末に鑑賞した映画

「ミュンヘン」 (原題 「MUNICH」) について

書きたいと思います。

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この映画はHOLLYWOODの巨匠

スティーヴン・スピルバーグ

(STEVEN SPIELBERG) 監督による、

ミュンヘン・オリンピック事件 を題材にした

社会派のノンフィクション作品になります。

同監督は

過去にアカデミー賞を7部門にわたり受賞した

「シンドラーのリスト」 (原題 「SCHINDLER'S LIST」) の製作などで

自信のルーツともなるユダヤ民族の過去の悲劇を

壮大なスケールで映画化しましたが、

本作 「ミュンヘン」

圧倒的なリアリティーを持つ映像で

ユダヤ民族の抱える幾多の傷の内の

その一つの事件を見事に描ききっています。

  

その内容を簡単に説明すると、

物語は

1972年9月、旧西ドイツの都市ミュンヘンにて行なわれた

ミュンヘン・オリンピックの開催中に起こった

パレスチナ武装勢力 “黒い9月 (BLACK SEPTEMBER)” による

イスラエル代表選手団の殺害事件に端を発します。

イスラエル側は報復として

“黒い9月” メンバーの暗殺計画を企てます。

この暗殺計画を実行する工作部隊のリーダーが

映画の主人公となります。 

ちなみに、この工作部隊というのは、

アメリカの C.I.A. 、旧ソ連の K.G.B. と並び称される

イスラエルの諜報特務機関 モサド の事で、

中でもこの作戦実行に準じたのは極秘部隊になるらしい。

物語の中で、

主人公は任務を次々と実行していくと同時に、

暗殺者としての緊張感に次第に神経を擦り減らしていきます。

彼には身篭った妻がいるのですが、

数年間にわたる作戦の実行により、

娘の出産とその成長に立ち会えないまま

殺るか殺られるかという切迫した日々に鬱屈としていきます。

やがて闘争に対しての疑問を抱きながらに

自らの人格の破綻していくのを目の当たりにする彼が

辿り着く境地とは。。。。。

 

まあ、大体こういったカンジです。

これはある程度史実に則って作られたストーリーで、

原作には

「標的(ターゲット)は11人 モサド暗殺チームの記録」

(原題 「VENGEANCE:

THE TRUE STORY OF AN ISRAELI COUNTER-TERRORIST TEAM」)

ジョージ・ジョナス (GEORGE JONAS)

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を基に脚色されたとしています。

 

・・・・・ 

・・・・・

・・・・・

  

イスラエル (STATE OF ISRAEL)

パレスチナ (PALESTINE LIBERATION ORGANIZATION)

 

ニュースや新聞などでよく見聞きする両国の名ですが、

僕のこれまでの印象としては

どうしても “対岸の火事” 的な、

三重四重に間を噛ましたような

間接的なイメージをしか抱けませんでした。

ジュリッシュの国のイスラエル

イスラム系アラブ国家のP.L.O.

聖地エルサレムの領有権を巡って争ってる・・・

その程度の簡易な知識をしか

正直、それまでは持っていませんでした。

今回この映画を鑑賞し、

また、このブログを書くにあたって色々調べ物をしたのですが、

そこでようやくこの両国間の問題の表層を

改めて認識したというのが実際のところです。

しかしこの認識も、あくまで表層部分をなぞった程度です。

民族間、宗教間の絶え間ない争いは非常に根深く、

それぞれの立場にそれぞれの正義と平和があるので、

僕のごときがそう簡単に把握し、

安易な判断に基づく意見をできるような問題ではないと

充分に心得ています。

ただペシミスト (悲観論者) の僕としては、

イスラエルP.L.O.だけにとどまらない

あらゆる人類に対して

より強い失望感を覚えるばかりです。。。

僕は中学生くらいの頃からずっと

人と人との交流、文化、文明、

そして個々のエゴと総体としてのエゴについて

ただぼんやり漠然とではあったのですが

考え続けていました。

(こんなコトばかり考えてるからペシミストになってしまうのだ!)

“両民族の果たしてどちらが悪い?”

というのではなくて、

僕がこれまで疑問に思い続けてきたのは、

“人と人、文化と文化、国家と国家を

結びつける必要が本当にあったのだろうか?”

というコトです。

“グローバル” って言葉がもてはやされてるけど、

一体、皆が皆、

そいつを望んでいるのだろうか?

