2011年、この12月に新譜を一気に17枚買った。
正確には、新譜じゃないものも混ざってるが。
とにかくその内、半分に近い数字の割合で、
プラスチックケースの通常のCDパッケージに対して、
紙パッケージだったというのが、
今の世の中の不況を雄弁に物語っている。
要は、インディー商品の割合が高いってことでもあるんだけど。。。
今、よく聴くのは、J. Cole と Common の新譜。
Common のは久々に気合が入っていて、
ハードで、カッコイイです。
やればできるじゃん、Common。
「Like water.....」 以来、
久々に彼を見直しました。
Still G-Funk Era!
R.I.P. Nate Dogg!!!
Smokin' Every Day!
Rest In Peace!
N.Y. は最高!
Brooklyn は最強!!
Bedford-Stuyvesant にピースを!!!!
PennからKingstoneへ、
Fultonを我が物顔で闊歩。
Manhattanは快晴。
BronxのタグもQueensのポリも
ヤサグレ具合は半端ないね。
Flyなカノジョも、
Hightなカノジョも、
ここN.Y.C.にあっての原動力はすべて同じ。
つまりベクトルはアッチ向いてる。
わかるか?
Biggie にピースを!!
R.I.P.!
R.I.P. GURU.
DR. DRE 「DETOX L.P.」 と並んで、
作品リリースに関し、
ここ数年出るやら出ないやら、
そんな噂が実しやかにささやかれ続けていた
Q-TIP の新作。
両作品共に既に都市伝説の領域にまで達しかねない勢いだったが、
この度、Q-TIP の実に9年ぶりの2NDソロ作として、
「THE RENAISSANCE」 がようやく発表された。
楽曲製作に関し、
全12曲中、9曲を自身が手掛けている本作。
かつてプロデューサーとして
最先端の位置を走っていた Q-TIP だけに、
その作品に対する業界人の注目度は
非常に高いものだと予想されるのですが、
実際、蓋を開けてみると、
機を逃した感が否めないというのが正直な僕の感想です。
作品自体、決して悪い出来ではないのですが、
それは先程にも書いた、
音職人としての彼を “時代の最先端” を
僕が意識し、期待した上での、
新作に対する評価に表れたものである。
鳴り物入りでシーンに登場し、
強烈なインパクトを与えた YOUNG JEEZY も
新作 「THE RECESSION」 で気付けば早3作目となる。
個人的な感想としては、
毎作、楽曲単位で強烈なインパクトを受けるかというと、
そうでもないのに、
作品としての完成度の高さに舌を巻く思いだった
YOUNG JEEZY だったのだが、
今作も果たして、そのクオリティーは非常に高く、
彼の勢いの衰えを全くに見せない。
楽曲製作には DJ TOOMP 、MIDNIGHT BLACK 、
DRUMMA BOY 、SHAWTY REDD 、DON CANNON 、
それに J.U.S.T.I.C.E. と、
昨今の南部メジャーシーンに必ずと言ってよい程、
名を連ねているメンツが揃っている。
それこそ上記の製作陣は、
前回にも紹介した LIL WAYNE や T.I. の作品にも
当然のごとくその名を連ねている。
正に現在シーンにおけるトップのヒットメーカーを抱え込み、
大量消費社会に対し
大量消費を要求するような形の作品とも捉えられるのだが、
そういった意味で
オリジナリティーが損なわれているのかというと、
そうではないのだから面白い。
楽曲的に言えば、
作品として総体的に捉えどころのないオリジナリティーがあって、
それはむしろ LIL WAYNE や T.I. の新作と比較しても、
確固たる個性として顕れているように感じられる。
その点について更に言及するなら、
今回の主役、YOUNG JEEZY を筆頭に、
マイアミの RICK RO$$ 、ヒューストンの CHAMILLIONAIRE 、
この三者の作品に主立って見られる、
“FOOK と VERSE の融合” にこそ、
現在のシーンにおける新しいスタイルが
提唱されているのではないかと僕は捉えている。
語尾に粘り付くような引っ掛かりを持たせる、
独特のフロウを展開する YOUNG JEEZY は、
