無料ブログはココログ

リンク

« 立ち読みで過ごす午後 2 | トップページ | T.I. は KING ? »

2006年4月20日 (木)

究極のカリズマ

一昨日の夜だったか、

深夜に放送されてた映画を録画してたので

それを見ました。

「アリ/栄光への軌跡」 (元題 「Ali : An American Hero」)

という映画で、

その題名からもわかるように、

アメリカの伝説的なボクサー、

モハメド・アリ (MUHAMMAD ALI)

半生を描いた作品になります。

彼を描いた作品では WILL SMITH が主演した 「ALI」

記憶に新しく有名ですが、

個人的な感想からすれば、

どちらも少し迫力に欠ける気がします。

今回見た作品は、

青年 カシアス・クレイ (CASSIUS CLAY) のボクサーとしての成長を

チャンピオンに至るまで駆け足でなぞり、

マルコム・X (MALCOLM X) との接触から改名へ至る

ムスリムとの関係が平行して語られています。

ベトナム戦争への徴兵を拒否することで

チャンピオンの座を剥奪されながら、

自身の声をマスコミを使い主張する彼の姿が

この映画のハイライトとなっていて、

ジョージ・フォアマン (GEORGE FOREMAN) との

コンゴ首都キンシャサで行なわれたタイトル・マッチにより

下馬評を覆す奇跡的な王座奪還劇はあまりにも有名であるが、

そこでこの映画は幕を閉じている。

 

先にも書いたように、

この映画、どうも迫力に欠ける。

それは アリ の人生の波乱にスポットを当てた構成から

ボクシングの試合の模様があまりにそっけなく、

味気ないのである。

2時間弱の時間枠に捉われた作品構成の功罪とでも言おうか。。。

 

で、今回書きたかったのは、

実は映画のことではなく

(だとすすれば、あまりに長い前置きになってしまうのだが) 、

モハメド・アリ について書かれた書籍を紹介したかったのです。

「モハメド・アリ その闘いのすべて」

30878278  

 

 

 

 

著者は デイビッド・レムニック (DAVID REMNICK)

この本がかなり素晴らしい出来映えに仕上がっている。

この作品では アリ が初めて王座を制するに際して、

その周囲にいた人物たち

(例えば、アリ のトレーナーや関係者、彼を追う新聞記者たち) の

赤裸々なインタビューが数多く取り入れられ、

アリ と彼を取り巻く社会とが熱狂の坩堝に突入していく様を

迫真に迫った文章で読ませていきます。

特に ソニー・リストン(SONNY LISTON) との

タイトル・マッチに関するくだりは

そのダイナミズムたるや、

リアル・タイムで経験していない僕にでも

当時の熱狂を余すことなく伝えてくる程です。

 

これまでたくさんのノン・フィクション作品を読んできてますが、

この作品ほど人物が生き生きと描かれ、

且つエンターテイメント性に優れた著作は

なかなか日本ではお目にかかれないと思います。

まあ、それもそのハズ。

この作品の著者 デイビッド・レムニック

ジャーナリズムの栄誉でもある

ピュリッツァー賞” を受賞している作家なのです。

彼は元々、雑誌 「THE NEW YORKER」 の編集者で、

「WASHINGTON POST」 紙の記者でもありました。

最近、アメリカのジャーナリズム論についての本を

何冊か読んだのですが、

向こうのその世界では日本のジャーナリズム界とは

決定的に異なる部分があります。

それは、

アメリカでは各新聞社の名前と同じくらい記者の名前が表に立って

ニュースを報道しているという点にあります。

抱える記者の名前によって

新聞の売り上げが変わってくることもあるくらいだとか。

それは偏に、広大な国土からなる地方分権による制度や

移民社会から成り立つ多民族国家として

アメリカに根付いたコミュニティーが幾多の方向性を含んでいる、

その表れとして育まれた結果だとされています。

つまりアメリカ・ジャーナリズム界では

各マス・メディア社はもちろんのこと、

編集者、記者の一人ひとりに至るまで

論調がそれぞれ大きく異なり、

しかもその違いを色濃くすることによって

それぞれの観点の違いを明確化し、

論調の区別化を図っているということです。

日本の新聞業界をみると

全国紙が通例とされている業界の中で

各新聞社とも扱うトピックスに大きな差異はなく、

多少、論調の差異はあれ、

それほど大きな区別化がされてはいないとみなされている。

増して、編集者や記者の名前が

新聞社の看板を超えて表立つということは

ほとんどないというのがその現状である。

。。。。。

話が大きく逸れてきたので元に戻すと、

要は、言いたかったのは、

アメリカのそういうジャーナリズムのシステムが

多くの優れた物書きを生み出しているという事実についてです。

アメリカに伝記映画やノン・フィクション映画や

ドキュメンタリー映画が多く、

またそれが持て囃されているのは

偏にそういったジャーナリズムの背景があるからだ。

その最たる作家、及び作品として

デイビッド・レムニック と彼の書いた本作を

僕はぜひお勧めしたいと思います。

 

実はこの作品、

数年前に一度読んだだけのものなのですが、

そのクオリティーのインパクトがあまりに鮮烈に過ぎて、

その後目にする アリ 関連の映像作品が

どうしても物足りなく感じてしまうのは

その為ではないかと自己分析しています。

とにかく、

モハメド・アリ に関して言えば、

1960年代から‘70年代にかけて

ベトナム戦争や黒人解放運動といったアメリカ社会背景上、

欠かすことのできない歴史的最重要人物であり、

特に南部出身の彼が辿った人種偏見との戦いは

HIP HOP的見地から見ても

非常に関連深い人物でもあるので、

ぜひチェックしてみられてはと思います。 

彼ほど美しい肉体を以って大衆を魅了し、

雄弁に物語って社会に一大旋風を巻き起こした人物は

存在しないでしょう。

まさにカリズマの中のカリズマ! 

 

ちなみに、

アリ の栄光の軌跡を辿った写真集

数年前に発売されたそうですが、

重量:34kg、大きさ:50x50センチ (広げると幅1メートルほど)、

総ページ数:800ページ になるというその写真集、

値段がなんと 45万円 (しかも税別) !!

す、すごい。。。

さらに特注 “チャンプ・エディション” は

150万円!!!!

・・・まじっすか?!

 

さすがチャンプ。。。

参りました!

 

日本への入荷は50冊 (高い方は5冊) 限定なんだって。。。

買った人いるのかな?

超プレミアモノです。

 

1031_muhammad_ali (写真集とは関係ありませんが、

 この写真は僕が一番好きな

 アリ の写真で、

 リストン 戦のモノです)

 

« 立ち読みで過ごす午後 2 | トップページ | T.I. は KING ? »

コメント

>となりのおばちゃん さん
コメントくださりアリガトウございます。
そう言っていただけると僕も嬉しいです。
今後ともご贔屓にしてやってください。

文章すごくじょうずですねえ。

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 究極のカリズマ:

« 立ち読みで過ごす午後 2 | トップページ | T.I. は KING ? »

最近のトラックバック

2018年10月
  1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30 31