確かに文化と文化の交流は新しい文化を生み出します。

今、僕が享受するこの生活もその賜物でしょう。

しかし、この生活はどう見ても

誰かの犠牲の上に成り立っているとしか思えない。

誰が犠牲になってくれてるんだ?

誰が好き好んで見知らぬ誰かのために我が身を犠牲にし、

搾取される側に望んで立とうとするだろう?

・・・・・

総体としてのエゴは容易に個体としてのエゴを捻り潰します。

そしてその総体としてのエゴが大きければ大きい程、

悲劇性はより強く大きくなる。

僕の元々のペシミズムは

ショウペンハウエル のペシミズム的哲学を介し、

今、ほとんど絶望的な境地に立たされています。

ショウペンハウエル の唱える説として

“人は生まれたその瞬間から死が確約されており、

死ぬ為に生きる” というようなモノがあります。

長い時間を経てきた人類の歴史は

“確約された死” を目の前にして

その遺伝子の後世への伝達だけを目的として

築かれてきたとされます。

ここで人類の遺伝の系譜、歴史を

一つの生命と捉えるなら、

“我々はきっと

破滅に向かってのみしか進化できないのではないか?”

という点に僕のペシミズムは行き着いてしまうのです。

民族の枠も、宗教の溝も、

国家の線も、言語の違いも、文化の隔たりも、

あらゆる全てのギャップをお互い埋め合うことは

とうてい叶いそうにない。

文明は確かに僕たちの生活を非常に便利にしてくれたけど、

決して相容れない思想の持ち主たちをまみえさせ、

お互いに牙を剥かせ合いもさせた。

核爆弾は最早タブーではなくなっている。

お互いの憎しみは無慈悲な殺戮兵器の発展に伴い、

さらに奥深く色濃い影をコミュニティーの中に植え付けるだろう。

。。。。。

。。。。

。。。

えらく陰鬱な話になってしまいましたが、 

映画に話を戻すと、

スピルバーグ 監督はこの物語の最後に、

個人のエゴと民族の総体としてのエゴを

向き合わせるシーンにより、

作品の幕を下ろしています。

向き合わせるというよりは、

個人のエゴが

押し留めようもない民族の総体としてのエゴに気付きながらも、

抗いようのない潮流に飲まれる、、、

といったところでしょうか。

勧善懲悪的な作品ばかりのHOLLYWOOD映画にしては

この作品は異色的な作品と呼べるでしょう。

事件の端的な部分を鮮やかに描ききった、

いろんな意味で公平な作品だと僕は思います。

決して娯楽作品とはいえませんが、

こういう問題に興味のない方にこそ

逆にぜひ見てもらいたいと思う映画です。

 

 

 

2006年5月 7日 (日)

悶絶の鈍痛!!

この世の中で何が一番痛いといって

虫歯の痛さほどに神経をすり減らされる痛みは

他にない!

・・・イヤ、あるでしょうケド。。。

この大型連休もいよいよ最終日となりましたが、

僕はこの三日あまり、

虫歯の鈍痛に終始苛まれて、

もんぞりうったまま寝込んでいました。。。

い、、、痛い!

今はその猛威も大分落ち着きを見せているところですが、

これがまたいつ爆発するか?

そう考えるだけで非常に恐怖します。

右上の親知らずが虫歯になってるんですけど、

もうあまりの痛さに口の中はそこらじゅう痛みが広がり、

右頬がパンパンに腫れ上がってしまいました。

今、痛みが治まっても、

口内や頬や右首筋や右肩は

まるで麻酔に痺れているように肉が引きつった状態です。

この休日の間、

本もゆっくり集中して読めなかったし、

映画も何度も中断してでしか鑑賞できず、

ブログも更新しようとして何行か書き出しては諦めるという

その繰り返しでした。

しかも、

連休が明けてもしばらくは歯医者に行けそうにない!

困ったなあ。。。

自分で引っこ抜きたいんだけどなあ。。。

実は、今回右上の親知らずが虫歯になったのですが、

数年前、同じように

左上の親知らずも虫歯になってて、

その鈍痛に苦しまされたことがあるんです。

で、その時、

自分で引っこ抜いてやろうと試したのですが、

途中で歯が砕けてしまい、

歯根が残ったままの状態になってしまったことがあるのです。

後で歯医者に行った時、

医者にえらくしかられたのを今も覚えています。

砕けて残った歯根、

もちろん虫歯の鈍痛以上に強烈な痛みが

僕の口内を襲ったことは言うまでもありません。。。

アノ痛みはきっと PRIDE

ヴァンダレイ・シウバ (WANDERLEI SILVA) 選手に殴られるよりも

痛いに違いありません!