FOOKとVERSEの境目を超越した独特のグルーヴを確立し、
一聴して彼の存在を際立たせる。
三作目ともなるもうお馴染みのこのスタイルは、
未だ色褪せることを知らず、
フレッシュなインパクトを本作でも与え続けている。
行軍マーチのような勇ましい様相を称えた③や、
協奏曲を髣髴とさせるような④、
レクイエムを想起させる⑦など、
作品前半はゲストを配せず自身の味を存分に発揮している。
病的なまでに粘り気のある YOUNG JEEZY のラップは、
まず⑧で一度目の沸点を迎える。
針の振れ切れたかのようなアッパーな⑩、
PVカットされている妙味に溢れた⑫を経て、
ようやく⑬あたりからゲスト参加曲が並び始める。
⑬の ANTHONY HAMILTON と LIL BOOSIE 、
⑭のTREY SONGZ 、
⑯の KANYE WEST 、
⑱の NAS と、
実に抜け目ない人選が本作のクオリティーを代弁している。
個人的なお勧め曲は、
③、⑫、⑯が非常にタイトにまとまっていてカッコイイ。
本作に限らず、
YOUNG JEEZY の作品はこれまで、
知らぬ間に耳を惹き付けられてしまうという
彼特有のマジックに魅了されてきた。
本作も違わぬ出来栄えに大満足で、
聴けば聴くほど味の深みに驚かされる作品である。
オススメ度 8.5
(ラップ:1.6 トラック:1.8 キャラ:1.7 話題性:1.6 構成:1.8)
毎年恒例の年末リリース・ラッシュを前に、
こう言い切るのもナニですが、
2008年最大の注目作だったのは、
LIL WAYNE 「THE CARTER Ⅲ」 と、
T.I. 「PAPER TRAIL」 の、
この2作に間違いありません。
この二人の同調するような、
それでいて相対的な新作の爆発具合に対して、
今回はレポートしていくことにしましょう。
まず、LIL WAYNE について。
前作 「THE CARTER Ⅱ」 での予想以上の仕上がりの良さには、
何と言っても CASH MONEY の主軸でもあった
MANNIE FRESH のレーベル脱退に伴う影響が、
好転した形で顕れた賜物だと言えます。
その成功で一気に勢いを加速した LIL WAYNE は、
それから新作 「THE CARTER Ⅲ」 を発表するまでの約3年間、
絶えず表舞台に立ち、
現在の客演王としての地位も不動のものにしました。
そうしたアプローチを踏まえた上での新作は、
ファンの期待をいやが上にも高めつつ、
充分な話題性を以ってドロップされた、
正にヒット間違いなしの作品となりました。
これでもか?!ってなくらい、
人気プロデューサーとゲスト・ラッパーを集結させ、
様々なタイプの楽曲を取り揃えた本作は、
正にヒットの法則に忠実に従って製作されています。
しかし、
ローカルに収束されない全方位的な楽曲群のアプローチは、
逆に言えば、リアリズムの欠如した
面白みに欠けるようにも感じてしまいます。
例えば、“CARTER” 繋がりでゲストに招いた JAY-Z との②は、
ゴージャスではあるけれども、
凡庸の域を脱し切れていないし、
KANYE 製作、BABYFACE をゲストに招いた⑤も、
売れ線を意識し過ぎているあざとさが
どうしても耳に引っ掛かってしまう。
企画モノとしての SWIZZ 製作の⑥は、
ネタとしては面白いのだが、
インパクトに欠けるというのが正直なところだ。
COOL & DRE 製作の⑦もインパクトに欠ける。
それに比べると、
ROBIN THICKE 参加の⑧と、
BOBBY VALENTINO 参加の⑨の
アコースティック感の溢れるメロディアスな楽曲は、
さすがに LIL WAYNE の味が充分に堪能できる。
僕自身の個人的な印象としては、
LIL WAYNE の妙味はこういった
ドラスティックでストレートな楽曲にこそ
映えるのではないかと思う。
いかにもシングル売れ線を狙った⑫は、
僕にとってはあまり面白みがない。
DAVID BANNER 楽曲製作、BUSTA がゲスト参加した
続く⑬はさすがにインパクトがあるけれど。。。
総体的に言えば、
僕個人としては彼の前作のインパクトがあまりに強かったので、
それだけに期待に沿うだけの作品とは言い難い、
というのが本作に対する正直な感想です。