(殴られたことないケド)

そういえばこの連休間、

やけに格闘技中継が多かったですね。

今、もし 亀田兄弟 に右頬を渾身の左フックでどつかれたら

僕はきっと卒倒して気絶しますね。

泡なんて吹き出しながら。。。

そんなことはともかく、

僕は普段丁寧さの欠ける歯磨きをしかしない自身を呪い、

昨年末、好んでよく食べたミルクキャラメルを憎み、

数年前、同じ虫歯になっていながら、

その時抜いた左親知らずの痕がめちゃくちゃ痛んで、

右親知らずも抜歯することを勧めてくれた歯医者の忠告を

その鈍痛の恐怖に拒否してしまった

過去の自身の愚劣さを激しく憎悪しました。

こうやって僕の黄金色週間は

さめざめと過ぎ去っていったのであります。。。

 

 

2006年5月 3日 (水)

エエ声~♪

このタイトルでハっとした人は

なかなか通なお笑い好きでしょう。

まあお笑いとは関係ない話をこれから書くんですけど・・・

  

今回の話題はベイ・エリアについて。

ウエスト・コーストはウエスト・コーストでも

L.A.とは少し毛色の違ったベイ・エリアのスタイル。

同じ西海岸、同じカリフォルニア州にありながら、

その地区間の距離は約400マイル弱 (約600km) あり、

これはちょうどウチ (姫路) から東京までの距離に相当します。

この距離を南北に離れているのだから、

さすがに気候も全然違っていて、

僕が初めてサンフランシスコへ行った時などは、

6月のL.A.の気候に合わせた服装のまま向こうに行くという

無知な愚行ゆえに、

サンフランシスコに到着して寒さに始終震え上っておりました。

(ちなみに、6月のL.A.はすでに茹だるような暑さで、

日向に駐めた車のボンネットの上で

半熟の目玉焼きが出来そうなほど

強烈な陽射しが降り注いでいます。)

それだけの距離と気候の違い、

そして何より都市としての機能し方の違いが

それぞれ人々のライフ・スタイルに大きく影響していて、

当然、それはHIP HOPカルチャーにも大きく影響を及ぼしている。

 

今回紹介するのはベイ・エリアの最重要人物の作品だが、

紹介の前にもう少しベイ・エリアについて説明をしておきましょう。

ベイ・エリア (BAY AREA) は読んで字のごとく、

港湾地帯という意味ですが、

この港湾というのはサンフランシスコ湾のコトを指しています。

通常、ベイ・エリアといえば

サンフランシスコ湾を東西南北に取り囲む港湾、

つまり、イースト・ベイ、ペニンスラ、サウス・ベイ、ノース・ベイを

総称しています。

しかし、HIP HOPマップでいう “ベイ・エリア” は少し違っていて、

その呼称が指すところは、

サンフランシスコ湾、サンパブロ湾の一帯と、

それに少し距離の離れた州都

サクラメントまでを含むとされています。

。。。。。

ハイ、ここまで書いて

勘の良い方はもう既にお気づきですね。

今回のタイトル “エエ声~♪” と “ベイ・エリア” と言えば・・・

・・・・・

・・・・

・・・

E-40

そのとーり!!アタック25 児玉清 風に)

 

。。。。。

というワケで、

前置きが長くなってしまいましたが、

E-40 の新作

「MY GHETTO REPORT CARD」 を紹介しましょう。

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E-40 といえば何といってもそのラップのカッコよさに

彼の魅力は集約されています。

まず何より良い声!