なんか、詰め込みすぎで結局、聴き終わった後、
楽曲の印象が残らないのです。
非常に残念だけど、
LIL WAYNE が世界的に認められたという見地から言えば、
彼の成功に拍手を贈りたいです。
さて、そんな LIL WAYNE のヒットに負けず劣らずなのが、
T.I. の 「PAPER TRAIL」 です。
本作から多数シングル・カットされた楽曲は、
それぞれチャートを席巻しまくり、
そのどれも評価が高いようです。
しかしながらに露出面での話題性において、
LIL WAYNE に水を開けられた感があるのは、
どうしても否めないところでしょう。
司法関係に関するプライベートなイザコザが
彼の飛ぶ鳥落とす勢いに陰を指したというのは
隠しようのない事実です。
しかし、そんな状況下にあってさえ、
T.I. がここまでシーンに大きな影響を与えているというのは、
偏に、彼が本物の実力者にあるという、
その裏返しとも言えるでしょう。
さて、LIL WAYNE 程には大々的に取り沙汰されたワケではない、
T.I. の 「PAPER TRAIL」 ですが、
蓋を開けてみれば、
先程も書いたように、シングルチャートを席巻しています。
DJ TOOMP 製作の①から始まり、
LUDA と彼率いる B.O.B. の参加した④、
JUST BLAZE 製作、RIHANNA をゲストに迎えた⑤、
P.V. が流れまくっていた⑥、
USHER 参加の⑧、
SWIZZ が製作、ゲスト参加している⑩、
KANYE 製作、
JAY-Z 、KANYE 、LIL WAYNEがゲスト参加するという、
鬼のようなポッセカットの⑬、
JOHN LEGEND 参加の⑭、
JUSTIN TIMBERLAKE 参加の⑯と続いていくのだが、
中でもシングルで切られている⑤、⑥、⑬は
非常に強力である。
⑤なんて、O-ZONE の有名楽曲をそのままに使用し、
なんかえげつないコトになってしまっている。
一体、何故 JUST BLAZE ともあろう者が
こんなコトしたのか理解に苦しむね。
それに、鬼の⑬。
今、一番脂ののっている
(JIGGA は本当にアコギなまでに話題に事欠かないなあ。)
この4人のぶつかり合いは、
昔の出てきて間もない、
一番勢いがあった頃の WU の爆発具合を髣髴させる。
こんな具合だから、
作品全体としての印象には確かにまとまりを感じないのだけど、
とにかくイカツイ強力な楽曲のインパクトに、
耳を奪われる気がする。
両作とも、絶対的なヒットを狙いまくっての
バラエティーに富んだ作風という点において、
非常に近しい印象を受けるが、
個人的には、
LIL WAYNE のソレより、
T.I. の方が実に計算された上手さを感じてしまう。
仕上がりも T.I. の方が良い。
そんなワケで、今回の比較は、
T.I. の勝ち。
オススメ度 8.7
(ラップ:1.8 トラック:1.6 キャラ:1.9 話題性:2.0 構成:1.4)
オススメ度 8.9
(ラップ:1.7 トラック:1.8 キャラ:1.8 話題性:2.0 構成:1.6)
今日は最新作というのではないが、
今年の5月にドロップされた作品について書こう。
KIDZ IN THE HALL の通算2作目となる、
ハッキリ言って、この作品を手に取る以前に、
僕自身は彼らに対しての何の予備知識もなかった。
購入したのはドロップされてから少し時間の経った
7月末か、8月頭で、
それだって偶然とまでは言わないが、
どこかのメディアで少しジャケットが目に留まったから、
その程度の理由で購入したに過ぎない。
しかしながら、
後手後手の知識で申し訳ないが、
その作品の素晴らしさに清々しい感動を覚え、
色々調べてみると、
流石というべきか、
そのクオリティーの高さにも充分頷けるような
実力の裏付けがあったのだから、
ここでぜひ紹介しておかないテはない、
そう思ったのだ。
さて、前置きが長くなったが、
彼らの経歴を簡単に説明しておくと、
MCの NALEDGE とMC兼プロデュースを担当する DOUBLE-O の
二人からなるこのデュオは、
ペンシルバニア大のタレント・ショウでお互い出会い、
そのまま活動を共にするようになったという。
その後、ようやくのデビュー作を、
何と2006年に RAWKUS からドロップしているというのだから、
この経歴だけを見ても、
通には垂涎モノと言わざるを得ない。
僕は先ほども述べたとーり、
彼らに対しては勉強不足だったので、
その RAWKUS からの彼らのデビュー作を、
未だ未聴のままにある。
さて、そんな彼らが2作目の土壌に選んだのが、
これまた通好みの DUCK DOWN なのだから、
EARLY 90’sを啓蒙するHIP HOPファンには、
もちろんたまらない仕上がりになっていることは請け合いだ。
DACK DOWN といえば、
BOOT CAMP CLICK 中心のレーベルとして、
最近では B-REAL や KRS などが契約したことでも有名な、
KOCH とディストリビュートを結ぶ、
現在最も勢いのあるインディー・レーベルで名を馳せている。
決して少なくはないであろうEARLY 90’sを啓蒙するファンには、
現在“最もハズレの少ない”レーベルといっても
差し支えないのではないだろうか。
そんなワケで、本作がココまでの説明からも分かるように、
僕の嗜好にとって悪かろうハズはないのである。
まず、その特徴とも言うべきは、
BLACK MILK なるプロデューサーが手掛ける⑨以外、
全14曲中13曲を DOBLE-O が手掛けているのだが、
昨今の作品には珍しいくらい、
サンプリングにこだわった作品である。
しかも当世の流儀に倣った作風は、
冒頭の①から非情に懐かしい色味を添えて進んでいく。
音質がクリアな方向性に突き進んでいる
現在のメジャー・シーンにあっては、
回顧主義的とも言える程に、
くぐもり煙るヴァイナル志向の点にまず一番に耳を惹かれる。
サンプリングに関する著作権の問題が
このシーンに大きく影響を及ぼし始めて以降、
最もHIP HOPがオリジナルの輝きを放っていた
あの時代のあの興奮は、
この音楽から失われていくのを肌に強く感じていたものだ。
しかし、本作内に垣間見えるマナーに対し、
失われて久しいHIP HOPの生々しい興奮を
焚き付けられる思いがする。
CAMP LO を迎えた⑤や、
前述、唯一 BLACK MILK が楽曲製作する⑨、
STONES THROW に在籍する
GUILTY SIMPSON の参加する⑩など。
音の深みは今挙げた楽曲が中でも飛ぶ抜けている。
唯、全てが全ての楽曲で、
EARY 90’sの影が見られるかというと、
その一辺倒ではないという点に物足りなさを感じなくもない。
ゲスト陣の人選に関しては、
先に挙げた⑤の CAMP LO 、
⑩の GUILTY SIMPSON を筆頭に、
LITTLE BROTHER の PHONTE が②に、
③には MASTA ACE 、
⑫には BUCKSHOT が、
更にボーナス・トラックの⑭には
CLIPSE の PUSHA T と BUN B が参加していて、
BUN B 以外、
良い言い方をすれば、実にシブい、
悪く言えば、よくもこんな二流どころばかりを、
集めたものだなあ、、、と感心させられる。
狙いどころは決して間違っていない作品だ。
インディー色が強いにも拘らず、
評判は上々だったのだから、
その点を鑑みても、
現在っ子のリスナーだって、
そしてやっぱりEARY 90’sファンの皆も、
こういう音の作品を少なからず待ち望んでいたという、
その証明に当たるのではないかと思われる。
そういった意味において、
多少ギミックに塗れてはいるが、
本作は高水準のクオリティーを兼ね備えた、
プッシュするに足るだけの実力を
秘めた作品と呼べるであろう。
オススメ度 7.7
(ラップ:1.4 トラック:1.8 キャラ:1.4 話題性:1.5 構成:1.6)
日 | 月 | 火 | 水 | 木 | 金 | 土 |
---|---|---|---|---|---|---|
1 | ||||||
2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 |
9 | 10 | 11 | 12 | 13 | 14 | 15 |
16 | 17 | 18 | 19 | 20 | 21 | 22 |
23 | 24 | 25 | 26 | 27 | 28 | 29 |
30 | 31 |
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