僕はラップを評価する際、

“声” “フロウ” “リリック” “ライム・スキル” “キャラクター” で

判別しているのですが、

中でも “声” は最重要なファクターになります。

あとの4項目に関しては後天的な才能になりますが、

“声” だけはもう生まれもっての賜物ですからね。

正統的なカッコイイ声を持つラッパーでいえば

前回紹介した LL COOl J FREDDIE FOXXX

RAKIMLUDACRIS2 PAC などが挙げられると思います。

声のオトコマエってまさに彼らのコトを指しているのですが、

もちろんここに E-40 も加えられると僕は考えています。

そして彼の複雑なライム・デリバリーとそのスキルの高さにも

圧倒的な存在感を感じずにはいられません。

彼はその存在感から

TOO $HORT と共にベイ・エリアの顔として

全米にその名を轟かしていますが、

本作は彼の全米規模の活躍を更に裏打ちしています。

というのも、

全20曲中の3分の1以上にあたる8曲を

なんと CRUNK の帝王 LIL JON が手掛けているのです。

作品の表ジャケットにも

“THE KING OF CRUNK & BME RECORDINGS PRESENT”

とあるように、

作品の全体的な構成は

CRUNK作品寄りの楽曲で占められています。

これが速射的なラップを得意とする E-40 と

バツグンの相性を見せています。

 

フレキシブルなビートにベイ・エリア賛歌をのせた①から

LIL JON 製作のドラム・ラインとベース・ラインが重く硬い印象の

CRUNK丸出し曲②、③で本作は幕開けします。

②、③に客演する KEAK DA SNEAK のフロウが

垢抜けていない DAVID BANNER みたいで、

CRUNKのビートによくハマっています。

もたつくような遅めのBPM曲を倍速でラップする⑧は

正に圧巻と言うべき代物で、

E-40 のスキルの圧倒的な高さがこの曲に溢れ返っています。

実にシンプルなドラム・ベース・ラインにフックが映える⑪は

LIL JON 製作曲で、

客演に U.G.K. の二人と JUELZ SANTANA が参加。

東西南の役者が揃ってそれぞれのCRUNKのビート解釈を

披露してくれているというのがオモシロイ。

この中で、実はCRUNKお膝元の南部代表の U.G.K.

一番ノーマルなスタイルだというのが笑えるのですけど。。。

ホラー・コア系の⑭も LIL JON が製作担当。

客演には MIKE JONES が参加していますが、

いつもは客演先で主役を喰う活躍を見せている MIKE JONES

E-40 の存在感の前ではいつもよりおとなしく聴こえてしまいます。

⑮ではベイ・エリアで2トップを組む TOO $HORT が参加。

この二人は対照的な声をしていますね。

西海岸的なビートは⑰になって

ようやく耳にすることができるのですが、

楽曲製作とファルセットで歌い上げるフックを担当する BOSKO には

今後の活躍が大いに期待できそうです。

引き続き、メロディアスでこれも西海岸的な楽曲の⑱は

実はこれも LIL JON 製作曲になり、

彼の仕事の幅の一端を窺わせています。

⑲のゲストは 8 BALLBUN B

サウスの伝説的なラップ・デュオの2組、

8 BALL & M.J.G.U.G.K. から迎え、

LIL JON のビートでラップする E-40

外様なんだけど堂に入った立ち位置がなんとも素敵です。

そして本作の幕引きとなる⑳にて

作品中唯一のメロウなオケが何かと際立っています。

これも BOSKO 製作。

BOSKOE-40 の相性の良さは正に完璧!

 

本作は E-40 とCRUNKミュージックの

均衡した交錯具合を緊張感をもって伝える秀作です。

特にCRUNKの特徴的なドラム・ベース・ラインに絡まる

E-40 の巻き付くような語感のライミングは非常に映えていて、

彼のラップの魅力を十二分に引き立てています。

しかし、作品後半で見せる BOSKO 製作楽曲で見せる

西海岸的なビートと E-40 の相性の良さは

これはもう疑いようもなく、

改めて彼がベイ・エリア、ウエスト・コーストの

最重要人物であることを再認識する機会にもなりました。

願わくは、彼にはその素晴らしいラップの才能をさらに活かして、

CRUNKだけに留まらない、

KANYE WESTJUST BLAZE

SWIZZ BEATZTHE NEPTUNESTIMBALAND らとの

更なる全米的なコラボレーションを期待したいです。

 

オススメ度 7.8 

(ラップ:1.9 トラック:1.5 キャラ:1.5 話題性:1.4 構成:1.5) 

 

 

ちなみに、本作とは関係ないですが、

今回のブログのタイトルと冒頭文にある

“エエ声~♪” のお笑い芸人って

誰のことかわかる人いますかね?

正解は・・・・・

・・・・・

・・・・

・・・

吉本の 岡ケンタ・ユウタ 岡ケンタなんですけど。。。

 

 

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